予算が豊富で規模が大きく、多くの事業者が一度は名前を耳にしたことがあるであろうものづくり補助金。補助対象も幅広く、毎回非常に多くの事業者が申請しています。しかしながら採択率約5割ほどで、申請したすべての企業が採択されるわけではありません。そこで本記事では、ものづくり補助金を申請しても、不採択になる理由や修正ポイントなどを解説します。ものづくり補助金を申請する際の参考にしてください。
ものづくり補助金の不採択理由
COLUMN お役立ちコラム
2023.06.16
ものづくり補助金
【2023年6月最新版】ものづくり補助金の不採択理由は?採択されるためのポイントも徹底解説!!
はじめに
ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金とは、経済産業省が実施する「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の略称で、中小企業や小規模事業者が取り組む「革新的なサービス」や「生産プロセスの改善」に必要な費用を補助する補助金制度です。最新第15回ものづくり補助金の公募要領については次の記事を参考にしてください。
▼2024年(令和6年)ものづくり補助金の最新情報まとめ!
https://planbase.co.jp/column/264/
▼ものづくり補助金の無料相談はこちら
https://planbase.co.jp/lp/monodukuri/
※参考:第16回ものづくり補助金公募要領
不採択になる5つの理由
不採択になる5つの理由
大体ものづくり補助金の採択率は約50%であり、ものづくり補助金を申請しても約過半数の事業者が不採択になってしまいます。ここでは、不採択になる主な理由や事例を5つ紹介します。
1. 事業計画書が公募要領に沿っていない
国や地方自治体の補助金には、行政が目指す方向性と合致した新たな挑戦を行う事業者を支援する目的があります。行政が目指す目標については、それぞれの補助金の公募要領で公表されているので確認しましょう。
ものづくり補助金についても、補助を実施する目的として、生産性向上や革新的サービスの開発や試作品開発生産、プロセスの改善などの目標があります。したがって、目標を含めた公募要領に沿っていない事業計画の場合は、不採択になる可能性が高くなります。例えば、一般型の通常枠の補助金を申請したとしましょう。この枠には必ずクリアすべき基本項目が3つあり、満たす要素が事業計画に含まれていなければ不採択になってしまいます。
2. 具体性の不足
よくある不採択理由の2つ目は、事業計画の具体性の不足です。国や地方自治体は、企業に投資した補助金が無駄にならないように事業計画を綿密に確認します。いわば「本当に事業を実現可能なのか」、業務遂行能力を含めた実現可能性がチェックされます。そのため、DXの推進やデジタル技術の導入を掲げた事業計画であっても、企業の技術力や資金力が足りていない場合は、不採択になってしまうでしょう。また事業計画に具体性を持たせるには、 具体的な数値や企業実態をベースにした現状把握、将来に関する分析データなどが有効です。
3. 加点項目の不足
加点項目の不足も不採択理由になります。 加点項目とは、基本要件とは異なる基準を満たすことで採択審査で加点される制度です。「ものづくり補助金総合サイト」をみれば、加点項目のクリア数によって採択率の変化がわかります。
具体的には、加点項目のクリア数がゼロの場合は、採択率が約20%です。加点項目が2個ある場合の採択率は約50%であり、4個あれば約70%となります。加点のクリア数が多いほど、採択率が向上します。
ものづくり補助金の採択率を上げるためには、基本項目をすべてクリアし、可能な限り加点項目もクリアすることが重要です。
※参考:トップページ|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト
4. 金額が不適切
ものづくり補助金では、事業計画をベースにした資金計画も必要です。資金計画での投資金額が適切でない場合も不採択の理由です。例えば、300万円で購入できる設備なのに、投資金額が500万円となっていれば不採択の理由になります。
また、1年間の売上高が700万円なのに対し、500万以上の補助金を求めたりする場合も不採択となるでしょう。事業計画や資金計画は、金額の適正さが求められます。第三者に違和感を感じさせない現実的な金額設定を行いましょう。
5. 理解しづらく読みにくい事業計画書
理解しづらく読みにくい事業計画書を提出した場合も不採択の理由です。前述したように、国や地方自治体は事業計画を精査します。その際、当然のことですが、読んでも理解しづらい事業計画や読みにくい事業計画よりも、 読みやすく理解しやすい事業計画を採択する傾向があります。例えば読みにくい事業計画書とは、長文が続いたり見出しがなかったりする計画書や、適切な改行や句読点がない計画書が該当します。そこで、事業計画書の作成を外部の認定支援機関に依頼することも採択可能性を高めるうえで非常に効果的な選択肢です。認定支援機関については、次の記事を参考にしてください。
▼認定支援機関に関する記事はこちら
https://planbase.co.jp/column/122/
不採択になったら?
不採択になったら?
ものづくり補助金は、一度不採択になっても次回の公募で申請可能です。そのため過度に落ち込む必要はありません。不採択という結果を受け止め、何が足りなかったのか不足点の理解に努めましょう。不採択理由を考えるにあたり、第一にすることは基本項目及び加点項目を十分に満たしていたか否かです。時間を経て再度計画書を見ることで、自分の計画書の不足点に気が付く可能性があります。また、満たすことが出来ていなかった加点項目は、次回申請で満たすことが出来るように最大限努力しましょう。他にも、事業計画書について再度第三者から意見を貰うこともオススメです。
不採択理由を修正する際のポイントは?
不採択理由を修正する際のポイントは?
不採択の理由を修正するにはポイントがあります。ここでは、5つの不採択理由に関する修正ポイントを解説します。
1. 公募要領に沿った事業計画書にするポイント
公募要領に沿った事業計画書は、採択に不可欠な要素です。公募要領に沿った事業計画書を作成するポイントは次のようになります。
・明確な事業計画
・事業の成果の共有
・市場ニーズに合わせる
・ユーザーのニーズに合わせる
・単なる設備投入で終わらせない
・設備投入は革新的内容となる
・コンサルタントだけに任せない
事業計画では、事業内容を明確に定める必要があります。何故なら、事業内容が曖昧だと計画書の途中で矛盾が生じたり、読み手からして分かりづらい内容になってしまったりする可能性があります。市場やユーザーニーズに適した製品開発を目指し、単なる設備投資ではなく、革新的な投資であることが重要です。
2. 具体性をもたせるポイント
事業計画書に具体性を持たせることも、不採択理由を修正するための重要なポイントです。ここまでに少し触れましたが、事業に具体性を持たせるためのポイントは次のとおりです。
・数値を明確にする
・自社の実態をもとにした現状把握
・現状把握をもとにした将来の分析データ
・事業計画書の根拠となる理由や裏付けとなるデータ
・社名商や品名、設備名などの固有名詞の明確化
国や地方自治体は、設備投資予定の商品に関して、どの企業で作られたものであり、どのような商品であるかを明確にすることも重要視しています。新たに取り組む事業の計画に躓いた場合は、提携している認定支援機関や第三者に意見を貰いつつ内容を明確にしていくことオススメメです。
3. 加点項目を増やす理由
下表は、ものづくり補助金における加点取得数と採択率の関係を表したものです。ものづくり補助金公式サイトにある「データポータル」を参照しました。
加点の個数 | 採択率 |
0 | 33.3% |
1 | 51.9% |
2 | 69.5% |
3 | 80.4% |
4 | 81.7% |
5 | 80.6% |
6 | 100% |
表のように、加点の個数が上がれば、それに比例して採択率も上がる傾向があります。ものづくり補助金の加点は、公募回によって変更されるので、事前に確認しておきましょう。前回の公募で加点されなかった場合でも、今回の公募回で加点されることもあるため、積極的に検討することがおすすめです。
※参考:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト
4. 金額を適正化するポイント
投資金額を適正化するポイントは、先に少し触れましたが次のとおりです。
・投資金額は現在の財務状態を分析して設定
・投資金額は高いほど採択される傾向
・投資金が少額すぎると生産性向上の説得力に欠ける
・適正かつ積極的な計画の投資金額を算出
注意したいことは、補助金を多くもらいたいための過剰投資です。過剰投資は経営計画に無理が生じると判断される可能性が高くなります。また、少額投資は、ものづくり補助金の目標である「生産性向上」や「革新的サービスの開発」などの説得力に欠ける事業計画と判断されやすくなるため注意が必要です。
5. 読みやすい事業計画書のポイント
読みやすくて理解しやすい事業計画書は、主に次のポイントがあります。
・図表やグラフで分かりやすくする
・長文は箇条書きで読みやすく
・長文は適切に改行して空白行をいれる
・冗長な表現を抑え重複表現をなくす
・重要箇所はアンダーラインや太字で表示
事業計画書などは、読み手への配慮がなければ、独りよがりの読みにくい書類になりがちです。読み手に、自社の事業計画が適切に伝わることを心がけましょう。
ものづくり補助金の採択率は?
ものづくり補助金の採択率は?
次の表は1次締切から13次締切までの採択率を表しています。
締切 | 採択率(%) | 締切 | 採択率(%) |
1次締切 | 62.5 | 8次締切 | 59.7 |
2次締切 | 57.1 | 9次締切 | 62.1 |
3次締切 | 38.1 | 10次締切 | 60.8 |
4次締切 | 30.8 | 11次締切 | 59.4 |
5次締切 | 44.1 | 12次締切 | 58.4 |
6次締切 | 47.4 | 13次締切 | 58.0 |
7次締切 | 50.2 | - | - |
ものづくり補助金の直近の採択率はホームね 60%前後で推移しています。4次締切では最多の申請があったため、極端に採択率が悪くなりました。申請枠ごとに採択率が異なるとも考えられています。
まとめ
まとめ
ものづくり補助金では約半数の事業者が不採択になってしまいますが、事前に注意点を把握しておくことで採択可能性を高めることが出来ます。また何度でも申請可能な補助金となっているため、一度不採択になったとしても不足点を見直して修正を行い、再度申請に挑戦しましょう。
▼2024年(令和6年)ものづくり補助金の最新情報まとめ!
https://planbase.co.jp/column/264/
ものづくり補助金の申請には、株式会社プランベースがおすすめです。株式会社プランベースは、東京大学大学院経済研究科・経済学部発、採択件数全国トップクラスの経済産業省認定支援機関です。採択されやすい事業計画の策定など、補助金申請支援を実施しています。
はじめての補助金申請で分からないことが多い事業者に対しては無料で相談を受け付けておりますので、ものづくり補助金など補助金申請でお悩みの事業者の方はぜひ、以下からお問い合わせください。
▼ものづくり補助金の無料相談はこちら
https://planbase.co.jp/lp/monodukuri/
この記事の執筆者
村上 貴弘
東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。
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