補助金申請

省エネ補助金(工場・事業場型)

省エネ補助金(工場・事業場型)の概要

正式名称は「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金(令和7年度補正予算 省エネ補助金(工場・事業場型))」です。経済産業省が管轄し、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)と大日本印刷株式会社の共同事業体が執行団体を務めています。本制度は、事業者が計画した省エネの取り組みのうち、先進的な設備・システムの導入、オーダーメイド型設備の導入、高効率な指定設備への更新、EMS(エネルギーマネジメントシステム)導入により省エネ効果の要件を満たす事業の設計費・設備費・工事費の一部を補助するものです。事業区分は(Ⅰ)工場・事業場型(先進枠・一般枠・中小企業投資促進枠・サプライチェーン連携枠)と(Ⅳ)エネルギー需要最適化型に分かれます。

制度の目的と背景

本補助金の政策目的は、各分野の省エネルギー化を推進し、安定的かつ適切なエネルギー需要構造の構築を図ることです。制度が設けられた背景には、以下のような社会的要請があります。

  • 2030年エネルギーミックス達成・2050年カーボンニュートラル実現:産業・業務部門における省エネ設備投資の加速が不可欠となっています。
  • エネルギーコストの高騰:中東情勢による原油価格上昇を受け、エネルギー使用量の削減・省エネ型設備導入の重要性がさらに増しています。
  • GX経済移行債を活用した先行投資支援:グリーントランスフォーメーション(GX)推進の一環として、脱炭素に向けた先行投資を国が強力に後押ししています。

経営者の視点で捉えると、エネルギーコスト削減と脱炭素対応を同時に実現できる国の大型支援策です。設備の老朽化対策とCO2排出削減を両立させたい企業にとって、まさに活用すべき制度といえます。

補助対象となる事業例

本補助金は幅広い業種・設備で活用できます。代表的な活用パターンは以下の通りです。

  • 老朽設備の高効率化:ボイラー、空調設備、コンプレッサー等を高効率な省エネ設備に更新する事業。製造業だけでなく、大規模施設を運営する商業施設やホテル等でも活用可能です。
  • 先進的省エネ技術の導入:SIIが公表する「先進設備・システムリスト」に掲載された先進的な省エネ技術を導入する事業です。
  • 複数事業所間の連携事業:事業所間でユーティリティ設備を共有したり、生産ラインを集約して省エネを実現する取り組みです。
  • EMS導入による運用改善:エネルギーマネジメントシステムを導入し、エネルギーの見える化・制御・運用改善を図る事業です。
  • 非化石燃料への転換:化石燃料から電気・水素等の非化石燃料へ転換する事業で、上限額が増額される優遇があります。
  • サプライチェーン全体での脱炭素化:4者以上のコンソーシアムでサプライチェーン全体の脱炭素化を推進する事業(サプライチェーン連携枠)です。

工場・事業場を持つ製造業はもちろん、大規模施設を運営する業務部門事業者や、省エネ法の定期報告対象事業者にも広く適した制度です。

令和7年度補正1次公募の最新情報

令和7年度補正予算による1次公募の基本情報は以下の通りです。

  • 公募期間:2026年3月30日(月)〜2026年4月27日(月)17:00必着
  • 交付決定:2026年6月中旬予定
  • 予算規模:工場・事業場型は令和7年度補正予算507億円の内数で約250億円

1次公募の予算総額(全事業区分合計)は以下のように年度別に配分されています。

年度予算額
2026年度分約304億円
2027年度分約590億円
2028年度分約359億円
2029年度分約76億円

※上記予算は(Ⅰ)工場・事業場型、(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型、(Ⅲ)GX設備単位型、(Ⅳ)エネルギー需要最適化型の全事業区分合計です。

対象となる事業区分は、(Ⅰ)工場・事業場型(先進枠・一般枠・中小企業投資促進枠・サプライチェーン連携枠)と(Ⅳ)エネルギー需要最適化型です。

前回公募からの変更点

今回の1次公募では、前回公募から以下の重要な変更が加えられています。

変更点前回公募今回(令和7年度補正1次公募)
先進枠の設備組み合わせ先進設備・システムのみで省エネ要件を満たす必要「一般枠」の補助対象設備(指定設備等)を組み合わせて省エネ要件を満たすことが可能に
サプライチェーン連携枠設定なし新設。サプライチェーン上の4者以上が共同で設備更新計画を立案。中小企業者等1/2以内、大企業1/3以内。1者当たり省エネ率+非化石割合増加率5%以上が要件
エネルギー需要最適化型の対象範囲既存設備のEMS更新のみ新築・新設の事業所へ新たに導入するEMS、既存事業所の新たな製造ライン・エリアに設置するEMSも対象に追加

特に先進枠での設備組み合わせが可能になった点は、先進設備だけでは省エネ要件を満たせなかった企業にとって大きな改善です。申請の幅が広がりましたので、ぜひ自社の設備更新計画を見直してみてください。

補助金額と対象範囲

省エネ補助金(工場・事業場型)は、申請する枠(先進枠・一般枠・中小企業投資促進枠・サプライチェーン連携枠)やエネルギー需要最適化型によって、補助額・補助率・対象者が大きく異なります。中小企業者等と大企業では補助率に差があり、非化石転換を伴う場合は上限額が増額される仕組みです。以下のセクションで、枠ごとの詳細を解説します。

補助上限額・補助率

各事業区分の補助率と上限額を一覧表にまとめました。自社の企業規模と事業内容に照らし合わせて、最適な枠を確認してください。

事業区分補助率(中小企業者等)補助率(大企業)上限額(単年度)上限額(複数年度)
先進枠2/3以内1/2以内15億円(非化石転換20億円)30億円(非化石転換40億円)
一般枠1/2以内(投資回収年数7年未満は1/3以内)1/3以内(投資回収年数7年未満は1/4以内)15億円(非化石転換20億円)20億円(非化石転換30億円)

連携事業の場合は30億円(非化石転換40億円)が事業全体の上限となります。また(Ⅰ)工場・事業場型と(Ⅳ)エネルギー需要最適化型を組み合わせる場合は、各上限額の合計が適用されます。非化石転換を伴う事業では上限額が大幅に増額されるため、化石燃料からの転換を検討中の企業は特に注目すべきポイントです。

補助対象者

本補助金は、国内で事業活動を営む法人および個人事業主が対象です。全業種で申請可能ですが(性風俗関連特殊営業を除く)、企業規模や省エネ法の評価クラスによって申請可能な枠が異なります。

中小企業者等の定義は、中小企業基本法第2条に規定される以下の基準を満たす事業者です(みなし大企業を除く)。個人事業主、中小企業団体等、会社法上の会社以外で従業員300人以下の法人(医療法人、社会福祉法人、NPO法人等)も含まれます。

業種資本金従業員数
製造業その他3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
小売業5千万円以下50人以下
サービス業5千万円以下100人以下

※資本金または従業員数のいずれかを満たせば中小企業者に該当します。

大企業は、会社法上の会社で中小企業者・みなし大企業のいずれにも該当しない法人が対象です。ただし、以下のいずれかの要件を満たす場合に限り申請できます。

  • 省エネ法の事業者クラス分け評価制度でSクラスを取得している
  • 省エネ法の事業者クラス分け評価制度でAクラスを取得している
  • 中長期計画書のベンチマーク指標の見込みが2030年度目標値を達成している

みなし大企業とは、資本金5億円以上の法人に100%保有される中小企業者、または直近3年の課税所得平均が15億円超の中小企業者を指し、大企業扱いとなります。

共同申請は、設備の所有者と使用者が異なる場合やリース・ESCO利用の場合に必要です。サプライチェーン連携枠では、幹事企業を含むサプライチェーン上の4者以上がコンソーシアムを形成して申請します(親子会社間は不可)。

補助対象外になるケース

申請前に、対象外となるケースを必ず確認しておきましょう。除外条件が複雑なため、主要な項目を整理します。

対象外となる事業者:

  • みなし大企業(中小企業者等の補助率は適用されません)
  • 大企業でSクラス・Aクラス・ベンチマーク目標達成見込みのいずれにも該当しない場合(一般枠・エネルギー需要最適化型で対象外)
  • 経済産業省から補助金交付等停止措置または指名停止措置を受けている事業者
  • 公的資金の交付先として社会通念上不適切と判断される事業者
  • 性風俗関連特殊営業を営む事業所

対象外となる事業:

  • 導入する補助対象設備の所有者が直近年度決算で債務超過の場合
  • 交付決定前に既に発注等を完了させた事業
  • 発電量の5割以上を売電する事業
  • 増エネとなる設備・事業(非化石転換の場合)
  • 新設設備の導入(原則として既存設備の更新のみ対象。ただしエネルギー需要最適化型のEMSは新設も可)
  • 中古品の導入

特に「交付決定前の発注・契約」と「新設設備」は見落としやすいポイントです。既存設備の更新が原則である点を十分に理解した上で計画を立ててください。

補助対象経費(対象外経費も併記)

補助対象となる経費と対象外の経費を正確に把握することで、申請時の経費計上ミスを防げます。

区分補助対象経費補助対象外経費
設計費機械装置・建築材料等の設計費、システム設計費等交付決定前に係る事前調査費等
設備費機械装置の購入・製造(改修含む)に要する経費中古品の購入費、SIIが対象外と判断した機器の経費
工事費補助事業の実施に不可欠な工事に要する経費建屋等の建築物・外構工事、既存設備の解体・撤去・移設費
その他消費税及び地方消費税、事業に直接関係のない工事の経費

リースの利用は可能です。設備使用者とリース事業者の共同申請が必要で、リース料から補助金相当分を減額する必要があります。ただし、残価設定付リース・割賦契約は対象外です。

ESCOの利用はシェアード・セイビングス契約に限り可能です。設備使用者とESCO事業者が共同で申請します。

中古品は対象外です。新品の設備導入が条件となります。

申請要件

省エネ補助金(工場・事業場型)には、すべての枠で共通して満たす必要がある「基本要件」と、先進枠・一般枠・中小企業投資促進枠・サプライチェーン連携枠・エネルギー需要最適化型ごとに異なる「個別要件」があります。特に省エネ率や投資回収年数の基準値は枠によって大きく異なるため、自社にとって最適な枠の見極めが重要です。

基本要件

全枠共通の要件:

  • 投資回収年数要件:先進枠・一般枠は5年以上、中小企業投資促進枠は3年以上、サプライチェーン連携枠は中小企業者等3年以上・大企業5年以上
  • エネルギー使用量1,500kl以上の事業場および中小企業者に該当しない会社は、省エネ法の中長期計画書等に記載された事業であること
  • 経費当たり計画省エネルギー量:補助対象経費1千万円当たり1kl以上
  • 導入した補助対象設備の1年間のエネルギー使用量と省エネ効果を報告できること
  • GX要件を満たすこと(事業区分(Ⅰ)の場合)
  • 既存設備の更新であること(新設は対象外)
  • 中古品でないこと

枠別の省エネ要件(いずれか1つを満たす):

事業区分省エネ率+非化石割合増加率省エネ量+非化石使用量原単位改善率
先進枠30%以上1,000kl以上15%以上
一般枠10%以上700kl以上7%以上
中小企業投資促進枠7%以上500kl以上5%以上
SC連携枠1者当たり5%以上
エネルギー需要最適化型省エネルギー率2%改善を目安

設備単位要件(一般枠・中小企業投資促進枠・SC連携枠):

  • 指定設備:省エネ率10%以上、または省エネ量1kl以上、または経費当たり省エネ量1kl/千万円以上
  • オーダーメイド型設備:経費当たり省エネ量1kl/千万円以上

省エネ要件は「いずれか1つ」を満たせばよい選択式ですが、投資回収年数や経費当たり省エネ量などは「すべて」満たす必要がある要件です。混同しないよう注意してください。

加点項目・優遇措置

審査では基本要件を満たした上で、加点項目への該当により評価が上がります。事前に取得・登録しておくと有利な認定・宣言が多数ありますので、申請前にチェックしておきましょう。

エネルギー政策関連の加点:

  • 省エネ法定期報告に基づく2年連続Sクラス取得者の省エネ事業
  • エネルギー転換(非化石転換)を行う事業
  • エネルギー集約型企業(エネルギーコスト/売上高10%以上)の省エネ事業
  • 複数事業者間の連携による省エネ事業
  • サプライチェーン下流企業のCO2削減コミットに関連する中小企業の事業

中小企業取組関連の加点:

  • 中小企業者等が行う省エネ事業
  • 省エネ・地域パートナーシップのパートナー金融機関による支援を受けた事業
  • 2022年度以降に省エネ診断を受けた事業
  • ベンチマーク改善に資する事業(大企業を除く)
  • 1,500kl未満事業所の中長期計画書の実効性を高める省エネ事業
  • 経営力向上計画または経営革新計画の認定企業の省エネ事業
  • 地域経済牽引事業計画承認企業または地域未来牽引企業の省エネ事業
  • パートナーシップ構築宣言登録企業の省エネ事業

省エネ診断の受診やパートナーシップ構築宣言の登録は比較的取り組みやすい加点項目です。申請前に対応可能なものから準備しておくことをお勧めします。

要件未達時のペナルティ・報告義務

補助金の交付後には報告義務があり、不正行為や要件未達にはペナルティが科されます。制度を正しく利用するために、以下の内容を十分理解しておいてください。

不正行為時のペナルティ:

  • 交付決定の取消+受領済み補助金の返還(加算金:年10.95%)
  • 新たな補助金交付の一定期間停止、事業者名・不正内容の公表
  • 補助金適正化法第29〜32条の刑事罰規定あり

報告義務:

  • 実績報告:事業完了日から30日以内または2027年2月5日のいずれか早い日まで
  • 成果報告:事業完了翌年度(4月〜3月)の省エネ実績を翌々年度5月末までにSIIへ報告
  • エネルギー需要最適化型:1年目・2年目それぞれで報告し、2年目報告後にHP公表
  • 原単位改善率の場合:事業完了後5年以内に生産量増加+計画原単位改善率を達成する必要あり

その他の制限:

  • 処分制限:取得財産を法定耐用年数内に処分する場合はSIIの事前承認が必要。補助金返還が発生する場合あり
  • 資料保存義務:事業完了日の属する年度終了後5年間
  • 省エネ未達時のリスク:成果報告時の省エネ量等実績が計画値未達の場合やデータ未取得の場合、補助金返還の可能性あり

省エネ目標の達成は補助金受給後の義務です。計画段階で確実に達成可能な数値を設定し、実績データの取得体制を整備してから申請することが重要です。

スケジュール

1次公募の全体スケジュールを時系列で整理します。申請締切は2026年4月27日(月)17:00必着で、公募開始から締切までの準備期間は約1か月と短期間です。設備メーカーへの見積依頼や社内承認などを考慮すると、早急な準備着手が求められます。

公募〜採択までの流れ

日程手続き内容
2026年3月25日(水)公募要領公開(※この日以降の見積依頼・競争入札は交付決定前でも有効)
2026年3月30日(月)申請受付開始(SII補助事業ポータルでアカウント登録→申請書類作成→郵送)
2026年4月27日(月)17:00申請締切(必着。配送状況が確認可能な手段で郵送。直接持ち込みは不可)
2026年6月中旬交付決定予定

重要な注意点:SII補助事業ポータルでの入力完了だけでは申請と認められません。必ず郵送で申請書類を提出する必要があります。また、交付決定前の発注・契約は原則不可ですが、見積依頼・競争入札は2026年3月25日以降の発行日であれば有効です。既存設備の事前撤去については、写真等で公募開始前の撤去ではないことを証明すれば対応可能です。

採択後〜受給までの流れ

交付決定後から補助金受給、そして成果報告に至るまでの手続きを時系列で整理します。

  1. 交付決定(事業開始日):交付決定日をもって事業開始日となります。この日以降に契約・発注を行ってください。
  2. 事業実施:事業実施期間中に設備導入・工事を完了させます。計画変更がある場合はSIIに事前申請し、変更承認を得る必要があります。
  3. 実績報告:事業完了日から30日以内、または2027年2月5日のいずれか早い日までに提出します。
  4. 確定検査・補助金支払い:SIIによる確定検査を経て、精算払いで補助金が支払われます。
  5. 成果報告:事業完了翌年度(4月〜3月)の省エネ実績データを取得し、翌々年度5月末までにSIIへ成果報告を行います。
  6. エネルギー需要最適化型の追加報告:1年目・2年目それぞれで報告を行い、2年目報告後にHPで公表されます。
  7. 原単位改善率の場合:事業完了後5年以内に計画達成が求められます。
  8. 資料保存:事業完了年度終了後5年間、関連書類を保存します。

交付決定前に発注・契約を行った場合は補助対象外となります。事業開始のタイミングには十分ご注意ください。

申請の手順

省エネ補助金(工場・事業場型)の申請はjGrantsではなく、SII独自の「補助事業ポータル」を使用します。申請はポータルでの入力と郵送の二段階で行い、ポータル入力だけでは申請完了になりません。以下のセクションで、事前準備から審査、採択結果通知後の手続きまで具体的に解説します。

事前準備(SII補助事業ポータル登録・社内体制)

申請をスムーズに進めるため、以下の事前準備チェックリストを確認してください。

  • SIIホームページでアカウント登録を完了する
  • 省エネ法の定期報告書・中長期計画書を確認する(該当者)
  • 直近1年分の決算書を準備する
  • 商業登記簿謄本・建物登記簿謄本を取得する(発行6か月以内のもの)
  • エネルギー使用量実績データを整理する
  • 3者以上の見積書を取得する(公募要領公開日2026年3月25日以降の発行日であれば交付決定前でも有効)
  • GX要件を満たすことの表明書を準備する
  • 導入前後の比較図・事業場全体図を作成する

※交付決定等の内容はgBizINFO(ジービズインフォ)でオープンデータとして原則公開されます。

事業計画書(省エネルギー計画)の作成

事業計画書はSII指定の各種様式(ポータルより出力する書類および指定様式)に従って作成します。以下が主要な作成書類です。

  • 実施計画書(省エネルギー計画)申請総括表
  • 事業者情報
  • 資金調達計画
  • 事業実施に関連する事項
  • 所要資金計画(総括)
  • 発注区分表(総括)
  • 導入前後の比較図
  • 事業場の全体図
  • 事業スケジュール

導入予定設備ごとに、先進設備・システム、オーダーメイド型/指定設備、EMS機器それぞれの事業概要、省エネルギー計算、原油換算表、参考見積書、比較表等の書類も必要です。

審査で評価されるポイント:

  • 計画省エネルギー量の大きさ
  • 計画省エネルギー率の高さ
  • 経費当たり計画省エネルギー量(補助対象経費1千万円当たり)の効率性
  • EMSを活用した省エネ取り組みの具体性
  • 投資回収年数の算定根拠の妥当性
  • 資金調達計画の確実性

特に「経費当たり計画省エネルギー量」は費用対効果を直接示す指標として重視されます。設備選定の段階から、補助対象経費に対してどれだけの省エネ効果が得られるかを意識して計画を立てましょう。

必要書類の準備

提出書類は多岐にわたります。主要な必要書類を一覧にまとめました。

書類名概要・留意点
交付申請書(様式第1)SII指定様式で作成
補助事業に要する経費等(別紙1)補助対象経費および補助金の配分額を記載
四半期別発生予定額(別紙2)経費の発生時期を四半期ごとに記載
役員名簿(別紙3)申請法人の役員情報を記載
実施計画書・各種計画書申請総括表、事業者情報、資金調達計画、所要資金計画等
法人概要申告書企業情報の申告
決算書直近1年分
商業登記簿謄本発行6か月以内のもの
建物の登記簿謄本発行6か月以内のもの
エネルギー使用量実績の確証燃料評価単価算出根拠も併せて提出
生産量実績の確証原単位改善率で申請する場合に特に重要
GX要件を満たすことの表明書事業区分(Ⅰ)の場合に必要
中小企業者であることの宣誓書該当者のみ
定期報告書の特定第1表の写し該当者のみ
中長期計画書の写し該当者のみ

上記以外にも、該当する場合に必要な書類が多数あります。見積書は3者以上から取得し、登記簿謄本は発行6か月以内のものを用意してください。

申請方法(SII補助事業ポータル+郵送)

申請は以下のフローで進めます。

  1. SIIホームページにてアカウント登録を行う
  2. 補助事業ポータルにログインし、必要事項を入力する
  3. ポータルから申請書類を出力・作成する
  4. すべての申請書類を一般社団法人環境共創イニシアチブ宛てに郵送する
  5. 配送状況が確認できる手段(簡易書留等)で郵送する

重要な注意点:

  • 補助事業ポータルでの入力完了だけでは申請と認められません。必ず郵送が必要です。
  • 直接持ち込みは不可です。
  • 締切:2026年4月27日(月)17:00必着
  • jGrantsは使用しません。SII独自の補助事業ポータルを使用する点にご注意ください。

郵送の到着遅延による申請不備を防ぐため、余裕を持った発送を心がけてください。

審査(書面審査・ヒアリング)

審査は書面審査を中心に行われ、必要に応じて申請者へのヒアリングが実施されます。

審査の流れ:

  1. 書面審査:提出書類に基づき、交付規程・公募要領の要件充足を確認します。
  2. ヒアリング(必要に応じて):申請内容の詳細確認のため実施される場合があります。すべての申請者が対象になるわけではありません。
  3. 交付決定:2026年6月中旬予定です。

審査で確認されるポイント:

  • 補助対象事業者・補助事業の内容が要件を満たしているか
  • 全体計画(資金調達計画・工事計画等)が適切で、事業遂行の確実性・継続性が見込まれるか
  • 経費が標準価格等を参考として適正に算定されているか

ヒアリングに備えて、省エネ計算の根拠や投資回収年数の算定根拠を整理しておくことをお勧めします。特に費用対効果の妥当性を論理的に説明できるよう準備しておきましょう。

採択結果の通知後にやること

交付決定後は、以下のアクションを着実に実行する必要があります。

  1. 契約・発注の開始:交付決定日=事業開始日です。この日以降に契約・発注を行ってください。
  2. 事業実施:設備導入・工事を事業実施期間内に完了させます。
  3. 計画変更時の手続き:計画に変更が生じた場合はSIIに事前申請し、変更承認を得る必要があります。
  4. 実績報告の提出:事業完了日から30日以内、または2027年2月5日のいずれか早い日までに実績報告を提出します。
  5. 確定検査:SIIによる確定検査を受けます。
  6. 補助金の受領:精算払いで補助金が支払われます。
  7. 成果報告の準備:エネルギー使用量データの記録を開始し、翌年度の成果報告に備えます。

繰り返しになりますが、交付決定前の発注・契約は補助対象外です。交付決定通知を確実に受け取ってから事業を開始してください。

採択されるためのポイント

省エネ補助金(工場・事業場型)の審査基準と加点項目は公表されており、これらを的確に押さえた計画策定が採択の鍵となります。限られた予算の中で高い評価を得るための戦略を以下で解説します。

審査基準

基本審査項目(必須):

  • 補助対象事業者および補助事業の内容が交付規程・公募要領の要件を満たしていること
  • 全体計画(資金調達計画・工事計画等)が適切で、事業遂行の確実性・継続性が見込まれること
  • 補助事業に要する経費が標準価格等を参考として適正に算定されていること

評価項目(点数化される項目):

  • 計画省エネルギー量
  • 計画省エネルギー率
  • 経費当たり計画省エネルギー量(補助対象経費1千万円当たり)
  • EMSを活用した省エネ取り組み

追加評価項目(加点):

  • エネルギー政策関連:2年連続Sクラス、エネルギー転換(非化石転換)、エネルギー集約型企業、複数事業者連携、サプライチェーンCO2削減コミット
  • 中小企業取組関連:中小企業者等、パートナー金融機関支援、省エネ診断受診(2022年度以降)、ベンチマーク改善、経営力向上計画/経営革新計画認定、地域経済牽引/地域未来牽引企業、パートナーシップ構築宣言登録

実務的アドバイス:経費当たり計画省エネルギー量が高いほど評価されるため、費用対効果の高い設備選定が採択の決め手になります。単に省エネ量が大きいだけでなく、「いかに少ない投資で大きな省エネ効果を生むか」という観点で設備を選定し、計画書に説得力ある数値を盛り込むことが重要です。

まとめ|省エネ補助金(工場・事業場型)を活用するための実務ポイント

この制度が向く企業:

  • 工場・事業場で老朽化した省エネ設備の更新を検討している企業
  • 非化石燃料への転換で上限額増額(最大40億円)を狙える企業
  • 中小企業者等で補助率2/3(先進枠)を活用したい企業
  • サプライチェーン全体で脱炭素化を推進したい企業グループ

準備のポイント:

  • 枠の選定:省エネ率・投資回収年数から最適な枠を選びましょう。先進枠は高要件ですが補助率最大2/3と最も有利です。
  • 省エネ計算の精度:経費当たり計画省エネルギー量が評価の核心です。費用対効果の高い設備選定を心がけてください。
  • 加点項目の事前取得:省エネ診断の受診、パートナーシップ構築宣言の登録、経営力向上計画の認定等に取り組みましょう。
  • 見積書の準備:3者以上から取得し、公募要領公開日(3月25日)以降の日付であることを確認してください。

今動くべき理由:1次公募の申請期間は約1か月(2026年3月30日〜4月27日)と非常に短期間です。GX経済移行債を活用した約250億円規模の大型予算であり、省エネ投資の好機といえます。エネルギーコスト高騰が続く中、設備更新による固定費削減効果は計り知れません。申請締切の2026年4月27日に向けて、今すぐ準備を始めましょう。

Planbaseの支援内容

  • 事業内容・投資計画の整理からの相談対応
  • 省エネ補助金を含む、複数補助金制度の比較・適合性判断
  • 採択要件・審査観点を踏まえた事業計画の設計・ブラッシュアップ
  • 対象設備のエネルギー使用量の実測
  • 申請様式に沿った事業計画書・申請書類の作成支援
  • 採択後を見据えた事業スケジュールの設計
  • 補助事業期間中の実績報告・確定検査に向けた書類整理支援
  • 補助金入金までを見据えた全体スケジュールの伴走支援

Planbaseが選ばれる理由

補助金支援の豊富な実績と専門性

支援実績1,500社超・累計150億円超。

中小企業診断士・行政書士・経営コンサルなど、専門人材が多数在籍しています。

制度選定と計画構想からの併走支援

構想段階の状態から、事業内容を整理しながら併走します。

事業内容や投資スケジュールを踏まえ、最適な補助金制度を選定します。

全国対応の一貫サポート体制

1社あたり3〜4名体制で支援いたします。

北海道から沖縄まで全国対応し、申請から交付・実績報告まで伴走します。

よくあるご質問

補助金申請が初めてでも相談できますか?

はい、初めての補助金申請でもご相談いただけます。

Planbaseでは、申請経験がない企業様でも安心して進められるよう、制度の概要から申請の手順、必要書類の整理まで一貫して伴走支援いたします。

事業計画が固まっていなくても申請を目指せますか?

はい、事業計画がまだ固まっていなくても申請を目指すことは可能です。

Planbaseでは、企業様と一緒に事業構想や投資計画を整理しながら、採択に向けた実現可能な計画作りを併走支援します。

補助金を活用するために、事前に準備しておくべきことはありますか?

補助金申請の具体的な進め方や手続きについては、契約後に担当者が順を追ってご案内します。

必要なタイミングで書類をご依頼いたしますので、事務作業の負担を軽減することが可能です。

補助金申請は、すべて代行してもらえますか?

補助金申請の手続きは、Planbaseが伴走してサポートしますが、申請内容の提出は、原則として企業様ご自身に行っていただく必要があります。

これは、補助金制度上、企業様自身が事業責任を持つことが求められているためです。

Planbaseでは、計画書の作成アドバイスや必要書類の整理、交付申請・実績報告のサポートなど、実務負担を大幅に軽減する支援をご提供します。

補助金申請で、注意すべき不正行為にはどんなものがありますか?

補助金申請では、虚偽の申請内容や補助金の目的外利用、不正な報酬配布やキャッシュバックなどは不正行為にあたり、厳しく取り扱われます。

そのため、Planbaseでは、企業様がルールに沿った申請を行えるよう、事前確認や書類チェック、手続きの適正化まで伴走してサポートいたします。

ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。