ものづくり補助金採択率の推移

COLUMN お役立ちコラム

2023.08.07

ものづくり補助金

【2023年8月最新版】過半数が不採択に!?ものづくり補助金採択率の推移を紹介

はじめに

ものづくり補助金とは、中小企業の生産性向上を目的としたサービス開発や設備投資を支援するための制度です。しかし、ものづくり補助金は無条件で利用できるわけではなく、申請して審査を受けた後、採択されなければ受給することが出来ません。そこでこの記事では、ものづくり補助金の概要や採択率の推移などについて解説します。ものづくり補助金について知りたい人はぜひ参考にしてください。

ものづくり補助金とは?

ものづくり補助金とは?

ものづくり補助金の申請を検討する際は、まずどのような制度なのかを把握することが大切です。ここでは、ものづくり補助金の対象者や補助金額について解説します。それぞれの詳細を紹介するので、詳しく知りたい人は参考にしてください。

最新のものづくり補助金に関する情報は次の記事を参考にしてください。

▼2024年(令和6年)ものづくり補助金の最新情報まとめ
https://planbase.co.jp/column/264/

対象者

ものづくり補助金の対象となる事業者や業種は以下のようになっています。

業種 資本金 従業員数
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業、その他 3億円以下 300人以下
ゴム製品製造業 3億円以下 900人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
旅館業 5,000万円以下 200人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下
その他サービス業 5,000万円以下 100人以下

対象となる業種は多岐に渡り、ものづくりの名前から連想される製造業以外の業種も対象となっています。しかし、資本金や従業員数の上限からもわかるとおり、基本的に中小企業や小規模事業者を対象とした制度です。なお、法人だけではなく個人事業主も条件を満たしていれば、ものづくり補助金の対象です。

※参考:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(16次締切分)|ものづくり・商業・サービス補助金事務局(全国中小企業団体中央会)

 補助金額

次に、ものづくり補助金の補助金額について紹介します。

事業類型 補助上限 補助率
通常枠 750万円~1,250万円 1/2 ・2/3(小規模企業者・小規模事業者、再生事業者)
回復型賃上げ・雇用拡大枠 750万円~1,250万円 2/3
デジタル枠 750万円~1,250万円 2/3
グリーン枠 750万円~4,000万円 2/3
グローバル市場開拓枠 100万円~3,000万円 1/2、2/3(小規模企業者・小規模事業者)

ものづくり補助金は一律ではなく、目的に応じたさまざまな事業類型が存在し、通常枠や回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠などがあります。また、それぞれ従業員数によって補助上限や補助率などが異なることも特徴です。

補助金の申請要件は?

補助金の申請要件は?

ものづくり補助金には申請要件があります。申請を検討する際は、どのような要件があるのかを事前に確認しておきましょう。ここでは申請要件の詳細を紹介するので、ものづくり補助金を申請したい人は参考にしてみてください。

すでに創業状態にある

ものづくり補助金の申請要件として挙げられるのが、現時点で創業している必要があります。そのため、後に創業する予定でも、申請時点では準備しているだけで完了していない場合は対象外です。また、補助金を受け取るタイミングで創業が完了する予定の場合でも、要件を満たしていないため申請できません。

創業が完了している状態とは、企業なら法人番号が決まっている個人事業主なら設立日が記入できる状態を指します。

賃金引き上げの計画を表明している

賃金引き上げの計画を従業員に表明していることも、ものづくり補助金を申請するのに必要な要件です。 具体的な内容として、以下のようなものが挙げられます。

・付加価値額の年率平均3%以上の増加
・給与支給総額の年率1.5%以上の増加
・事業場内最賃金を地域別最低賃金+30円以上アップ

そのため、申請時には次のような「従業員への賃金引上げ計画の表明書」の提出が求められます。


他にも要件はあり、事業期間は3~5年に定めること、賃金台帳を提出して事業場内最低賃金が要件を満たしているか確認する義務もあります。
※参考:従業員への賃金引上げ計画の表明書

資本金か従業員数などが規定内にある

資本金の額か従業員数のどちらかが、要件の規定内にあることも要件の1つとして挙げられています。事業類型によって規定されている資本金の額や従業員数に違いはありますが、最大でも資本金は3億円、従業員数は900人と設定されていることが特徴です。 そのため、ものづくり補助金は基本的に中小企業など、規模の小さい事業者を対象としているといえます。

採択率の推移は?

採択率の推移は?

ものづくり補助金の採択率の推移について解説します。採択率は各回によっても変わってきますが、過去の採択率は応募を検討する際の参考になるでしょう。ここでは、それぞれの型ごとに詳細を紹介するので、参考にしてください。

参考:採択結果|全国中小企業団体中央会

 一般型

一般型のものづくり補助金の採択率は以下のように推移しています。

締切回 応募件数 採択件数 採択率
1次 2,287 1,429 約62%
2次 5,721 3,267 約57%
3次 6,923 2,637 約38%
4次 10,041 3,132 約31%
5次 5,139 2,291 約45%
6次 4,845 2,326 約48%
7次 5,414 2,729 約50%
8次 4,584 2,753 約60%
9次 3,552 2,223 約63%
10次 4,224 2,584 約61%
11次 4,688 2,786 約59%
12次 3,200 1,885 約59%
13次 3,261 1,903 約58%
14次 4,865 2,470 約51%

応募件数が増加した3次では採択率が30%まで落ちましたが、直近5回での採択率は約60%程度で推移しています。また直近14次公募の採択率は約51%となり、過半数もの事業者が不採択となってしまいました。

グローバル型

グローバル型のものづくり補助金は4次から行われており、採択率の推移は以下のとおりです。

締切回 応募件数 採択件数 採択率
4次 271 46 約17%
5次 160 46 約29%
6次 105 36 約34%
7次 93 39 約42%
8次 69 27 約39%
9次 61 24 約39%
10次 70 28 40%
11次 76 31 約41%
12次 56 22 約39%
13次 61 24 約39%

初回を除き、基本的には40%前後で推移しています。

審査に通るためのポイントは?

審査に通るためのポイントは?

審査を通るためのポイントについて解説します。それぞれの詳細を紹介するため、ものづくり補助金を申請したいと考えている方は参考にしてみてください。

審査項目を満たす

審査を通るためのポイントとして、以下の項目を満たすことが挙げられます。

・自社の課題を明確化し、その課題の解決に設備投資が貢献している
・事業計画の妥当性と、市場が抱えている課題への効果がある
・国の政策の方針に沿った事業計画である

いずれも、ものづくり補助金を採択する際に審査される項目であり、最低限満たしている必要があるものとして見られます。

加点項目を多くする

加点項目を多く満たすことも、審査に通るためのポイントとして重要です。

・創業または第二創業から5年以内の事業者である
・補助事業終了後3~5年で給与支給総額を年平均1.5%以上増やす
・事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円増やす
・経営革新計画の承認を取得している
・事業継続力強化計画の認定を取得している

上記の項目は必須ではないものの、審査得点を稼げるため採択される可能性を高くできます。

ものづくり補助金16次以降のスケジュール

ものづくり補助金16次以降のスケジュール

ものづくり補助金第16次締切の公募期間は下記の通りです。

公募開始日 令和5年7月28日(金) 17時
申請開始日 令和5年8月18日(金) 17時
申請締切日 令和5年11月7日(火) 17時

申請準備には時間がかかるため、計画を立てて進めていくようにしましょう。

※参考:ものづくり補助金総合サイト|公募要領

まとめ

まとめ

ものづくり補助金の採択率は基本的に50~60%前後であり、少なくとも10人中4人は不採択となってしまいます。採択される可能性を高めるために、質の高い事業計画書を作成する、加点項目を全て満たすなど、様々な努力が必要です。申請を検討する際におすすめしたいのが、専門の知識を持った機関からのサポートです。

▼2024年(令和6年)ものづくり補助金の最新情報まとめ
https://planbase.co.jp/column/264/

株式会社プランベースは、補助金申請における採択件数全国トップクラスであり、中小企業の補助金申請をサポートしています。経済産業省認定支援機関であり信頼性も高いので、ものづくり補助金の申請を考えている企業の担当者は、ぜひ株式会社プランベースへの依頼を検討してみてください。

▼ものづくり補助金の無料相談はこちら
https://planbase.co.jp/lp/monodukuri/

この記事の執筆者

村上 貴弘

村上 貴弘

東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。