ものづくり補助金の実績報告プロセスは?

COLUMN お役立ちコラム

2023.08.09

ものづくり補助金

【2023年8月最新版】ものづくり補助金の実績報告の進め方|マニュアルをベースに必要書類や注意点などを解説!!

はじめに

事業者の設備投資やサービス開発を支援するものづくり補助金。厳しい審査の目を通りせっかく採択されても、実績報告などの手続きに不備があれば補助金を受け取ることが出来ません。しかしながら、実績報告は提出が必要な書類も多く煩雑であるため、どのように準備を進めるか分からない方も多いのではないでしょうか。この記事では、実績報告のやり方について、必要書類や書き方のポイントなどを解説します。ぜひ参考にしてください。

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※参考:第16回ものづくり補助金公募要領

ものづくり補助金で実績報告するタイミング

ものづくり補助金で実績報告するタイミング

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)で実績報告するタイミングは、補助事業の完了後です。以下に、ものづくり補助金に採択されたあとの手続きを示しました。

1.採択通知を受け取る
2.交付申請を行う
3.交付決定を受ける
4.補助事業期間に入る
5.設備投資に加え、購入物品などの納品・検収・支払いなどの諸手続を済ませる
6.実績報告する
7.確定検査を受ける
8.補助金を請求する
9.補助金が支払われる

※確定検査は、実績報告の前に受ける場合もあります。

実績報告書以外に複数の書類が必要

実績報告書以外に複数の書類が必要

実績報告では、実績報告書のみを提出する訳ではありません。実績報告書に加えて経理関連、帳簿関連など複数の書類を準備する必要があります。また、準備する書類は、費目共通で作成するものと、費目別に作成が必要なものに分けられます。

ものづくり補助金の実績報告に必要な資料はフォルダに分けて提出

ものづくり補助金の実績報告に必要な資料はフォルダに分けて提出

実績報告資料とは、実績報告で提出する資料のことです。実績報告資料は、A_費目共通で作成するフォルダと、B_費目別に作成するフォルダに分けて提出します。以下では、実績報告資料等作成マニュアルに従って、それぞれのフォルダの内訳を解説します。詳細は下の「実績報告資料等作成マニュアル」をご覧ください。

※参考:令和元年度補正・令和2年度補正・令和3年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金【実績報告資料等作成マニュアル】|ものづくり・商業・サービス補助金事務局

A_費目共通で作成するフォルダ

A_費目共通で作成するフォルダ内には、A-1_実績報告書、A-2_出納帳、A-3_預り金の3つのフォルダがあります。それぞれのフォルダに格納する書類の内訳は、以降で詳しく解説します。

B_費目別に作成するフォルダ

B_費目別に作成するフォルダは、全部で10種類あります。詳細を以下に示しました。

・B-1_機械装置・システム構築費
・B-2_技術導入費
・B-3_専門家経費
・B-4_運搬費
・B-5_クラウドサービス利用費
・B-6_原材料費
・B-7_外注費
・B-8_知的財産権等関連経費
・B-9_広告宣伝・販売促進費
・B-10_感染防止対策費

採択された費目と同じ名称のフォルダを選び、必要書類を格納しましょう。費目の名称が異なるだけで、フォルダに格納する書類の内容は同じです。なお、フォルダに格納する書類の内訳は、以降で詳しく解説します。

それぞれで必要なフォルダと格納する書類

A_費目共通で作成する3種類のフォルダと格納する書類

引き続き、実績報告資料等作成マニュアルに従って、A_費目共通で作成するフォルダの内訳を解説します。

A-1_実績報告書

A-1_実績報告書には、実績報告書本体(様式第6の別紙1)と、経費明細表、取得財産等管理台帳、試作品等(成果)受領書が含まれます。ファイル形式は、実績報告書本体と試作品等(成果)受領書がPDFで、残りの書類はExcelに指定されています。混同しないように注意してください。 また、各書類のファイル名には、【R1で始まる受付番号】を付けます。たとえば、実績報告書のファイル名は、【R1で始まる受付番号】事業者名_実績報告書となります。

A-2_出納帳

A-2_出納帳には、預金出納帳や現金出納帳と、表紙を含む通帳のコピーを格納します。ファイル形式はいずれもPDFです。出納帳への入力はExcelで実施しますが、提出する際はPDFに変換しましょう。また、通帳を所有していない場合は、当座勘定照合表など通帳に相当する内容が記載された書類で代用できます。

A-3_預り金

専門家経費を個人払いで支払った場合のみ、A-3_預り金に書類を格納する必要があります。A-3_預り金のフォルダが設定されている理由は、源泉所得税の預かりと支払いを証明するためです。書類の内訳は預り金元帳と納付書のコピーで、ファイル形式はいずれもPDFです。

B_費目別に作成するフォルダに格納する書類

B_費目別に作成するフォルダについても、実績報告資料等作成マニュアルに従って格納する書類の内訳を紹介します。経理書類一式は以下のとおりです。

・見積書
・見積依頼書(仕様書)
・相見積書
・注文書(契約書)
・受注書
・請求書
・納品書
・振込依頼書

その他、以下の書類も格納しましょう。

・費目別支出明細書
・参考形式14に添付する画像データ

・受払簿(部品に関する機械装置費、原材料費、外注費、感染防止対策費のみ作成)B_費目別に作成するフォルダも、A-1_実績報告書と同じく、各書類のファイル名には【R1で始まる受付番号】をつけます。

ものづくり補助金の実績報告資料の作成手順

ものづくり補助金の実績報告資料の作成手順

実績報告資料等作成マニュアルには、一般的な資料作成手順が紹介されています。以下の手順で作成しましょう。

1.証拠書類(経理関連の書類)を整備する
2.費目別支出明細書や経費明細表を作成する
3.実績報告書本体(様式第6の別紙1)を作成する
4.その他の書類やコピーするものを準備する

実績報告書本体(様式第6の別紙1)に記載する内容

実績報告書は、ものづくり補助金総合サイトからダウンロードできます。「実績報告関連資料」をダウンロードして、「様式」フォルダを開き、実績報告書本体(様式第6の別紙1)を入手しましょう。実績報告書本体は、全部で以下の8つの項目に分けられています。

1.事業計画名
2.事業実施期間
3.補助事業の主たる実施場所
4.実施した事業の概要とその成果
5.事業分野
6.実施した補助事業の具体的内容とその成果
7.補助事業の成果の事業化に向けて想定している内容
8.実施した事業の成果に係る無償譲渡・無償貸与・無償供与及びテスト販売の状況

「実施した補助事業の具体的内容とその成果」の構成とポイント

「実施した補助事業の具体的内容とその成果」の構成とポイント

実績報告書で特に重要な「実施した補助事業の具体的内容とその成果」について、大まかな構成と各部分のポイントを解説します。なお、具体的な内容は、実績報告資料等作成マニュアルにも掲載されています。

1.交付申請時の計画について

交付申請時の計画には、事業の背景や取り組みの目的と概要、スケジュールを記載します。交付申請時の内容を要約するイメージで、あまりボリュームを割く必要はありません。申請時の予定から変更があれば、内容を明記する必要があります。

2.実際の取り組みについて

交付申請時の計画と照らし合わせながら、実際はどのように補助事業が進行したかを報告します。実績報告資料等作成マニュアルで見られるように表形式で解説すると、スケジュールが伝わりやすくなります。

3.取り組みの結果について

取り組みの成果は、具体的に報告することがポイントです。「従来の方法と比べて生産効率が大幅にアップした」などの抽象的な書き方では、再作成を求められる恐れがあります。図やグラフ、写真などを交えて、定量的な報告となるよう意識しましょう。

他にも、購入した機械装置、試作品やサービスの詳細、専門家の活用結果も記載します。今後の展望として、事業化のスケジュールや売上計画なども必要です。

ものづくり補助金の実績報告書の注意点

ものづくり補助金の実績報告書の注意点

実績報告書では、補助事業の実施状況を具体的に説明しなければなりません。以下の注意点を押さえて、不備がないように書類を作成しましょう。

実績報告書の提出前に地域事務局に確認してもらう

実績報告資料等作成マニュアルでは、担当の地域事務局に実績報告書類を確認してもらってから、全国事務局に提出するよう指示されています。指摘を受けた部分を修正したのちに、電子システム「jGrants」を通じて、全国事務局へ実績報告書類を提出してください。

実績報告書の提出期限を守る

実績報告書類の提出期限は、以下のいずれか早い方となります。

・補助事業の完了後、その日から起算して30日を経過した日
・交付決定通知書記載の補助事業完了期限日

期限内に実績報告できなければ、補助金を受け取れなくなる恐れがあります。提出が難しそうであれば、早いうちに専門家への相談を検討しましょう。

実績報告書に使用する写真撮影・データの保管を忘れない

実績報告書に使用する写真には、タイミングを逃すと取得困難なものがあります。写真撮影のルールを把握し、過不足なく写真撮影しましょう。 たとえば、納品時の写真は、物量・数量が分かる状態で撮影しなければいけません。機械装置の特別な付属品も、撮影対象となります。また、機械装置を設置する際は、設置前後の写真が必要です。実績報告書をスムーズに作成するために、こまめに写真のデータを整理しておきましょう。

経理証拠書類の日付の確認と原本を保管する

B_費目別に作成するフォルダに入れる経理証拠書類の原本は保管しておいてください。中間監査や確定検査の際に原本がないと、補助金が取り消される恐れがあります。

中間監査では、納入された設備と経理証拠書類の整理状況を確認され、不備があれば指摘を受けます。地域事務局によっては中間監査がないケースもあるため、詳しくは担当の地域事務局の指示に従いましょう。確定検査は、現場を確認して交付金額を決定するために実施されます。

実績報告書と遂行状況報告書は違う

実績報告書と遂行状況報告書は違う

遂行状況報告書は、事務局から依頼を受けた場合に提出が必要になる補助事業実施期間の途中で状況を報告するための書類です。実績報告書とは提出のタイミングが異なるため、混同しないようにご注意ください。スケジュールの遅れなど当初の予定と乖離がある場合は、遂行状況報告書にて報告します。

まとめ

まとめ

ものづくり補助金の実績報告は、補助事業が完了したタイミングで実施します。実績報告書に加え、経理関連、帳簿関連の書類なども準備しましょう。また、実績報告書の「実施した補助事業の具体的内容とその成果」では、具体的で定量的な報告であるかが重視されます。

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この記事の執筆者

村上 貴弘

村上 貴弘

東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。