補助金申請

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN)

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN)の概要

「ASEAN市場でDX・GXの大型実証プロジェクトを検討しているが、資金面がネックになっている」「米国関税の影響で新たな海外市場の開拓が急務」「サプライチェーンの中国一極集中を分散させたい」——こうした経営課題を抱える日本企業にとって、注目すべき大型補助金が登場しました。経済産業省が令和7年度補正予算で措置した「グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)」は、補助上限40億円・補助率最大2/3という破格の支援規模を誇ります。この記事では、対象者や3つの事業類型から、補助率と上限額、申請スケジュール、必要書類、審査基準、加点項目まで詳しく解説します。

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)とは

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)は、正式名称を「令和7年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)」といい、日本企業がASEAN加盟国においてDX・GX・経済安全保障分野の大型実証事業を実施する際に、事業費の一部を補助する制度です。経済産業省が管轄し、事務局は合同会社デロイト トーマツおよびAMEICC事務局(一般財団法人海外産業人材育成協会(AOTS))が運営しています。補助率は中小企業以外が1/2、中小企業が2/3で、補助上限額は40億円・下限は5億円超という大型支援が特徴です。対象となるのは、事業実施国で未だ実用化に至っていない技術の実施可能性調査や、事業化に至っていない技術のビジネスモデル構築に向けた実証事業で、事業化に向けたスケール化を目指す案件が支援対象となります。

制度の目的と背景

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN)は、米国関税の影響や中国一極集中リスクといった経営環境の変化を受け、日本企業の海外展開支援と経済安全保障の確保を一体的に推進する施策として創設されました。グローバルサウス諸国、特にASEAN加盟国は急成長市場である一方、DX・GX分野で多くの社会課題を抱えています。これらの課題に日本の技術で応えることで、現地での事業展開と日本国内の産業基盤強化の両立を目指すのが本制度の狙いです。経営者目線で言い換えれば、「ASEAN市場で5億円超の大型実証を計画している日本企業に、最大40億円・補助率2/3で支援する制度」です。新市場開拓、サプライチェーン強靱化、ASEAN各国との経済連携強化を同時に進めたい企業にとって、極めて有効な選択肢となります。

補助対象となる事業例

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN)は3つの事業類型に分かれており、それぞれ異なる目的の実証事業を支援します。いずれも「事業化に向けたスケール化を目指す実証」であることが前提です。以下のような活用パターンが想定されます。

  • 類型1 我が国のイノベーション創出につながる共創型:日本で確立済みのスマート農業技術をASEANに展開し、現地で得られた熱帯農業の知見を日本の研究開発に還元する(リバースイノベーション)取り組み。
  • 類型2 日本の高度技術海外展開型:日本発のEV充電インフラ技術をASEAN域内で標準化し、デファクトスタンダードとして定着させることで日本国内の雇用増加につなげる事業。
  • 類型3 サプライチェーン強靱化型:レアメタル等の戦略物資の調達先をASEAN諸国に分散させ、特定国依存リスクを低減する実証事業。

対象分野はGX(クリーンエネルギー転換・GHG排出削減)、DX(デジタル技術によるビジネスモデル変革)、経済安全保障(特定重要物資)の3領域です。ASEAN市場で大型の実証プロジェクトを計画している企業に特に向いている制度といえます。

最新情報(令和7年度補正・新設制度)

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN)は令和7年度補正予算で新設された制度であり、前回公募との比較はありません。主要項目を以下の表にまとめます。

項目内容
公募開始2026年3月
申請受付開始2026年6月1日(月)12:00(予定)
申請締切2026年6月30日(火)12:00(予定)
採択発表未定
補助上限額40億円
補助下限額5億円超
補助率(中小企業以外)1/2
補助率(中小企業)2/3
事業実施期間最長3年間(2030年3月31日まで)
対象国ASEAN加盟国
対象分野GX・DX・経済安全保障
事業類型我が国のイノベーション創出につながる共創型・日本の高度技術海外展開型・サプライチェーン強靱化型
令和6年度補正・採択実績第1回:採択事業者:3件(申請数:5件)
第2回:採択事業者:10件(申請数:16件)

日程が未確定の項目については、確定次第更新予定です。最新情報は経済産業省および事務局の公式サイトをご確認ください。

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)の補助金額と対象範囲

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)の補助率・上限額・対象者・対象経費について整理します。自社がいくら補助を受けられるのか、対象になるのか、どの経費が使えるのかを確認してください。

補助上限額・補助率

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)の補助金額は5億円超〜40億円、補助率は中小企業以外が1/2、中小企業が2/3です。3つの事業類型(共創型・海外展開型・サプライチェーン強靱化型)いずれも金額・補助率は共通となっています。

類型補助金額(下限〜上限)補助率(中小企業以外)補助率(中小企業)
類型1(共創型)5億円超〜40億円1/22/3
類型2(高度技術海外展開型)5億円超〜40億円1/22/3
類型3(サプライチェーン強靱化型)5億円超〜40億円1/22/3

中小企業の定義は中小企業基本法に基づき、たとえば製造業では「資本金3億円以下又は従業員300人以下」が基準となります。ただし、大企業の出資比率が50%以上であるなど「みなし大企業」に該当する場合は、中小企業の補助率(2/3)が適用されない点にご注意ください。

補助対象者

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)の対象は、日本に登記し、日本に拠点及び法人格を持ち、日本における事業実態を有している民間事業者及び団体です。大企業・中小企業・財団法人(公益・一般)・社団法人(公益・一般)が幅広く申請でき、特定非営利活動法人は従業員300人以下で法人税法上の収益事業を行う法人に限られます。

対象となる事業者対象外となる事業者
日本に登記し、日本に拠点及び法人格を持ち、日本における事業実態を有している民間事業者及び団体日本に登記・拠点・法人格・事業実態がない者
大企業、中小企業予決令第70条・第71条に該当する者
財団法人(公益・一般)、社団法人(公益・一般)補助金交付停止等措置に該当する者
特定非営利活動法人(従業員300人以下、法人税法上の収益事業を行い、認定特定非営利活動法人でないこと)会社更生法等の法的手続き中の者
上記に該当し、共同申請で幹事法人を一者定めた共同体暴力団関連・談合等の不正行為に該当する者

申請には、以下の7項目をすべて満たす必要があります。

  1. 日本に登記・拠点・法人格を有し、日本における事業実態があること
  2. 予決令第70条・第71条に該当しないこと
  3. 補助金交付停止等措置に該当しないこと
  4. 会社更生法等の法的手続き中でないこと
  5. EBPM(証拠に基づく政策立案)への協力が可能であること
  6. 事業遂行に必要な組織・人員が確保されていること
  7. 十分な経営基盤と資金管理能力を有すること

共同申請については、単独では事業が成立しない場合に複数者での申請が可能です。その場合は幹事法人を一者決定する必要があり、原則として変更はできません。補助金は幹事法人に一括で交付されます。

補助対象外になるケース

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)は除外条件が複雑なため、申請前に自社が該当しないか慎重に確認してください。

事業内容による除外として、以下に該当する事業は補助対象外です。

  • 本事業の趣旨にそぐわない事業
  • 事業実施期間中に自己負担分以上の収益が出る事業
  • 同一事業を分割して複数案件として申請する場合、または複数者から同一案件をそれぞれ申請する場合
  • 過去又は現在の日本国政府が助成する他の制度と同一又は類似内容の事業
  • 委託・外注費が補助対象経費の50%以上を占め、主たる課題解決・企画立案を外注する事業
  • 試作品等の製造・開発を全て他社に委託し、自社は企画のみを行う事業
  • ASEAN加盟国以外で実施される事業
  • デロイト トーマツ グループ法人が補助申請者・共同事業実施者・委託外注先に含まれる事業
  • 暴力団関連・談合等の不正行為に該当する者による事業

みなし大企業に該当する場合は中小企業の補助率(2/3)は適用されず1/2となります。以下のいずれかに該当すると、中小企業であっても「みなし大企業」として扱われます。

  1. 発行済株式の総数又は出資価格の総額の1/2以上を同一の大企業が所有している
  2. 発行済株式の総数又は出資価格の総額の2/3以上を大企業が所有している
  3. 大企業の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の1/2以上を占めている
  4. 発行済株式の総数又は出資価格の総額を大企業が所有している
  5. 上記のいずれかに該当する中小企業者が、発行済株式等の総数の2/3以上を所有している
  6. 大企業の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の全てを占めている
  7. 資本金又は出資の総額が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有される中小企業者、又は直近過去3年分の各年度又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える中小企業者

見落としやすい除外条件として、ASEAN加盟国以外での実施や、デロイト トーマツ グループ法人の関与にはとくに注意してください。

補助対象経費・補助対象外経費

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)で補助を受けられる経費と対象外の経費を以下の表に整理します。経費の計上にあたっては、必ず補助交付契約締結日以降に発注し、事業実施期間内に支払いを完了したものに限られます。

区分対象経費対象外経費
人件費国内外で事業に従事する者の直接作業時間に対する人件費役員報酬(原則対象外)
旅費事業に直接関わる国内外の旅費事業に直接関係のない出張経費
会議費・謝金事業に関連する会議費・専門家謝金飲食費・接待費
機械設備費・システム購入費補助申請者・共同事業実施者が購入するもの相手国以外での機械装置購入費、委託外注先の設備購入費
委託・外注費補助対象経費の50%未満が原則主たる課題解決・企画立案の全面外注
その他印刷製本費、補助員人件費、その他諸経費土地・建物等施設経費、特許出願費、為替差損、自社設備の減価償却費、商標登録費

リース・中古品・外注費の取り扱いは以下の通りです。

  • リース:機械器具等のリース・レンタルは対象です。ただし、自社設備の損料や減価償却費は対象外です。
  • 中古品:中古市場で広く流通していない物品等、価格の適正性が不明確なものは原則対象外です。3者以上の中古品流通事業者から型式・年式を記載した相見積もりを取得していれば対象となる場合があります。
  • 外注費:委託・外注費は補助対象経費の50%未満が原則です。50%以上となる場合は理由書(様式第3-2)の提出と事務局の承認が必要です。グループ企業との取引であることのみを理由とした調達は認められません。

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)の申請要件

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)の申請にあたっては、補助対象事業者の要件、実証事業であること、対象分野・事業類型への該当、ASEAN加盟国での実施など、複数の要件を満たす必要があります。この章では、基本要件・加点項目・採択後のペナルティリスクを整理します。

基本要件

申請にあたっては、以下の基本要件をすべて満たす必要があります。

  1. 補助対象事業者の要件を満たすこと(前述の対象者要件を参照)
  2. 実証事業であること(事業化に向けたスケール化を目指す実証であることが前提)
  3. 対象分野(GX・DX・経済安全保障)のいずれかに該当すること
  4. 3つの事業類型(共創型・高度技術海外展開型・サプライチェーン強靱化型)のいずれかに該当すること
  5. 事業目的に合致し、グローバルサウス諸国との経済連携強化に貢献する事業であること
  6. 中小企業以外の場合:事業実施国政府等とのMOU(覚書)等の写しを、申請時又は補助交付契約締結後1年以内に提出すること
  7. 補助金支援を受ける必要性を合理的に説明できること
  8. 実証事業終了後、原則3年以内に事業化が実現可能な計画であること
  9. ASEAN加盟国で実施される案件であること
  10. 過去に実施した事業と十分な差異があること
  11. 補助交付希望額が5億円超40億円以内であり、事業実施期間が3年間以内(最長2030年3月31日まで)であること
  12. 申請書類が全て揃っており、十分かつ明確な記載がなされていること
  13. 2030年3月31日までに実証事業を終了し、事業成果報告書を納品する計画であること

特に注意すべきポイントとして、MOU要件は中小企業以外では必須であり、事業実施国の政府機関等との連携体制を事前に構築しておく必要があります。また、補助金額の下限が「5億円超」であり、5億円ちょうどでは申請できない点も見落としがちですのでご注意ください。

加点項目・優遇類型

基本要件を満たした上で、以下の加点項目に該当すると審査で有利になります。なお、これらはあくまで加点項目であり、基本要件とは異なります。該当する項目があれば積極的にエビデンスを提出しましょう。

  • J-Startup選定企業
  • JETRO J-StarX海外派遣経験者、またはJETROファストトラックピッチイベント(令和7年度ASEAN域内開催)に登壇・組成された案件
  • AZEC(アジア・ゼロエミッション共同体)関連の脱炭素化案件
  • IPEF(インド太平洋経済枠組み)のサプライチェーン協定・クリーン経済協定関連事業
  • 様式第18「強靱で信頼性のあるサプライチェーン構築宣言及び計画」の提出(宣言のみでも加点、計画も提出で更に加点)
  • 賃金引き上げ計画の表明(給与等受給者一人当たりの平均受給額 中小企業以外:3%以上、中小企業:1.5%以上)
  • ワークライフバランス認定の取得(えるぼし・くるみん・ユースエール等)
  • 中小企業による事業(様式第2-2の提出で加点)
  • パートナーシップ構築宣言の公表
  • 国際標準化等の日本政府支援利用経験・ルールメイキング関連事業
  • 事業実施国政府等とのMOU・レターの申請時提出
  • 資金調達の調整状況を示す資料の提出

要件未達時のペナルティ・報告義務

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)は大型補助金であるため、採択後の報告義務とペナルティが厳格に定められています。

主なペナルティ:

  • 補助金の返還:申請書・関連書類に虚偽や疑義がある場合は採択取消の可能性。申請・報告内容と実績が大幅に異なり合理的な理由がない場合は補助金の不交付又は返還を求められます。返還額の上限は補助金交付額全額です。
  • 加算金・延滞金:契約解除時は補助金受領日から納付日まで年利10.95%の加算金。返還命令後20日以内に未納の場合は年利10.95%の延滞金が課されます。
  • 談合等の不正行為:全期間の契約金額の10%相当の違約金に加え、年3%の遅延利息が発生します。
  • 財産処分:事業実施期間およびフォローアップ期間中に取得した財産を処分する場合、残存簿価相当額の全部又は一部を納付する義務があります。
  • 賃上げ未達:AMEICCが実施する別事業の採点において減点措置等が適用される可能性があります。
  • プレスリリース未実施による採択取消:採択後、補助申請者(共同申請の場合は幹事法人)のホームページで、本補助金の採択を受けたこと、類似事業との相違点、政府支援を受ける必要性等を公表する義務があります。これを行わない場合、採択が取り消されます。

報告義務:

  • 月次報告:毎月翌月10日までに収支実績報告書・証憑類・遂行状況報告書等を提出
  • 中間報告会(中間検査):毎年度2回程度の実施
  • キックオフミーティング:事業開始時に事業計画等を説明
  • 最終報告会:事業終了の約1か月前に実施
  • 実績報告書:事業終了後30日以内に提出
  • 事業成果報告書:2029 年 3 月 31 日までに実証事業を終了し提出
  • フォローアップ期間:事業終了翌日から3年間、毎年度の事業成果状況報告書を提出
  • 帳簿・証拠書類の保存:事業実施期間+フォローアップ期間+その後1年間

採択後も最大6年以上にわたる報告義務とペナルティリスクがあることを十分に理解した上で申請してください。

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)のスケジュール

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN)の公募から事業完了までの全体スケジュールを概観します。現時点で一部の日程は未確定です。最新情報は必ず経済産業省および事務局の公式サイトでご確認ください。

公募〜採択までの流れ

ステップ時期
公募開始2026年3月
申請受付開始2026年6月1日(月)12:00(予定)
申請締切2026年6月30日(火)12:00(予定)
審査申請締切後(書面審査が原則、必要に応じてヒアリング・現地調査・追加資料提出)
採択発表未定

Jグランツでの申請にはGビズIDプライムアカウントが必要ですが、アカウント発行に1〜2週間かかります。申請を検討している企業は、早めにアカウント取得手続きを進めてください。

採択後〜受給までの流れ

採択後は、多くの手続きと報告義務が発生します。特に月次報告やフォローアップ期間の義務は3年以上にわたるため、事前に体制を整備しておくことが重要です。

  1. 採択通知:審査を経て採択が決定されます。
  2. 補助交付契約の締結:補助対象経費は契約締結日以降に発注したもののみが対象です。
  3. キックオフミーティング:事業計画等の説明を行います。
  4. 事業実施:最長2030年3月31日まで、3年間以内で実証事業を遂行します。
  5. 月次報告:毎月翌月10日までに収支実績報告書・証憑類・遂行状況報告書等を提出します。
  6. 中間報告会(中間検査):毎年度2回程度開催されます。
  7. 最終報告会:事業終了の約1か月前に実施します。
  8. 事業終了・報告書提出:事業終了後30日以内に実績報告書・事業成果報告書を提出します。
  9. 確定検査:原則として現地調査が行われます。
  10. 補助金交付(精算払い):確定検査の結果に基づき補助金額が確定し、交付されます。
  11. フォローアップ期間:事業終了翌日から3年間、毎年度の事業成果状況報告書を提出します。

重要:補助交付契約締結日より前に発注した経費は一切補助対象になりません。公募申請前から準備を進める場合でも、発注・契約行為は必ず補助交付契約締結後に行ってください。本制度は精算払いのため、事業期間中は自己資金での立替えが必要となる点にも留意してください。

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)の申請の手順

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)の申請は、Jグランツもしくは事務局指定のデータ送受信サービスを通じた電子申請です。GビズIDプライムの事前取得が必須となるため、申請準備は早めに始めましょう。

事前準備(GビズID・Jグランツ・社内体制)

申請前に以下の準備を整えてください。

  • GビズIDプライムの取得:発行に1〜2週間かかるため、早めに手続きを開始してください。新規作成はGビズID公式サイト(https://gbiz-id.go.jp/top/)から行えます。
  • Jグランツへの登録:Jグランツポータル(https://www.jgrants-portal.go.jp/)からアクセスできます。
  • 幹事法人の決定:共同申請の場合は原則変更不可です。
  • 共同申請者の確定(共同申請を行う場合のみ):単独では事業が成立しない場合に限り認められます。共同申請者も「日本に登記・拠点・法人格を持ち、日本における事業実態を有する」など補助対象事業者の要件を満たす必要があります。幹事法人を一者決定し、原則として変更はできません。
  • 共同事業実施者の確定:海外で実証を実施する現地法人を指し、補助申請者の海外子会社(日本側出資比率10%以上)または海外孫会社(日本側出資比率50%超の海外子会社が、その出資比率50%超で保有する法人)が該当します。共同事業実施者は補助申請者にはなれません。
  • ASEAN現地パートナー・MOU相手先の確認:中小企業以外はMOU提出が必須です。
  • 事業従事者の特定:様式第2-3「体制一覧・従事日数表」の作成に必要です。
  • 直近3年分の決算報告書・財務諸表の準備

事業計画書の作成

事業計画書は審査の核となる書類です。書面審査が原則であるため、申請書類の完成度が採否を直接左右します。主要な作成書類は以下のとおりです。

  • 様式第2-1(本紙・別紙)「事業提案概要」:エクセルファイルで、事業の全体像、目的、実施体制、スケジュール、予算配分等を記載します。
  • 様式第20「事業概要」:パワーポイントで最も当てはまる類型1つの様式を選択し、1枚で作成します。
  • 事業提案に関する詳細資料:スケジュール表、製品・サービス説明資料・写真、実施体制図、成果目標の裏付けデータ等を添付します。
  • 実証事業の実施の詳細:背景、課題、図表・写真等の添付書類を含めて記載します。

審査で高く評価されるためには、実証事業終了後3年以内のKPI(市場規模拡大、売上増加、雇用増加等)を定量的に示すこと、GX・DX・経済安全保障への政策的貢献を具体的に説明すること、日本国内企業への波及効果や複数国への展開可能性を示すことが重要です。

必要書類の準備

申請に必要な書類は以下のとおりです。申請手続き・各様式は全て日本語で作成する必要があります。

区分書類名備考
必須様式第1「補助金交付申請書」
必須様式第2-1(本紙)「事業提案概要」エクセル
必須様式第2-1(別紙)「事業提案概要」エクセル
必須様式第2-1(類似性検査)「類似性検査シート」
必須会社概要等(パンフレット等)共同申請者・共同事業実施者も提出
必須直近3年の決算報告書と財務諸表単体ベース(連結がある場合は連結も)
必須様式第2-3「体制一覧・従事日数表」全関係者分
必須様式第3-1「事業経費概算書」
必須様式第20「事業概要」パワーポイント1枚
必須事業提案に関する詳細資料一式スケジュール表、体制図等
必須実証事業の実施の詳細背景、課題、図表・写真等
該当時必須MOU等の写し中小企業以外:申請時又は契約締結後1年以内
該当時必須様式第2-2「中小企業補助率の適用要件審査」中小企業で2/3適用希望時
該当時必須様式第3-2「委託・外注費50%以上の理由書」該当時のみ
該当時必須様式第19-1「人権尊重の取組状況」中小企業以外の会社法上の会社
任意(加点)資金調達の調整状況を示す資料加点対象
任意(加点)様式第18「SC構築宣言及び計画」加点対象
任意(加点)賃金引き上げ計画の表明書中小企業は法人税申告書別表1も添付
任意(加点)ワークライフバランス認定証写しえるぼし・くるみん・ユースエール等

電子申請・提出方法

申請書類の提出方法はJグランツもしくは事務局の指定するデータ送受信サービスです。Jグランツを利用する場合は、GビズIDプライムアカウントが必須です(発行に1〜2週間かかります)。Jグランツポータル(https://www.jgrants-portal.go.jp/)からアクセスしてください。

申請言語は全て日本語で、締切は2026年6月頃を予定していますが、具体的な日付と時刻は確定次第公式サイトで公表されます。申請システムは締切直前にアクセスが集中する場合がありますので、時間に余裕を持って提出してください。

審査(書面審査・ヒアリング)

審査は原則として、提出された申請書類に基づく書面審査で行われます。書面審査が基本のため、申請書類の完成度が採否を大きく左右します。

ただし、必要に応じて以下が実施される場合があります。

  • 別途ヒアリング(面談形式での対応)
  • 現地調査
  • 追加資料の提出要請

審査では、基礎要件の充足状況、事業内容(KPIの具体性、実現可能性、政策的意義、費用対効果等)、および加点項目の充足状況が評価されます。ヒアリングの際に事業内容の説明を求められる可能性があるため、事業計画の要点を簡潔に説明できるよう準備しておくことをお勧めします。

採択結果の通知後にやること

採択通知後にはすぐに取り掛かるべきタスクが複数あります。以下の順に対応を進めてください。

  1. 補助交付契約の締結手続き:採択後、速やかに契約を締結します。補助対象経費は契約締結日以降に発注したもののみが対象です。
  2. キックオフミーティングへの参加:事業計画等の説明を行い、事務局と認識を共有します。
  3. MOU等の写しの提出:中小企業以外で申請時に未提出の場合は、契約締結後1年以内に提出が必要です。
  4. 月次報告体制の構築:毎月翌月10日までに収支実績報告書・証憑類・遂行状況報告書・委託実施体制図を提出する体制を整えます。
  5. 事業の発注開始:補助交付契約締結日以降に発注を開始します。
  6. 経理処理・証拠書類の保存体制整備:補助金の精算に必要な帳簿・証拠書類の管理体制を構築します。
  7. プレスリリースの公表:採択後、補助申請者(共同申請の場合は幹事法人)のホームページで、本補助金の採択を受けたことを公表する必要があります。公表内容には、本事業の補助を受けること、類似事業との相違点、政府支援を受ける必要性の具体的・合理的な説明を含める必要があります。

契約締結前に発注した経費は一切補助対象になりません。採択が確実になった段階であっても、発注行為は契約締結後まで待つ必要があります。

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)で採択されるためのポイント

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)は書面審査で採否が決まります。審査基準が詳細に公表されているため、評価される観点を押さえた上で事業計画を作成することが、採択率を高める鍵となります。

審査基準

審査は「基礎要件」と「事業内容審査」の2段階で構成されています。

【基礎要件(全て必須・8項目)】

  1. 補助対象事業者の要件を満たしていること
  2. 実証事業であること
  3. 対象分野(GX・DX・経済安全保障)に該当すること
  4. 3つの事業類型のいずれかに該当すること
  5. 実証事業概要等の要件を満たしていること
  6. 不採択要件に該当しないこと
  7. 補助交付希望額が5億円超40億円以内で、事業実施期間が3年以内であること
  8. 申請書類が完備されており、明確な記載がなされていること

【事業内容審査項目(9項目)】

審査項目評価のポイント
事業成果の定量的見込み(KPI)実証事業終了後3年以内のKPIを具体的数値で示す。類型1はリバースイノベーション指標、類型2はデファクトスタンダード指標、類型3はサプライチェーン多元化指標を設定する
事業化の工夫・実現可能性事業化に向けた具体的なステップと実現のための工夫を記載する
政策的意義の高さGX・DX・経済安全保障への貢献を具体的に説明する
費用対効果の高さ投入する補助金額に対して得られる効果を定量的に示す
日本国内企業への波及効果・複数国展開可能性日本国内の雇用創出や産業基盤強化への還元、ASEAN域内の他国への横展開可能性を具体化する
実施スケジュールの適切性3年以内の実証完了と事業化への移行が現実的であることを示す
予算設定の適切性・費用対効果の高い配分経費の配分が合理的であり、無駄のない予算計画であることを示す
情報収集能力・事業遂行能力ASEAN現地の情報収集体制や類似プロジェクトの実績を示す
財政基盤の健全性直近3年の決算書で自己資金による立替えが可能な財政基盤を裏付ける

実務的なポイントとして、KPIは自社が選択した類型に合った指標を設定し、根拠となるデータや市場調査結果を添付することが重要です。財政基盤は精算払いが基本となるため、事業実施中の資金繰りに対応できる財務体力が審査されます。

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グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN)は、「日本で確立済みの技術を、ASEAN市場で大規模に実証し、3年以内に事業化に持ち込みたい」企業が向いています。
米国関税への対応、特定国依存からの脱却、グローバルサウスとの経済連携強化——日本企業の戦略的な海外展開を、経済産業省が大型補助で後押しします。

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN)はいつ入金されますか?申請から入金までの流れを教えてください。

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN)は、申請して採択されればすぐに入金されるわけではありません。
通常、申請後→採択決定→ 補助交付契約 → 事業実施(最長3年) → 実績報告 → 補助金額確定 → 精算払請求 → 入金というステップを経て、補助金の請求が可能となります。

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN)では、既に支出した費用や、申請前に契約した設備は補助対象になりますか?

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN)では、交付決定日より前に発注・契約・購入した経費は原則として補助対象外です。
そのため、申請を検討する場合は、補助交付契約締結を受ける前に支出を行わないよう注意が必要です。

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN)は、他の補助金・助成金と併用することはできますか?

大規模成長投資補助金では、過去又は現在の日本政府(独立行政法人等を含む)が助成する他の制度(補助金、委託費等)と同一又は類似内容の事業は補助対象外です。

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN)で補助対象外となる主な経費にはどのようなものがありますか?

補助対象外経費は、土地、金券、為替差損、汎用性のある物品(自動車、事務用PC等)、中古市場で適正価格が不明確な中古品です。

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)の支援内容

事業者様向け

相談・制度選定

ASEAN進出戦略・実証事業計画の整理
3つの事業類型(共創型・海外展開型・SC強靱化型)の適合性判断

計画策定・申請

事業計画の設計・ブラッシュアップ

加点項目(J-Startup・AZEC・IPEF・賃上げ等)を踏まえた申請戦略整理

事業計画書・申請書類の作成支援

採択後対応

補助交付契約・スケジュール設計

事業実施・入金完了まで伴走

月次報告・中間検査・確定検査対応

フォローアップ期間(3年間)の報告義務支援

共同申請者・現地パートナー向け

制度理解・準備

制度概要・活用メリットの解説

体制整備

共同申請体制の構築支援

ASEAN現地政府等とのMOU調整サポート

幹事法人・共同事業実施者の役割分担整理

実行フォロー

申請後の手続き・進行管理サポート

Planbaseが選ばれる理由

補助金支援の豊富な実績と専門性

支援実績1,500社超・累計150億円超。

中小企業診断士・行政書士・経営コンサルなど、専門人材が多数在籍しています。

制度選定と計画構想からの併走支援

構想段階の状態から、事業内容を整理しながら併走します。

事業内容や投資スケジュールを踏まえ、最適な補助金制度を選定します。

全国対応の一貫サポート体制

1社あたり3〜4名体制で支援いたします。

北海道から沖縄まで全国対応し、申請から交付・実績報告まで伴走します。

専門家のワンポイントアドバイス

Planbase代表取締役 武衣貴志

グローバルサウス未来志向型共創等事業は、補助上限40億円・補助率最大2/3という極めて大型の支援制度であり、ASEAN市場でDX・GX・経済安全保障の実証を本格的に推進したい企業にとって非常に強力な制度です。一方で、3つの事業類型のどれに自社が当てはまるのか、リバースイノベーション・デファクトスタンダード・サプライチェーン多元化のうちどのKPIで成果を語るのか、現地政府とのMOUをどう構築するのか――こうした上流の整理ができていないと、書類はそろっていても審査では評価されません。Planbaseでは、グローバル戦略と現地体制の両面から事業構想を磨き上げ、採択につながる申請を併走支援します。

Planbase補助金支援責任者/中小企業診断士 村上貴弘

グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 ASEAN加盟国)は書面審査が原則のため、申請書類の完成度がそのまま採否を決めます。特に「実証事業終了後3年以内の事業化計画」と「定量的なKPI設定」をどこまで具体化できるかが重要です。さらに、中小企業以外では事業実施国政府とのMOUが必須要件となるため、申請準備と並行して現地連携体制の構築を進めることが不可欠です。月次報告・中間検査・フォローアップ期間など採択後の負荷も大きいため、申請段階から実行体制まで見据えた計画策定が求められます。

サポートの流れ

01.

お問合せ〜ご契約

まずはお気軽にお問合せください。
ご説明した内容や料金についてご納得いただけましたら契約へと進みます。

02.

ヒアリング

契約から1週間程度で、お客さまの側よりヒアリングシートと財務資料をご送付いただきます。

03.

確認・修正

事業計画書の作成から1週間以内を目処に、お客さまに事業計画書を確認していただきます。必要に応じて内容に修正を加えます

04.

電子申請

お客さまに電子申請(申請書類の提出)を行っていただきます。

申請方法については事前に説明し、コピペで申請を行えるよう詳細な情報・資料をお送りしますのでご安心ください。

05.

採択後オプション 交付申請に向けた準備

送っていただいた資料をベースにキックオフミーティングを実施いたします。
ミーティング時間は1時間程度で、原則オンラインでおこないます。

06.

 採択後オプション 実績報告に向けた準備

補助金の交付が決定したら、請求書や納品書などの整理、実績報告書の作成など実績報告に向けた整理を行います。

07.

採択後オプション 実績報告の完了〜補助金の入金

作成した実績報告書をお客さまからご提出いただきます。その後、補助金の振込を確認して終了です。

よくあるご質問

補助金申請が初めてでも相談できますか?

はい、初めての補助金申請でもご相談いただけます。

Planbaseでは、申請経験がない企業様でも安心して進められるよう、制度の概要から申請の手順、必要書類の整理まで一貫して伴走支援いたします。

事業計画が固まっていなくても申請を目指せますか?

はい、事業計画がまだ固まっていなくても申請を目指すことは可能です。

Planbaseでは、企業様と一緒に事業構想や投資計画を整理しながら、採択に向けた実現可能な計画作りを併走支援します。

補助金を活用するために、事前に準備しておくべきことはありますか?

補助金申請の具体的な進め方や手続きについては、契約後に担当者が順を追ってご案内します。

必要なタイミングで書類をご依頼いたしますので、事務作業の負担を軽減することが可能です。

補助金申請は、すべて代行してもらえますか?

補助金申請の手続きは、Planbaseが伴走してサポートしますが、申請内容の提出は、原則として企業様ご自身に行っていただく必要があります。

これは、補助金制度上、企業様自身が事業責任を持つことが求められているためです。

Planbaseでは、計画書の作成アドバイスや必要書類の整理、交付申請・実績報告のサポートなど、実務負担を大幅に軽減する支援をご提供します。

補助金申請で、注意すべき不正行為にはどんなものがありますか?

補助金申請では、虚偽の申請内容や補助金の目的外利用、不正な報酬配布やキャッシュバックなどは不正行為にあたり、厳しく取り扱われます。

そのため、Planbaseでは、企業様がルールに沿った申請を行えるよう、事前確認や書類チェック、手続きの適正化まで伴走してサポートいたします。

ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。