ものづくり補助金のグリーン枠とは

COLUMN お役立ちコラム

2023.08.09

ものづくり補助金

ものづくり補助金のグリーン枠とは?通常枠との違いや申請要件を解説!

はじめに

ものづくり補助金とは、中小企業の生産性向上を目的とした、サービスの開発や設備への投資を支援するための制度です。そして、ものづくり補助金の申請類型には通常枠とは別に、グリーン枠が存在します。この記事では、ものづくり補助金のグリーン枠の概要や通常枠との違い、グリーン枠の申請要件などについて解説するので、補助金の活用にお役立てください。
※最終更新日:2024年1月26日

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※参考:第16回ものづくり補助金公募要領

ものづくり補助金のグリーン枠の概要

ものづくり補助金のグリーン枠の概要

ものづくり補助金には通常枠を筆頭にさまざまな申請類型がありますが、その中からグリーン枠について、目的や類型、補助金額と補助率などそれぞれの要素ごとに詳細を解説します。

目的

グリーン枠とはものづくり補助金の申請類型の1つで、温室効果ガスの排出削減などに取り組む事業者の支援を目的にしています。2022年の10次公募で、新規の類型として登場しました。 温室効果ガスの排出削減に貢献する革新的な製品やサービス開発、または炭素生産性向上を伴う生産性向上に必要な生産プロセス、サービス提供方法の改善に必要な設備やシステム投資などを行いたい事業者へ補助金を支給します。

類型

ものづくり補助金には複数の申請類型が存在し、グリーン枠もその1つです。しかし、グリーン枠はその中でもさらに3つの類型に分けられています。3つの類型はエントリー枠、スタンダード枠、アドバンス枠と呼ばれ、申請要件や補助金額などが異なります。エントリー枠が最も条件が緩く取り組みやすいです。一方で、スタンダード枠、アドバンス枠になるにつれて条件は厳しくなりますが、補助金額の上限が上がるのが特徴です。

補助金額と補助率

グリーン枠の補助金額と補助率について解説します。類型ごとの詳細は下記の通りです。 【エントリー枠】

従業員数 補助金額 補助率
5人以下 100万円~750万円 2/3
6人~20人 100万円~1,000万円 2/3
21人以上 100万円~1,250万円 2/3

【スタンダード枠】

従業員数 補助金額 補助率
5人以下 750万円~1,000万円 2/3
6人~20人 1,000万円~1,500万円 2/3
21人以上 1,250万円~2,000万円 2/3

【アドバンス枠】

従業員数 補助金額 補助率
5人以下 1,000万円~2,000万円 2/3
6人~20人 1,500万円~3,000万円 2/3
21人以上 2,000万円~4,000万円 2/3

 

グリーン枠と通常枠の違いは?

グリーン枠と通常枠の違いは?

ものづくり補助金におけるグリーン枠と通常枠は、補助額や補助率の面で違いがあります。下記でそれぞれの詳細を解説します。

補助額の上限が高い

グリーン枠は、通常枠に比べて補助額の上限が高いことが違いとして挙げられます。具体的には、通常枠は補助額が最大でも1,000万円前後ですが、グリーン枠で最も申請難易度の高いアドバンス類型なら最大で4,000万円もの補助を受けられます。

次点のスタンダード類型でも、従業員21人以上の企業なら最大2,000万円の補助を受けられますが、初歩的な環境対策をするだけで申請できるエントリー類型においては、補助額は通常枠の場合と変わりません。より高度な環境対策を行っている場合のみ、相応に補助額の上限が高くなるのであって、グリーン枠に申請すれば多額の補助金を受け取れると認識しないように注意しましょう。

補助率が高い

通常枠よりも補助率が高いのもグリーン枠の特徴です。補助率については補助額と異なり、アドバンス類型、スタンダード類型、エントリー類型、どの類型でも変わらず一律で2/3となっています。(通常枠では基本補助率が2/3。)

そのため、通常枠より大規模な事業計画で補助を申請したい場合に有効活用が期待できます。ただし、グリーン枠の目的や意図に沿った申請内容でないと採択されないため、補助率の点だけに注目して通常枠の代わりとして申請するのは得策ではありません。

ものづくり補助金のグリーン枠の申請要件

ものづくり補助金のグリーン枠の申請要件

ものづくり補助金のグリーン枠の申請要件は、共通の要件と類型ごとに必要な独自の要件の2種類があります。共通からそれぞれの類型ごとに順を追って解説します。

共通の要件

グリーン枠にはエントリー類型、スタンダード類型、アドバンス類型の3つの類型がありますが、どの類型でも共通している要件は2種類です。

1つ目は、補助を申請する事業計画が「温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発」あるいは「炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善」に該当するものであることです。

2つ目は、補助を申請する事業計画が「3~5年の事業計画期間内に、事業場単位または会社全体での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業であること」とされています。内容としてはどちらも脱炭素に関する物であり、脱炭素に取り組む事業者を支援するというグリーン枠の目的に沿った要件となっています。

エントリー類型の要件

エントリー類型独自の要件は2種類です。

・エネルギーの種類別使用量と、CO2の年間排出量の把握
・電気、燃料の使用量の用途別の把握

共通の要件に加えて、上記のどちらか片方を満たすと申請が可能になります。必ずしも両方満たしている必要はありませんが、両方に取り組んでいる方が審査にあたり印象がよくなる可能性はあります。

スタンダード類型の要件

スタンダード類型は、共通の要件に加えてエントリー類型の全要件と、スタンダード類型独自の要件をいずれか1つ満たすことで申請できます。スタンダード類型独自の要件は下記の通りです。

・申請する事業の結果として、自社だけでなく業界全体での温室効果ガス削減に貢献
・電気事業者との契約において、再生可能エネルギーに係る電気メニューの選択
・再生可能エネルギーによる自社発電の導入
・グリーン電力証書の購入実績
・J-クレジット制度に参加し、自社での温室効果ガス排出削減取組についてクレジット認証を受けている

アドバンス類型の要件

グリーン枠の申請類型で最も申請の難易度が高いのがアドバンス類型です。申請要件は、共通の要件と、エントリー類型の全要件と、スタンダード類型の要件いずれか2つに加えて、アドバンス類型独自の要件1つを満たすことです。スタンダード類型独自の要件は以下のようになっています。

・SBT(Science Based Targets)もしくはRE100に参加している
・省エネ法における事業者クラス分け評価制度において、令和3年度定期報告の評価が『Sクラス』であること
・2019年~2022年12月31までの間に特定の省エネルギー診断を受診している

特定の省エネルギー診断の詳細

省エネルギー診断とは、工場などのエネルギー使用状況や設備の運転状況を調査したり、調査結果に基づき効果的な省エネ対策や運用対策などを提案するものです。省エネルギー診断に該当するのは下記の通りです。

・無料省エネ診断等事業及び診断結果等情報提供事業
・エネルギー利用最適化診断事業及び情報提供事業
・省エネルギー相談地域プラットフォーム構築事業
・地域プラットフォーム構築事業
・地方公共団体で実施する省エネルギー診断

まとめ

まとめ

ものづくり補助金のグリーン枠の概要や通常枠との違い、各種類型の申請要件などを解説しました。グリーン枠の上位の申請類型は、通常枠に比べて補助額の上限が高いので、有効活用できればメリットも大きいですが、その分申請要件も複雑で採択されるための難易度も高いです。

▼2024年(令和6年)ものづくり補助金の最新情報まとめ
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この記事の執筆者

村上 貴弘

村上 貴弘

東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。