ものづくり補助金は中小企業にとって役に立つ重要な施策の1つです。ただし、事前着手申請は5次募集まで認められていたものの、現在は対象外であるため注意しましょう。この記事では、ものづくり補助金の概要に触れたうえで、ものづくり補助金における事前着手申請について解説します。現在募集されている枠についても解説するため、ぜひ参考にしてください。
ものづくり補助金の制度概要
ここでは、ものづくり補助金の応募要件や補助金の金額、補助率など、制度の概要を解説します。
※参考:第16回ものづくり補助金公募要領
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応募要件
ものづくり補助金の対象は、国内に本社がある中小企業などです。中小企業なら、法人と個人のどちらでも申請できます。ものづくり補助金における中小企業の定義については後述するため、あわせて参考にしてください。また、ものづくり補助金の対象となる経費は、新しい製品やサービスの開発または業務効率を改善につながる設備投資です。
ものづくり補助金を受け取るには、要件を満たす3~5年の事業計画を作成している必要があります。要件は、付加価値額を年率平均で3%以上、給与支給総額を年率平均で1.5%以上増加させることです。加えて、全従業員の賃金を都道府県別の最低賃金より30円以上高く設定しなければなりません。
補助金の金額と補助率
通常枠の補助金の金額は、従業員数によって異なります。3つのパターンに分かれており、具体的な金額は以下のとおりです。
- 従業員数5人以下:100~750万円
- 6~20人:100~1,000万円
- 21人以上:100~1,250万円
補助率は基本的に2分の1ですが、小規模・再生事業者については3分の2となります。
補助金の金額と補助率は、選択する枠によって変化します。詳細については改めて後述するため、あわせて参考にしてください。
ものづくり補助金対象の中小企業の定義
ものづくり補助金における中小企業の定義は、中小企業基本法に基づいています。
業種ごとに定義が異なっており、具体的には以下の表のとおりです。
定義については条件が2つあげられていますが、いずれかを満たしている必要があります。
| 業種 |
定義 |
| 製造業その他 |
・資本金の額または出資の総額が3億円以下 ・常時使用する従業員数が300人以下 |
| 卸売業 |
・資本金の額または出資の総額が1億円以下 ・常時使用する従業員数が100人以下 |
| 小売業 |
・資本金の額または出資の総額が5,000万円以下 ・常時使用する従業員数が50人以下 |
| サービス業 |
・資本金の額または出資の総額が5,000万円以下 ・常時使用する従業員数が100人以下 |
※参考:中小企業・小規模企業者の定義|中小企業庁
業種によって中小企業に該当するどうかは異なるため、自社の業種を正しく把握したうえで判断しましょう。
▼参考:小規模事業者とは?中小企業との違いや見分ける際の注意点を解説!
https://planbase.co.jp/column/145/
ものづくり補助金の事前着手申請について
先述したように、現在ものづくり補助金の事前着手申請は行われていません。
事前着手申請は5次募集まで認められていたため、ここでは参考として当時の事前着手申請について解説します。
事前着手申請とは
ものづくり補助金においては、交付が決定されてから設備や機械などを購入する流れが基本です。しかし、例外として交付決定前の設備や機械などの購入を可能にする事前着手申請が認められていました。事務局に対して事前着手申請をして承認されれば、交付決定前に購入した設備や機械なども、ものづくり補助金の対象になっていました。
【注意】現在はものづくり補助金に事前着手はない
しかしながら、現在のものづくり補助金の制度では、事前着手申請はありません。そのため、交付決定前に設備や機械などを購入すると、ものづくり補助金の対象外になります。事前に購入しないよう注意が必要です。なお、ものづくり補助金と似た補助金として、事業再構築補助金があります。事業再構築補助金では事前着手申請が可能であるため、設備や機械を先に購入したい場合は活用を検討しましょう。
▼事業再構築補助金について
https://planbase.co.jp/lp/saikouchiku/
過去の事前着手申請の手続き
過去の事前着手申請の手続きでは、交付決定日より前に事前着手承認申請書を提出する必要がありました。申請はものづくり補助金の申請のためのシステムである「Jグランツ」から行えます。事前着手承認申請書を提出すれば、10日から2週間後に承認結果が通知される流れです。
最新(16次締切分)の枠の種類と概要
ものづくり補助金の枠は5種類あります。
それぞれ要件や補助金の上限などが異なるため、公募要領を確認しながら自社の業務に適しているものを選択しましょう。
ここでは、最新(16次締切分)の枠の種類と概要を解説します。
通常枠
通常枠では、新しい製品やサービスを開発したり、業務効率の改善に取り組んだりするための設備投資を対象としています。補助金額は従業員数によって異なり、具体的には以下のとおりです。
| 従業員数 |
補助金額 |
| 5人以下 |
100~750万円 |
| 6~20人 |
100~1,000万円 |
| 21人以上 |
100~1,250万円 |
補助率は2分の1です。ただし、小規模企業者・小規模事業者と再生事業者は3分の2となります。
回復型賃上げ・雇用拡大枠
回復型賃上げ・雇用拡大枠は、賃上げや雇用拡大に取り組む事業者が新しい製品やサービスを開発したり、業務効率の改善に取り組んだりするための設備投資を対象としています。基本要件に加えて、賃上げや雇用拡大に関する要件を満たす必要があります。補助金額は従業員数によって異なり、具体的には以下のとおりです。
| 従業員数 |
補助金額 |
| 5人以下 |
100~750万円 |
| 6~20人 |
100~1,000万円 |
| 21人以上 |
100~1,250万円 |
補助率は一律で3分の2です。
デジタル枠
デジタル枠は、DX(デジタルトランスフォーメーション)につながる新しい製品やサービスを開発したり、業務効率の改善に取り組んだりするための設備投資を対象としています。基本要件に加えて、DXに関する要件を満たす必要があります。補助金額は従業員数によって異なり、具体的には以下のとおりです。
| 従業員数 |
補助金額 |
| 5人以下 |
100~750万円 |
| 6~20人 |
100~1,000万円 |
| 21人以上 |
100~1,250万円 |
補助率は一律で3分の2です。
グリーン枠
グリーン枠は、温室効果ガスの排出削減につながる新しい製品やサービスを開発したり、業務効率の改善に取り組んだりするための設備投資を対象としています。基本要件に加えて、温室効果ガスの排出削減に関する要件を満たさなければなりません。グリーン枠には3つの類型があり、補助金額は従業員数によって異なります。具体的には以下のとおりです。
| 類型 |
従業員数 |
補助金額 |
| エントリー類型 |
5人以下 |
100~750万円 |
| 6~20人 |
100~1,000万円 |
| 21人以上 |
100~1,250万円 |
| スタンダード類型 |
5人以下 |
750~1,000万円 |
| 6~20人 |
1,000~1,500万円 |
| 21人以上 |
1,250~2,000万円 |
| アドバンス類型 |
5人以下 |
1,000~2,000万円 |
| 6~20人 |
1,500~3,000万円 |
| 21人以上 |
2,000~4,000万円 |
補助率は一律で3分の2です。
グローバル市場開拓枠
グローバル市場開拓枠は、海外事業の拡大や強化を目的として新しい製品やサービスの開発をしたり、業務効率の改善に取り組んだりするための設備投資を対象としています。基本要件に加えて、海外事業の拡大や強化に関する要件を満たす必要があります。
補助金額は100~3,000万円です。補助率は基本的に2分の1ですが、小規模企業者・小規模事業者については3分の2となるため注意しましょう。
ものづくり補助金の採択ポイント
ものづくり補助金は、自社に適した枠で採択されることが重要です。
具体的には、どのようなポイントに気をつければよいのでしょうか。
ここでは、ものづくり補助金の採択のために重要な要素である事業計画と加点について解説します。
【ポイント1】事業計画
決算日が申請締切日から6か月以内の場合、決算は直近決算期の実績値を使用しましょう。6か月を超えている場合は、当期決算の見込値を使用します。また、付加価値額は、年3%の増加を見込めるとよいでしょう。実際に年3%の増加とならなくても罰則はありませんが、事業計画の信憑性や根拠については細かくチェックされます。さらに、年1.5%以上の割合で賃金を増やす計画も必要です。地域別最低賃金に30円以上上乗せすることを事業計画で明らかにしましょう。
【ポイント2】加点項目
加点項目は、可能な限り明確にしておく必要があります。具体的な加点項目についてまとめると、以下のとおりです。
・経営革新計画を取得している
・創業から5年以内である
・パートナーシップ構築宣言をしている
・事業継続力強化計画を取得している
・賃上げ表明している
・被用者保険の適用を拡大している加点項目の条件を満たしている
と審査の評価が高まるため、忘れずに申請しましょう。
まとめ
現行のものづくり補助金の制度では、事前着手申請が認められていません。
そのため、経費を補助金の対象にするには、補助事業を開始してからシステムや機械などを発注する必要があります。
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この記事の執筆者

村上 貴弘
東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。