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【2026年注目】100億宣言とは?制度の概要・メリット・申請ポイントを徹底解説

目次

売上高100億円という高い目標を掲げ、飛躍的な成長を目指す中小企業に向けて創設された「100億宣言」。 2026年からは、大規模成長投資補助金において100億宣言企業向けに約1,000億円の予算が確保されるなど、政府の成長支援策は一層強化されています。 本記事では、100億宣言の制度概要や背景、宣言するメリット、様式の記載のポイント、申請から公表までの流れまでを網羅的に解説します。売上100億円を本気で目指す企業にとって、実務に役立つ情報を紹介します。

100億宣言とは

100億宣言とは、飛躍的成長を目指す中小企業が、10年を目安に「売上高100億円」を超える野心的な目標を掲げ、実現に向けた取組を行っていくことを自ら宣言するものです。

政府は、2026年の大規模成長投資補助金において、100億宣言を行った企業に約1,000億円の予算を組み込みました。
今後、売上高100億円を超える企業の創出を目指すべく、注目度がさらに高まっていく見込みです。

▼令和7年度の補正予算の詳細はこちら

100億宣言のフォーマットは、以下の内容で構成されています。

❶企業概要
❷企業理念・100億宣言に向けた経営者メッセージ
❸売上高100億円実現の目標と課題
❹売上高100億円実現に向けた具体的措置

100億宣言を行うと、100億企業成長ポータルに当該宣言が掲載されます。

100億宣言の目的と背景

目的

売上高100億円を目指して、企業が本気で取り組む姿勢と、実現できる具体的な計画を示します。
これにより、日本や地域の経済を支える中小企業が、より大きく成長しようとする前向きな動きを広げることを目的としています。

背景

昨今の日本経済は、賃上げと投資を軸とした成長型経済へと転換しつつあります。
その中で、地域経済に良質な雇用を生み出し、持続的な成長を牽引する企業の創出が求められることから、売上高100億円規模の企業の成長を後押しする100億宣言の取り組みが始まりました。

宣言対象企業

100億宣言の掲載を申請できるのは、売上高10億円以上100億円未満の中小企業です。

中小企業とは、原則として、中小企業基本法に基づく中小企業者、租税特別措置法に基づく中小企業者、中小企業等経営強化法に基づく中小企業者、特定事業者です。
直近の売上高が10億円未満あるいは100億円以上の場合は、直近3期分の決算書の内容をもとに判断します。
企業グループとして申請する場合は、グループ全体の売上高の合計が10億円以上100億円未満である必要があります。

企業グループの範囲は、会社法で規定する子会社及び孫会社です。
グループとして宣言する場合には、当該親会社の子会社及び孫会社の全てを宣言に含める必要があります。
グループとして宣言する場合は、親会社が宣言します。

100億宣言を行うメリット

100億宣言をおこなうメリットとして、以下の4つがあげられます。

補助金の活用

一部の補助金は、100億宣言を行った事業者のみが申請できます。
これらの補助金は、売上高100億円の達成を支援することを目的としているため、最低投資額や補助上限額は高く設定されています。

現在(2025年12月時点)、成長加速化補助金(最低投資額:1億円、補助上限額:5億円)の申請の要件として100億円宣言が盛り込まれています。

▼成長加速化補助金の詳細はこちら

2026年からは、大規模成長投資補助金に充てられる予算が約1,000億円増額され、その増額分は100億宣言を行った企業を対象として採択される予定です。
100億宣言を行った企業の場合、最低投資額は15億円、補助上限額は50億円です。
売上高100億円の達成に向けて大きく前進するための重要な支援制度となります。

▼大規模成長投資補助金の詳細はこちら

税制優遇

経営力向上計画の認定を受けることで、中小企業経営強化税制を活用することができます。
特に、100億円宣言を行った事業者は、中小企業経営強化税制の経営規模拡大設備等(E類型)の申請が可能となります。

中小企業経営強化税制とは、青色申告をしている中小企業が、国の認定を受けた「経営力向上計画」に基づいて、一定期間内に対象となる設備を新しく導入し、事業に使用した場合に受けられる税制優遇制度です。
この制度を利用すると、「設備の取得費用を一度に全額経費として計上(即時償却)する」または「設備の取得価額の10%(資本金3,000万円を超える法人は7%)を税額から直接差し引く(税額控除)」のいずれかを選ぶことができます。

E類型では、建物やその附属設備も対象設備に入ります。

建物およびその附属設備については、特別償却または税額控除を選択して適用します。
投資計画に記載した目標値を満たした賃上げ(2.5%以上)によって、特別償却を選択した場合は15%、税額控除を選択した場合には1%適用できます。また、5%以上の賃上げによって、特別償却は25%、税額控除は2%となります。

自社のPR

100億宣言を行った企業は、専用のロゴマークを名刺や自社ホームページに掲載することができます。
これにより、取引先や顧客に対して企業の成長への意欲や取り組み姿勢をアピールすることが可能です。

さらに、100億宣言を行った企業は、「100億企業成長ポータル」に掲載されます。
ここでは、自社の成長志向や具体的な取り組み内容が公開されるため、企業の知名度向上やブランドイメージの向上にもつながります。

売上高100億円を目指す企業にとって、100億宣言は成長意欲を示すと同時に、対外的なPRにも活用できる有力な制度です。

経営者ネットワークへの参加

100億宣言を行った企業の経営者は、宣言企業を対象とした経営者ネットワークへ参加できます。
このネットワークは、自社の経営判断や事業推進に役立つ有益な情報源であるとともに、協業やビジネスマッチングの機会としても活用できます。

また、100億宣言企業に限定されない制度ですが、売上高100億円超を目指す企業は、中小企業基盤整備機構の成長企業伴走支援を活用できます。
この支援では、中小機構の「伴走支援チーム」が企業を訪問し、コンシェルジュのように成長戦略や経営課題を踏まえた多様な支援策の紹介・提案を行います。

100億宣言の記載のポイント

100億宣言のフォーマットは以下の通りです。

売上高100億円宣言記載例 卸業、小売業、飲食店
出典:100億企業成長ポ-タル「記載例」

企業概要

パワーポイントの上部には、企業名と業種、左側には企業概要として以下の項目を記載します。

  • 本社所在地
    政令指定都市の場合は「区」まで、それ以外の場合は「市町村名」まで記載
  • 事業概要
    グループで申請する場合、申請主体となる親会社の情報を記載
  • 常時使用する従業員
    労働基準法第20条の規定に基づく「予め解雇の予告を必要とする者」の人数を記載
  • 現在の売上高
    「億円」単位で記載し、端数は四捨五入
  • 法人番号
    法人の場合は法人番号、個人事業主の場合はインボイス登録番号あるいはGビズIDを記載
  • Webサイトのリンク
    Webリンクは改行せず1行で入力、Webサイトがない場合は「Webサイトなし」と記載

企業理念・100億宣言に向けた経営者メッセージ

企業理念・ミッションと、100億宣言に向けた経営者メッセージを記載し、経営者の写真を添付します。

100億宣言に向けた経営者メッセージでは、100億企業への成長を通じて実現したい内容を記載します。
内容は抽象的で構いませんので、事業を通じて実現したい未来を記載します。

文字は全て黒字で記載し、ひな形の枠の大きさ・色・構成は変更せずに作成しましょう。

売上高100億円実現の目標と課題

実現目標については、計画において100億円を達成する年を明確に記載します。
下記の文章を参考としてご活用いただき、あわせて様式1に添付されている表の数値を自社の計画に沿って作成のうえ掲載するだけでも問題ありません。

20〇〇年の売上高達成に向け、〇〇という施策で年率〇〇%程度の成長を目指す。

課題については、箇条書きで売上高100億円達成に向けての課題を何点か記載します。

売上高100億円実現に向けた具体的措置

目指す成長手段については、売上高100億円達成のための具体的措置について、箇条書きで記載します。

実施体制については、これらの施策を実行するために、社内外の関係者について「誰が・何を担うのか」を明確にし、箇条書きで記載します。

自由記載

ひな形にある「売上高100億円実現の目標と課題」(実現目標・課題)や「売上高100億円実現に向けた具体的措置(目指す成長手段・実施体制)」などの項目について、さらに詳しく記載したい場合には、2枚目の別紙を活用することができます。

また、宣言の趣旨に沿った自社資料を添付することも可能です。
会社概要やビジョンなど、自社の姿勢や強みが伝わる資料を加えることで、より効果的な自己PRにつながります。

100億円を達成するための具体的な施策

売上高100億円の達成は、単なる売上拡大ではなく、事業構造・投資規模・経営戦略の転換を図る施策です。

ここでは、公表されている100億宣言の「目指す成長手段」に記載された取り組みの一部を抜粋し、当社にて一部表現を調整したうえでご紹介します。

ここでは、100億宣言の「目指す成長手段」に記載する取り組みの参考例をご紹介します。

既存事業のスケールアップ

多くの企業が採用する成長戦略として、既存事業の拡張による成長が挙げられます。

生産能力の増強(設備投資・工場増設)

・飲食サービス会社が、新規出店を加速
・自動車部品メーカーが、新工場建設により製造拠点を集約化

高付加価値化による単価向上

・アパレル会社が、サービス部門の構築で更なる藍染めの付加価値を訴求
・住宅メーカーが、消費者ニーズに訴求できる高品質・高性能住宅の販売促進

国内シェア拡大・未開拓市場への展開

・自動車部品メーカーが、超ハイテン材加工の技術・知見を活かし、県外からの受注拡販
・農業法人が、外販部の設置を設置し、県外へ販路を拡大

特に製造業においては、大規模な設備投資による生産能力の拡張が売上高の急成長につながりやすく、「100億円宣言」後における成長加速化補助金や大規模成長投資補助金の活用とも親和性が高い手段といえます。

海外展開による市場拡大

国内市場が成熟する中、海外市場への進出は売上拡大の重要な選択肢です。

為替や地政学リスクはあるものの、市場規模そのものを拡張できる点で、100億円達成に向けた効果は大きいと考えられます。

海外子会社・現地生産拠点の設立

  • 自動車部品メーカーが、インドで生産拠点を立ち上げ
  • 農業法人が、日本と季節が異なるオーストラリアへ進出し、果物を栽培

輸出拡大・海外への販路拡大

  • 産業機械メーカーが、海外の規制に対応し北米へ輸出
  • 精密部品メーカーが、アジア商圏へ販路を拡大し、国別売上割合を分散

その他(人材面、効率化)

売上高100億円を安定的に維持・成長させるには、人材面や効率化など、間接的な取り組みの強化も欠かせません。

エンジニア・営業人材の採用・育成

  • 食品メーカーが、ベテラン管理メンバーの熟練したノウハウの後進への継承
  • 建設会社が、多種多様な人材の採用と情報化施工に対応できる人材を育成

DX・GX関連投資

  • 機械メーカーが、自動化設備を導入し生産性を向上
  • 物流会社が、物流倉庫を自動化し省力化

生産性向上・省人化投資

  • 機械メーカーが、自動化設備を導入し生産性を向上
  • 物流会社が、物流倉庫を自動化し省力化

DXやGX関連投資、ならびに生産性向上を目的とした設備投資は、多くの補助金を活用できる可能性が高い分野です。
「100億円宣言」後に活用できる成長加速化補助金や大規模成長投資補助金に加え、省エネ補助金や省力化投資補助金なども積極的に活用していくことが重要です。

どの補助金が自社に最適か分からない場合は、ぜひ初回無料相談をご利用ください。
経験豊富なコンサルタントが、貴社に最適な補助金活用をご提案します。

申請から公表までの流れ

申請の流れ

100億宣言の申請は、提出書類が準備でき次第、補助金申請システム「jGrants」から行います。
jGrantsを利用するには、GビズIDの取得が必要です。

GビズIDの取得には2週間程度要する場合があるため、余裕を持って準備してください。

▼100億宣言の申請はこちら
https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDNhQMAX

提出書類

書類名形式ファイル名備考
100億宣言(様式1)PDF1_㈱〇×_100億宣言(様式1).pdf
100億宣言申請書(様式2)Excel2_㈱〇×_100億宣言申請書(様式2).xlsx
直近3期分の決算書等PDF3-1_㈱〇×_決算書(前々期決算分).pdf
3-2_㈱〇×_決算書(前期決算分).pdf
3-3_㈱〇×_決算書(最新決算分).pdf
フォーマットは任意

審査・公表

申請後、宣言内容および添付書類が制度の趣旨に適合していると認められた場合、宣言内容は100億宣言のポータルサイトに掲載されます。

申請内容に不備がない場合、申請日からおおむね10営業日程度で掲載されます。
審査は申請順に行われるため、補助金等の申請を検討している場合は、十分な余裕をもって申請してください。

不備がある場合や、補助金申請等により申請が集中した場合、掲載までに時間を要することがあります。

なお、公表要領に定められた宣誓が行われていない場合や、宣言内容が制度の趣旨に適合していないと判断された場合には、宣言が認められないことがあります。
詳しくは、公表要領をご確認ください。

よくある質問

100億宣言についてよくある質問として、事務局が公表している資料より抜粋しました。
詳しくは事務局ホームページのFAQを参照いただき、それでも解決しない場合は事務局に問い合わせてください。

※本章の作成にあたり、以下の資料を参考にしています。
参考:100億企業成長ポ-タル「100億宣言 よくあるご質問」

資本金1億円の小売業を営む会社ですが、宣言できますか

従業員数によっては中小企業基本法上の中小企業者の定義に該当しない可能性がありますが、税法上の中小企業者の定義には該当するので、宣言可能です。

100億宣言は申請後、どのくらいの期間で掲載されますか?

通常、申請内容に不備がない場合には、ご申請いただいた日から約10営業日程度で100億宣言のポータルサイト上に掲載となります。なお、申請内容に不備があった場合や補助金等の申請により申請が多数集中する場合、通常より期間を要する場合がございます。要件確認はご申請いただいた順に行っておりますので、補助金等の申請をご検討されている場合、十分に余裕をもったご申請をお願いいたします。

100億宣言のポータルサイト上での公表について、ひな形に掲載されている内容はすべて公表されるのですか。また、希望して一部公表しないこともできますか。

ひな形に記載した内容はそのまま全て公表されます。一部内容を非公開とすることはできません。

宣言が認められない場合もありますか。

公表要領に記載する宣誓がなされていない場合、宣言の記載が制度趣旨に適合していない場合等には、宣言が認められない場合もあります。

100億宣言の掲載期間はありますか。また、達成したら掲載は終了しますか。

掲載期間の定めは設けておりません。

なお、売上100億円を達成した場合においては、「100億達成企業」として掲載を継続する予定です。

宣言の掲載を事情により取りやめることは可能でしょうか。

100億宣言については、長期的な会社のビジョンになりますので基本的に掲載取りやめは想定していません。他方、例えば、大幅な経営方針の変更、被買収企業となることや、事業再生、民事再生を行う場合等、宣言掲載を継続することで取引先等に対して誤ったメッセージを与えかねないときは、事務局と相談の上、取りやめが認められることもあります。

まとめ|100億宣言をきっかけに飛躍的な成長を実現しよう

100億宣言は、単なる目標表明ではなく、売上高100億円を目指す中小企業の成長戦略を社会に示す重要な制度です。

宣言を行うことで、大規模成長投資補助金や成長加速化補助金などの大型補助金の活用、税制優遇措置、自社PRや経営者ネットワークへの参加といった多くのメリットを得ることができます。

また、宣言内容はポータルサイトに公表されるため、経営者としてのコミットメントや成長ビジョンを明確に示すことが求められます。

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