ものづくり補助金とは、新しいサービスの開発や設備投資などにかかる費用の一部について、支援を受けられる制度です。要件を満たせば小規模事業者も利用できます。この記事では、ものづくり補助金の概要とともに、小規模事業者と中小企業の違いを解説します。補助金を選ぶときのポイントも解説するため、ぜひ参考にしてください。
ものづくり補助金とは|小規模事業者でも利用できるのか
ものづくり補助金とは、どのような制度なのでしょうか。
ここでは、概要や基本的な内容を解説します。
※参考:第16回ものづくり補助金公募要領
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ものづくり補助金の概要
ものづくり補助金とは、企業が新しいサービスや試作品を開発する場合や、生産性を高めるために設備投資する場合に、必要になる費用の一部を支援する制度です。中小企業庁と独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施しており、正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」となっています。ものづくり補助金を活用できる業種に制限はありません。
小規模事業者でも利用できる
ものづくり補助金の対象は、小規模事業者、中小企業、個人事業主です。ただし、実際にものづくり補助金を利用するには、所定の要件を満たす必要があります。要件は細かく設定されているため、よく確認してから申請しましょう。
補助金額
ものづくり補助金には複数の申請枠があり、それぞれ補助金額が異なります。
各申請枠と補助金額をまとめると、以下のとおりです。
| 申請枠 |
補助上限額 |
補助率 |
| 通常枠 |
750~1,250万円 |
1/2、2/3(小規模・再生事業者) |
| 回復型賃上げ・雇用拡大枠 |
750~1,250万円 |
2/3 |
| デジタル枠 |
750~1,250万円 |
2/3 |
| グリーン枠 |
エントリー:750~1,250万円 スタンダード:1,000~2,000万円 アドバンス:2,000~4,000万円 |
2/3 |
| グローバル市場開拓枠 |
3,000万円 |
1/2、2/3(小規模・再生事業者) |
対象となる経費
ものづくり補助金の対象となる経費は、さまざまあります。たとえば、以下のものが対象になっています。
・機械・装置のなどの購入、製作、借用費
・運搬料
・知的財産の導入にかかる経費
・試作品の開発に必要な原材料の購入費
・クラウドサービスの利用に関する経費
・海外展開に必要な広告の作成にかかる経費
また、申請枠によっても対象となる経費は異なるため、注意が必要です。
ものづくり補助金の申請手順
ものづくり補助金の申請方法は電子申請のみです。GビズIDプライムアカウントを取得する必要があるため、事前に申請しましょう。取得までは最短2週間かかるため、早めに申請してください。 ものづくり補助金の申請手順をまとめると、以下のとおりです。
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1. GビズIDプライムアカウントを取得する 2. 必要書類を揃えて申請する 3. 申請内容の審査を受ける 4. 採択される 5. 交付申請・交付決定が行われる 6. 補助事業を実施する 7. 実績報告書を提出する 8. 確定検査・補助金額が確定する 9. 補助金が入金される 10. 事業化状況報告を行う
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小規模事業者と中小企業の違い
ものづくり補助金における小規模事業者と中小企業は、どのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、それぞれの定義を解説します。
小規模事業者の定義
小規模事業者に該当するかどうかは、従業員数で判断します。ここでいう「従業員数」とは、常時使用する従業員数のことです。
基本的には、従業員数が20人以下の企業は小規模事業者に該当します。ただし、商業・サービス業については、従業員が5人以下の企業が小規模事業者とされています。商業とは、卸売業と小売業のことです。なお、小規模事業者の定義については従業員数以外の要件が定められておらず、資本金や出資総額の基準は特にありません。
中小企業の定義
中小企業に該当するかどうかは、資本金もしくは出資総額と、常時使用している従業員数で判断します。それぞれの基準は業種ごとに定められており、個別の判断が必要です。業種ごとの中小企業の定義について以下で解説します。
製造業その他の基準
製造業その他の業種で中小企業に該当するのは、資本金もしくは出資総額が3億円以下の企業です。また、常時使用する従業員数が300人以下である必要があります。
卸売業の基準
卸売業で中小企業に該当するのは、資本金もしくは出資総額が1億円以下の企業です。また、常時使用する従業員数が100人以下である必要があります。
小売業の基準
小売業で中小企業に該当するのは、資本金もしくは出資総額が5,000万円以下の企業です。また、常時使用する従業員数が50人以下である必要があります。
サービス業の基準
サービス業で中小企業に該当するのは、資本金もしくは出資総額が5,000万円以下の企業です。また、常時使用する従業員数が100人以下である必要があります。
小規模事業者と中小企業を見分ける際の注意点
ここでは、小規模事業者と中小企業を見分ける際に気をつけるべき注意点を解説します。
業種をチェックする
小規模事業者と中小企業のどちらに該当するか確認する際は、まず業種をチェックしましょう。それぞれの定義は業種によって異なるため、自社がどの業種であるか正確に把握したうえで判断する必要があります。
日本標準産業分類を確認する
自社がどの業種であるか調べるには、総務省が公表している「日本標準産業分類」を確認する方法があります。自社に当てはまる可能性が高い項目をクリックすると、その業種についてのより詳しい説明や閲覧できます。詳細な分類を確認できるため、自社の業種が分からない場合は活用してください。
※参考:日本標準産業分類(平成25年10月改定)(平成26年4月1日施行)|総務省
対応表を確認する
自社の業種について調べる場合、中小企業庁が公表している「日本標準産業分類と中小企業基本法上の類型との対応表」をチェックする方法もあります。日本標準産業の分類と中小企業基本法上の類型を照らし合わせ、どのように対応しているか確認できます。複数の事業を展開している場合は、主たる事業を基準に判断しましょう。
※参考:日本標準産業分類と中小企業基本法上の類型との対応表|中小企業庁
資本金・出資総額をチェックする
小規模事業者は、資本金・出資総額に関する基準が特に定められていませんが、中小企業については業種ごとに、資本金・出資総額に関する基準が設けられています。額をチェックして該当するか確認しましょう。なお、自社の資本金の額は、払込済資本の額で判断します。払込済資本は、資本金と資本剰余金との合計です。
常時使用する従業員をチェックする
小規模事業者や中小企業の判断基準となる従業員数は、常時使用する従業員数です。たとえば、日雇い労働者、2か月以下の短期間の雇用契約を結んでいる労働者、試用期間中の労働者などは、常時使用する従業員には含みません。
正社員以外の契約社員などの従業員の扱いについては、個別に判断する必要があります。自社で判断できない場合は、専門家や所轄の労働基準監督署などに相談しましょう。
※参考:安全衛生に関するQA|厚生労働省
【 小規模事業者向け】小規模事業者持続化補助金
小規模事業者に該当する場合、ものづくり補助金以外にも小規模事業者持続化補助金を利用できる可能性があります。
これは商工会議所が実施している制度です。
以下では、小規模事業者持続化補助金の概要と申請手順を解説します。
小規模事業者持続化補助金の概要
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者が事業の継続もしくは、発展のために利用できる補助金を給付する制度です。具体的には、新しい販路を獲得するために新規市場へ参入する際にかかる費用や、事業を発展させるための業務効率化にかかる費用などが対象となります。 通常枠の他に特別枠が設けられており、申請枠によって補助上限が異なります。補助上限は、通常枠が50万円、特別枠が200万円です。補助率はいずれも2/3となっています。
※参考:小規模事業者持続化補助金概要
小規模事業者持続化補助金の申請手順
小規模事業者持続化補助金を申請する際は、商工会議所へ一度書類を提出する必要があります。申請手順の全体像をまとめると、以下のとおりです。
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1. 必要書類を作成する 2. 必要書類を商工会議所の窓口に提出する 3. 商工会議所から「事業支援計画書」を受け取る 4. 補助金事務局に申請する
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補助金事務局への申請は、電子申請または郵送のいずれかを選択できます。
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補助金を選ぶときの3つのポイント
補助金を選ぶときは、何を意識したらよいのでしょうか。
ここでは、補助金を選ぶときの3つのポイントを解説します。
補助対象事業者であるか確認する
補助金を選ぶ際は公募要領に目を通し、自社が対象となっているかチェックしましょう。補助金によって要件はそれぞれ異なるため、よく確認する必要があります。また、資本金や従業員数をあらかじめ把握しておくとスムーズです。
補助金額を確認する
選択する補助金によって、受け取れる補助金額も異なります。補助金を有効活用するには、事業計画を立てて必要な補助金額を具体的に計算する必要があります。事業計画の実現に必要な額を受け取れる補助金を選びましょう。
補助対象となる経費を確認する
補助対象となる経費も、各制度によってさまざまです。自社が補助事業を実施するうえで、具体的にどのような費用が発生するか洗い出し、補助対象になる可能性が高い補助金を選ぶことが大切です。
まとめ
ものづくり補助金は、小規模事業者、中小企業、個人事業主が業務拡大や設備投資を行う際に利用できる制度です。
さまざまな経費が対象となっており、まとまった資金を得るために活用できます。
補助金額や要件を確認し、着実に準備を整えて制度を活用しましょう。
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この記事の執筆者

村上 貴弘
東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。