2024年から新たに始まった中小企業省力化投資補助金は、最大で1,500万円を受け取ることができるため、人手不足に苦しむ中小企業におすすめの補助金です。
この記事では、新たに発表された中小企業省力化投資補助金の採択率や採択率を上げるポイントなどを徹底的に解説し、2024年9月時点で最新の情報をお届けします。
中小企業省力化投資補助金とは
中小企業省力化投資補助金とは、2024年から新たに始まった中小企業向けの補助金制度です。
この項目では、中小企業省力化投資補助金について簡単に解説していきます。
中小企業省力化投資補助金の概要
「中小企業省力化投資補助金」は、中小企業の売上拡大や生産性向上を支援し、賃上げの実現を後押しする補助制度です。
例えば、
・IoT技術IoTを活用した生産ラインの改善
・事務作業のデジタル化・DX推進による業務効率化
・自社の業務プロセスに合わせて設計された専用機械や装置の導入
など、人手不足の解消や労働生産性の向上を図る取り組みにかかる費用を最大1億円補助します。
省力化投資補助金には「一般型」と「カタログ注文型」の2種類があります。
中小企業省力化投資補助金〈カタログ注文型〉では、あらかじめカタログに掲載されたIoTやロボットなどの人手不足の解消に効果的な汎用製品を中小企業が選択して導入する仕組みとなっています。
▼製品カタログはこちら
https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/product_catalog.pdf
令和5年度補正予算では、「中小企業省力化投資補助制度」として1,000億円の予算が設けられており、既存基金の活用などを含めると総額5,000億円規模となっています。
また、中小企業省力化投資補助金における補助率は1/2であり、補助額は会社規模の賃金の引き上げに応じて変化しますが、最大で1,500万円となっています。具体的な従業員数と補助上限は下表の通りです。
| 従業員数 |
補助率 |
補助上限額 (大幅な賃上げを行う場合) |
| 5人以下 |
1/2 |
200万円 (300万円) |
| 6~20人 |
1/2 |
500万円 (750万円) |
| 21人以上 |
1/2 |
1,000万円 (1,500万円) |
▼中小企業省力化投資補助金〈一般型〉についてはこちら
▼中小企業省力化投資補助金〈カタログ注文型〉については詳しくはこちら
中小企業省力化投資補助金〈カタログ注文型〉の採択率
採択率に関する公式からの公表はありませんが、中小企業省力化投資補助金〈カタログ注文型〉の採択率は、70~80%程度であると推察しています。
以下の項目から、そのように推察しました。
採択者数が多い
中小企業省力化投資補助金は、他の補助金制度と比較して採択数が圧倒的に多くなります。下表には各補助金制度において、全てが上限額で採択された場合における採択者数の目安を算出したものになります。
| |
予算 |
補助上限額 |
採択者数 |
| 中小企業省力化投資補助金 |
5,000億円 |
1,500万円 |
約33,000社 |
| 事業再構築補助金 |
5,800億円 |
1億円 |
約5,800社 |
| ものづくり補助金 |
2,000億円 |
1億円 |
約2,000社 |
中小企業省力化投資補助金の補助上限額は1,500万円であり、事業再構築補助金やものづくり補助金等と比較するとそれほど高くありません。総額5,000億円規模の予算である本事業において、補助上限額が高くないため、より多くの事業者が採択されやすくなると言えます。
なお、経済産業省によると、本事業開始当初の予定は以下の通りでした。(現在は随時受付方式に変更されています)
| 補助件数 |
120,000件 |
| 公募回数 |
15回 |
| 公募頻度 |
2カ月に1回 |
以上より、1回の公募につき8,000件が採択される計算となり、多数の事業者が利用できる想定であったことが伺えます。
申請する企業が少ない見込み
中小企業省力化投資補助金では、申請する事業者がそれほど多くないと考えられます。
本事業はあらかじめカタログに登録された製品を導入する形式であり、2024年9月現在において、10以上の対象業種、149もの製品が登録されています。しかし実際に製品を見てみると、多くの事業者は自社のニーズと合致せず、導入には至らないケースが考えられます。
例えば飲食サービス業の場合、「券売機」や「配膳ロボット」がカタログに登録されていますが、実際に券売機を使用する飲食サービス業態は限られます。
よって、カタログの製品が自社のニーズと合致せず、申請を断念するケースが多く見込まれます。
前項目を踏まえると、採択者数が多い一方で申請する事業者が少ないことは、採択率の向上に寄与していると言えます。
国が特に重点を置いている政策に基づいた制度である
中小企業省力化投資補助金は、国の政策に合致している事業であると言えます。補助金制度は基本的に、政府が進めたい政策に合致する事業に対して支援を行う制度であり、本事業の場合は、今後懸念される人手不足に対応するため、省力化につながる製品導入を促進し、生産性の向上や賃上げの実現を目指す制度です。
中でも本事業は、前述した通り第2回公募の段階で締め切りはなくなり、通年で申請を受け付ける方式へと変更されました。その背景には、応募・交付申請の利便性向上が図られていることに加え、早期の省力化を実現する狙いがあります。
実際に、5月30日に開催された「国内投資拡大のための官民連携フォーラム」の中で、岸田文雄首相は「成長型経済実現のために人の取り合いではなく、生産性向上を通じて人手不足を解消していくことが必要だ」と強調し、省力化につながる取り組みへの支援を強化していく考えを示しています。
以上より、本事業を通して、国全体で省力化技術の迅速な導入を期待していると考えられます。
採択率を上げるポイント
中小企業省力化投資補助の採択率を上げるポイントとして、「審査の着眼点を理解する」「専門家や認定支援機関へ依頼する」「補助金予算が豊富な初期段階に申請を行う」などが挙げられます。
審査の着眼点を理解する
申請書類の作成や事業計画の策定にあたり、審査の着眼点を理解することは、採択率を上げるポイントであると言えます。
本事業への採択は、「補助対象事業の要件」と「補助対象事業者の要件」を満たしているかに加え、下記の要素も踏まえて総合的に判断されます。
- 事業計画に記載の省力化の効果が合理的に説明されており、省力化への投資により高い労働生産性の向上が期待できるかどうか。また、既存業務の省力化により新しい取組を行う・高付加価値業務へのシフトを行うなど、単なる工数削減以上の付加価値の増加が期待できるか。
- 大幅な賃上げによる補助上限額引き上げの適用を含め、賃上げに積極的に取り組んでいる、あるいは取り組む予定であるかどうか。
以上より、対象要件を満たすことに加え、本事業の目的である付加価値や生産性の向上、賃金の引き上げなどを網羅した質の高い事業計画を策定することが、採択率を上げるポイントであると言えます。
例えば、製造業の工場や倉庫において、従来リストを見ながら目視で行っていた検品・仕分作業を自動化するために製品を導入する例が考えられます。このような製品を導入することによって、目視での確認工程が不要となり、無人化を実現することができます。また、高精度システムを導入することで、手作業ではどうしても無くすことのできないミスを大幅に低減させることが可能になります。これによって削減された確認工程に要する時間や人件費などを新たなリソースとして、既存事業の発展や新商品の開発、従業員の賃上げ実現のために活用するといった内容の計画は、審査の着眼点を網羅出来ていると言えます。
専門家や認定支援期間へ依頼する
制度に詳しい専門家や認定支援期間へ依頼することは、採択率を高めるには有効な手段と言えます。専門家は制度の申請要件や方法、審査の着眼点などを熟知していることに加え、豊富な経験があるため、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。これにより、申請における手続きが円滑に進みます。また、専門家に依頼をすることで、事業者自身は申請準備にかかる手間や時間を削減させることが可能となり、本業に集中することができます。
専門家や認定支援機関のサポートを適切に活用することで、効率的、効果的に補助金の獲得を目指すことができます。
補助金予算が豊富な初期段階に申請を行う
本事業への申請は、できるだけ早期に申請することが重要です。特に、補助金の予算がまだ十分に残っている初期段階では、審査に通過しやすいと考えられます。
初期段階での申請は、後期に見られる予算枯渇のリスクを回避できることに加え、申請者間の競争も相対的に緩和されるため、採択率が高まる可能性があるのです。
事業者は、補助金制度の情報を常にチェックし、早期に申請書類や事業計画の準備を進めることが求めれます。できるだけ早めの申請を目指すことが、採択率向上の鍵となります。
まとめ
この記事では中小企業省力化投資補助金の採択率について、解説させていただきました。
中小企業省力化投資補助金の採択率は、比較的高めであると推察することができます。
本事業を上手く活用することで、中小企業等にとって大きな課題である人手不足や人件費の高騰に対応する体制を整えることが可能となります。
申請にあたっては、審査の着眼点を十分に把握し、本事業の目的に合った事業計画を策定することで、採択率を上げることができます。自社の課題やニーズに合った製品を選択し、導入補助を受けることで、事業の生産性向上や賃上げを図ることが可能となるため、おすすめの制度です。
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この記事の執筆者

村上 貴弘
東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。