宿泊業者におすすめのものづくり補助金

COLUMN お役立ちコラム

2023.11.08

ものづくり補助金

宿泊業はものづくり補助金の対象になる!ホテルや旅館の活用事例、申請プロセスを徹底解説!!

ものづくり補助金は製造業だけではなく、ホテルや旅館などの宿泊業も利用できます。 この記事ではものづくり補助金の概要や活用事例、申請の流れやコツ、注意点について解説します。 実際に申請する際の手順も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ものづくり補助金とは?

ものづくり補助金とは?

ものづくり補助金リーフレット

ものづくり補助金とは、正式名称を「ものづくり・商業・サービス補助金」といい、ポストコロナ・ウィズコロナの時代に生産性向上や経営革新のための設備投資などを行う中小企業を支援する補助金です。

担保や返済の必要がなく人気の補助金制度ではありますが、その分採択のハードルも高いのが特徴です。

最新2024年(令和6年)のものづくり補助金について、次の記事で詳しく解説しています。
▼2024年(令和6年)ものづくり補助金の最新情報まとめ!
https://planbase.co.jp/column/264/

通常枠の概要

通常枠の概要

ものづくり補助金の通常枠の概要は以下の通りです。

支援内容

革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な整備・システム投資等を支援

補助金額

従業員数5人以下:100万円~750万円
6人~20人:100万円~1,000万円
21人以上:100万円~1,250万円

補助率 1/2、2/3(小規模企業者・小規模事業者・再生事業者)
要件

・事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加。
・事業計画期間において、事業場内最低賃金を、毎年地域別最低賃金+30円以上の水
 準とする。
・事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加

※参照:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(16次締切分)

ものづくり補助金の類型

ものづくり補助金には、一般型とグローバル市場開拓型の2つの類型があります。

 グローバル型は、海外事業の拡大・強化などを目的とした「製品・サービス開発」または「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資などを支援します。

※ビジネスモデル構築型という類型もありましたが、令和5年度に廃止されました。

一般型の4つの申請枠

一般型の4つの申請枠

一般型には以下の4つの類型があります。

  補助率 補助金額 対象経費
通常枠

1/2
2/3(小規模企業者・小規模事業者、再生事業者)

750万円以内(従業員規模5人以下)
1,000万円以内(従業員規模6~20人以下)
1,250万円以内(従業員規模21人以上)

機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費
回復型賃上げ・雇用拡大枠 2/3
デジタル枠
グリーン枠

1,000万円以内(従業員規模5人以下)
1,500万円以内(従業員規模6~20人以下)
2,000万円以内(従業員規模21人以上)

参照:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(16次締切分)

ものづくり補助金の対象事業者・対象外の事業者

ものづくり補助金の対象事業者・対象外の事業者

ものづくり補助金は飲食、宿泊、介護、保育なども対象としていますが、事業者の特徴によっては対象外の場合もあるため、注意が必要です。

ものづくり補助金の対象事業者

以下の表の通り、ものづくり補助金は宿泊業(旅館業)も対象になります

業種 

資本金 

常勤従業員数

製造業、建設業、運輸業、旅行業 

3億円

300人

卸売業

1億円 

100人 

サービス業

5,000万円

100人 

小売業 

5,000万円

50人

ゴム製品製造業

3億円

900人

ソフトウェア業又は情報処理サービス業 

3億円

300人

旅館業

5,000万円

200人

その他の業種(上記以外) 

3億円

300人

参照:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(16次締切分)

ものづくり補助金の対象外になる事業者

ただし、対象事業者のなかでも対象外になる場合があります。たとえば、応募締切日前10か月以内に、ものづくり補助金を受けた事業者は対象外になります。また、発行株式の半分以上を大企業が保有していたり、役員に大企業の役員や職員の兼業者がいる場合も注意が必要です。

宿泊業で活用できるものづくり補助金の対象経費

宿泊業で活用できるものづくり補助金の対象経費

まずは代表的な対象経費を表で解説します。

対象経費 概要
機械装置・システム構築費

機械・装置、工具・器具の購入、製作、借用に要する経費
専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用に要する経費
改良・修繕又は据付に要する経費

技術導入費 知的財産権等の導入に要する経費
専門家経費 専門家に支払われる経費
運搬費 運搬料、宅配・郵送料等に関する経費
クラウドサービス利用費 クラウドサービスの利用に関する経費 
原材料費 試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費
外注費 新製品・サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、受託等)する場合の経費
知的財産等関連経費 新製品・サービスの事業化に当たって必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁護士の手続代行費用、外国特許出願のための翻訳料等の知的財産権等取得に関する経費

参照:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(16次締切分)

特に、宿泊業に関連のある経費として以下があげられます。

・アナログな部分のデジタル化など、生産性を上げるための「機械装置・システム構築費」
・専門家の技術指導やアドバイスをうけるための「専門家経費」
・内装の工事費用やWebのデザイン費用などの「外注費」

 

宿泊業のものづくり補助金の活用事例

宿泊業のものづくり補助金の活用事例

ホテルや旅館の代表的なものづくり補助金の活用事例を紹介します。自社に適した事業検証の参考にしてみてください。

採択率の高いDX、ITの活用 

業務効率化を図るDX、ITの活用は採択率が高い傾向にあります。 たとえば、以下のような事例があります。

・観光地公式モバイルアプリの導入
・スポットや予算、日程などを入力すれば、ツアー案を自動的に生成するサービス
・紙のチケットをデジタル化、顔認証などの生体認証の導入

 他にも経済産業省が公開した「スマートリゾートハンドブック」では、さまざまな事例が公開されています。


スマートリゾートハンドブックに目を通して事業アイデアを構想することもおすすめです。

体験型事業の活用 

宿泊業では、体験に重きを置いた事業の事例もあります。

 たとえば、以下のような事例があります。

・エンターテイメントショーを温泉施設に導入
・老舗の旅館が温泉設備を導入

ただしDX、ITの活用に比べると採択事例は少ない傾向にあり、綿密な事業計画が必要です。

宿泊業がものづくり補助金の採択率を上げるコツ

宿泊業がものづくり補助金の採択率を上げるコツ

 

ものづくり補助金の採択率を上げるコツとして以下の3つを意識しましょう。

・申請内容の見落としや誤字脱字がないよう正確に記入しましょう。可能であれば複数人での確認をおすすめします。
・事業計画書では、内容を全く知らない人間が読むことを意識しながら、「具体性」「実現可能性」「根拠」を丁寧に記入しましょう。特に事業計画は採択可否に大きく影響します。
・ITは優遇される傾向にあるため、デジタル技術を活用した取り組みを行うと効果的です。

 

宿泊業がものづくり補助金を申請する際の注意点

宿泊業がものづくり補助金を申請する際の注意点

次に、ものづくり補助金を申請する際の注意点について解説します。

建物の改修費に使えない

ものづくり補助金では、改良・修繕、据付工事費も補助対象経費となっていますが、既存の建物の改修費にはものづくり補助金は使えません。あくまで新事業のため新たに行った工事や購入した機械が対象です。

補助金の事業内期間にかかった経費のみが対象になる 

対象になるのは、補助金の採択結果が出た後から補助金の事業期間内にかかった経費のみです。見積書や発注書の日付など、金銭にまつわる書類の時系列には注意しましょう。

補助金は後払い形式である

原則、ものづくり補助金は後払いです。また、申請したからといって必ず採択されるわけではありません。
実際に補助金を受け取るまでには時間がかかる場合もあるため、余裕を持った資金繰りをするようにしましょう。

ものづくり補助金の申請の流れ

ものづくり補助金の申請の流れ

ものづくり補助金の具体的な申請方法について解説します。

申請方法は、令和4年度より完全に電子申請に移行しました。今回は電子申請の方法について解説します。
電子申請では、スマートフォンやタブレットはサポート対象外のため、基本的にパソコンがおすすめです。

gBizIDを取得する 

gBizIDとは複数の行政サービスを利用できる共通認証システムです。

補助金申請には「gBizIDプライム」が必須です。gBizIDには他にもアカウントがありますが、「プライム」でなければ補助金の申請はできません。gBizIDプライムは印鑑証明と登録印鑑を押印した書類を郵送し取得します。

 ※参考:gBizIDの公式ページ

gBizIDプライムにログインする 

gBizIDプライムを取得できたら、まずはシステムにログインします。「ものづくり・商業・サービス生産性向上補助金の公式サイト」で「GビズIDプライムでログイン」をクリックしログインします。

申請内容を入力する 

以下の内容を入力します。

・「応募者の概要1」〜「提出書類添付」

・「A.応募者のプロフィール」〜「B.提出書類添付」

交付申請書類を提出する

以下の必要書類を添付します。

・申請要件
・事業内容
・加点要件
・補足資料

 書類を作成し用意するのは、意外にも手間がかかります。自身で難しいと感じたら、申請代行業者への依頼を検討しましょう。

 申請内容を確認し申請する

申請内容の確認をし、送信します。

採択結果を受ける 

約1か月から2か月後に採択結果が来るため、確認しましょう。

事業を実施する

補助金の採択が決定したら、実際に事業を実施します。事業実施期間内の費用が対象になるため注意が必要です。事業実施の実績を報告する補助事業が終わったら、マイページから報告します。実績報告の際にも資料作成が必要です。

まとめ

宿泊業には事業再構築補助金の方が適している場合も

宿泊業は、事業再構築補助金の方が採択率が高い傾向にありますが、採択にはハードルが高く補助金事業専門のコンサルティング会社からサポートを受ける事業者が多いのが現状です。

 まとめ

この記事では宿泊業でものづくり補助金を受けるための概要や条件、対象事業者、対象経費、活用例、コツや注意点、手順について解説しました。

ものづくり補助金は、中小企業の生産性向上や経営革新のための設備投資などを支援する補助金制度で、宿泊業も対象になります。 しかし補助金を受け取るためには、厳しい審査や煩雑な手続きが必要です。そのため応募する際には、認定支援機関などの専門家への相談が重要です。

宿泊業でものづくり補助金を受け取りたいと考えている人は、ぜひ株式会社プランベースにご相談ください。採択件数全国トップクラスの実績を持つ、経済産業省の認定支援機関です。ものづくり補助金の申請から実施まで、トータルでのサポートを実施します。

▼2024年(令和6年)ものづくり補助金の最新情報まとめ!
https://planbase.co.jp/column/264/

▼お問い合わせはこちら

この記事の執筆者

村上 貴弘

村上 貴弘

東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。