事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業経営者などが事業継承や事業再編、事業統合をする際に受給できる補助金制度です。応募した全ての企業が受給できるわけではなく、事前の入念な準備が必要です。
この記事では、事業承継・引継ぎ補助金のスケジュールについて解説します。2023年9月から申請が始まった7次公募のスケジュールについても解説しているため、参考にしてください。
事業承継・引継ぎ補助金とは
事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業者や個人事業主が、事業継承や事業再編、事業統合をする際、経費の一部を最大800万円まで補助する制度です。補助金の枠には「経営革新事業」「専門家活用事業」「廃業・再チャレンジ事業」の3種類があります。
全ての種類に共通する年間スケジュールについて、詳しく解説します。
公募は年何回募集される?
事業承継・引継ぎ補助金は、2022年に1次公募が始まり、2022年、2023年は年4回の公募が実施されました。年間の公募回数は国の予算によって変わるため、2024年以降、公募の回数が増減する可能性もあります。
何月に募集が開始される?
2022年は、3月、7月、10月、12月に交付申請の受付が始まりました。2023年は12月時点で、3月、6月、9月に交付申請の受付が始まっています。
各回の公募がいつ受付を開始するかは公表されていませんが、公式サイトによると、公募間で公平性を保てるように、交付の申請期間や補助対象期間は調整されているようです。
スケジュールも公式サイト上で確認できるため、こまめにチェックすることを忘れないようにしましょう。
※参考:事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金交付までの流れ
事業承継・引継ぎ補助金の補助金交付は、以下のようなスケジュールで実施されます。
|
1. 補助金の申請を考えたタイミングで、認定支援機関や専門家に相談する 2. 交付を申請する 3. 審査後、交付が決定したら、補助事業を実施する 4. 補助事業の実施状況を報告する 5. 事業終了後、実績報告をし、補助金額を確定させる 6. 補助金交付請求を実施し、補助金が交付される 7. 補助金交付後も、事業の状況を定期的に報告する
|
補助金交付後も、事業状況を定期的に報告する必要があることは、特に注意が必要といえるでしょう。
また、申請時には認定支援機関や専門家への相談が不可欠です。
【2023年】事業承継・引継ぎ補助金7次公募のスケジュール
ここからは、2023年9月より申請受付が開始された、7次公募のスケジュールについて解説します。
申請期間や補助事業期間の長さについては、8次公募も同程度になると予測されるため、参考にしてみてください。
7次公募の具体的な流れ
7次公募の具体的な申請スケジュールの流れは以下の通りです。
| 2023/9/15~2023/11/17 (2カ月間) |
申請期間 |
| 2023/12月下旬 |
補助金交付の決定 |
| 交付決定~2024/6/30(約半年間) |
補助事業の実施 |
| 2024/7/10 |
実績報告期限 |
| 2024/7月上旬以降随時 |
補助金の交付 |
今年の9月に申請をした場合、補助金が交付されるのは最速でも10ヶ月後の7月です。事業は補助金なしで実施しなければならないため、資金が十分にあるかどうかをチェックしておきましょう。
スケジュールで押さえておきたいポイント
スケジュールを見る際は「申請期間」と「実績報告」の2点に気をつけましょう。
申請期間はおよそ2ヶ月です。申請のために必要な書類が多く、直前に申請しようとしても間に合わないケースもあるため、余裕をもって準備に取り掛かることをおすすめします。
また、補助事業完了後10日で、事業の実績を報告する必要があります。期間が短いため、報告内容は、事業実施中からある程度まとめておきましょう。
事業承継・引継ぎ補助金交付申請の流れ
事業承継・引継ぎ補助金を受け取る際に最も重要なのは、どのような事業を実施するかを提案する「交付申請」のステップです。申請がスムーズに進んだ際の流れについて、詳しく解説します。
1. gBizIDプライムアカウントの取得
まずは、デジタル庁が実施する「gBizIDプライム」のアカウントを取得します。すでに取得している場合、新たに取得する必要はありません。アカウントは無料で取得できます。
アカウント取得にかかる時間は、書類郵送の場合は約1週間です。また、個人事業主のみオンライン申請が可能です。
2. 公募要領の確認
公式サイトにて、公募の要領や補助事業の制度について学びましょう。補助金の趣旨や受給要件などが、パンフレットや動画で分かりやすく解説されています。
事業承継・引継ぎ補助金は、申請した事業と実際に実施した事業とがあまりにもかけ離れた内容の場合、不正受給として交付決定が取り消されます。また、すでに交付済みの場合、加算金を課した上で当該補助金の返還を求められることもあります。
補助金の理念や趣旨をきちんと理解し、公募要領を把握しておくことで、不要なトラブルを避けられるでしょう。
3. 認定支援機関や専門家への相談
申請を決めたあとは、認定支援機関や専門家に相談します。認定支援機関(認定経営革新等支援機関)とは、国の認定を受けた、中小企業を支援する機関のことです。
4. 補助事業計画などの作成
認定支援機関や専門家と伴走しながら、実施する補助事業の計画案を作成します。
5. 認定支援機関からの確認書発行
計画案作成後、認定支援機関に計画内容の確認を依頼します。
事業内容が補助金の内容に合致することや、事業継承であることなどをチェックしたのち、確認書を発行してもらいます。
6. 交付申請書類の作成
確認書発行後、交付申請のために必要な書類を作成します。承継者、被承継者ともに書類の用意が必要なため、お互いに連絡を忘れないようにしましょう。
7. オンライン申請フォームにて申請
申請準備が揃ったら、オンライン申請フォーム「jGrants」で申請をします。この際、書類もオンライン上で一緒に提出をします。申請はオンラインのみで受付しているため、操作に不安がある場合は、認定支援機関や専門家に相談をしましょう。
8. 申請処理の完了
書類に不備などがなければ、申請処理が完了します。
1. 経営革新事業|事業承継・引継ぎ補助金の種類
事業承継・引継ぎ補助金には3つの種類があります。種類によって、申請期間などが変わることもあるので注意しましょう。
まずは、経営革新事業について解説します。
経営革新事業とは
事業などを引き継いだ中小企業者が、経営革新などを実施するための費用を補助します。補助上限額は最大800万円で、3種類のなかで最も補助金額が大きいことが特徴です。
注意点1. 継承方法の違いに注目
経営革新事業において想定されている継承方法は以下の3つです。
|
・承継をきっかけとした創業 ・経営の承継 ・再編や統合などM&A
|
自分が実施する事業承継がどのタイプに当てはまるかを確認のうえ申請しましょう。
注意点2. 経営革新に取り組む必要あり
経営革新事業で補助金を受給するためには、事業の継承後、経営の相当程度の向上が求められます。入念なプランニングが必要になるといえるでしょう。
また、向上方法は、デジタル化、グリーン化、事業再構築のいずれかでなければならないことにも、注意が必要です。
注意点3. 補助の対象になる経費
経営革新事業において補助対象になるのは、以下のような経費です。
|
・店舗等借入費 ・設備費 ・謝金 ・外注費 ・廃業費 ・産業財産権等関連経費 ・原材料費 ・旅費 ・委託費 ・マーケティング調査費 ・会場借料費 ・広報費
|
2. 専門家活用事業|事業承継・引継ぎ補助金の種類
次は、専門家活用事業について、概要を解説します。
専門家活用事業とは
専門家活用事業では、M&Aを実施して事業を引き継ぐ際、M&Aの専門家による引き継ぎサポート費用を補助します。補助上限額は最大で600万円です。安心してM&Aを実施したいと考えている人には心強い補助金といえるでしょう。
注意点1. 立場の違いに注目
M&Aを利用して売り手(譲渡側)となるか、買い手(譲受側)となるかで、補助率が変化します。買い手の場合3分の2、売り手の場合2分の1または3分の1までが補助対象です。
注意点2.専門家はM&A支援機関登録制度に登録している必要あり
専門家活用事業で補助金の対象となる専門家が限られていることにも注意が必要です。
中小企業庁が創設した「M&A支援機関登録制度」に登録しているM&A専門業者や金融機関、商工団体、士業専門家に依頼する必要があります。
注意点3. 補助の対象になる経費
経営革新事業において補助対象になる経費は以下のとおりです。
|
・委託費 ・謝金 ・システム利用料 ・廃業費 ・旅費 ・保険料 ・外注費
|
3. 廃業・再チャレンジ事業|事業承継・引継ぎ補助金の種類
最後に、廃業・再チャレンジ事業について、概要と注意点を解説します。
廃業・再チャレンジ事業とは
廃業・再チャレンジ事業では、新たな法人設立や事業活動などのために、現在の事業を廃業するための経費を補助します。補助上限額は最大で150万円です。
注意点1. 他の補助金タイプと併用も可能
廃業・再チャレンジ事業のみ、経営革新事業や専門家活用事業との併用申請が可能です。なお、併用の場合は補助率が変わるため注意しましょう。
注意点2. 再チャレンジは必須
廃業・再チャレンジ事業は、廃業にかかった経費にのみ補助金が発生します。また、廃業後、何らかの形での再チャレンジは必須のため、注意しておきましょう。
再チャレンジは、新規事業の立ち上げのほか、企業への就職や金銭の絡まない社会貢献活動などでも構いません。
注意点3. 補助の対象になる経費
廃業・再チャレンジ事業の補助対象になるのは以下の通りです。
|
・廃業支援費 ・在庫廃棄費 ・解体費 ・原状回復費 ・リースの解約費 ・移転・移設費
|
まとめ
事業承継や引継ぎの際に使用できる事業承継・引継ぎ補助金は、M&Aなど様々な取り組みにおいて活用可能な補助金です。
ただし、全ての事業計画に対して補助金がおりるわけではありません。また、事業計画と実際の事業に大きな違いがあった場合は、不正受給として返還を求められることもあります。事前に実績豊富な専門家へ相談することが重要です。
補助金申請支援なら【株式会社プランベース】
株式会社プランベースは認定支援機関として、中小企業の補助金申請を専門に支援しています。
これまでに累計1,500社以上・200億円超の採択実績を誇り、製造業・情報通信業・建設業など幅広い業種の企業様をサポートしてきました。
高い採択率
丁寧なヒアリングと市場分析に基づいた高品質な事業計画書の作成により、初回申請でも「事業再構築補助金で約7割」「ものづくり補助金で約8割」という高い採択率を実現しています。
不採択の場合も、再申請に向けたフォローアップを行います。
申請〜採択後まで万全サポート
採択後の報告書作成や検査対応など、補助金受給までハンズオンで支援。
初めての申請でも安心して新規事業や設備投資を進められます。

専門家による迅速対応
中小企業診断士や行政書士が在籍し、締切1か月前でも申請可能な迅速対応を実現。
不備防止やスムーズな手続きを徹底しています。
全国対応
北海道から沖縄まで、オンラインを中心に全国対応。
地域を問わず、補助金申請から受給まで伴走支援いたします。
補助金の申請方法や事業計画書の書き方でお悩みの方は、まずは初回無料相談をご利用ください。
経験豊富なコンサルタントが、貴社に最適な補助金活用をご提案します。
お問い合わせはこちら
この記事の執筆者

村上 貴弘
東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。