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【2026年最新版】省エネ補助金(設備単位型)を徹底解説|補助率・対象設備・申請手順をやさしく説明

目次

工場・事業場の冷凍機・ボイラ・コンプレッサ、工作機械や印刷機械といった生産設備の更新に、省エネ補助金(設備単位型)は活用できるのか。本記事では、認定支援機関として補助金申請を多数支援してきた知見をもとに、令和7年度補正予算「省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」の2次公募について、事業区分ごとの補助率・上限額、申請要件、審査の仕組み、申請の流れ、提出書類、よくある不採択パターンと回避策まで網羅的に解説します。

▼ この記事の結論
省エネ補助金(設備単位型)は、SIIが公表した「指定設備」への更新が中心の制度です。最新機種への更新だけで申請要件(計画省エネルギー率10%以上、または計画省エネルギー量1kl以上、または経費当たり計画省エネルギー量1kl/千万円以上のいずれか)を満たすケースが多く、設備1台単位から申請できるのが特徴です。2次公募の交付申請の締切は2026年7月9日(木)17時必着で、公募期間は約1ヶ月と短いため、早めの準備が鍵になります。

省エネ補助金(設備単位型)とは — 制度の全体像

省エネ補助金(設備単位型)の正式名称は「令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」で、一般社団法人環境共創イニシアチブ(以下「SII」)が代表幹事として、大日本印刷株式会社(以下「DNP」)との「共同事業体」として執行する補助金です。補助金の交付申請に関する手続きは、代表幹事であるSIIが行います。

本事業の目的は、省エネルギー性能の高いユーティリティ設備・生産設備等への更新・新設や、計測・見える化・制御を担うエネルギーマネジメントシステムの導入によって、各分野の省エネルギー化を推進することにあります。あわせて、GX要件にコミットするメーカーが製造する設備については、GX経済移行債を原資とした予算で、上限額等を増額したうえで支援する仕組みが設けられています。

「省エネ補助金」という名称から「最先端の超高効率機でないと対象にならない」と誤解されがちですが、実際には、導入から年数の経過した古い設備をSIIの指定設備(最新機種)に更新するだけで申請要件を満たすケースが多くあります。機械自体が以前よりシンプルに効率よく動くよう進化しているためです。

省エネ補助金(設備単位型)で補助対象となる事業区分

エネルギー管理を一体で行っている工場・事業場等(以下「事業所」)において実施する、以下の事業区分に該当するものが補助対象事業となります。

  • (Ⅲ)設備単位型[従来枠](更新):SIIがあらかじめ定めたエネルギー消費効率等の基準を満たし、SIIが公表した補助対象設備(指定設備)へ更新する事業。
  • (Ⅲ)GX設備単位型[メーカー強化枠](更新):GX要件を満たしたメーカーが製造する指定設備へ更新する事業。
  • (Ⅲ)GX設備単位型[トップ性能枠](更新):GX要件を満たしたメーカーの設備のうち、第三者委員会が定めたトップ性能基準を満たす設備(トップ性能設備)を導入する事業。
  • (Ⅲ)GX設備単位型[トップ性能枠](新設):新たに事業活動を開始する新設の事業所、または既存の事業所にトップ性能設備を新設する事業。
  • (Ⅱ)電化・脱炭素燃転型(更新/改造):化石燃料から電気への転換や、より低炭素な燃料への転換等、電化や脱炭素目的の燃料転換を伴う指定設備へ更新等する事業。既存設備を水素燃焼可能な設備に改造する事業も対象。
  • (Ⅱ)電化・脱炭素燃転型(新設):新設の事業所等に水素燃料を活用可能な設備を新設する事業。
  • (Ⅲ)または(Ⅱ)+(Ⅳ)エネルギー需要最適化型:上記に加えて、SIIが採択・公表したエネマネ事業者からEMS機器を導入し、EMS活用計画の作成・成果公表を行う事業。

なお、(Ⅳ)エネルギー需要最適化型を単独で実施する事業は設備単位型の対象外で、別制度「省エネ・非化石転換補助金(工場・事業場型)」で申請することになります。また、事業活動に供していない設備の更新、専ら居住を目的とした事業所での設備更新・新設、売電を目的とする発電設備の導入などは対象外です。

省エネ補助金(設備単位型)の補助対象設備 — 指定設備15区分とトップ性能設備

(Ⅲ)設備単位型/(Ⅲ)GX設備単位型の補助対象設備(指定設備)は、SIIが基準を定めて公表したもので、以下の15区分に分かれます。①〜⑩がユーティリティ設備、⑪〜⑮が生産設備です。

① 高効率空調(業務・産業用エアコン等)/② 産業ヒートポンプ/③ 業務用給湯器/④ 高性能ボイラ/⑤ 高効率コージェネレーション/⑥ 低炭素工業炉/⑦ 変圧器/⑧ 冷凍冷蔵設備/⑨ 産業用モータ/⑩ 制御機能付きLED照明器具/⑪ 工作機械/⑫ プラスチック加工機械/⑬ プレス機械/⑭ 印刷機械/⑮ ダイカストマシン

このほか、①〜⑮に該当しない「その他SIIが認めた高性能な設備」として指定された設備も対象です。SIIが登録・公表した指定設備は、事業ページ(https://sii.or.jp/setsubi07r/)の「『指定設備』の補助対象設備一覧」で型番検索できます。

補助対象設備には共通の要件があり、現在使用している設備を補助対象設備へ更新して省エネルギー化を図ること、更新前後で使用用途が同じであること、兼用・将来用・予備設備でないこと、中古品でないこと、法令上の安全基準等を満たすこと、などが求められます。導入予定設備の性能が既存設備より低く省エネ化を図れない更新は対象になりません。なお、低炭素工業炉および圧縮機(コンプレッサ)を除く産業用モータ(モータ単体、ポンプ、送風機)は、原則として製品型番を事前公表しないため、申請者自らが基準を満たしているかを確認のうえ申請する必要があります。

トップ性能枠で対象となる「トップ性能設備」は、従来の省エネ水準を大幅に上回る高効率機で、高効率空調(クラウドAI制御つき)、産業ヒートポンプ(熱風・蒸気発生・MVR型蒸発装置)、高性能ボイラ(台数制御装置つき)、低炭素工業炉(高効率バーナー搭載)、IE4以上の産業用モータ、熱回収機能つき圧縮機などが該当します。

事業区分ごとの補助率・上限額・申請要件

以下、各事業区分を順に解説します。補助率・上限額・スケジュールは令和7年度補正 2次公募時点の数値です。最新の公募要領はSIIホームページ(https://www.sii.or.jp/)でご確認ください。

(Ⅲ)設備単位型[従来枠]

最も活用されている基本の区分です。SIIが定めたエネルギー消費効率等の基準を満たし、SIIが公表した指定設備への更新が対象で、申請のハードルが比較的低いのが特徴です。

補助率は1/3以内で、中小企業者等・大企業ともに共通です(設備単位型は企業規模を問わず同一補助率)。補助金額の上限は1億円/事業全体、下限は30万円/事業全体です。補助対象経費は「設備費」のみで、設計費・工事費・据付費は対象外です。

申請要件は、原油換算量ベースで次のいずれかを満たすことです。①計画省エネルギー率10%以上、②計画省エネルギー量1kl以上、③経費当たり計画省エネルギー量1kl/千万円以上。加えて、省エネ法に基づく定期報告義務がない事業者(特定事業者等以外)は、SII指定様式のエネルギー合理化に関する中長期計画書の提出が必須です。

(Ⅲ)GX設備単位型[メーカー強化枠]

[従来枠]と同じ指定設備区分が対象ですが、導入する設備が「GX要件を満たしたメーカー」が製造する指定設備である場合は、メーカー強化枠としても申請できます。補助率は1/3以内で従来枠と同じですが、補助金額の上限が3億円/事業全体まで引き上げられます(下限30万円は共通)。

GX要件を満たすメーカーかどうかは、事業ページの「GX要件を満たしたメーカー 一覧」で確認します。指定設備を導入する場合、従来枠とメーカー強化枠は同じ補助事業ポータルから受け付けられますが、同一事業に重複して交付決定を受けることはできません。複数設備を導入してメーカー強化枠で申請する場合は、すべての導入予定設備のメーカーが一覧に該当している必要があります。なお、GX要件メーカーの設備を導入する事業は従来枠の要件も満たすため、従来枠として申請することも可能です。

(Ⅲ)GX設備単位型[トップ性能枠](更新/新設)

第三者委員会が定めたトップ性能基準を満たすトップ性能設備を導入する区分です。更新事業の補助率は1/2以内、新設事業は1/5以内で、いずれも上限3億円/事業全体・下限30万円です。

トップ性能設備に該当するかは、「『指定設備』の補助対象設備一覧」で型番を検索し、「トップ性能枠」の欄に「○」があるかで確認します。新設事業は既存のエネルギー使用量が生じていないため、申請時に計画省エネルギー量等の省エネルギー要件は課されず、交付決定後のSIIによる稼働状況等の調査を踏まえて省エネ効果が算出されます。なお、高効率空調のAI制御や高性能ボイラの台数制御装置については、交付申請時の効果算出は任意とし、成果報告時に設備本体の効果と切り分けて報告します。

(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型(更新・改造/新設)

化石燃料から電気への転換や、より低炭素な燃料への転換を伴う指定設備への更新等、または既存設備の水素燃焼対応への改造を支援する区分です。対象となる指定設備区分は、産業ヒートポンプ・業務用ヒートポンプ給湯器・高性能ボイラ・高効率コージェネレーション・低炭素工業炉などで、GX要件メーカーの設備である必要はありません。なお、温水・熱等を供給するもののうち低温域(一般的なヒートポンプで対応可能な温度領域)については、電化のみが対象です。

更新・改造事業の補助率は中小企業者等・大企業ともに1/2以内、補助金額の上限は3億円/事業全体(電化を伴う場合は5億円/事業全体)です。新設事業は補助率1/5以内、上限3億円となります。補助対象経費は設備費が中心で、工事費は中小企業者等が実施する事業、または水素燃料の利用を目的に既存設備を改造する事業に限り対象です(電化・燃料転換では付帯設備も設備費の対象)。水素を燃料として使用することを前提とする場合は、専焼または10%以上(体積比)の混焼が可能な設備が対象です。

(Ⅳ)エネルギー需要最適化型

SIIが採択・公表したエネマネ事業者からEMS機器(エネルギーマネジメントシステム)を導入し、計測・見える化・制御で省エネを実現する区分です。設備単位型の公募要領では(Ⅳ)を単独で申請することはできず、必ず(Ⅲ)設備単位型/(Ⅲ)GX設備単位型または(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型と組み合わせて申請します。

補助率は中小企業者等1/2以内、大企業1/3以内、上限は1億円/事業全体です。補助対象経費は設計費・設備費・工事費が対象です。申請にあたってはエネマネ事業者との契約(エネルギー管理支援サービス契約)が前提となります。組み合わせ申請の場合、事業全体の補助金上限額は各区分それぞれの上限額の合計になります。

令和7年度補正予算「省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」の概要パンフレット

補助率・上限額の早見表

事業区分区分補助率(中小・大企業)補助金上限下限
(Ⅲ)設備単位型 従来枠更新1/3以内1億円/事業全体30万円
(Ⅲ)GX設備単位型 メーカー強化枠更新1/3以内3億円/事業全体30万円
(Ⅲ)GX設備単位型 トップ性能枠更新1/2以内3億円/事業全体30万円
(Ⅲ)GX設備単位型 トップ性能枠新設1/5以内3億円/事業全体30万円
(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型更新・改造1/2以内3億円(電化は5億円)/事業全体30万円
(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型新設1/5以内3億円/事業全体30万円
(Ⅳ)エネルギー需要最適化型 ※組合せ申請中小1/2以内・大企業1/3以内1億円/事業全体

ご検討中の設備が対象になるかは以下のお問い合わせからご相談ください。

省エネ補助金(設備単位型)の補助対象事業者の要件

省エネ補助金(設備単位型)の交付申請をする者は、以下の要件を全て満たす必要があります。主な要件は次のとおりです。

  • 国内において事業活動を営んでいる法人および個人事業主であること。
  • 年間のエネルギー使用量が原油換算1,500kl以上である事業者(特定事業者等)は、省エネ法に基づき中長期計画書および定期報告書を提出していること(申請時に「定期報告書の特定第1表」の写しを提出)。
  • 大企業については、省エネ法の事業者クラス分け評価制度で『Sクラス』に該当する、『Aクラス』として所定の表を提出する、または中長期計画書のベンチマーク指標見込みが目標値を達成する、のいずれかを満たす場合のみ補助対象事業者となる。
  • 個人事業主は青色申告者であること。
  • 本事業を実施するために必要な経営基盤を有し、事業の継続性が認められること(導入する補助対象設備の所有者が直近の年度決算で債務超過の場合は対象外)。
  • 補助対象設備の所有者であり、処分制限期間(法定耐用年数)にわたり継続的に使用する者であること。
  • 経済産業省から補助金交付等停止措置・指名停止措置を受けていないこと、公的資金の交付先として社会通念上適切と認められる者であること、性風俗関連特殊営業を営む事業所でないこと、など。

なお、特定事業者等は、省エネ法に基づく定期報告情報を開示する制度への参加を宣言し、令和8年度公表分の開示シートを公表することが要件となっています。

中小企業者等の定義は中小企業基本法に準じ、製造業・その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5千万円以下または50人以下、サービス業は5千万円以下または100人以下です。資本金または出資金が5億円以上の法人に直接・間接に100%株式を保有される、あるいは直近3年の課税所得の年平均額が15億円超といった「みなし大企業」は中小企業者から除かれます。

申請単位と共同申請・リースの考え方

申請単位は、原則「エネルギー管理を一体で行う事業所単位」です。省エネ法に基づき定期報告書を提出している場合は定期報告書内の事業所単位、提出していない場合は電気・ガス・油等のエネルギー契約を行う事業所単位で申請します。同一敷地内に複数建物があり、エネルギーを一元管理している場合は、敷地内全てが1つの申請単位になります。複数の事業所について申請する場合は、事業所ごとに申請を行います。

導入する補助対象設備の所有者と使用者が異なる場合(リース事業者・ESCO事業者を利用する場合など)や、複数の事業者でエネルギーを一体管理している場合は、関係する全ての事業者による共同申請が原則です。リースを利用する場合は設備使用者とリース事業者等による共同申請とし、リース事業者は1申請につき1社、リース料から補助金相当分が減額されていることを証明できる書類の提示などが要件となります。残価設定付リースや割賦契約と判断される場合は対象外です。また、複数事業者の4以上の事業所で一括して設備更新を行う「バルクリース」の仕組みも、設備単位型の単独申請で利用できます。

補助対象経費・対象外経費

補助対象経費は事業区分によって異なります。(Ⅲ)設備単位型/GX設備単位型は「設備費」のみ、(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型は設備費(工事費は中小企業者等のみ)、(Ⅳ)エネルギー需要最適化型は設計費・設備費・工事費が対象です。補助対象経費は、原則3者以上による価格競争等を実施した結果による最低価格を上限とします。

設備単位型(Ⅲ)で補助対象外となる主な経費は次のとおりです。

  • 設計費(補助事業の実施に要する設計費等)
  • 運搬費(導入設備・除却設備の運搬費等)
  • 撤去費・廃棄費用(既存設備等の撤去・除却・廃棄に要する経費)
  • 据付費・工事費(補助対象設備の設置に要する据付費・工事費)
  • 材料等経費(配線、配管等、補助対象設備以外の材料費)
  • 諸経費・交付決定前に要した経費
  • 消費税および地方消費税

このため、見積書では補助対象経費(設備費)と補助対象外経費(据付費・運搬費・撤去費・工事費等)を明確に分けて記載する必要があります。導入設備の選定にあたっては、見積合計金額ではなく「補助対象経費(設備費)のみ」を3者で比較し、設備費が最安値の見積書に記載された設備を導入設備とするのが、設備単位型のルールです。

省エネルギー量の計算 — 指定計算と独自計算

設備単位型の省エネルギー量算定には「指定計算」と「独自計算」の2つの方法があります。

  • 指定計算:SIIが指定する計算式と標準的な数値テーブル(負荷率等)を用い、製品型番登録された導入予定設備の仕様・能力から省エネ量を計算する方法。補助事業ポータルに稼働時間等を入力すると自動計算されます。手軽な一方、設備区分ごとの一律値になりやすく、実態より小さい値が出るケースもあります。
  • 独自計算:計算式や使用する数値を事業者が独自に設定し、既存設備と導入予定設備のエネルギー消費量を直接比較する方法。手間はかかりますが実態に近い省エネ量を提示でき、結果として「経費当たり省エネ量」というKPIが改善し採択につながりやすくなります。計算過程説明書(計算式と考え方、データの根拠資料)の提出が必要で、第三者にわかる平易な書き方が求められます。「その他SIIが認めた高性能な設備」を導入する場合や非化石エネルギーを含む計算では独自計算を用います。

既存設備の計算期間は、原則として2025年4月〜2026年3月の12ヶ月間が対象です。また、成果報告時に計画値を未達成としないための「裕度(安全率)」の設定が認められており、更新範囲の元々のエネルギー使用量や既存設備の稼働条件の把握状況に応じて、裕度設定・補正計算の可否が決まります。独自計算で消費電力量を実測する場合は、計測器の設置から1ヶ月程度のデータ取得期間が必要なため、公募開始の前から準備を始めることをお勧めします。

省エネ量算定における「指定計算」と「独自計算」の比較

省エネ補助金(設備単位型)の審査の仕組み — 審査項目・評価項目・追加評価

SIIは、SII内に設置した有識者で構成される外部審査委員会の評価を踏まえ、事業区分ごとに総合評価を行い、上位者から予算の範囲内で採択を決定します。交付申請額の合計が予算額を超える場合は、なるべく多くの事業者・事業分野を採択する観点から、絞り込みを行うことがあります。

審査項目(要件確認)

  • 補助対象事業者・補助事業の内容が、交付規程・公募要領の要件を満たしていること。
  • 全体計画(資金調達計画、工事計画等)が適切で、事業遂行の確実性・継続性が十分であること。
  • 補助事業に要する経費が、類似事業の標準価格・参考見積等を参考に適正に算定されていること。

評価項目(設備単位型・GX設備単位型)

  • 計画省エネルギー量
  • 計画省エネルギー率
  • 経費当たり省エネルギー量

このうち、投資額あたりの削減量を示す「経費当たり省エネルギー量(費用対効果)」が特に重要です。最先端の超高効率機を高額で導入するより、適切な投資額で大きな削減を実現する案件のほうが採択されやすいのが実態です。

追加評価(該当する場合)

  • 中小企業者等が行う省エネルギー事業
  • 資源エネルギー庁「省エネ・地域パートナーシップ」のパートナー金融機関による支援を受けた事業
  • 2023年度以降に対象の省エネルギー診断を受診した事業
  • 省エネ法上のベンチマーク改善に資する事業(大企業を除く)
  • 中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」「経営革新計画」の認定・承認を受けた企業の事業
  • 「パートナーシップ構築宣言」登録企業の省エネルギー事業

また、提出書類に不備・不足がある場合はSIIから連絡があり、解消されない場合は審査の対象外となることがあります。交付決定前に契約・発注を行った事業は対象外となる点にも注意が必要です。

省エネ補助金(設備単位型)の公募スケジュール — 2次公募は2026年7月9日締切

令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)2次公募の交付申請スケジュールは以下のとおりです。公募期間は約1ヶ月と短いため、公募開始前の段階から見積取得・設備選定を進めておくことが必須です。

項目内容
公募期間(2次公募)2026年6月1日(月)〜7月9日(木)17時必着
審査・採択を経て交付決定2026年9月上旬予定
事業開始交付決定後(契約・発注は必ず交付決定後)
事業完了原則2027年1月31日(日)まで(複数年度事業は最大2年、2028年1月31日まで)
実績報告事業完了日から30日以内、または2027年2月5日のいずれか早い日
補助金の支払い2027年1月末〜3月末

従来枠の2次公募予算額は、2026年度分が約38億円、2027年度分が約29億円です(GX設備単位型・電化脱炭素燃転型は別枠)。なお、従来枠の公募は2回、GX設備単位型・電化脱炭素燃転型の公募は3回が予定されています。

省エネ補助金(設備単位型)の交付申請から補助金受給までの流れ

交付申請から補助金受給までの全体フローは、大きく次のステップに整理できます。

  1. 公募要領・手引き等の確認:公募要領、交付申請の手引き、省エネルギー量計算の手引き等をよく読み、事業内容を理解する。
  2. 見積の取得・導入設備の選定:指定設備ごとに、異なる販売事業者3者以上から競争見積を取得(1次公募の公募要領公開日2026年3月25日以降の発行日)。補助対象経費(設備費)が最安値の見積書の設備を導入設備に選定する。
  3. 申請の根拠資料の入手・作成:登記簿謄本・決算書などの外部書類や、SII指定様式・省エネルギー計算の根拠資料を準備する。
  4. 補助事業ポータルのアカウント取得・入力:SIIホームページでアカウントを取得し、ポータルに必要事項を入力。出力書類を印刷する。
  5. 書類のファイリング・郵送:ポータル出力書類・指定様式・添付資料をA4・片面・2穴ファイルにまとめ、SII私書箱宛に郵送(簡易書留等、配送状況が確認できる手段)。締切は2026年7月9日17時必着。
  6. 審査・交付決定(2026年9月上旬予定):不備・不足の連絡には速やかに対応する。交付決定通知の到着後に契約・発注を行う。
  7. 事業実施・中間報告:着工前写真の提出・口座登録などの中間報告を行い、設備の据付・試運転を進める。
  8. 実績報告・確定検査・補助金受給:事業完了日から30日以内(または2027年2月5日)に実績報告書を提出し、確定検査(書類検査・現地調査)を経て補助金が支払われる。

提出方法は補助事業ポータルへの入力・出力と書類の郵送の組み合わせで、ポータル入力だけでは申請完了となりません。SIIへの直接持込や宅配便は利用できず、消印日ではなく私書箱必着である点に注意してください。

省エネ補助金(設備単位型)の提出書類の全体像

提出書類は「ポータルから出力する書類」「指定様式」「添付資料」の3区分に分かれます。ポータル出力書類には、交付申請書(かがみ・2枚目)、経費・補助金の配分額、四半期別発生予定額、申請総括表、事業者情報、資金調達計画、省エネルギー計算総括表、エネルギー使用量計算書(導入予定設備・既存設備)、見積金額一覧表、発注区分表、導入予定設備一覧などがあります。

事業者側で準備が必要になる主な添付資料は次のとおりです。

  • 会社情報(法人概要申告書)/決算書(直近1年分の単独決算の貸借対照表、表紙含む)
  • 商業登記簿謄本(個人事業主は確定申告書・青色申告決算書の写し)
  • 補助対象設備を導入する建物の登記簿謄本
  • 中小企業者であることの宣誓書(設備使用者が中小企業者の場合)
  • 見積書(指定設備ごとに3者分)と製品カタログ等
  • 省エネルギー量計算の根拠資料(ユーティリティ設備で独自計算を選択する場合)/製品情報証明書(生産設備で指定計算を選択する場合)
  • 定期報告書「特定第1表」の写し・開示制度への参加を証する資料(特定事業者等の場合)
  • 中長期計画書の写し(特定事業者等以外は申請要件として必須)/役員名簿
  • 評価項目に関する任意提出書類(経営力向上計画、省エネ診断報告書の表紙、パートナーシップ構築宣言、ベンチマーク改善資料、パートナー金融機関による確認書 等、該当する場合)

書類はA4・片面で出力し、ホッチキスやクリップ留めをせず、A4判2穴ファイルに文書番号順でファイリングします。提出前にSIIの「提出書類チェックシート」で不足・誤りを確認し、全書類の写し(副本)を作成して事業完了年度の終了後5年間保管します。複数事業所について申請する場合は、申請書番号ごとにファイルを分けます。

省エネ補助金(設備単位型)でよくある不採択・トラブルのパターンと回避策

申請段階で落ちやすいパターン

パターン①: 経費当たり省エネ量が小さい
評価項目の最重要KPIである「経費当たり省エネ量(kl/千万円)」が低いと採択は厳しくなります。回避策は、設備見積を必ず3者以上から取り相場感を示すこと、そして独自計算で実態に近い削減量を算定することです。

パターン②: 指定設備に該当しない設備を選んでしまう
設備単位型はSIIが公表した指定設備(型番)が対象です。見積取得の前に必ず「『指定設備』の補助対象設備一覧」で型番が掲載されているか、GX要件・トップ性能枠に該当するかを確認しましょう。

パターン③: 補助対象外経費を補助対象に含めてしまう
設備単位型(Ⅲ)の補助対象は設備費のみで、据付費・配線配管費・撤去費は対象外です。これらを補助対象経費に含めて申請すると、審査段階で減額または不採択の原因になります。見積書で設備費と工事費・据付費等を完全に分離し、補助対象を設備費のみに絞って申請しましょう。

採択後の実施段階で起きやすいトラブル

  • 交付決定前の発注:交付決定通知が届く前に契約・発注を完了させた事業は、理由にかかわらず補助対象外となります。「採択された=発注できる」ではなく、「正式な交付決定通知が届いた後で発注できる」という順番を必ず守ってください。
  • 設備納期が事業完了期限に間に合わない:納期の長い設備は、交付決定後の発注では事業完了期限(原則2027年1月31日)に間に合わない懸念があります。交付決定前の発注はNGですが、商社・販売事業者への在庫確保や納期短縮の事前相談は可能です。
  • 着工前写真の記録漏れ:交付決定前にやむを得ず既存設備を事前撤去する場合は、申請書番号を記載したA3用紙と既存設備の写真・図面を必ず用意しておく必要があります。撤去後は撮影できなくなるため、撮り残しに注意しましょう。
  • 事務局からの不備・不足対応の遅れ:問合せ窓口担当者を1名明確に立て、SIIからの連絡を見落とさない体制を組みましょう。
  • つなぎ融資の未検討:設備代金の支払いから補助金入金まで時間差があり、その間は事業者が全額を立て替えます。投資規模が大きい案件では、申請の準備段階で金融機関とつなぎ融資の相談を進めておきましょう。

不採択になった場合

不採択になっても次の公募で再申請が可能です。再申請で採択につなげるには、独自計算で経費当たり省エネ量の数値を上げること、導入設備が指定設備(できればGX要件・トップ性能枠)に該当するか再検討すること、より競争力のある3者見積を取り直すことが有効です。

省エネ補助金(設備単位型)に関するよくある質問(FAQ)

省エネ補助金(設備単位型)ではどんな設備が対象になりますか?

SIIが公表した「指定設備」が対象で、高効率空調・産業ヒートポンプ・業務用給湯器・高性能ボイラ・高効率コージェネレーション・低炭素工業炉・変圧器・冷凍冷蔵設備・産業用モータ・制御機能付きLED照明器具の10区分(ユーティリティ設備)と、工作機械・プラスチック加工機械・プレス機械・印刷機械・ダイカストマシンの5区分(生産設備)です。このほか「その他SIIが認めた高性能な設備」も対象になります。

省エネ補助金(設備単位型)の補助率はどのくらいですか?

(Ⅲ)設備単位型[従来枠]は1/3以内で、中小企業者等・大企業ともに共通です。[メーカー強化枠]も1/3以内(上限が1億円から3億円に拡大)、[トップ性能枠(更新)]は1/2以内・(新設)は1/5以内です。(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型(更新・改造)は1/2以内、(Ⅳ)エネルギー需要最適化型は中小1/2・大企業1/3以内です。

省エネ補助金(設備単位型)の申請要件(省エネ要件)は何ですか?

(Ⅲ)従来枠・メーカー強化枠・トップ性能枠(更新)では、原油換算量ベースで次のいずれかを満たすことです。①計画省エネルギー率10%以上、②計画省エネルギー量1kl以上、③経費当たり計画省エネルギー量1kl/千万円以上。トップ性能枠(新設)は既存のエネルギー使用量が生じないため、申請時の省エネルギー要件は課されません。

省エネ補助金(設備単位型)では申請から補助金受給までどのくらいの期間がかかりますか?

2次公募の場合、交付申請の締切が2026年7月9日、交付決定が2026年9月上旬予定、事業完了が原則2027年1月31日まで、実績報告が事業完了から30日以内、補助金の支払いが2027年1月末〜3月末です。申請から実際の受給までは概ね半年〜1年が目安です。

省エネ補助金(設備単位型)の設備の発注は申請前にできますか?

できません。交付決定通知を受け取る前に契約・発注を完了させた事業は、理由にかかわらず補助対象外となります。これは制度の絶対ルールです。ただし、3者見積の取得は交付決定前(1次公募の公募要領公開日2026年3月25日以降)に行い、商社・販売事業者への在庫確保や納期短縮の事前相談も可能です。

まとめ — 設備単位型で押さえるべきポイント

省エネ補助金(設備単位型)は、指定設備への更新を中心に、設備1台単位から活用できる使い勝手のよい制度です。本記事では令和7年度補正 2次公募の公募要領・交付申請の手引きをもとに、事業区分ごとの補助率・上限額、申請要件、審査の仕組み、申請の流れ、提出書類、失敗パターンを整理しました。最後に押さえておきたい3つのポイントをまとめます。

  1. 対象は「指定設備」、申請要件はシンプル:SIIが公表した指定設備(型番)への更新が基本で、申請要件は省エネ率10%以上・省エネ量1kl以上・経費当たり1kl/千万円以上のいずれか。GX要件メーカーの設備なら上限拡大、トップ性能設備なら補助率1/2と、設備の性能に応じて区分が分かれます。
  2. 審査の重要KPIは「経費当たり省エネ量」:評価項目は計画省エネルギー量・計画省エネルギー率・経費当たり省エネ量の3つで、とりわけ費用対効果が重要です。独自計算の活用で実態に近い削減量を示せると採択につながりやすくなります。
  3. 補助対象は「設備費」のみ・発注は交付決定後:設備単位型(Ⅲ)は据付費・工事費・撤去費が対象外で、見積書での明確な区分が必須です。契約・発注は必ず交付決定後に行う必要があり、納期の長い設備は商社との事前調整が鍵になります。

令和7年度補正 2次公募の交付申請の締切は2026年7月9日(木)17時必着です。公募期間は約1ヶ月と短いため、見積取得・設備選定・省エネルギー計算の準備を早めに進めることをお勧めします。認定支援機関に依頼いただける場合、事業計画書・省エネルギー計算・ポータル入力・事務局対応はすべて代行できるため、本業と並行して無理なく申請を進められます。

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