事業再構築補助金が採択された後は、補助事業を実施して実績報告を行う必要があります。そこでこの記事では、「事業再構築補助金の実績報告において業者選定理由書が必要になるケース」とともに、業者選定理由書の入手方法や書き方などを詳しく解説します。
事業再構築補助金は終了、新たに『新事業進出補助金』が開始!
事業再構築補助金は、2025年の3月の第13回公募をもって公募が終了しました。
その後継制度として、 2025年4月より「新事業進出補助金」 が新たにスタートしました。
新事業進出補助金とは
新事業進出補助金は、企業の成長促進・生産性向上・賃上げの実現を後押しするため、中小企業が新事業に挑戦し、新しい市場への進出するための支援制度です。
例えば、
・これまで扱っていなかった製品分野への進出
・新たな顧客層・業界への展開
などの取り組みに対し、設備投資や販路開拓の費用を補助します。
新事業進出補助金と事業再構築補助金の違い
新事業進出補助金は、事業再構築補助金の後継として始まった補助金ですが、両者には様々な違いがあります。
以下に、簡単に違いをまとめました。
| |
新事業進出補助金 |
事業再構築補助金・成長分野進出枠(通常類型) |
| 補助対象者 |
企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等 |
ポストコロナに対応した、成長分野への大胆な事業再構築にこれから取り組んだり、国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の中小企業・中堅企業等 |
| 補助上限額 |
9,000万円 |
7,000万円 |
| 補助率 |
1/2 |
中小企業等:1/2(2/3) 中堅企業等:1/3(1/2) |
| 基本要件 |
(1)新事業進出要件 (2)付加価値額要件 (3)賃上げ要件 (4)事業場内最賃水準要件 (5)ワークライフバランス要件 (6)金融機関要件 |
(1)事業再構築要件 (2)金融機関要件 (3)付加価値額要件 (4)給与総額増加要件かつ市場拡大要件または市場縮小要件 |
| 補助事業期間 |
交付決定日から14ヶ月以内 |
交付決定日から12 か月以内 |
| 補助対象経費 |
機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、広告宣伝・販売促進費 |
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門 家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、 広告宣伝・販売促進費、研修費、廃業費 |
事業再構築補助金の採択者は新事業進出補助金を申請できる?
新事業進出補助金では、次のいずれかに該当する事業者は補助対象外となります。
・申請締切日を起点として過去16か月以内に、事業再構築補助金の補助金交付候補者として採択された事業者(採択辞退者を除く)
・申請締切日時点で、事業再構築補助金の交付決定を受けて補助事業を実施中の事業者
ただし、上記に該当しない場合は、事業再構築補助金に採択された実績があっても、新事業進出補助金の要件を満たすことで申請が可能です。
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事業再構築補助金の実績報告とは?
事業再構築補助金の実績報告とは、計画書の採択を受けた事業者が実際に行った事業の結果を報告する手続きです。
実績報告書及び膨大な添付書類の作成が必要になります。
せっかく計画書の採択を受けても、実績報告に不備があれば補助金を受け取れなくなる可能性があります。
そのため、必要な書類を正しく揃えて提出しましょう。
提出期限が定められているため、余裕をもって早めに書類を準備することをおすすめします。
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業者選定理由書とは?どうやって入手する?
事業再構築補助金の実績報告の際は、業者選定理由書の添付を求められる場合もあります。具体的には、単価50万円以上の設備経費を計上するにあたり、相見積りを実施していないケースが該当します。選定した企業が知的財産権や独占販売権を保有しているなど、合理的な理由を示さなければなりません。
また、相見積もりを実施したが、あえて最低金額ではない業者を選んだ場合も、業者選定理由書の添付が必要です。業者選定理由書に加え、金額の妥当性の根拠となる資料も提出します。
業者選定理由書の入手方法
事業再構築補助金の実績報告において必要な業者選定理由書は、以下の手順で入手できます。
1.事業再構築補助金の公式サイトにアクセスする
2.上部にある「補助金交付候補者の採択後の流れ・資料」の項目をクリックする

3.「補助事業の手引き」から「参考様式集(ZIP)」をクリックし、ダウンロードする

4.「参考様式7 業者選定理由書」と記載されたWordファイルを選択し、内容を記載する

業者選定理由書の項目別の書き方
事業再構築補助金の実績報告における業者選定理由書には、さまざまな内容を記載する必要があります。
ここでは、「参考様式7 業者選定理由書」について、項目別の書き方を詳しく解説します。

① 受付番号・日付・住所・氏名
右上の受付番号は、事務局から案内されたRから始まる番号を記載します。受付番号の下の日付は、業者選定理由書を作成した日付を記載しましょう。「申請者住所(郵便番号、本社所在地)」の横には、本社の所在地を記載してください。都道府県名からではなく、郵便番号から書き始めます。
また、「氏名(名称、代表者の役職及び氏名)」の横に記載する名前は、代表者の氏名です。用紙に記載されているとおり、役職も忘れずに記載する必要があります。
② 業務内容(費用・内容)
「記」の下にある「1.業務内容」には、費目と内容について記載します。費目とは、費用の名目のことです。たとえば「機械装置・システム構築費」などとしましょう。また、内容には、依頼した内容の詳細を簡潔に記します。名目に「機械装置・システム構築費」と記載した場合、内容は「システム構築」などとします。
③ 選定事業者名
「2. 選定事業者名」には、補助事業の実施にあたり実際に選んだ事業者名を記載します。事業者名は略さず、必ず正式名称で記しましょう。たとえば「株式会社〇〇」のように記載します。
④ 選定理由
「3. 選定理由」には、相見積りを実施できなかった理由や最低金額でない業者を選んだ理由を記載します。選定理由は、客観的にみて合理性があると判断される内容でなければ認められません。
たとえば、相見積りを実施できなかった場合については「知的財産権をもつ業者だった」「業者が必要な製品の独占販売権をもっていた」などの理由が必要です。合理的な理由を分かりやすく簡潔に記しましょう。
業者選定理由書の注意点
業者選定理由書を書く際は、気をつけたいポイントもあります。ここでは、具体的な注意点を解説します。
見積りがとれない根拠をわかりやすく記載する
業者選定理由書においては、事務局が納得できるような理由を記載する必要があります。客観的かつ合理的だといえる理由でなければ補助事業として認められず、補助金が給付されなくなる恐れもあります。
たとえば「実績が豊富だ」という理由は、客観性や合理性に欠けると判断されます。誰からみても、その業者を選定せざるを得なかったと納得できる理由が必要です。
業者選定理由書に理由を記載する際は客観性と分かりやすさを重視し、曖昧な内容にならないよう注意しましょう。
理由書を提出しない場合は差し戻される
業者選定理由書の提出が必要な条件に合致しているにもかかわらず実績報告書に添付しなかった場合、不備を理由に差し戻されます。書類を差し戻されればその分だけ実績報告の完了も遅れ、補助金が振り込まれるタイミングも後ろ倒しになります。補助金でまとまった金額を受け取る予定の場合、資金繰りにも影響する恐れがあるため、注意が必要です。
なお、業者選定理由書だけでなく、ほかの必要書類に不備がある場合も差し戻しが行われます。書類の不備には気をつけましょう。
中古品を購入する場合は3社以上の見積りが必要
補助事業において中古品を購入する場合、3社以上の見積りが必須です。3社以上の見積りが取れなければ、補助対象外となります。中古品の購入については、基本的に例外は認められていません。よって、中古品の購入時の見積りが3社未満であれば、たとえ業者選定理由書を提出しても対象外になります。
見積・相見積に関して説明した次の記事も参考にしてみてください。
▼事業再構築補助金で見積書・相見積もりが必要なケースは?
https://planbase.co.jp/column/181/
事業再構築補助金の理由書には「補助対象経費理由書」もある
事業再構築補助金の理由書には、業者選定理由書だけでなく、補助対象経費理由書もあります。補助対象経費理由書は、一定の条件に当てはまる場合、補助金の申請時に提出が必要です。具体的な条件をあげると、以下のとおりです。
1.資産性のない補助対象経費だけを計上するケース
2.補助対象経費に偏りがあるケース
補助対象経費理由書は、事業再構築補助金の公式サイトから入手できます。上部にある「電子申請用資料」をクリックし、「電子申請に当たっての添付書類および参考資料」から「補助対象経費理由書」をダウンロードしましょう。
【補助対象経費理由書】

※参考:事業再構築補助金|電子申請用書類
まとめ
事業再構築補助金について一定の条件に合致する場合は、業者選定理由書の提出が必要です。
業者選定理由書を提出しても合理的な理由でなければ認められないため、申請の準備段階から注意しましょう。
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この記事の執筆者

村上 貴弘
東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。