ものづくり補助金で複数回申請は可能

COLUMN お役立ちコラム

2023.10.16

ものづくり補助金

結論:ものづくり補助金は複数回申請しても大丈夫!対象外となる企業とは

ものづくり補助金とは、中小企業や小規模事業者が取り組む革新的な取り組みを支援するための補助金制度です。 ものづくり補助金に関して、過去に不採択となってしまったり過去に採択されたりした事業者の中に、「可能ならばもう一回申請してみたい」と考える事業者も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、ものづくり補助金は複数回申請可能か否か解説します。補助金の特徴や注意点も見ていくため、参考にしてください。

結論:ものづくり補助金は複数回申請しても問題ない

結論:ものづくり補助金は複数回申請しても問題ない

ものづくり補助金は、申請回数や利用回数の上限が設けられていないため、複数回申請を出しても全く問題ございません。事業の発展のため、積極的に活用しましょう。

▼申請のご支援についてはこちらから
https://planbase.co.jp/lp/monodukuri/

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金とは、経済産業省が実施する「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の略称で、中小企業や小規模事業者が取り組む「革新的なサービス開発」や「生産プロセスの改善」に必要な費用を補助する補助金制度です。

基本的に中小企業が対象とされているものづくり補助金ですが、条件さえ満たしていれば法人化していない個人事業主でも申請可能です。下記で、対象者や補助金額などの詳細を解説します。

※参考:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(16次締切分)|ものづくり・商業・サービス補助金事務局(全国中小企業団体中央会)

最新2024年(令和6年)のものづくり補助金については次の記事で詳しく解説しています。
▼2024年(令和6年)ものづくり補助金の最新情報まとめ
https://planbase.co.jp/column/264/

 

補助対象者

ものづくり補助金の補助対象者は、中小企業者や小規模事業者、特定事業者の一部、特定非営利活動法人、社会福祉法人です。個人事業者も、ものづくり補助金の補助対象者となります。

補助対象となる取り組み

ものづくり補助金は、中小企業者などが行う以下の取り組みを支援しています。

・革新的な製品やサービスの開発
・試作品の開発
・生産プロセスやサービス提供方法の改善を目的とした、設備投資やシステム投資

ちなみに、既存事業の設備投資は補助対象ではありません。

補助対象となる経費

ものづくり補助金の補助対象となる経費の一例を、以下に示しました。

・機械装置・システム構築費
・技術導入費
・専門家経費
・運搬費
・クラウドサービス利用費
・原材料費
・外注費
・知的財産権等関連経費
・海外旅費(グローバル市場開拓枠のみ)
・通訳・翻訳費(グローバル市場開拓枠のうち海外市場開拓(JAPAN ブランド類型)のみ)
・広告宣伝・販売促進費(グローバル市場開拓枠のうち海外市場開拓(JAPAN ブランド類型)のみ)

パソコンや車両のように汎用性が高いものの費用は、ものづくり補助金の補助対象にはなりません。ものづくり補助金の対象経費については次の記事を参考にしてみてください。

▼ものづくり補助金の対象となる事業や経費は?
https://planbase.co.jp/column/222/

補助金額

ものづくり補助金の補助上限金額と補助率を以下にまとめました。

申請枠 補助上限金額 補助率

通常枠

100万~1,250万円

・1/2
・小規模企業者・小規模事業者、再生事業者は2/3

回復型賃上げ・雇用拡大枠

100万~1,250万円

2/3

デジタル枠

100万~1,250万円

2/3

グリーン枠

・エントリー類型は
 100万~1,250万円

・スタンダード類型は
 750万円~2,000万円

・アドバンス類型は
 1,000万~4,000万円

2/3

グローバル市場開拓枠

100万~3,000万円

・1/2
・2/3
(小規模企業者・小規模事業者)

補助上限金額や補助率は、事業内容や企業規模によって変わります。

補助を受ける要件

ものづくり補助金を受けるには、申請時点で3~5年の事業計画がなければいけません。また、事業計画には以下の2点を盛り込む必要があります。

・事業計画中に、給与支給総額を年平均1.5%以上増加させること
・事業者全体の付加価値額を、事業計画中に年平均3%以上増加させること

交付後に事業計画が遂行されていないと発覚すると、補助金の返還を求められる場合があります。

ものづくり補助金の詳細については公募要領を確認してください。
※参考:ものづくり補助金公募要領_第16次締切

過去に採択されたことがあると減点対象になる

過去に採択されたことがあると減点対象になる

ものづくり補助金は複数回申請しても問題ありませんが、過去に採択されたことがあれば減点対象になります。

ものづくり補助金の審査には加点項目と減点項目があり、減点項目の1つに「過去3年以内にものづくり補助金で交付決定を受けた事業者」という内容があります。

また「過去3年以内にものづくり補助金で2回交付決定を受けた事業者」は、申請すらできません。なお、4年以上前にものづくり補助金を利用していた場合は、減点対象とはなりません。

事業者 申請可否
過去3年以内に交付決定を受けた事業者 減点の対象
過去3年以内に2回交付決定を受けた事業者 申請不可
4年以上前に交付決定を受けた事業者 減点対象とはならない

※参考:【ものづくり補助金|減点項目】

 

複数回の申請が例外的に認められないケースとは

複数回の申請が例外的に認められないケースとは

例外的に、3年以内に交付決定の実績がない場合でも、ものづくり補助金を複数回申請できないケースがあります。

直近でものづくり補助金に着手している

応募締切日前10か月以内に、ものづくり補助金で交付決定を受けた事業者は、複数回の申請が認められません。また、応募締切日時点で、ものづくり補助金の補助事業実績報告書を未提出の事業者も、補助対象者から除外されます。

ものづくり補助金の交付実績がある事業者は、申請するスパンを熟考しましょう。

ものづくり補助金と似た性質の補助金を複数回受けている

過去3年間に2回以上、似た性質の補助金を受けている事業者は、複数回の申請が認められません。似た性質の補助金の例としては、事業承継・引き継ぎ補助金、小規模事業者持続化補助金などが挙げられます。

ものづくり補助金の16次締切分には、以下のような事業者は補助対象外と記載されています。

中小企業生産性革命推進事業の他の補助金(小規模事業者持続化補助金等)や、中小企業事業再構築補助金と同一の補助対象を含む事業者

※引用:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(16次締切分)|ものづくり・商業・サービス補助金事務局(全国中小企業団体中央会)

所定の条件に該当する事業者

上述した以外で、複数回の申請が例外的に認められない事業者の一例を以下に示しました。

・申請時に虚偽情報を申告した事業者
・公募開始時点の確定した直近過去3年分、もしくは各事業年度の課税所得の年平均額が15億を超える事業者
・同一の締切回で複数回申請している事業者
・ほかの事業者の申請内容と酷似した内容で申請する事業者

 

ものづくり補助金の申請から受給までの流れを解説

補助金の申請から受給までの流れを解説

ものづくり補助金を受給するまでの流れを、交付申請から精算払請求まで解説します。

交付申請を出す

補助金に採択されたら、必要書類を準備して交付申請を出します。事業計画を変更する場合は、事務局の承認が必要です。

申請に必要な書類

交付申請に必要な書類を以下に示しました。

ファイルの種類 ファイル名 格納する書類詳細
事業計画書等一式 申請内容ファイル_(会社名)

・補助事業計画書
・会社全体の事業計画書
・実績説明
・経費明細表
・労働者名簿一覧
・その他事業実施場所
・補助事業計画書別紙

事業計画書等一式2 申請内容ファイル2_(会社名) 相見積もりを含む見積書

書類は全て、zipファイル形式で登録します。

交付決定後の計画変更は事務局の承認が必要

交付が決定した後に事業計画や補助対象経費などを変更する場合は、事務局への連絡が必要です。本当に実現可能な内容となるように、慎重に事業計画を立てましょう。jGrants(Jグランツ)で申請ボタンを押してしまえば、以降の変更はできなくなるため、注意してください。

事務局に連絡をせずに計画を変更すると、交付が決定していても補助金がもらえなかったり、罰則を受けたりする可能性があります。

遂行状況を報告する

交付決定から約3か月後に、補助事業の途中経過を事務局へ報告します。事務局から遂行状況報告書に関するメールを受け取ったら、準備を始めましょう。進捗状況の遅れがあれば報告し、経費の執行状況を説明する経費明細書を提出します。

なお、補助事業が3か月以内に完了して実績報告書の提出も済ませていれば、遂行状況報告を出さなくて済む場合もあります。

現地調査が行われる場合もある

遂行状況報告が終わった後に、事務局の担当者から現地調査(中間監査)を受ける場合もあります。現地調査の主な目的は、納入した製品や設備、経理書類の整理状況の確認です。また、以下で解説する実績報告書の作成について、説明を受けられる場合もあります。

現地調査の前には事前に連絡が来ますが、いつでも対応できるように補助事業実施場所を整理・整頓し、書類を整理しておきましょう。

実績を報告する

ものづくり補助金の実績報告では、費目共通フォルダと、費目別フォルダに分けて書類を提出します。

※参考:【実績報告資料等作成マニュアル】|ものづくり・商業・サービス補助金事務局(全国中小企業団体中央会)

費目共通フォルダで提出する書類

費目共通フォルダで提出する書類は以下のとおりです。

書類名

フォルダ名

書式名

ファイル形式

実績報告書本体

A-1_実績報告書

様式第6の別紙1

PDF

経費明細表

A-1_実績報告書

様式第6の別紙2

Excel

取得財産等管理台帳

A-1_実績報告書

様式第7

Excel

試作品等(成果)受領書

A-1_実績報告書

様式第12

PDF

預金出納帳・現金出納帳

A-2_出納帳

-

PDF

通帳コピー

A-2_出納帳

-

PDF

預り金元帳

A-3_預り金

-

PDF

納付書コピー

A-3_預り金

-

PDF

費目別フォルダで提出する書類

費目別フォルダは、以下の10種類に分かれています。

・B-1_機械装置・システム構築費
・B-2_技術導入費
・B-3_専門家経費
・B-4_運搬費
・B-5_クラウドサービス利用費
・B-6_原材料費
・B-7_外注費
・B-8_知的財産権等関連経費
・B-9_広告宣伝・販売促進費
・B-10_感染防止対策費

各フォルダには以下の書類を格納します。

・見積書
・見積依頼書(仕様書)
・相見積書
・注文書(契約書)
・受注書
・請求書
・納品書
・振込依頼書
・費目別支出明細書
・画像データ
・受払簿

精算払請求を行う

確定検査が承認されると、ようやく清算払請求ができるようになります。jGrantsから精算払請求を行い、補助金確定額や口座情報などを入力しましょう。

補助金受給後、5年間は報告義務がある

補助金受給後、5年間は報告義務がある

事業者は事務局へ5年間で計6回、補助金の受給後も補助事業について報告しなくてはいけません。具体的には、事業化状況・知的財産権等報告書を提出して、付加価値額の向上と賃金引上げ状況を報告するように求められます。補助金受取後に、事務局から随時調査を依頼されるケースもあります。訪問前には事前に連絡があるため、準備して適切に対応しましょう。

なお、補助事業で大きな利益が出ていると、補助金交付額を限度として、収益金の一部または全部に相当する額の収益納を求められる場合があります。

まとめ

まとめ

ものづくり補助金では、基本的に全ての事業者に対して複数回の申請が認められています。
ただし、下記の条件を満たす事業者に対しては複数回の申請が認められません。

認められない場合

過去3年以内にものづくり補助金で2回交付決定を受けた
応募締切日前10か月以内に、ものづくり補助金で交付決定を受けた事業者
・過去3年間に2回以上、似た性質の補助金を受けている事業

また、過去3年以内にものづくり補助金で1回交付決定を受けた事業者は減点対象となることに注意しましょう。

▼2024年(令和6年)ものづくり補助金の最新情報まとめ
https://planbase.co.jp/column/264/

ものづくり補助金に採択されるには、複雑な公募要領を理解し、書類を準備しなくてはいけません。分からない部分があれば、早急に外部のコンサル会社に相談しましょう。

株式会社プランベースは、採択件数全国トップクラスの経済産業省認定支援機関です。ものづくり補助金では、医療業や製造業、ベンチャー企業などを含むさまざまな業界での支援実績があります。

ものづくり補助金を検討中の人は、ぜひ株式会社プランベースにご相談ください。

お問い合わせはこちら

この記事の執筆者

村上 貴弘

村上 貴弘

東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。