事業再構築補助金とは、昨今の物価高騰や新型コロナウイルスによって経営に打撃を受けた事業者を金銭的に支援する制度です。新規事業の展開や事業・業種転換を実施する際に必要となる経費を補助してもらえるため、事業を立て直すきっかけになります。従来の事業がコロナ後の社会の変化に対応できない場合や、新規事業で傾いた業績を回復するために活用されます。
▼事業再構築補助金については、次の記事も参考にしてください。
https://planbase.co.jp/column/263/

目次
事業再構築補助金の活用時に、補助金の先払いを依頼したいと考える事業者は多くなっています。先払いが必要な場合には、事業再構築補助金において「概算払い」ができるのか確認した上で、今後の事業計画を構築すると良いでしょう。本記事では事業再構築補助金で概算払いが可能なのか、可能な場合にはどのような書類や手順が必要になるのかについて解説します。
事業再構築補助金とは、昨今の物価高騰や新型コロナウイルスによって経営に打撃を受けた事業者を金銭的に支援する制度です。新規事業の展開や事業・業種転換を実施する際に必要となる経費を補助してもらえるため、事業を立て直すきっかけになります。従来の事業がコロナ後の社会の変化に対応できない場合や、新規事業で傾いた業績を回復するために活用されます。
▼事業再構築補助金については、次の記事も参考にしてください。
https://planbase.co.jp/column/263/
概算払いとは、本来支払われる補助金の一部を先払いしてもらう制度を意味します。
補助金の額が大きい場合には、申請することで一部の金額を概算払いで受け取れるケースがあります。
概算払いによって補助金を早めに受け取ることができれば、迅速に事業の立て直しを実行できるなどのメリットがあります。
補助金が入金されまでの間、別途事業を行うための資金を調達する必要もなくなり、予定していた計画をスムーズに開始できます。
事業再構築補助金も、概算払いによる支払いが可能な制度です。
事前に申請をして審査に通過すれば、補助金の一部が概算払いされます。

通常の事業再構築補助金の入金は、交付決定日から約1~2年後の「補助金振込」の段階で行われます。
これに対して概算払いの場合は、上記の図の「補助事業実施」の段階で行われます。
特に不備等が無ければ、概算払い申請から8営業日程度で補助金が入金されます。
このように補助金を受け取るまでの期間が短縮されるため、資金繰りが容易になるのが概算払いのメリットです。
概算払いの金額は、「納品済みかつ支払済み経費・補助対象経費 × 補助率 × 0.9」が上限です。
全額が概算払いされるわけではないため、事前に自社のケースにおける上限金額を計算しておきましょう。
文字だけだとわかりづらいため、以下に具体的な計算例を記載しておきます。
| 例:建物費600万円、申請した際の補助率2/3の場合 600万円×2/3×0.9=360万円(概算払いの上限金額) |
事業再構築補助金における概算払いには、いくつかの注意点があります。
概算払いを検討している方はよく確認しておきましょう。
まず注意しなければならないのが、概算払いの対象となっているのは「納品済みかつ支払い済みの経費」に限定されていることです。
つまり、既に支払いを終えて納品された設備等にかかった費用が対象となっており、これから導入を検討している設備等に対する費用は概算払いしてもらうことはできません。
現行の制度では、概算払いを請求できるのは1回だけとされています。
請求が認められなかった際の再申請も認められていないほか、一度申請して異なる経費に対してもう一度申請するといったことも認められていません。
そのため、概算払い請求を今すべきなのか慎重に考え、申請する際は書類の不備等が無いよう十分に確認しておきましょう。
事業再構築補助金は原則として精算払いによる運用がなされており、あくまで概算払いは特例です。
そのため、あらゆる経費に対する概算払いが認められるわけでなく、事務局が概算払いの必要があると審査で認められた経費のみが対象となります。
審査に落ちた場合も考慮して、資金調達の方法は複数用意しておくのがポイントです。
また、事業再構築補助金の事務局が公表している「補助事業の手引き」では、以下のような場合は概算払い請求が認められないとされています。
- 補助対象経費として計上したものすべてが納品及び支払いまで完了し、かつ、事業計画のうち補助事業実施期間内の計画内容が完了している場合。(この場合は、補助事業完了となるため、速やかに実績報告を行う必要があります。)
- 交付決定時(計画変更承認時)に建物費を計上されており、かつ建物の改修であり、かつ改対象の建物に抵当権等の担保権が設定されている場合。
事業再構築補助金で概算払いを活用するには、いくつかの書類の提出が求められます。
事前に必要書類の詳細を確認し、スムーズに用意できるように備えるのがポイントです。
以下では、事業再構築補助金の概算払いに必要な書類について紹介します。
事業再構築補助金で概算払いを申請する際に必要となる書類には、以下のものがあります。
- 見積依頼書(仕様書がある場合仕様書も)
- 見積書(交付申請時に相見積書を提出している場合、相見積書も)
- 発注書や注文書
- 請書や注文確認書、契約書
- 納品書や引渡書、または完了報告書
- 納品時の写真
- 請求書(振込先の口座の記載があること。)
- 銀行の払込金受領書または支払証明書(web振込の場合は、代金支払い済を示す取引記録等の画面コピー)
- 出納帳
- 補助事業者の通帳コピー
- 補助事業者の通帳コピー
それぞれの書類の作成方法や書類に記載すべき内容は、補助事業の手引きのP22で確認することができます。複数の書類が必要になるため、準備に時間を要する可能性があります。事前にそれぞれの書類の発行方法を確認し、不備がないように入念にチェックした上で申請しましょう。
必要書類の作成方法や注意点については別記事にて詳しく解説していますので、そちらをご確認いただければと思います。
▼必要書類について詳しく知りたい方はこちら
https://planbase.co.jp/column/193/
事業再構築補助金で概算払いをする場合には、所定の手順で申請する必要があります。
以下を参考に、概算払いの流れを確認してみてください。
まずは事業再構築補助金の概算払いに必要な書類を確認し、すべてそろえることから始めます。
一度申請したら再申請はできないため先の内容を参考に、漏れや不備がないことを確認した上で申請します。
書類の発行や準備に時間がかかることを見越して、早めに対応すると良いでしょう。
準備した書類は、補助金制度の電子申請システム「Jグランツ」から提出します。
Jグランツの使い方や入力方法は、事業再構築補助金のHPのJグランツ入力ガイドというzipファイルをダウンロードして確認できます。
下図が概算払い請求のマニュアルになります。
こちらを参照しながら入力を進めていきましょう。
基本的な申請方法を把握するためにも公式ホームページはチェックしておきましょう。

上記の流れで概算払いを申請すると、8営業日程度で承認されます。
その後は銀行への振り込みを確認し、概算払いの申請手続きは完了となります。
振り込みにかかる日数は金融機関によって変動するほか、書類に不備等がある場合は修正を求められる場合もあるため、資金が必要な時期を考慮して余裕のない申請にならないように注意が必要です。
事業再構築補助金は採択後にも、定められた手順で申請を続ける必要があります。
採択後の大まかな流れは以下の通りです。

採択後は、まず事業再構築補助金の交付申請を実施します。
交付申請書別紙のダウンロードをし、「交付申請書別紙1」として提出します。
交付申請には見積書や決算書などの書類も必要なため、事前に必要書類の種類を確認しておくと良いでしょう。
▼交付申請の必要書類や申請方法はこちら
https://planbase.co.jp/column/169/
補助事業を実施した後に、実施した事業についての実績報告を行います。
実績報告に関しては、別記事にて詳しく解説していますのでそちらをご確認ください。
▼実績報告の必要書類や流れはこちら
https://planbase.co.jp/column/154/
申請書類に不備がなければ、交付決定通知を受け取れます。
通知後は実際に補助事業を実施し、実績報告に必要なデータ収集と書類作成を進めます。
その後は額確定通知を実施し、「精算払請求」を行います。
精算払請求後、実際に補助金が振り込まれたことを確認します。
金額などに問題がなければ、事業化状況報告書の作成にかかります。
事業化状況報告書では計画の成果を報告しますが、最初に提示した目標が未達成の場合には、補助金の返還が必要になるケースもあるため、注意しましょう。
事業再構築補助金の申請時には、概算払いが利用可能です。
申請には所定の手順と必要書類の提出が必要になるため、早めに準備しておくと良いでしょう。
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村上 貴弘
東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。