• 新事業進出補助金

2025年スタート!新事業進出補助金とは — 補助上限・対象経費・申請のポイントを5分で理解

目次

「新事業進出補助金」は2025年からスタートする新たな補助金であり、中小企業が新市場への進出を目指す際に活用できる制度です。この補助金は、従来の「中小企業省力化投資補助事業」を再編し、現代の経済社会の変化に対応した制度として設計されています。 本記事では、「新事業進出補助金」とは何か、その目的や特徴、申請条件、対象経費、活用方法について詳しく解説します。

新事業進出補助金とは

2025年から新たに中小企業向けの補助金として「新事業進出補助金」が始まります。

もともと事業再構築補助金に充てられていた予算を再編して作られた中小企業省力化投資補助金を、さらに再編した制度が「中小企業新事業進出促進事業」です。
この再編により、2025年の補正予算で「新事業進出補助金」が新たに創設されました。

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新事業進出補助金の目的

新事業進出補助金の目的は、中小企業が直面する人手不足や賃上げといった経済社会の変化に対応し、既存事業の拡大だけでなく新たな事業への挑戦を促進することです。

特に、新市場や高付加価値事業への進出を支援することで、企業規模の拡大や付加価値向上を通じた生産性の向上、そして従業員の賃金引き上げにつなげることを目指しています。

新事業進出補助金の概要

新事業進出補助金の基本情報は下表の通りです。

事業の内容
人手不足や賃上げといった昨今の経済社会の変化の中で、中小企業等が成長する過程においては、既存事業の拡大に加え、新たな事業の柱となる新事業への挑戦が重要。既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的とする。
企業の成長・拡大を通した生産性向上や賃上げを促すために、中小企業等が行う、既存事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援。
基本要件
  • 企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦
    ※事業者にとって新製品(又は新サービス)を新規顧客に提供する新たな挑戦であること
  • 付加価値額の年平均成長率+4.0%以上増加
  • 1人あたりの給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最賃の直近5年間の年平均成長率以上、
    又は、給与支給総額の年平均成長率+2.5%以上増加
  • 事業所内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上水準
  • 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等
補助上限、補助率等
補助上限
  • 従業員数20人以下: 2,500万円(3,000万円)
  • 従業員数21~50人: 4,000万円(5,000万円)
  • 従業員数51~100人: 5,500万円(7,000万円)
  • 従業員数101人以上: 7,000万円(9,000万円)

※補助下限750万円

※大幅賃上げ特例適用事業者(事業終了時点で①事業場内最低賃金+50円、②給与支給総額+6%を達成)の場合、補助上限額を上乗せ。(上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。)

補助率 1/2
事業実施期間 交付決定日から14か月以内(ただし採択発表日から16か月以内)
対象経費
  • 建物費
  • 構築物費
  • 機械装置・システム構築費
  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費
  • 広告宣伝・販売促進費

申請条件

新事業進出補助金に申請する条件は、次の通りです。

  • 中小企業であること
  • 企業にとって新製品を新規顧客に提供する事業であること
  • 賃金の引き上げをすること
  • 付加価値額の成長が見込まれること

それぞれについて、以下で解説します。

中小企業であること

新事業進出補助金は中小企業庁の制度であるため、原則として中小企業基本法に定める中小企業であることが要件となります。

中小企業の定義は下記の通りです。
資本金か従業員数のいずれかの条件を満たすことで、申請することができます。

業種 資本金または出資の総額 従業員数
製造業その他 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
小売業 5千万円以下 50人以下
サービス業 5千万円以下 100人以下

上記の条件を満たさない場合でも一部の業種の企業や法人は特例的に認められるケースもあります。

企業にとって新製品を新規顧客に提供する事業であること

新事業進出補助金の申請要件として、中小企業庁のPR資料には「企業の成⻑・拡⼤に向けた新規事業への挑戦 ※事業者にとって新製品(⼜は新サービス)を新規顧客に提供する新たな挑戦であること」との記載があります。

現時点で新規事業の定義は明らかになっていませんが、本補助金の基になっている事業再構築補助金で使用された「事業再構築指針」では事業再構築の類型として、「新市場進出」「事業転換」「業種転換」などが定められていることから、新規事業の何らかの指針が発表される、または、より細分化された新事業の定義が公表される可能性もあるかと思います。

また、事業者にとって新製品を新規顧客に提供する新たな取り組み、と記載されていることからアンゾフの成長マトリクスでいう「多角化戦略」に該当するような取り組みのみが対象になる可能性もあります。

アンゾフの成長マトリクス

 

賃金の引き上げをすること

新事業進出補助金に申請するには、従業員の賃金の引き上げを行うことも必須となります。
賃金の引き上げは「給与支給総額の増加」及び「事業所内最低賃金の増加」の2つを行う必要があります。

給与支給総額の増加の詳細

新事業進出補助金の申請を行うための給与支給総額の増加は「従業員一人あたりの給与支給総額」を増加させる方法と「給与支給総額」を増加させる方法の2種類があります。

従業員一人あたりの給与支給総額の増加条件は「 1⼈あたり給与⽀給総額の年平均成⻑率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成⻑率以上」とすることです。
仮に事業実施場所の最低賃金が5年間で平均して2%増加している場合、一人あたりの給与支給総額を2%以上増加させることが条件となります。

同様の条件は2024年に開始された「大規模成長投資補助金」でも採用されており、大規模成長投資補助金では計算対象となる期間の全月分の給与を受け取っている人の数で、対象となる人の給与の合計を除することで「一人あたりの給与支給総額」を算出しました。本補助金でもおそらく同様の条件が設定されると思われます。
この条件を使用する場合、従業員数が増減したとしても、一人あたりの給与支給総額が大きく変わらないため、退職等で従業員が減少することが予想される方などにおすすめの方法になると思います。

また、給与支給総額事態の増加条件は「給与⽀給総額の年平均成⻑率+2.5%以上増加」です。
こちらはものづくり補助金等で使用されてた賃上げの基準であり、単純に会社内の給与支給総額を見るため、従業員が増加した場合、仮に一人あたりの給与が変わらなくても条件を達成することが期待できます。
一方で、従業員が減少した場合には条件の達成が難しくなることから、新事業の実施によって追加で採用を予定している場合など、今後従業員数が増加することが予想される方におすすめできる方法になると思います。

事業所内最低賃金の増加の詳細

新事業進出補助金の申請を行うための事業所内最低賃金の増加条件は「事業所内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上の水準とすること」です。
事業を実施する都道府県の最低賃金が1,000円の場合、事業実施場所で働く従業員のうち、最も給料が低い方の時給が1,030円以上であることが必要となります。
月給制などで時給で働く方がいない場合は月給を時給換算で計算します。

なお、類似した条件が設定されていたものづくり補助金では計画期間全体を通して常に最低賃金+30円を維持する必要があったため、本制度においても維持することが求められる見込みです。

付加価値額の成長が見込まれること

新事業進出補助金の申請を行う事業計画では、付加価値額の年平均成長率が4%以上であることが求められます。

中小企業庁の補助金において付加価値額とは「営業利益+人件費+減価償却費」で求められます。
既存の事業が横ばいと仮定した場合、新規事業で付加価値額の年平均成長率4%を実現するにはある程度の規模や利益を生み出す仕組みがなければ達成が難しく、注意が必要です。

補助金額・補助率

新事業進出補助金の補助金額は最大9,000万円補助率は1/2です。
補助上限は従業員数及び大幅な賃金の引き上げをするかどうかで変わります。

従業員毎の補助上限は下記の通りです。

従業員数 補助上限 大幅な賃上げした場合の上限
20人以下 2,500万円 3,000万円
21~50人 4,000万円 5,000万円
51~100人 5,500万円 7,000万円
101人以上 7,000万円 9,000万円

なお、補助下限は750万円となっており、投資総額が1,500万円を下回る場合は申請ができない点に注意が必要です。

補助対象経費

新事業進出補助金の対象経費は「建物費」、「構築物費」、「機械装置費」、「システム構築費」、「技術導⼊費」、「専⾨家経費」、「運搬費」、「クラウドサービス利⽤費」、「外注費」、「知的財産権等関連経費」、「広告宣伝・販売促進費」です。

機械装置費やシステム構築費等が補助対象となるのは他の補助金同様ですが、他の補助金と比べて、「建物費」「構築物費」「広告宣伝・販売促進費」も補助対象とする事ができる点が特徴であるといえます。

新事業進出補助金のスケジュール

新事業進出補助金のスケジュールは以下の通りです。(2025年11月27日現在)

第1回公募

項目 時期
公募開始 2025年4月22日~7月15日(火)
結果発表 2025年10月1日
交付申請期限 2025年12月1日(18:00まで)
補助事業期間 交付決定日から14か月
ただし、採択結果発表から16か月以内
実績報告 事業完了から1か月程度以内
補助金の入金 実績報告が認められてから1か月以内

現在は、採択された事業者が交付申請を行う期間です。

12月1日までのため、忘れずに交付申請を行いましょう。

第2回公募

項目 時期
公募開始 2025年9月12日~12月19日(金)18:00
結果発表 2026年3月頃
交付決定 提出から1~2か月程度
補助事業期間 交付決定日から14か月
ただし、採択結果発表から16か月以内
実績報告 事業完了から1か月程度以内
補助金の入金 実績報告が認められてから1か月以内

現在、第2回公募の期間中です。

12月19日までのため、期間内に申請を行いましょう。

▼最新の新事業進出補助金のスケジュールはこちら
https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/schedule

まとめ

新事業進出補助金は、2025年の補正予算で新たに創設された、中小企業向けの補助金制度です。
新しい製品やサービスの開発、未開拓市場への進出を支援することを目的としており、中小企業が持続的に成長するための重要な手段となります。

この補助金では、設備投資、建物改修、システム導入、販路開拓など、幅広い経費が対象となります。
最大9,000万円の支援により、新規事業の立ち上げや事業拡大の資金面で大きな助けとなります。

申請には一定の要件を満たす必要があります。
補助金を活用する際は、申請要件を事前に確認し、計画的に準備を進めることが成功のポイントです。

 

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この記事の執筆者

村上 貴弘

村上 貴弘

東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。