大規模成長投資補助金とは? 2026年公募開始の5次要件・申請方法・対象企業を徹底解説

目次
人手不足の深刻化や市場環境の急速な変化を背景に、企業には従来の延長線上ではない大胆な投資判断が求められています。そうした中で注目されているのが、大規模成長投資補助金です。本制度は、持続的な賃上げと生産性向上を実現するための大規模投資を後押しするものであり、企業の成長戦略そのものが問われる補助金といえます。本記事では、第5次公募の変更点や審査のポイント、申請の流れまでを整理し、採択に向けて押さえるべき重要事項をわかりやすく解説します。
大規模成長投資補助金とは
大規模成長投資補助金(正式名称:中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金)は、中堅・中小・スタートアップ企業が、持続的な賃上げを目的とし、人手不足解消のための省力化等による労働生産性の向上や、事業規模の拡大を図るための工場などの拠点新設等、大規模な投資を支援する制度です。
具体的には、以下の様な取り組みを支援します。
- 工場を新規建設し、省力化設備を導入することによる労働生産性の抜本的な向上
- 物流拠点を新設することによる物流効率と商圏の拡大
近年、労働力不足は一段と深刻化しており、企業には従業員の賃上げと同時に生産性向上が求められています。
本補助金は、地方企業が設備投資を通じて労働生産性を高め、持続的な成長を実現することを目的とした施策です。
特に、デジタル技術や自動化設備を導入することで業務効率が向上し、人材不足の課題解消にもつながります。
2026年3月4日(水):第5次公募が公開されたため、内容を更新しました。
補助対象の事業例
大規模成長投資補助金は、工場や倉庫、販売拠点の新設、増築、改修や、中古建物の取得にも活用できます。
さらに、地域経済や従業員の賃上げにつながる事業であれば、上記以外も補助対象になり得ます。
※一次産業を主たる事業とする場合は対象外となります。
対象となる事業例
大規模成長投資補助金の活用イメージとして、3つのケースを挙げています。
工場の新設:生産効率を高める自動化設備を導入するケース
物流センターの新設:AI・IoT等を活用した自動化された物流センターを新設するケース
既存拠点への大規模設備投資:最新設備を導入して再構築し、省力化を進めるケース
物流の効率化や自動化技術の導入は、多くの業界で注目を集めています。
なかでも、AIやIoTを活用したスマート工場やスマート物流センターの構築は、今後ますます成長が見込まれる分野です。
補助金を活用し、これらの先端技術を早期に導入して競争力の強化を図る企業は、今後さらに増加すると予想されます。
以下のサイトでは、実際に採択された事業の詳細を一覧で確認できます。
検索機能も備わっているため、ご自身の事業構想に近い事例を容易に探すことができます。
事例一覧ページ:補助金交付が決定した企業|中堅・中小成長投資補助金事務局
2026年の最新情報
2026年3月4日更新
第5次公募からは、「100億宣言企業向けの類型」が新設されると同時に、最低投資額の引き上げ、賃上げ基準の見直し、加点項目の明文化といった変更が行われました。
最低投資額や賃上げ要件が引き上げられたことで、申請ハードルは高まったものの、加点項目の明文化や対象企業の拡大など、政策方針と合致する企業にとっては評価を得やすい構造へと再設計されました。
補助事業の要件の変更
全事業者が投資額10億円以上で申請可能でしたが、第5次からは一般企業が20億円以上、100億宣言企業が15億円以上の投資額が必要になりました。
▼100億宣言について詳しくはこちら
賃上げ要件の変更
賃上げ要件の給与支給総額から役員が除外され、基準率が申請類別に変更されました。
第4次公募:公募補助事業の終了後3年間の補助事業に関わる従業員(非常勤含む)及び役員の1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、4.5%以上であることが必要です。
第5次公募:補助事業の終了後3年間の補助事業に関わる従業員(非常勤含む)の1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、基準率(一般企業向けは5.0%、100億宣言企業向けは4.5%)以上であることが必要です。
加点項目の明文化
加点項目が下記の通り、明文化されました。
「中小企業から中堅企業への移行」に対する加点措置
中小企業から中堅企業への移行を宣誓していただいた旨を事務局のホームページにて公表する(想定)。
1)中小企業から中堅企業への移行に関する宣誓書(様式7)に「令和10年12月末までに、産業競争力強化法上の中小企業者の定義を超える従業員数及び資本金の達成」をする旨を明記。(コンソーシアム形式の場合、参加する事業者のうち少なくとも1者による目標の設定及び達成で可)
2)本事業の公募開始日から3年間、減資なし
3)本事業の公募開始日時点で、産業競争力強化法上の中堅企業者(常時使用する従業員の数が2,000人以下の会社及び個人であり、中小企業者でない)でないこと
J-Startup又はJ-Startup地域版選定スタートアップに対する加点措置
J-Startupプログラム又はJ-Startup地域展開プログラムに選定されている中小企業者等に対して加点。
「危機管理投資」、「成長投資」の戦略分野に係る事業に対する加点措置
以下の17の戦略分野に係る事業に対して加点。様式1該当スライドへの記載必須。
①AI・半導体、②造船、③量子、④合成生物学・バイオ、⑤航空・宇宙、⑥デジタル・サイバーセキュリティ、⑦コンテンツ、⑧フードテック、⑨資源・エネルギー安全保障・GX、⑩防災・国土強靭化、⑪創薬・先端医療、⑫フュージョンエネルギー、⑬マテリアル(重要鉱物・部素材)、⑭港湾ロジスティクス、⑮防衛産業、⑯情報通信、⑰海洋
本社機能の地方移転を伴う大規模投資を行う事業に対する加点措置
企業の本社機能(事務所、研究所、研修所)の移転(東京23区から首都圏外への移転)を伴う大規模な投資を行う事業に対して加点。様式1該当スライドへの記載必須。
既存の工場跡地を活用した大規模投資を行う事業に対する加点措置
土壌汚染対策を行いながら、既存の工場跡地を活用する形で大規模な投資を行う事業に対して加点。様式1該当スライドへの記載必須。
「えるぼし認定企業」「くるみん認定企業」に対する加点措置
雇用管理の改善、働きやすい職場環境の整備、企業の魅力向上や人材確保・定着などに積極的に取り組んでいる企業に対して加点。
「健康経営優良法人」に対する加点措置
優良な健康経営を実践している企業に対して加点。
「地域未来牽引企業」、「パートナーシップ構築宣言登録企業」、「地域経済牽引事業計画」に対する加点措置
地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長を力強く牽引する事業者、又は、サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者との連携・共存共栄を進める事業者に対して加点。
「金融機関・ファンド等による確認」を提出した場合の加点措置
金融機関から計画の妥当性の確認を受けている事業者に対して加点。
「地域企業経営人材マッチング促進事業活用企業」に対する加点措置
「地域企業経営人材マッチング促進事業」を活用し採用した人材を事業実施体制に含めている企業に対して加点。
スタートアップ企業を対象とした要件設計へ
補助対象者にスタートアップ企業の記載が加わり、スタートアップを考慮した措置が加わりました。
本事業における「スタートアップ企業」とは、
・設立20年以内の企業
・公募開始日時点でベンチャーキャピタルやシードアクセラレータ、その他業としてスタートアップへの投資機能を有する金融機関等の法人やコーポレートベンチャーキャピタルが株主構成に加わっている者。
・応募企業が単独で上記VC等又はCVCからの出資を受けていない場合、経営上一体として事業運営を行っている親会社等がVC等出資を受けていること。
賃上げ要件
スタートアップ企業のうち、産業競争力強化法上の中小企業者については、公募開始日から3年以内に100億宣言を実施する見込みがある場合は、基準率を4.5%。
加点措置
J-Startupプログラム又はJ-Startup地域展開プログラムに選定されている中小企業者等に対して加点します。
2025年11月28日更新:概要公開時点
経済産業省の補正予算案が公表され、2026年の大規模成長投資補助金の概要が公開されました。主な変更点は以下の3点です。
スタートアップ企業が追加
大規模成長投資補助金の正式名称が、「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」に変わり、新たにスタートアップ企業の文言が加わりました。
近年、日本政府はスタートアップへの支援を強化しており、その一環としてスタートアップの文言が加わったと考えられます。
予算の増額
大規模成長投資補助金の予算は、2025年の3,000億円から4,121億円へと約1000億円増額されました。
これにより、採択される可能性はこれまでより高まると考えられます。
さらに、100億宣言企業向けにも約1,000億円の予算が確保されています。
その結果、申請者の中でも「100億宣言」を行った比較的小規模な企業は、特に採択されやすくなることが想定されます。
売上高100億円未満の企業に対し、大規模な成長投資を後押しする制度であり、飛躍的成長に向けた絶好の機会となるでしょう。
投資下限額の増額
投資下限額は、従来の10億円から20億円へ引き上げられ、100億宣言企業については15億円が下限となります。
これは、より大規模な設備投資を促進し、生産性や付加価値の向上を一層加速させたいという方針の表れといえます。
単なる小規模な改善ではなく、業界構造そのものを変革し得るレベルの成長投資が求められていると考えられます。
▼こちらの記事も参考にしてください
補助金額と投資対象
補助上限額・補助率
第5次公募から100億宣言企業向けの類型が新設されました。
| 100億宣言企業 | 一般企業 | |
|---|---|---|
| 補助上限額 | 50億円 | 50億円 |
| 補助率 | 1/3以下 | 1/3以下 |
| 最低投資金額 | 15億円 | 20億円 |
投資規模が15億円以上と大きいため、中小企業単独ではなく、企業間のコンソーシアムによる共同申請が有力な選択肢となると考えられます。
特に、地方における産業クラスター形成を促進することで、地域全体の経済活性化につながる可能性があります。
補助対象者
大規模成長投資補助金の対象となる企業は、常時使用する従業員数が2,000人以下の企業です。
一定の要件を満たす場合、中堅・中小企業を中心とした最大10社の共同申請も可能です。
会社以外の法人も、大規模投資による生産性向上や事業規模の拡大を通じた賃上げの実現といった政策目的に沿った補助事業であり、その補助事業が収益事業である場合、補助対象となります。
企業組合、協業組合、事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会、商工組合・連合会、水産加工業協同組合・連合会、技術研究組合、商店街振興組合・連合会、生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会、酒造組合・連合会・中央会、酒販組合・連合会・中央会、内航海運組合・連合会、法人税法別表第2に該当する者(一般財団法人、一般社団法人、共済組合、社会福祉法人、社会医療法人等)、農事組合法人、労働者共同組合、法人税法以外の法律により公益法人等とみなされる法人(NPO法人等)
また、一定の要件を満たす場合、中堅・中小企業を中心とした共同申請(最大10社のコンソーシアム形式)も可能です。
「みなし大企業」として補助対象外になるケース
大規模成長投資補助金では、従業員数が2,000名以下でも大企業と見なされて(みなし大企業)補助金の申請が認められないケースがあります。
大企業と見なされるのは下記のケースです。
(ア) 発行済株式の総数又は出資金額の2分の1以上が同一の大企業(外国法人含む。)の所有に属している法人
(イ) 発行済株式の総数又は出資金額の3分の2以上が複数の大企業(外国法人含む。)の所有に属している法人
(ウ) 大企業(外国法人含む。)の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の2分の1以上を占めている法人
(エ) 発行済株式の総数又は出資金額の総額が(ア)~(ウ)に該当する法人の所有に属している法人
(オ) (ア)~(ウ)に該当する法人の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の全てを占めている法人
上記のケースに該当する場合は大規模成長投資補助金に申請することができません。
補助対象経費(投資対象)
補助対象となる経費は、以下の通りです。
| 経費区分 | 対象経費 |
|---|---|
| 建物費 | 50億事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫などの建設、増築、改修、中古建物の取得経費 |
| 機械装置費 | 機械装置・工具・器具の購入、製作、借用、それらの改良・修繕・据付け・運搬費 |
| ソフトウェア費 | 補助事業で使用するソフトウェア・情報システムなどの購入・構築、借用、クラウドサービス利用費、それらの改良・修繕費 |
| 外注費 | 加工や設計、検査など一部を外注(請負・委託)する場合の経費 |
| 専門家経費 | コンサルティングや技術指導等の専門家への経費 |
建物の単なる購入や賃貸、土地代、建物の撤去・解体費用は補助対象外です。
過去の採択事例はこちら:補助金交付が決定した企業|中堅・中小成長投資補助金事務局
申請要件
賃上げ要件
補助事業の終了後3年間の補助事業に関わる従業員の1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が基準率(一般企業向け5.0%、100億宣言企業4.5%)以上である必要があります。
申請時に基準率以上の目標を掲げ、その目標を従業員などに表明の上で達成することが要件です。
※コンソーシアム形式の場合、すべての参加者が対象。
賃上げ要件が達成できなかった場合のペナルティ
以下の場合は、要件が未達成となり補助金の返還が求められます。
①交付決定までに目標を従業員等に表明しなかった場合
②基準年度の1人当たりの給与支給総額が、申請時の直近の事業年度の1人当たり給与支給総額を下回っている場合
③申請時に掲げた目標を達成できなかった場合(未達成率に応じて返還)
|天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は除く
補助金を活用する企業は、事業計画を立てる際に、賃上げ目標の達成可能性を慎重に検討する必要があります。
特に、目標の未達成による補助金返還リスクを考慮し、経営戦略の一環として慎重な財務計画を立案することが求められます。
大規模成長投資補助金のスケジュール
大規模成長投資補助金の全体の流れは以下の通りです。
| 公募 | 公募申請 | 申請書類の作成・提出 | 2026年2月27日(金)~2026年3月27日(金) |
|---|---|---|---|
| 審査 | 書面審査(1次審査) | 形式要件の適格性の確認及び計画の効果・実現可能性等について定量面の書面審査 | |
| プレゼンテーション審査 (2次審査) | 外部有識者による計画の効果・実現可能性等について定性面も含めたプレゼンテーション審査 | 2026年4月20日(月)~2026年4月24日(金) | |
| 採択 | 本公募申請者に対する審査結果の決定・通知 | 本公募申請者に対する審査結果の決定・通知 | 2026年5月下旬頃 |
| 補助事業の実施 | 交付申請 | 採択者による交付申請 | |
| 交付決定 | 交付申請者に対する事務局による交付の決定・通知 | ||
| 事業公表 | 採択者による、事業に採択された旨、目標賃上げ率、投資規模のプレスリリース等での対外的な公表 | ||
| 実施状況確認 | 補助事業期間における補助事業者の事業実施状況の確認 | ||
| 補助額の確定 | 事業完了後、補助事業者による事業報告・証憑類提出をもとに検査を行い、補助額を確定 | ||
| 補助金の交付 | 補助金交付(支払い)手続きの実施 | ||
| 事業化、賃金引上げ状況等の報告 | 補助事業者の補助事業期間終了後の事業化、賃上げ状況等の報告 | ||
▼2次審査についてはこちらの記事を参考にしてください
採択前の流れ
大規模成長投資補助金の採択までは、「公募申請(1次審査)」「2次審査」「採択発表」の順に進みます。
補助金申請の準備には多くの時間を要するため、企業は申請書類の作成だけでなく、プレゼンテーション用資料の準備も並行して進める必要があります。
過去の採択事例を分析し、審査で重視されるポイントを事前に把握しておくことが、採択を勝ち取るための重要な要素となります。
▼2次審査についてはこちらの記事を参考にしてください
採択後の流れ
採択後は、以下の流れで補助金が交付されます。
交付決定:審査後、交付決定通知書が送付されます。
補助事業の実施:交付決定後、補助事業を開始することができます。
実績報告:補助事業完了後、実績報告書を提出します。
補助金交付:実績報告書の内容が確認された後、補助金が交付されます。
|補助事業が一定期間内に完了できない場合、事務局に相談する必要があります。
補助金の交付後にも「賃金引上げ等の状況」と「事業化状況」を、補助事業完了後の以降3年間(合計4回)、毎年4~5月に報告する必要があります。
- 賃金引上げ等の状況報告:要件となる賃上げの実施状況が確認されます。未達成の場合はその達成率に応じて補助金の返還が求められます。必要に応じて、賃上げ実施の証拠書類(給与明細、労働契約書の改定内容など)の提出を求められます。
- 事業化状況報告:本事業による投資が実際に売上・利益・生産性向上・賃上げなどにつながっているかを、毎年報告します。
補助事業の実施後も、賃上げ要件の確認や事業化状況報告が求められるため、長期的な計画を立てることが重要です。
スケジュールは現時点での目安です。最新情報は補助金事務局のホームページを確認ください。
サイトはこちら https://www.nri.com/jp/news/public_offer/growth_subsidies_2026.html
申請の手順
大規模成長投資補助金の申請は以下のステップで進められます。
1.GビズIDプライムの取得
電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。
取得には書類提出から通常2週間程度かかるため、余裕を持って事前に取得手続きを行います。
※GビズIDは行政の補助金申請ポータルにログインするための共通IDです。
2.事業計画書の作成
補助事業の内容をまとめた成長投資計画書(事業計画書)を作成します。
計画書には、投資の目的・内容、具体的な投資額と資金計画、予想される効果(生産性向上の度合いや賃上げの計画)など審査基準を考慮した計画を策定します。
計画の実現可能性を示すデータや根拠(市場ニーズ、収支見通し等)を盛り込み、投資による成長シナリオを明確に記載します。
審査基準
審査は以下の項目を定量的・定性的に審査し、採択事業者を決定します。
経営力
・経営戦略上の補助事業の位置付けを踏まえ、補助事業を通じて企業自身の持続的な成長につながることが見込まれるか。
(1)長期成長ビジョン(5~10年後の社会に価値提供する自社のありたい姿、賃上げ予定 等)
(2)外部環境・内部環境の認識を踏まえた事業戦略(市場・顧客動向、自社の強み・弱み、経営資源(ヒト・モノ・カネ)の状況等 を踏まえて取り組む事業内容(補助事業含む) 等)
(3)成果目標・経営管理体制(定量的な成果目標とその達成に向けた効率的な体制の構築状況 等)
(4)補助事業を通じて長期成長ビジョンの実現に繋がるような資金計画
先進性・ 成長性
・補助事業によって提供される製品・サービスのユーザ、市場及びその規模が明確で、市場ニーズの有無を検証できているか。
また、補助事業に関連する製品・サービス等の売上高が、当該事業の市場規模の伸びを上回る成長が見込まれるか。
・補助事業で取得した設備等により生み出す製品・サービスや生産方式等は、自社の優位性が確保できる差別化された取組か。
・補助事業により、労働生産性の抜本的な向上が図られ、当該事業における人手不足の状況が改善される取組か。
地域への波及効果
・補助事業により、従業員1人当たり給与支給総額、雇用の増加が見込まれるか。
・地域内の取引先(顧客・サプライヤー)・パートナー等に波及効果をもたらすことが見込まれるか。
コンソーシアム形式の場合には、連携の意義・目的が明確であり、相乗効果が見込まれるか。
大規模投資・ 費用対効果
・収益規模に応じたリスクをとった大規模成長投資であるか。
・補助金額に対して、生み出される付加価値額が相対的に大きな取組か。
・従前よりも一段上の成長・賃上げを目指す等、企業の行動変容が示されているか。
実現可能性
・補助事業を適切に遂行できる、実施体制・財務状況等が十分に確保されているか。
(財務状況を踏まえ、補助金交付の必要性が高いと認められるかも審査対象となります)
・補助事業の事業化に向けた課題設定・解決方法・スケジュールが適正に見込まれており、実現可能性が高いか。
・金融機関・ファンド等のコミットメントが得られているか。
第5次公募からは、下記の審査内容が追加されました。
先進性・成長性「補助事業によって提供される製品・サービスのユーザ、市場及びその規模が明確で、市場ニーズの有無を検証できているか。」
地域への波及効果「地域内の取引先(顧客・サプライヤー)・パートナー等に波及効果をもたらすことが見込まれるか。」
実現可能性「財務状況を踏まえ、補助金交付の必要性が高いと認められるかも審査対象となります」
形式的な計画ではなく、市場検証・財務裏付け・地域波及まで説明できる事業計画を構築する必要があります。
3.必要書類の準備
決算書類、登記事項証明書や納税証明、金融機関の確認書など、必要書類を事前に準備します。
必要書類
以下の表で、大規模成長投資補助金の申請に必要な書類です。
| 書類名 | 留意点 | 対象 | 形式 | ファイル名 |
|---|---|---|---|---|
| 成長投資計画書(様式1) | 10ページ以内 | 全申請者 | PPT | A001_成長投資計画書_事業者名_YYYYMMDD.pptx A001_成長投資計画書_事業者名.pdf |
| 成長投資計画書 別紙(様式2) | 所定の様式に必要事項を記入 数値は指定の単位で記載 | 全申請者 | Excel | A002_成長投資計画書別紙_事業者名_YYYYMMDD.xlsx |
| ローカルベンチマーク(様式3) | 財務分析シートの黄色セルに必要事項を記入 数値は指定の単位で記載 | 全申請者 | Excel | A003_ローカルベンチマーク_事業者名_YYYYMMDD.xlsm |
| 決算書等 | 3期分 | 全申請者 | A004_決算書等_事業者名_YYYYMMDD.pdf | |
| 金融機関による確認書(様式4) | 指定の様式に金融機関が記入 | 全申請者 | A005_金融機関による確認書_事業者名_YYYYMMDD.pdf | |
| リース取引に係る誓約書(様式5) | (様式5) 所定の様式に必要事項を記入 | リース会社との 共同申請をする場合 | A006_リース取引に係る誓約書_事業者名_YYYYMMDD.pdf | |
| リース料軽減計算書(様式6) | 所定の様式に必要事項を記入 | リース会社との 共同申請をする場合 | A007_リース料軽減計算書_事業者名_YYYYMMDD.pdf |
計画書のページ数制限があるため、端的かつ効果的に事業計画を伝える工夫が必要です。
金融機関の確認書やリース取引に関する書類は、外部の関係者との調整が必要となるため、早めの対応が求められます。
4.電子申請(jGrants)
GビズIDでログインし、必要情報を入力のうえ上記書類データをすべてアップロードします。
締切日時までに送信完了する必要があります。
電子申請は締切直前にアクセスが集中し、システム障害が発生することも考えられるため、余裕を持って提出してください。
不備がある場合、補正の時間が限られるため、事前にチェックリストを活用して申請を進めましょう。
5.審査(書類審査・プレゼン審査)
提出後、書面審査(一次審査)が行われます。
書類審査では定量的な評価(投資額や効果見込み、財務状況等)がチェックされ、採択候補が絞り込まれます。
一次審査を通過した案件には、外部有識者によるプレゼンテーション審査(二次審査)が課されます。
プレゼン審査では経営者や担当者が事業計画の内容を直接説明し、計画の具体性・革新性や投資の実現可能性、地域への波及効果などが質疑応答を通じて評価されます。
審査基準の主な項目は「企業の経営力・持続成長性」「計画の先進性・成長性(生産性向上の度合い)」「地域への波及効果(雇用創出や賃上げへの寄与)」「投資規模と費用対効果」「計画の実現可能性」等で、総合的に審査されます。
プレゼン審査では、事業計画の明確なストーリーが求められます。
事業の目的、社会的意義、経済的効果などを簡潔に説明し、専門家の質問にも的確に回答できる準備が必要です。
6.採択結果の通知
最終的な採択・不採択の結果は、事務局の公式ウェブサイト上での発表や申請者へのメール連絡等で通知されます。
申請における注意点
補助金の支払い対象となるのは、申請後に審査員による審査を受けて採択(合格)された企業が、事務局へ見積書等を提出し、許可(交付決定)を得た後に発注した経費のみです。
交付決定前に行った発注は補助対象外となるため、注意が必要です。
また、申請時の計画内容に変更が生じた場合や、補助対象外の経費が含まれていた場合には、事務局が算定する補助対象経費の額が10億円以下となるケースもあります。その場合、補助金を受け取ることはできません。
採択結果の分析と審査基準
採択結果の分析
第4次公募の大規模成長投資補助金は、申請件数210件に対し採択件数102件となり、採択率は約49%と第3次公募同様に過去の公募回と比較すると高い採択率となりました。

指標から読み取る、採択者と申請全体の違い
以下のデータは、大規模成長投資補助金(第4次公募)での採択者と申請者の計画書の比較です。
各種指標について「採択者」と「申請者全体」の中央値を比較しています。

多くの指標において、採択者は申請者全体と比較して高い数値を示していますが、「全社賃上げ予定率」や「年平均従業員目標賃上げ率」など一部の指標については、両者でほぼ同等の水準となっています。
一方で差がでた指標は、基準年から事業化状況報告3年目を比較した「全社年平均売上高成長率」と「全社売上高増加額」です。
逆算したところ、採択者の中央値は売上高100億円超であるのに対し、申請者全体の中央値は約80億円となっています。
よって、事業開始後3年間の売上高の増加が大きい企業ほど採択されやすい傾向にあると分析しています。
売上高の規模と採択率の相関として、審査基準「経営力」において、「高い売上高成長率及び売上高増加額が示されているか」が評価された結果と考えられます。
投資額の大きさ
採択者と申請者全体を比較すると、「全社売上高に対する投資額割合」はそれぞれ47%、48%と大きな差は見られません。よって、売上規模が大きい申請者ほど、投資額そのものが大きく、採択されたと考えられます。
このことから、本補助金の象徴ともいえる「大規模投資」を行う事業者が採択されやすい傾向にあると言えます。
補助金額に対する付加価値増加額割合の高さ
「補助金額に対する付加価値増加額割合」は、採択者が209%、申請者全体が169%となっており、採択者の方が高い水準を示しています。
この指標は、国としての補助金投資の効果を示すものといえます。
以上より、政府としては、より投資効果が高いと判断される事業者が採択に結び付いたと考えられます。
第5次公募からは新たに、売上高100億円未満の「100億宣言企業」が別枠予算で審査され、スタートアップ企業への申請訴求を図る変更があったこともあり、売上高規模が大きくない企業であっても、従来より採択されやすくなる可能性が高いと考えられます。
審査基準
審査は、以下の基準に基づいて行われます。
- 収益規模に応じたリスクをとった大規模成長投資であるか
- 補助金額に対して、生み出される付加価値額が相対的に大きな取組か
- 従前よりも一段上の成長・賃上げを目指す等、企業の行動変容が示されているか
採択結果の分析で記載した通り、補助金額に対して生み出される付加価値額が相対的に大きな取組かどうかが、採択される重要なポイントになります。
また「企業の行動変容」が求められている点が特徴的です。
単なる事業拡大ではなく、新たな価値創出や地域経済への貢献が評価されるため、申請時にはこうした視点を意識することが重要です。
よくある質問
大規模成長投資補助金のよくある質問をまとめました。
ご不明点がございましたら、事務局または当社までご相談ください。
Q1. 当社は、製造業で、資本金1億円・常時使用する従業員数3,000人であり、中小企業基本法における中小企業者の定義に該当しますが、補助対象者の要件に該当しますか。
A1.本事業では、資本金の金額によらず、常時使用する従業員数が2,000人以下の会社等を補助対象者としているため対象外です。
Q2. 同じ事業者が複数回応募することは可能でしょうか。
A2. 同じ公募期間内において、同一の事業者が申請できる事業計画は1件までです。なお、1次公募で不採択となった場合、2次公募に申請することは可能です。ただし、1次公募で採択され、交付決定を受けた事業者については、2次公募でさらに採択を受けることはできません。
Q3. 補助事業の内容に制限はありますか。
A3. 補助対象とする事業の内容が、農作物の生産自体に関するものなど1次産業を主たる事業としている場合は対象外となります。ただし、1次産業を営む事業者であっても、補助対象とする事業の内容が2次・3次産業に関する事業である場合は対象となり得ます。 そのほか、例えば、公序良俗に反する事業や法令に違反する(恐れがあるものを含む)事業などについては、補助対象外となります。 詳細は公募開始時に公表する公募要領に規定します。
Q4. 採択される前に着手している事業でも、補助対象になりますか。
A4. 交付決定より前に契約(発注含む)を行った経費については、補助対象外となります。そのため、採択された後であっても、交付決定前までに契約(発注含む)している経費については、補助対象外となりますのでご注意ください。
Q5. 複数の地域で投資を行う場合も対象になりますか。また、対象になる場合、賃上げの要件に適用される基準値はどのように設定されるのでしょうか。
A5. 補助事業の目的・内容が一体的であれば、投資場所が複数地域になる場合も対象となります。その場合、賃上げ要件については、事業実施場所ごとの基準値を適用しますので、事業実施場所ごとに賃上げ率を設定していただきます。
Q6. 設備投資に当たって、リースを活用することは可能でしょうか。
A6. 機械装置やソフトウェアに限り、リースやレンタルについて、交付決定後に契約したことが確認できるもので、事業期間中に要する経費については対象とすることが可能です。契約期間が事業実施期間を超える場合、按分等により算出された事業実施期間分の経費が対象となります。また、ファイナンス・リース取引に限り、補助事業者がリース会社に支払うリース料から補助金相当分が減額されることなどを条件として、リース会社と共同申請をする場合には、機械装置やソフトウェアの購入費用について、リース会社を対象に補助金を交付することが可能です。この場合、リース会社に対しては投資額・賃上げ要件等の適用は求めません。
Q7. 補助金の概算払いは可能ですか。
A7. 原則、補助金は精算払い(補助事業終了後に確定検査を経て支払い)としますが、補助事業終了前でも、個別の支出状況に応じて補助金を交付するといった柔軟な対応をいたします。
Q8. 審査はどのように行われるのでしょうか。
A8. 申請のあった事業計画に基づく1次審査を行い、通過した申請者は、2次審査として経営支援等を行う外部有識者に対するプレゼン審査(対話形式)を行います。当該審査を通じて、政策目的に沿った優れた提案を行った事業者を採択します。
Q9. 賃上げ要件について、補助事業の終了後3年間は、毎事業年度、申請時に掲げた目標以上の賃上げ率を満たしていなければ、補助金を返還しなければならないのでしょうか。
A9. 補助金の返還対象の有無は、補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員1人当たり給与支給総額の伸び率(年平均 成長率)が、申請時に掲げた賃上げ伸び率の目標以上であるかどうかで確認します。年平均成長率で確認するため、例えば、賃上げ状況を確認する1・2事業年度目は目標以上の伸び率となっていなくても、3事業年度目(確認対象となる最終事業年度)の1人当たり給与支給総額と基準年度(補助事業の終了日を含む事業年度)を比 較した年平均成長率が目標以上となっていた場合は返還の対象になりません。ただし、補助事業終了後の賃上げ状況や事業実施状況(3事業年度分)の確認については、毎事業年度行います。
まとめ|大胆な未来への投資の契機に
大規模成長投資補助金は、単なる設備更新を支援する制度ではなく、中長期の成長戦略と持続的な賃上げを一体で実現するための、大規模かつ構造転換型の投資を後押しする制度です。
第5次公募では、最低投資額の引き上げや賃上げ基準の見直し、100億宣言企業向け類型の新設に加え、加点項目の明文化が行われました。
さらに、審査においては市場ニーズの検証状況や地域への波及効果、財務状況を踏まえた補助金交付の必要性まで踏み込んで評価される設計となっています。これまで以上に、戦略性と実現可能性の両立が求められる公募へと変化しています。
本公募は申請準備から提出までの期間が非常に限られており、事業計画の構想整理、数値計画の精緻化、金融機関との調整、提出書類の整備を短期間で進める必要があります。限られた時間の中で完成度を高めるためには、専門家の知見を活用し、戦略的に準備を進めることが重要です。
弊社では、経営戦略の整理から市場分析、財務シミュレーションの構築、プレゼンテーション対策まで一貫してご支援しています。大規模成長投資補助金の活用をご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。企業の次の成長段階を見据えた戦略的な活用をご一緒に検討いたします。
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不採択の場合も、再申請に向けたフォローアップを行います。
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