【2026年最新版】第11回公募|最大2億円「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」を徹底解説

目次
都内中小企業を対象に、最大2億円を上限として設備投資を支援する制度「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」。本助成金は、単なる設備更新ではなく、競争力強化・生産性向上・DX推進・イノベーション創出といった中長期的な成長戦略を持ち、賃上げを含む持続的な経営改善に取り組む都内中小企業を重点的に支援する制度として、東京都が実施しています。本記事では、制度の概要から補助対象者の要件、5つの事業区分の違い、ゼロエミ要件や賃上げ要件、補助対象設備、実際の採択事例、そして採択されるための具体的なポイントまでを第11回公募要領を参考に解説します。「自社が対象になるのか」「どの区分で申請すべきか」「賃上げ要件を含め、どうすれば採択率を高められるのか」を明確にしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業とは
2025年12月17日 第11回公募のプレスリリースが公開
2026年1月5日 記事公開
2026年1月15日 第11回公募要領公開に伴う記事更新
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業とは、都内中小企業者が競争力強化や生産性向上を進める際に必要となる機械設備等の導入経費の一部を助成することを目的とした補助金です。
具体的には、以下の点に貢献することを目指しています。
- 製品・サービスの質的向上による競争力強化
- 生産能力の拡大のための生産性向上
これらの支援を通じて、都内中小企業の中長期的な成長を支え、東京の産業力の強化および都内経済の持続的発展につなげることが最終的な目的とされています。
東京都を対象とした補助金の中でも規模が大きく、最大2億円の補助金を受給することが可能です。
本記事は、第11回募集要項の内容をもとに、詳しく解説します。
※本記事の作成にあたり、以下の資料を参考にしています。
参考:公益財団法人東京都中小企業振興公社「第11回募集要項」
補助対象者
「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」の助成金対象となる企業は、主に都内の中小企業者または中小企業団体等です。
1.事業者の種類
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は、中小企業向けの制度です。
中小企業者(会社及び個人事業者)、または中小企業団体等であること(中小企業等協同組合法に基づく組合等、構成員の半数以上が都内に主たる事業所を有する中小企業であること)が必須となります。
中小企業の定義は下記の通りです。
| 業種 | 資本金及び常用従業員数 |
|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業・その他の業種 (ソフトウェア業、情報処理サービス業含む) | 3億円以下又は300人以下 |
| ゴム製品製造業の一部 | 3億円以下又は900人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下又は100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下又は100人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下又は200人以下 |
| 小売業(飲食業を含む) | 5,000万円以下又は50人以下 |
大企業が実質的に経営に参画しているとみなされる場合(例:大企業が株式総数の2分の1以上を単独で所有、または役員総数の2分の1以上を大企業の役員が兼務している場合など)は対象外です。
2. 事業所の所在地と事業継続期間
東京都が実施する制度であるため、都内で事業を継続的に行っていることが必須となります。
具体的には下記の項目をすべて満たす必要があります。
- 基準日現在で東京都内に登記簿上の本店または支店があること。
- 基準日現在で東京都内事業所で継続的に2年以上事業を行っていること。
- 助成事業の成果を都内で引き続き活用し続ける予定があること。
|東京都以外に機械設備を設置する場合、東京都内に登記簿上の本店があり、設置場所が神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県に所在する工場等である必要があります。
登記や建物があることだけではなく、客観的にみて都内に根付く形で事業活動が実質的に行われている必要があります。
3. 賃金引上げ計画を策定
第11回募集より、賃金引上げ計画の策定が応募要件となりました。
第10回募集において任意で適用した「賃上げ要件」が、第11回募集では必須の要件になります。
5つの事業区分と特例要件
本事業は、都内中小企業の競争力強化と生産性向上を目的とし、必要な機械設備等を導入する取り組みを支援します。
対象は以下の5つの事業区分に分かれています。
① 競争力強化
② DX推進
③ イノベーション
④ 後継者チャレンジ
⑤ アップグレード促進
第10回公募ではすべての事業区分に「ゼロエミ要件」適用による助成率引き上げが採用されていましたが、第11回募集では「ゼロエミ要件」による助成率引き上げはありません。
ただし、アップグレード促進に申請するには、引き続き「賃上げ要件」と「ゼロエミ要件」を適用する必要があります。
①競争力強化(申請者区分:A,B)
競争力強化及び生産性向上のために必要となる機械設備等を新たに導入する事業を支援します。
取り組みの目的(例)
・量産体制の構築および安定供給体制の確立
・多品種少量生産への柔軟な対応
・生産工程の改善と効率化
・一貫加工体制の実現
・製品・技術における品質向上および信頼性の確保
・特殊素材・難加工材・複雑形状への対応力強化
・短納期要求への対応
・コストダウンの実現
一定の賃上げを実施(賃上げ要件)し、設備投資後、従業員一人当たりの付加価値額(労働生産性)を年率3%以上向上する計画を策定する必要があります。
| 企業規模・要件 | 助成率 | 助成金の限度額 |
|---|---|---|
| 中小企業者(申請者区分:A) | 3/4以内 | 1億円 |
| 小規模企業者(申請者区分:B) | 4/5以内 | 1億円 |
|賃金引上げ計画を達成できなかった場合、中小企業者の助成率は1/2以内、小規模企業者は2/3以内となります。
②DX推進(申請者区分:C)
本区分は、IoT・AI・ロボット等のデジタル技術を活用し、既存事業の高度化や新たな製品・サービスの創出に取り組む企業が対象です。
デジタルトランスフォーメーション(以下「DX」という。)の推進を通じて、既存ビジネスの変革や新たな価値創造を図り、生産性・業務効率の向上を実現することで、経営課題の解決と競争力強化を目指します。
対象となる事業は、DXを目指した事業展開に必要な機械設備を導入し、設備投資後に従業員一人当たりの付加価値額(労働生産性)を年率3%以上向上させる計画を策定する必要があります。
取り組みの目的(例)
・生産設備や機械制御の自動化・省力化
・設備稼働状況のリアルタイム把握
・異常検知・故障予兆によるダウンタイムおよび不良率の低減
・物流工程の最適化・自動化
・受発注・在庫管理の効率化
・生産ライン全体の可視化および最適制御
本事業では、これらの取り組みを通じて、現場レベルでのDXを具体化し、生産性向上、品質改善、コスト削減等の成果につなげることを期待しています。
助成率・助成限度額
| 事業区分 | 助成率 | 助成金の限度額 |
|---|---|---|
| DX推進 | 3/4以内 | 1億円 |
|賃金引上げ計画を達成できなかった場合、助成率は2/3以内となります。
③イノベーション(申請者区分:D)
本区分は、都市課題の解決に資する製品・サービスの開発や、国内外での成長が期待される特定産業分野において新たな事業活動に取り組む企業が対象です。
イノベーションの創出および市場拡大を目的として、事業化に必要な機械設備等の導入を通じた取り組みを後押しします。
対象となる製品・サービスは、以下のいずれかの産業分野に該当する必要があります。
・防災・減災・災害復旧分野
・インフラメンテナンス分野
・安全・安心の確保分野
・スポーツ振興・障害者スポーツ分野
・子育て・高齢者・障害者支援分野
・医療・健康分野
・環境・エネルギー・節電分野
・国際的な観光・金融都市の実現分野
・交通・物流・サプライチェーン分野
また、上記分野に関連する以下のいずれかの取り組みに該当する必要があります。
・新商品の生産
・新役務の提供
・商品の新たな生産又は販売の方式の導入
・役務の新たな提供の方式の導入、その他の新たな事業活動
そのほかの要件として、従業員一人当たりの付加価値額(労働生産性)を設備投資実施から3~5年後の間のいずれかで年率3%以上向上させる計画を策定することが必要です。
本事業は、これらの分野における新たな製品・サービスの創出を通じて、地域課題の解決とグローバル市場における競争力強化を同時に実現することを目的としています。
助成率・助成限度額
| 事業区分 | 助成率 | 助成金の限度額 |
|---|---|---|
| イノベーション | 3/4以内 | 1億円 |
|賃金引上げ計画を達成できなかった場合、助成率は2/3以内となります。
④後継者チャレンジ(申請者区分:E)
本区分は、事業承継を契機として後継者が中心となり、将来の成長に向けた新たな挑戦に取り組む企業が対象です。
M&Aや代表者交代後の新たな経営体制のもと、事業再構築や多角化、新分野への進出、経営課題の解決等に必要な機械設備の導入を後押しします。
単なる代表者交代にとどまらず、後継者が新たなビジョンを掲げて推進する「第二創業」としての成長戦略を描いているかが重要な評価ポイントとなります。
本制度は、事業の継続性と発展性を両立させる取り組みを対象としています。
従業員一人当たりの付加価値額(労働生産性)を設備投資実施から3~5年後の間のいずれかで年率3%以上向上させる計画であることが必要です。
対象者
令和4年9月1日から令和8年2月28日までに事業承継(M&Aを含む)を行った事業者又は行う予定の事業者
承継方法
以下の承継方法のいずれかに該当する必要があります。
・同一法人における代表者交代による事業の承継
・法人間のM&Aによる事業承継(吸収合併・吸収分割・事業譲渡)
・個人事業における廃業、開業を伴う事業譲渡による承継
・個人事業における廃業を伴う、個人事業主から新設法人への事業譲渡による承継
助成率・助成限度額
| 事業区分 | 助成率 | 助成金の限度額 |
|---|---|---|
| 後継者チャレンジ | 3/4以内 | 1億円 |
|賃金引上げ計画を達成できなかった場合、助成率は2/3以内となります。
⑤アップグレード促進(申請者区分:F)
本区分は、サプライチェーンの強靱化や地域経済との連携強化を図りながら、競争力強化および生産性向上を実現し、地域経済の中核企業として成長することを目指す取り組みが対象です。
あわせて、価格転嫁や賃上げといった社会的要請への対応も目的としています。
東京都内の中小企業等が、これらを実現するために新たに必要となる機械設備を導入する事業を対象とします。
申請にあたっては、環境負荷低減と人材投資の両立を図るとともに、設備投資実施後3~5年の間に、従業員一人当たりの付加価値額(労働生産性)を年率3%以上向上させる計画を有することが求められます。
申請要件
「アップグレード促進」区分で申請するためには、以下の要件をいずれも満たすことが必要です。
・ゼロエミッションへの取組み及び一定の賃上げの実施(ゼロエミ要件と賃上げ要件の適用)
・生産(増産)要請に関する証明書の提出
申請書の「事業計画」に記載の製品・サービスに関し取引が生じる受注企業が記載したもの
・パートナーシップ構築宣言の写し(宣言日、企業名、代表者氏名の記載があるもの)の提出
助成率・助成限度額
| 事業区分 | 助成率 | 助成金の限度額 |
|---|---|---|
| アップグレード促進 | 3/4以内 | 2億円 |
|賃金引上げ計画を達成できなかった場合、助成率は2/3以内となります。
賃上げ要件とは
賃上げ要件とは、一定の賃金引上げを計画・実施することで、助成率が引き上げられる優遇措置です。
第11回公募においては、賃金引上げ計画の策定が申請要件として必須となった一方で、従来よりも高い助成率があらかじめ適用される制度設計となっています。
賃上げ要件を掲げて申請する場合、以下の2つの要件をすべて満たす1年間の事業計画を策定し、実行することが求められます。
1. 給与支給総額の増加
計画期間中の給与支給総額が、基準期間(基準月の前月から遡った12か月)の給与支給総額に対して1.02倍以上であること。
|給与支給総額は、役員を除く全従業員の手取り額で算出します。
2. 事業場内最低賃金の水準引き上げ
設備設置場所の最低賃金が、地域別最低賃金+30円以上であること。
賃上げ要件における助成金交付
賃上げ要件を掲げて申請する事業の場合、助成金の交付は2回に分割して実施されます。
1回目交付
賃上げ要件なしの助成率(例:1/2~2/3以内)で計算された金額が交付されます。
2回目交付
賃上げ計画の達成が確認された後、賃上げ要件の助成率(例:3/4~4/5以内)で算出した金額から、1回目交付分を差し引いた額が交付されます。
|達成が認められない場合でも、天災など不可抗力や一定の基準を満たせば交付されることがあります。
ゼロエミ要件とは
ゼロエミ要件とは、エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの活用など、ゼロエミッションに向けた取り組みを推進する際に適用される要件です。
第11回公募においては、アップグレード促進でのみ申請します。
ゼロエミッション概要書
ゼロエミッションの推進について、省エネルギー対策に関する取り組みと省エネルギー対策以外の取り組みに分けて説明します。
省エネルギー対策については、省エネ診断または省エネ最適化診断に基づく診断報告書の内容を踏まえ、省エネルギー率5%以上の達成を目標として、企業全体としてどのように取り組むかを記載します。
また、企業全体でゼロエミッション推進のために省エネルギー対策以外で取り組んでいる内容を記載します。
現時点で実施に至っていない取り組みについても、今後の課題として検討している内容を記載することが可能です。
生産性向上や新事業活動、DX・GX関連投資を目的とした設備投資は、現在の補助金政策と親和性が高く、多くの補助金・助成金を活用できる可能性があります。
どの区分が自社に最適か、他に活用できる補助金がないかなど、ぜひ無料相談をご利用ください。
経験豊富なコンサルタントが、貴社に最適な補助金・助成金活用をご提案します。
補助対象設備
助成対象になるのは、本補助金の目的である、都内中小企業者が「製品・サービスの質的向上」による競争力強化や「生産能力の拡大」のための生産性向上を進める際に必要となる、新たな機械設備・器具備品の導入経費のみです。
主に「機械装置費」「器具備品」「ソフトウェア」の3つが助成対象であり、ソフトウェアはさらに「ソフトウェアA」「ソフトウェアB」に分けられます。
ソフトウェアBは「ⅡDX推進」のみ助成対象経費となります。
| 事業区分 | 対象経費 | 1基あたりの下限額 |
|---|---|---|
| Ⅰ競争力強化 Ⅲイノベーション Ⅳ後継者チャレンジ Ⅴアップグレード促進 | 機械装置 器具備品 ソフトウェアA | 機械装置・器具備品 1基50万円(税抜)以上 ソフトウェアA 1基300万円以上 |
| ⅡDX推進 | 機械装置 器具備品 ソフトウェアA ソフトウェアB | 機械装置・器具備品 1基50万円(税抜)以上 ソフトウェアA 1基300万円以上 |
ソフトウェアの区分と特徴
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業のソフトウェアは、「ソフトウェアA(主に生産や役務の提供のために使用するもの)」と「ソフトウェアB(生産や役務の提供には使用しないが生産性向上に寄与するもの)」に分けられます。
ソフトウェアA
- 助成金交付申請額は300万円以上1,000万円以下
- 1基あたりの下限額は300万円以上、複数基導入する場合でも、助成金交付申請額の合計は1,000万円以下
- パッケージ・アドオン・プラグイン等、既に仕様が決まって販売されているものが対象(「Ⅱ DX推進」区分で申請する場合を除く)
- スクラッチ開発等、自社の要望に合わせた大掛かりな開発要素のあるものは対象外
ソフトウェアB
- 「Ⅱ DX推進」区分で申請する場合にのみ申請可能
- 顧客対応、販売支援、決済、債権債務、資金回収管理、会計、財務、資産、経営、総務、人事、給与、労務、教育訓練などの生産性向上に寄与するソフトウェアが該当
- ソフトウェアB単独での申請は不可であり、機械装置、器具備品、またはソフトウェアAのいずれかと合わせて申請する必要あり
- ソフトウェアAとソフトウェアBを合わせた助成金交付申請額の合計は1,000万円以下
その他経費に関する条件
補助事業になるための条件として、下記のような一般条件を満たす必要があります。
- 助成事業者が生産や役務の提供のために直接使用し、かつ必要最小限の経費であること。
- 助成対象期間内に、契約、納品、支払いまで完了すること。分割払いの場合も、すべての支払いが助成対象期間内に完了すること。
- 助成対象の使途、単価、規模等が確認可能であり、本助成事業に係るものとして明確に区分できる経費であること。
- カタログ、仕様書、図面により設備内容が確認できること(オーダーメイドの場合は詳細な仕様書・図面が必要)。
- 所有権が助成事業者に帰属する経費であること。
具体的な採択事例
ここでは、実際の採択事例からどのような取組が躍進的な事業推進のための設備投資支援事業に採択されているのかを紹介します。
※本章の作成にあたり、以下の資料を参考にしています。
参考:公益財団法人東京都中小企業振興公社「第8回採択企業」
【機械加工・樹脂成形】加工技術の高度化
金属や樹脂加工を行う中小製造業では、高精度な設備導入による技術革新と生産性向上が評価されています。
これらの事例では、「技能伝承」「省力化」「品質安定化」がキーワードとなっています。
| 企業名 | 事業計画テーマ |
|---|---|
| 株式会社アルファー精工 | 高度なエッチング加工技術を活かした、高精度フィルター等の精密穴あけ加工体制構築 |
| 株式会社安城製作所 | 半導体用はんだ付け装置部品の増産に向けた次世代への技能承継と脱炭素社会への貢献 |
| 株式会社極東精機製作所 | 最新工作機械導入による自社ブランド報道機関向けカメラ台開発と製造自動化 |
| 株式会社三幸製作所 | 板金曲げ工程の革新と生産効率向上による什器製造等の競争力強化 |
| 株式会社吉田製作所 | 板金加工工程の鋳物化と夜間無人稼働体制の構築による競争力強化計画 |
【半導体・電子部品関連】装置・部品製造体制の強化
近年の半導体需要増加を背景に、関連部品の供給体制強化が進められています。
いずれも高精度化・大量生産・納期対応の3点が共通の投資目的となっています。
| 企業名 | 事業計画テーマ |
|---|---|
| 株式会社佐藤電機製作所 | 高精度な複合加工機と自動搬送設備の導入により、半導体検査装置部品の供給体制の強化 |
| 株式会社サイトウ工機 | 半導体製造装置に必要不可欠なベベルギアの量産体制確立による生産性向上 |
| 株式会社井上製作所 | 半導体装置用フレームや半導体製造用治工具等の需要拡大に対応する生産性の改善 |
| ニッコーシ株式会社 | 半導体製造装置部品の新規ニーズを実現する一貫生産体制の構築 |
| 株式会社ニッシン | 超高精度の三次元測定機による産業用ロボット産業への参入 |
【医療・動物医療・歯科】診断・治療の専門性強化
動物病院や歯科医院など医療機関では、専門性の向上や地域医療の高度化に資する設備投資が評価されています。
診療の効率化や専門分野の確立により、差別化と競争力が強化されています。
| 企業名 | 事業計画テーマ |
|---|---|
| 株式会社EyeVet | 診断および手術体制の強化を通じて、高度な動物眼科専門治療の専門性を向上させる |
| 株式会社FOR | 最新検査機器の導入によるニーズに応えた獣医療サービスの拡充と競争力の強化 |
| 日比谷公園前歯科医院 | デジタル歯科補綴装置内製化によるワンデー入れ歯作り生産性および精度向上の実現 |
| 合同会社梨の木どうぶつ病院 | 検査体制の強化によって、地域獣医療の要となる1.5次診療施設へと進化する |
| 株式会社松涛アリエス | 最新検査機器を活用した動物病院の整形外科および腫瘍科治療の専門化事業 |
【印刷・紙器・パッケージ】デジタル化・多品種少量対応
短納期化や多品種対応が求められる印刷業では、デジタル設備への更新や工程自動化が進められています。
DX・省人化といったキーワードが強く表れる分野です。
| 企業名 | 事業計画テーマ |
|---|---|
| 山陽シール印刷株式会社 | 大サイズ自動制御印刷機の導入によるA4ラベルの内製化と納期短縮で市場の拡大 |
| 倉敷印刷株式会社 | CTP・折り工程の自動化で作業効率アップと環境にやさしいものづくり |
| 株式会社セントラルプロフィックス | 超高精細印刷と量産を両立させる業界最先端の印刷体制の実現 |
| 株式会社帆風 | 新CPT導入により、利幅確保と化学薬品使用量抑制による環境保護を実現する |
【食品関連】製造ライン新設・自動化
食品業界では、衛生管理や量産対応を目的とした設備投資が採択されています。
人手不足への対応と併せて、競争力強化の取り組みが採択されやすい理由となっています。
| 企業名 | 事業計画テーマ |
|---|---|
| 株式会社アーバン | 大三福だんご製造ライン増設事業 |
| 株式会社玉八商店 | 玉子焼焼成機導入による厚焼玉子製造の課題解決と生産性向上による競争力強化 |
| 名月製菓株式会社 | サニタリー性に優れた製造ラインを導入して機能性を持つ焼菓子を製造し、競争力強化 |
| 株式会社浜食 | 自動包装機の導入により省力化及び工程改善を行い、圧倒的な生産性向上を達成する |
| 株式会社徳倉 | 自動充填及び自動包装ライン構築による高機能粉糖製品の高付加価値化 |
【建設・設備業/インフラ・環境】老朽化・災害対応・省エネ化
インフラ点検や建設業では、老朽化・災害対策に対応したデジタル設備への更新が採択されています。
公共性と省人化を両立する点が評価されています。
| 企業名 | 事業計画テーマ |
|---|---|
| 株式会社鶴丸環境建設 | 東京都の下水道管老朽化問題に対応!デジタル技術を活用した下水道管調査事業 |
| 日本衛生株式会社 | 資源リサイクルの自動化による処理量向上と省人化 |
| 株式会社木村建設 | 廃棄物処理能力を向上することで、東京都の「産業廃棄物の再資源化」の促進に貢献 |
| 東京金属工業株式会社 | 金型製造2拠点化による、ペンクリップの増産対応 |
| 東海商事株式会社 | エレベータ部品のワンストップ提供と生産能力強化を図り、市場の供給力不足を解消する |
【その他】ユニークな技術開発・業態転換等
一風変わった業態や独自技術に挑む企業も多く採択されています。
これらの事例におけるキーワードは「革新性」や「社会的インパクト」です。
| 企業名 | 事業計画テーマ |
|---|---|
| 株式会社ビードットメディカル | 超小型陽子線がん治療装置を江戸川区から世界へ |
| 株式会社SO-TA | 日本の立体文化資産をデジタル化したレプリカ「ジャパンアートフィギュア」の開発 |
| 株式会社gonno bakery | 機器導入による生産工程の効率化を図り、地域での競争力の強化 |
| 株式会社ラヴォックス | ワンショット3D形状測定機導入による短納期・不良率削減・生産工程の改善計画 |
| 株式会社未来樹脂 | 新製品「eocスラグスペーサ」を市場提供するための材料製造設備導入 |
第11回公募のスケジュール
以下は第11回公募におけるスケジュール概要です。
| スケジュール項目 | 日程 | 内容 |
|---|---|---|
| 申請予約 | 2026年1月9日(金)10時~2026年1月22日(木)17時 | 公社ホームページよりお申込み |
| 申請書類提出 | 2026年1月21日(水)10時~2026年2月2日(月)17時 | 「Jグランツ」にて受付 |
| 一次審査 | 2026年2月下旬~3月下旬(推定) | 資格審査、経理審査、事業計画審査 |
| 一次審査結果通知 | 2026年4月上旬~中旬(推定) | 通過事業者を「Jグランツ」にて通知 |
| 二次審査(面接) | 2026年5月上旬~中旬(推定) | 面接審査、価格審査、総合審査 |
| 助成対象事業者の決定 | 2026年6月上旬~中旬(推定) | 採択事業者を「Jグランツ」にて通知 |
| 事務手続き説明会 | 2026年6月中旬~下旬(推定) | |
| 助成対象期間 | 2026年7月1日~最長2027年12月31日(推定) | 契約・納品・支払い完了 |
| 完了報告 | 助成事業完了後 | 完了報告書を提出 |
| 完了検査、助成金交付 | 完了検査から助成金交付まで約2ヶ月 | 助成金は設備導入代金の支払い後に交付 |
| 賃上げ要件、助成金交付 | 助成金確定の翌月から最大12か月間の賃金引上げ計画期間の終了後 | 賃金引上げ計画の報告書を提出 |
| 事業化状況報告 | 事業完了後翌年度以降5年間 | 「Jグランツ」にて実施 |
2026年1月15日時点での公表分
最新のスケジュールは随時公式サイトをご確認ください。
▼躍進的な事業推進のための設備投資支援事業スケジュール
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/yakushin.html
採択されるための3つのポイント
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業に採択されるための重要なポイントは「事業計画の戦略性と成果の具体性」「加点要件や助成率優遇の積極的な活用」「申請書類の完璧な準備と厳格な法令遵守」の3点です。
事業計画の戦略性と成果の具体性
本事業は、都内中小企業の競争力強化(製品・サービスの質的向上)および生産性向上(生産能力の拡大)を目的としています。
そのため、事業計画には以下の点が明確に示されていることが重要です。
事業区分との適合性
「競争力強化」「DX推進」「イノベーション」「後継者チャレンジ」「アップグレード促進」のいずれかに明確に該当し、その目的達成に必要な設備投資であることを具体的に説明すること。
労働生産性向上の計画
多くの区分で、設備投資後に労働生産性を年率3%以上向上させる計画が必須要件です。
収支計画表(Excel)上でこの条件を満たすと「〇」が表示されます。
事業計画の質
審査では「優秀性」「実現性」「成長性」「妥当性」が評価されます。
設備導入により解決される課題と、その効果を数値(定量)と内容(定性)の両面から具体的に示すことが求められます。
2. 加点要件の積極的な活用
加点措置の活用
加点措置を活用することで、採択可能性を高めることができます。
公社のDX・IoT関連支援事業の利用実績や、東京都環境局への温暖化対策関連報告書の提出実績がある場合、審査で加点されます。該当する場合は必ず申請書でアピールしましょう。
3. 申請書類の完璧な準備と厳格な法令遵守
申請の前提として、要件を正確に満たした書類提出が不可欠です。
申請資格の確認
都内での事業実績(2年以上)、税の滞納がないこと、不正・反社との関係がないことなど、募集要項の要件をすべて満たしている必要があります。
電子申請の準備
申請は「Jグランツ」のみで受け付けられます。
GビズIDプライムの取得に約2週間かかるため、早めの準備が必須です。
助成対象経費の適正計上
機械設備は原則として同一型番・同一条件で2社見積が必要です。
「一式」表記や関連会社との取引、消費税・保守費用などの対象外経費には注意してください。
設置場所・許認可の確認
設備は自社所有または賃貸借契約のある場所に設置する必要があります。
事業に必要な許認可・届出についても、取得状況を明記してください。
正確な申請と審査対応
申請後の修正は原則不可です。
面接審査や現地調査は申請企業自身が対応する必要があり、虚偽記載があった場合は不採択や返還の対象となります。
よくある質問
よくある質問として、第11回の募集要項より抜粋しました。
詳しくは募集要項の「よくあるご質問」を参照いただき、それでも解決しない場合は弊社または事務局に問い合わせてください。
他機関の助成金と同一機械設備(同一型番)でも併願申請することは可能ですか。
他機関の助成金(ものづくり補助金等)との併願申請は可能です。ただし、同一機械設備(同一型番)で二重に助成金を受け取ることはできないため、両方採択された場合は、どちらか一方を辞退していただきます。
医療業を営んでいる場合は申請可能ですか。
医療法人が経営している場合は、中小企業基本法上の中小企業には該当しないため、申請はできませんが、個人開業医の場合は、医療業で申請可能です。
賃上げ要件は、新設の事業所に機械設備を導入する場合も対象になりますか。
機械設備設置場所が新設の事業所・工場等のみの場合は賃上げ要件の対象外です。
賃上げ要件を適用する場合の事業所は、基準日時点で既に従業員が所属している事業所や工場等を指します。
事業区分「Ⅱ DX推進」で申請する場合、IoT機能等が搭載されている機械設備を購入すれば、対象となりますか。
単にIoT機能等が搭載されている機械設備を購入するだけでは対象となりません。DX推進に向けた経営戦略及びビジョンを有し、生産性向上を図る事業計画を立てて頂く必要があります。
事業区分「Ⅲ イノベーション」で申請する場合、事業計画の内容が産業分野に一部合致する場合でも対象となりますか。
対象となりません。選択いただいた産業分野と事業計画の内容が真に合致する必要があります。合致するかどうかは審査項目に含まれますので、事前にお問い合わせ頂いてもお答え致しかねます。
助成金の交付決定前に支払った経費は、助成対象経費となりますか。
助成対象経費は、助成対象期間内(令和8年3月1日~令和9年8月31日)に契約、納品、支払いまで完了した経費です。このため、助成金の交付決定前に支払った経費は助成対象経費とはなりません。
ソフトウェアにおけるクラウドサービス利用料金は助成対象となりますか。
対象になりません。固定資産として計上できるソフトウェアの購入経費のみが助成対象となります。
助成対象設備を一時的に設置場所から持ち出して、使用することは可能ですか。
事業遂行のために助成対象設備を一時的に持ち出して使用することは可能ですが、申請書に記載した設置場所に保管されている必要があります。
まとめ
「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」は、東京都内中小企業にとって国内でも規模の大きいの設備投資支援制度であり、競争力強化や生産性向上を本気で目指す企業にとって非常に有効な助成金です。
本制度の最大の特徴は、
- 最大2億円という高い助成上限
- 競争力強化・DX推進・イノベーション・後継者チャレンジ・アップグレード促進という多様な事業区分
- 高助成率(最大4/5)
- 機械設備を中心とした実効性の高い支援内容
といった点にあります。
一方で、採択を受けるためには、
- 事業区分との明確な整合性
- 労働生産性年率3%以上向上という数値目標
- 実現可能性と成長性を兼ね備えた事業計画
- 見積・設備内容・申請書類の厳密な整合性
が強く求められ、単なる設備購入計画では不十分です。
特に、賃上げ要件を適用できるかどうかは、助成率・採択可能性の双方に大きく影響します。
第11回公募を含め、今後の申請を検討している場合は、早期に事業計画の整理と電子申請準備を進めることが重要です。
自社の成長戦略と設備投資を結び付け、東京都の支援制度を最大限活用することで、次のステージへ躍進するための大きな一歩につなげていきましょう。
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