補助金・助成金・給付金の違いとは?

COLUMN お役立ちコラム

2023.08.18

その他の補助金

【2024年】補助金・助成金・給付金の違いとは?上手に活用して経営安定を!

はじめに

補助金・助成金・給付金は、目的や手続きに違いがあります。それぞれの違いを理解して活用すれば、自社の新規事業やサービスの展開に役立てられます。資金繰りや雇用の安定を目指せる場合もあるため、上手に活用しましょう。

この記事では、補助金・助成金・給付金について基本的な内容を示したうえで、共通点や違いを解説します。活用する際の注意点にも触れるため、ぜひ参考にしてください。

補助金とは?

補助金とは?

補助金とは、新規事業や革新的なサービスを展開するために必要な設備の導入にかかる費用を補助する制度です。補助金を受け取るには書類を提出して審査を受け、採択される必要があります。審査があるため、応募の条件や資格を満たしていても必ず交付されるとは限りません。

一般事業向けの補助金以外にも、経済産業省が運営する公益事業向けの補助金が存在します。補助金として受け取れる金額は制度によって幅があり、数百万円から数億円を受け取れる可能性があります。

代表的な活用例

補助金には豊富な種類があり、さまざまな活用方法があります。補助金を活用できる費用の例をあげると、以下のとおりです。

・原材料費
・設備費
・建築費
・人件費
・外注費
・委託費
・専門家謝金
・広告宣伝費

条件に合致していれば、ほかの費用についても補助金を活用できる可能性があります。

助成金とは?

助成金とは?

助成金とは、企業の雇用を支援するために資金を支給する制度です。財源は企業から納付された雇用保険料であり、雇用を安定させる目的があります。企業が助成金を受け取るには、雇用保険の適用事業者である必要があります。労働に関する法令に違反していると助成金を受け取れないため、注意しましょう。助成金の場合、条件や資格を満たしていると、申請すれば支給される可能性が高くなります。

代表的な活用例

助成金にもさまざまな種類があり、活用方法は多岐にわたります。助成金を活用できる費用の例をあげると、以下のとおりです。

・雇用の維持
・離職者の再就職支援
・中途採用
・雇用環境の整備
・非正規雇用者の待遇改善
・従業員のライフワークバランスの改善
・従業員のスキルアップ
・起業

条件を満たしている場合、これら以外にも助成金を利用できます。

給付金とは?

給付金とは?

給付金とは、国や地方自治体から資金が給付される制度です。大規模災害をはじめとする緊急事態時に給付される場合が多くなっています。たとえば、新型コロナウイルスの流行により多くの企業が打撃を受けた際は、給付金が支給されました。

企業に給付金が支払われる際は、基本的に個人事業主も対象になります。ただし、過去に確定申告を怠っている場合は、売上や利益が減少しているという事実を証明できないため、給付金を受け取ることが出来ません。なお、支援金、協力金、義援金といった名称で給付金と同様の資金が給付されるケースもあります。

代表的な給付金

給付金については、世の中の状況に応じて制度が整備されます。過去には、たとえば以下の給付金が支給されました。

・持続化補助金(給付金)
・事業復活支援金
・営業時間短縮営業協力金
・ウクライナ人道危機救援金

今後も、状況に応じてさまざまな給付金が受け取れる可能性があります。条件に合致していれば申請により受け取れるため、最新の情報をよく確認して有効活用しましょう。

補助金・助成金・給付金の共通点

補助金・助成金・給付金の共通点

補助金・助成金・給付金には、共通点もあります。以下でくわしく解説します。

申請が必要

助成金・補助金・給付金を受け取るには、いずれも申請が必要です。条件や資格を満たしていても、申請しなければ給付されません。それぞれ申請期間が定められているため、期限に遅れないよう手続きしましょう。

助成金・補助金・給付金の詳細や申請方法などは、経済産業省や厚生労働省のWebサイトで公開されています。また、それぞれの制度についてくわしくまとめているWebサイトも存在し、情報収集に役立ちます。制度の種類が幅広いため、自社が条件や資格を満たせる制度を見極めて申請してください。

返済がない

補助金・助成金・給付金は、いずれも国や自治体から交付されます。融資ではないため、基本的に返済は不要です。ただし、状況によっては利益の一部の返還が必要なケースもあります。

補助金・助成金・給付金の違い

補助金・助成金・給付金の違い

補助金・助成金・給付金は、何が違うのでしょうか。ここでは、それぞれの違いについて解説します。

給付の目的が違う

補助金・助成金・給付金は、それぞれ給付の目的が異なります。補助金の主な目的は、新規事業や革新的なサービスを展開するために必要な設備投資の支援です。国や自治体の政策に合致する事業を推進する意図があります。それに対して助成金の目的は、雇用の維持促進です。雇用の増加や、従業員が安定的に働きやすい環境づくりを促すために給付されています。また、給付金の目的は、緊急事態が発生した際に企業や国民を救済することです。

補助金は審査がある

助成金や給付金には審査がありませんが、補助金には審査があります。補助金の審査が行われるタイミングは、条件や資格を満たしたうえで書類を提出した後です。書類を提出しても、審査に落ちれば補助金は給付されません。

助成金と給付金には審査がありません。しかしながら、前述したとおり申請しなければ受け取ることは出来ないため、受給したい場合は忘れずに手続きしましょう。

補助金・助成金を活用する注意点

補助金・助成金を活用する注意点

補助金や助成金を活用するにあたり、いくつか注意すべき点があります。注意点を以下で詳しく解説します。

精算払い(後払い)

補助金や助成金が支払われる時期は、申請した事業を実施した後です。精算払いが基本であり、事業に着手する前に資金を受け取れるわけではありません。補助金や助成金が採択されたら事業を開始し、事業終了後は速やかに事務局へ報告しましょう。事務局による確認が済むと、補助金または助成金が振り込まれます。事業を開始する際に費用が不足する場合は、何らかの方法により一時的に資金を確保する必要があります。例えば、つなぎ融資の利用などを検討しましょう。

期間外の支出は支給対象外

補助金や助成金では、対象となる事業の実施期間を定める必要があります。事業計画書に明記して提出する必要があるため、適切な実施時期を定めましょう。

補助金や助成金の対象となるのは、実施期間内に支出した経費のみです。実施期間外に経費を支出しても補助金や助成金の対象にならないため、要注意です。事業計画書に明記した実施期間外に事業に取り組まないよう、気をつける必要があります。例えば実施期間よりも前倒しで事業に取り組んだ場合、実施期間より前の支出は支給対象外になります。

補助金・助成金は経営安定に役立つ

補助金・助成金は経営安定に役立つ

補助金や助成金は多種多様な種類があり、それぞれ管轄や目的が異なります。今回は補助金や助成金などの基本的な違いを解説しましたが、実際には一概に定義できない部分もあります。例えば、名称が助成金であっても、実際の内容は補助金に該当するケースもあります。そのため、補助金や助成金は名称だけで判断せず、内容をよく確認したうえで検討することが大切です。公募の内容をチェックする際は、要件、申請期間、審査の有無などを確認しましょう。
また、補助金や助成金などは、国や地方公共団体などが企業を支援するための制度です。新規事業を始める際の負担を軽減したり、雇用の安定を図ったりするために役立てられます。上手く活用できれば経営の安定に役立つため、積極的に利用を検討しましょう。

まとめ

まとめ

補助金・助成金・給付金は、いずれも国や地方自治体などから資金を受け取れる制度です。ただし、それぞれ目的が異なります。条件や資格を満たしているか確認したうえで、申請の手続きを進めましょう。

株式会社プランベースは、中小企業の補助金申請をサポートしています。経済産業省が認定する支援機関であり、全国トップクラスの採択件数を誇ります。補助金の申請には手間や時間がかかるため、自社だけで対応すると負担が大きくなりがちです。スムーズに補助金を申請するために、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事の執筆者

村上 貴弘

村上 貴弘

東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。