補助金申請

物流施設におけるDX推進実証事業

物流施設におけるDX推進実証事業の概要

2030年問題によるドライバー不足の深刻化や倉庫作業員の人手不足、物流施設の業務効率化の遅れに頭を悩ませている物流関係事業者の方は少なくないでしょう。倉庫業者・運送事業者・物流不動産事業者など、物流の現場を支える企業にとって、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みはもはや避けて通れない経営課題です。

国土交通省が令和7年度補正予算で実施する「物流施設におけるDX推進実証事業」は、システム構築・連携と自動化・機械化機器の導入を同時に支援する制度です。補助率は1/2、賃上げ特例の適用時には最大5,500万円の補助を受けることができます。この記事では、対象者・補助額・申請要件・スケジュール(締切:令和8年5月22日)・必要書類・審査ポイントまで、本事業の全貌を一記事で分かりやすく解説します。物流施設を保有・使用する事業者の経営者やDX推進担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。

 

【2026年5月1日更新】公募要領第2版が公開されました。事業スケジュール(Ⅰ-4)に「交付決定通知日以降に事業着手し、令和9年2月末までに完了実績報告書を提出」する旨が明記されています。交付決定前の発注・着手は補助対象外となりますのでご注意ください。

物流施設におけるDX推進実証事業とは

本事業の正式名称は「中小物流事業者の労働生産性向上事業(物流施設におけるDX推進実証事業)」です。国土交通省が所管し、物流施設におけるDX推進事務局が運営しています。この制度は、物流施設を保有・使用する物流関係事業者が、①システム構築・連携と②自動化・機械化機器の導入を同時に行うDX実証事業に対し、経費の一部を補助するものです。補助率は1/2で、専門家による伴走支援や効果検証等も含む包括的な支援が受けられます。令和6年度に先行実施され多数の取組事例が創出されており、令和7年度補正予算で継続実施されることになりました。

制度の目的と背景

本事業が創設された背景には、いわゆる「2030年問題」によるドライバー不足の深刻化やカーボンニュートラルへの対応といった社会課題があります。令和5年3月には「我が国の物流の革新に関する閣僚会議」が発足し、「物流革新に向けた政策パッケージ」および「物流革新緊急パッケージ」が決定されました。これらの政策では、①物流の効率化、②荷主・消費者の行動変容、③商慣行の見直しの3つを柱に据えています。

本事業はこの流れを受け、物流施設における自動化・機械化・デジタル化を通じて、多様な人材の確保・育成を推進し、物流DXを強力に進めることを目的としています。令和6年度には先行事業として多数の取組事例が創出されており、令和7年度は「物流の革新や持続的成長に向けた中長期計画を踏まえた取組の推進」を主要課題として継続実施されます。経営者の皆さまにとっては、「人手が足りない」「既存の仕組みでは限界がある」という現場の課題を、国の支援を活用して解決できる絶好のタイミングです。

補助対象となる事業例

本事業は、物流施設を保有・使用し、人手不足や業務効率の低下といった課題に直面している物流関係事業者に適した制度です。倉庫業者、貨物運送事業者、物流不動産開発事業者などが主な対象となります。以下のような活用パターンが想定されます。

  • 入庫作業のDX化:AIカメラやトラック受付予約システムを導入し、荷待ち時間の改善・作業ミスの削減を実現。荷受け・入庫検品の業務負荷を軽減し、マテハン機器やRFID・ICタグを活用して格納・保管時の探索作業を軽減する。
  • 庫内作業のDX化:デジタルツイン(仮想空間上に物流施設を再現する技術)の構築や水平流動ラックの導入による庫内レイアウトの最適化・効率化。自動仕分け機器、自動採寸計量器、自動倉庫等の各種自動化機器を導入し、施設・荷物の特性に応じた省人化・効率化を実現する。

ここで重要なのは、本補助金では①システム構築・連携と②自動化・機械化の両方を同時に行うことが必須条件であるという点です。システムだけ、機器導入だけでは申請できませんのでご注意ください。

最新情報(令和8年度・令和7年度補正予算)

令和8年度の物流施設におけるDX推進実証事業について、最新の公募情報を整理します。公募期間は令和8年4月24日(金)から令和8年5月22日(金)17:00までで、計画申請の締切は令和8年6月12日(金)17:00です。採択通知は6月下旬(6月26日(金)を予定)に有識者ヒアリング・審査を経て結果が通知されます。

補助率は1/2で、①システム構築・連携事業の上限額は通常2,000万円(賃上げ特例適用時2,200万円)、②自動化・機械化事業の上限額は通常3,000万円(賃上げ特例適用時3,300万円)です。①②は同時申請が必須のため、合計で最大5,000万円(賃上げ特例で最大5,500万円)の補助を受けられます。

申請方法はEメール申請で、jGrants(電子申請システム)は使用しません。なお、2次公募の予定はなく、今後必要に応じて検討されるとの記載があるため、今回が実質的に唯一の申請チャンスと考えるべきです。

公募要領第2版での変更点(2026年5月1日更新)

第2版(2026年5月1日公開)では、「Ⅰ-4 事業スケジュール」に以下の2点が明記されました。1つ目は交付決定通知日以降に事業着手すること、2つ目は令和9年2月末までに完了実績報告書を提出することです。

実務上の最大の注意点は、交付決定前に発注・着手したシステム・機械等は補助対象外となることです。交付決定時期は7月上旬を予定していますので、導入スケジュールはこの時期以降に着手できるよう逆算して計画を立てましょう。なお、前回公募要領(第1版)からの差分は軽微であり、要件・補助率・上限額等に変更はありません。

補助金額と対象範囲

ここでは、補助率・上限額・対象者・対象経費について整理します。自社がいくら補助を受けられるのか、対象になるのか、どの経費が使えるのかを確認してください。

補助上限額・補助率

本事業は、①システム構築・連携事業と②自動化・機械化事業を同時に行うことが必須です。それぞれの補助上限額と補助率は以下のとおりです。

類型補助上限額(通常)補助上限額(賃上げ特例)補助率
①システム構築・連携事業2,000万円2,200万円1/2
②自動化・機械化事業3,000万円3,300万円1/2
合計(①②同時申請が必須)5,000万円5,500万円1/2

賃上げ特例を適用すると、①で200万円、②で300万円、合計500万円の上限額引き上げが受けられます。賃上げ特例の適用には、事業場内最低賃金を3%又は45円以上増加させる計画を策定する必要があります。なお、①と②の片方のみでの申請はできませんのでご注意ください。

補助対象者

本事業の対象者は、物流施設を保有・使用する物流関係事業者で、以下のいずれかに該当する方です。

  1. 倉庫業法第3条の登録を受けた倉庫業者
  2. 貨物利用運送事業法に基づく第一種・第二種貨物利用運送事業者等
  3. 自動車ターミナル法第3条の許可を受けたトラックターミナル事業者
  4. 貨物自動車運送事業法に基づく一般・特定貨物自動車運送事業者、貨物軽自動車運送事業者
  5. 物流不動産開発事業者

事業者の事業規模に関わらず応募が可能で、中小企業だけでなく大企業も対象となります。ただし、事業を行うための実績・能力・実施体制が構築されていることが前提条件です。また、コンソーシアム(共同体)による共同申請も受け付けており、複数社で連携して応募することも可能です。詳細は事務局にご相談ください。

対象施設としては、営業倉庫・自家用倉庫・物流不動産・トラックターミナル・集配施設等の物流施設が該当します。

補助対象外になるケース

以下のいずれかに該当する事業者は、本事業の対象外となりますのでご注意ください。

  • 本事業で導入する設備等について、国(独立行政法人を含む)からの他の補助金(負担金・利子補給金等を含む)を受けている者
  • 国土交通省からの補助金等停止措置または指名停止措置が講じられている事業者
  • 暴力団排除に関する誓約事項に該当する者(暴力団である、暴力団員を利用している、暴力団に資金等を供給している、暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有している等)

特に注意が必要なのは、国の補助金との二重給付が不可である点です。ただし、地方自治体の補助金との併用は認められています。自社の状況が対象外に該当するかどうか判断に迷う場合は、早めに事務局へ確認されることをおすすめします。

補助対象経費(対象外経費も併記)

本事業の対象経費と対象外経費は明確に区分されています。申請前に自社の投資計画と照らし合わせて確認しておきましょう。

区分補助対象経費
事業費・業務費(システム構築・連携経費)材料費、人件費、水道光熱費、消耗品費、通信交通費、請負費又は委託料等
事業費・業務費(自動化・機械化機器導入経費)材料費、人件費、水道光熱費、消耗品費、通信交通費、請負費又は委託料等
事務費(設備費)設備・機器の購入、運搬、調整、据付け等の経費
事務費(その他)社会保険料、賃金・報酬、諸謝金、旅費、印刷製本費、通信運搬費、委託料、使用料及び賃借料、消耗品費・備品購入費

以下の経費は補助対象外です。

  • 法令等で義務化されている設備導入の工事費
  • 国からの別途補助金が支給されている同一事業の経費
  • 経常的な経費(補助事業と無関係な人件費・家賃・光熱水費等)
  • システム・機器の利用費(保守費・運用費・維持費・サブスクリプション等)
  • 恒久的な施設の新設、用地取得等
  • レンタル・リース費
  • 振込手数料、親睦会費、出資金等
  • 事業期間外のシステム構築・開発費

なお、リースおよびレンタルは補助対象外ですが、外注(委託料)は対象です。業務費における請負費又は委託料、事務費における委託料として計上できます。

申請要件

本事業に申請するためには、所定の基本要件を満たす必要があります。この章では、基本要件・賃上げ特例の条件・要件未達時のペナルティを整理します。

基本要件

申請にあたっては、以下の基本要件をすべて満たす必要があります。

  1. 物流施設を保有・使用する物流関係事業者であること
  2. 事業を行うための実績・能力・実施体制が構築されていること
  3. ①システム構築・連携事業と②自動化・機械化事業を同時に行うこと(片方のみは不可)
  4. 物流DX推進実証計画(DX計画)を策定し、伴走支援を経て計画審査で採択されること
  5. 令和9年3月までに事業を完了すること(令和9年2月末までに完了実績報告書を提出)
  6. 交付決定通知日(7月上旬予定)以降に事業着手すること(事前着手不可)

特に注意すべき点が3つあります。まず、①②の同時実施は必須であり、システムだけ・機械だけでは申請できません。次に、事前着手は一切認められず、交付決定前に発注等を完了したものは補助対象外です。そして、DX計画の策定→伴走支援→有識者ヒアリング→採択というプロセスを経る必要があり、計画書の完成度が採否を左右します。これら6つの要件すべてを満たして初めて補助金の交付を受けることができます。

賃上げ特例(補助上限額の引き上げ)

賃上げ特例は、補助上限額が引き上げられる優遇措置です。必須要件ではなく、任意で適用を申請できます。適用されると、①システム構築・連携が2,000万円→2,200万円(+200万円)、②自動化・機械化が3,000万円→3,300万円(+300万円)となり、合計で最大5,500万円(通常比+500万円)の補助を受けられます。

賃上げ特例の適用には、以下の2つの要件を両方とも満たす必要があります。

  1. 事業申請時の事業場内最低賃金が、事業申請時の地域別最低賃金を超えていること
  2. 事業終了時点における事業場内最低賃金を、申請時と比較して3%又は45円以上増加させること

追加で提出が必要な書類は、様式第4(賃上げ計画書兼誓約書)、直近1か月分の賃金台帳の写し(労働基準法に基づく10項目すべての記載が必要)、雇用条件が記載された書類の写し(雇用契約書、労働条件通知書等)の3点です。

なお、事業終了時点で賃上げが達成できなかった場合、上限額の引き上げは認められませんが、補助金交付自体の条件には影響しません。

要件未達時のペナルティ・報告義務

本事業では、要件未達や不正行為に対して厳しいペナルティが設けられています。以下の内容を十分に理解した上で申請してください。

主なペナルティ:

  • 虚偽申請・不正受給:補助金交付決定の取消・返還命令、不正内容の公表、さらに5年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科される可能性
  • 処分制限財産の無断処分:単価50万円(税抜き)以上のシステム・機械装置等は処分制限の対象。事前承認なく処分した場合、交付決定取消・補助金全額返還命令の可能性
  • 完了実績報告の未提出:期日(令和9年2月末)までに完了実績報告が確認されなかった場合、交付決定を受けていても補助金は不交付
  • 賃上げ特例未達:事業終了時点で賃上げ未達の場合、上限額引上げは認められない(ただし補助金交付自体には影響なし)

主な報告義務:

  • 年度途中の中間報告(現地訪問の可能性あり)
  • 令和9年2月末までに完了実績報告書を提出
  • 補助事業関係書類は事業終了後5年間の保存義務
  • 賃上げ特例適用時は実績報告時に賃金台帳の写し等を提出
  • 補助事業完了後のフォローアップ調査(アンケート)の可能性あり

スケジュール

物流施設におけるDX推進実証事業の公募から受給までの全体スケジュールを整理します。公募受付の締切は令和8年5月22日(金)17:00です。2次公募の予定はないため、早めの準備を強くおすすめします。

公募〜採択までの流れ

時期イベント
令和8年4月24日(金)公募開始(申請受付開始)
令和8年5月22日(金)17:00公募受付締切
令和8年6月12日(金)17:00計画申請締切(DX計画を提出)
伴走支援期間専門家による伴走支援・DX計画のブラッシュアップ
6月下旬(6月26日(金)予定)有識者ヒアリング・審査・結果通知

注意すべきポイントとして、公募受付締切(5月22日)と計画申請締切(6月12日)が別日程であることが挙げられます。まず公募受付で応募を行い、その後伴走支援を経てDX計画をブラッシュアップしたうえで、計画申請を行う流れです。計画が一定水準に達した段階で有識者ヒアリングへ進みます。2次公募の予定はなく、今回が実質的に唯一のチャンスとなりますので、締切に遅れないよう早めに準備を進めましょう。

採択後〜受給までの流れ

時期イベント
7月上旬(予定)交付決定通知 → この日以降に事業着手が可能
交付決定後〜令和9年2月末事業実施期間(システム導入・機器導入の実施)
年度途中中間報告(現地訪問の可能性あり)
令和9年2月末完了実績報告書の提出期限
報告書確認後補助金の交付(精算払い)

採択後に最も重要な注意点は、交付決定前の発注・着手は補助対象外であるという点です。交付決定通知は7月上旬を予定しており、それ以降にシステム構築や機器導入に着手する前提でスケジュールを組む必要があります。また、完了実績報告が期日(令和9年2月末)までに確認されなければ補助金は不交付となります。補助事業関係書類は事業終了後5年間の保存義務がありますので、適切な書類管理体制を整えておきましょう。さらに、補助事業完了後にフォローアップ調査(アンケート)が実施される可能性もあります。

申請の手順

本事業の申請手順をステップごとに解説します。本補助金はEメールによる申請で、jGrants等の電子申請システムは使用しません。各ステップを確認し、漏れなく準備を進めましょう。

物流DX推進実証計画書(DX計画)の作成

本事業では、伴走支援を経て計画審査で採択される必要があるため、DX計画の質が採否を左右します。使用する様式は「様式第2:物流DX推進実証計画書」と「様式第2別紙:物流DX推進実証計画書別紙」です。計画書では、審査基準に基づき以下の論点が評価されます。

申請事業者単体に関する評価項目:

  • DXを行う目的が明確で事業趣旨に合致しているか
  • DX施策の費用対効果が高いか(定量効果:待機時間・荷役の削減、省人化の程度、収益増加・コスト削減額/定性効果:従業員管理の透明性確保、コンプライアンス遵守等)
  • スケジュールや実施体制が現実的であるか
  • DX施策の効果の従業員への還元を見据えているか

業界全体への貢献に関する評価項目:

  • モデルケースとしての先進性・独自性・汎用性があるか
  • 物流業界全体への波及を見据えた横展開の容易さ
  • サプライチェーン全体での上流・下流との連携強化による物流最適化の可能性

作成のポイントとして、定量的なKPI(例:待機時間◯%削減、省人化◯名相当)を必ず設定し、費用対効果を数値で示すことが重要です。また、自社だけでなく業界全体への波及効果や横展開の容易さをアピールすることで高い評価につながります。

必要書類の準備

本事業の申請に必要な書類は以下のとおりです。

書類名備考
様式第1:事業申請書所定様式
様式第2:物流DX推進実証計画書DX計画の詳細
様式第2別紙:物流DX推進実証計画書別紙計画の補足資料
様式第3:経費内訳事業費・事務費の内訳
登記事項証明書もしくは登記簿謄本(写)共同申請の場合は全事業者分
導入予定のシステム・機器の概要資料パンフレット等
見積書(写)原則2社以上の相見積。単独の場合は理由書を追加添付
融資の蓋然性証明書金融機関から融資を受ける場合のみ(自己資金の場合は不要)
その他事務局から依頼されたもの必要に応じて

賃上げ特例の適用を申請する場合の追加書類:

書類名備考
様式第4:賃上げ計画書兼誓約書所定様式
賃金台帳の写し(直近1か月分)労働基準法に基づく10項目すべての記載が必要
雇用条件が記載された書類の写し雇用契約書、労働条件通知書等

見積書は原則2社以上の相見積が必要です。1社のみの場合は理由書の添付が求められますので、早めにベンダーへ見積を依頼しておきましょう。各様式は事務局特設Webサイト(https://butsuryu-dx-2026.go.jp/)からダウンロードできます。

Eメールでの申請・提出方法

本事業はEメールでの申請となります。jGrantsやGビズIDは不要です。申請の手順は以下のとおりです。

  1. 事務局特設Webサイト(https://butsuryu-dx-2026.go.jp/)から所定の申請様式をダウンロード
  2. 必要書類を作成・準備
  3. Eメールにて提出

提出先メールアドレス:info@butsuryu-dx-2026.go.jp

締切:

  • 公募受付締切:令和8年5月22日(金)17:00
  • 計画申請締切:令和8年6月12日(金)17:00

公募受付と計画申請の締切が異なる点にご注意ください。また、メールの送信エラーや不達のリスクを考慮し、締切に余裕を持って提出することをおすすめします。

審査(伴走支援・有識者ヒアリング)

本事業の審査は、以下のプロセスで行われます。

  1. 公募受付(書類確認)
  2. 専門家による伴走支援(DX計画のブラッシュアップ)
  3. 一定水準に達したDX計画について有識者ヒアリングを実施
  4. 審査基準を踏まえて総合的に評価し、採択の可否を判断

有識者ヒアリングでは、DXの目的の明確さ・事業趣旨との合致、費用対効果の高さ(定量・定性の両面)、スケジュール・実施体制の現実性、従業員への還元の見通し、モデルケースとしての先進性・独自性・汎用性、業界全体への波及効果・横展開の容易さなどが重視されます。

伴走支援は計画の完成度を高めるための貴重な機会です。専門家からのフィードバックを積極的に活用し、DX計画を十分にブラッシュアップした上で有識者ヒアリングに臨みましょう。

採択結果の通知後にやること

採択通知を受け取った後の具体的なフローは以下のとおりです。

  1. 採択結果通知の受領:6月下旬(6月26日(金)予定)
  2. 交付決定通知の受領:7月上旬予定
  3. 事業着手:交付決定日以降に着手(それ以前の発注・着手は補助対象外)
  4. 事業実施:システム構築・連携 + 自動化・機械化機器の導入
  5. 中間報告:年度途中・現地訪問の可能性あり
  6. 完了実績報告書の提出:令和9年2月末まで
  7. 補助金交付:精算払い

採択後に特に注意すべき点を整理します。まず、交付決定前の着手は厳禁です。計画変更がある場合は事前に事務局に相談してください。また、処分制限財産(単価50万円以上のシステム・機械装置等)は事前承認なしに処分できません。補助事業関係書類は事業終了後5年間保存する義務があります。賃上げ特例を適用した場合は、実績報告時に賃上げ達成を証明する書類(賃金台帳の写し等)を提出する必要があります。

採択されるためのポイント

本事業の審査基準は公表されており、伴走支援・有識者ヒアリングを経て採択が決まります。評価される観点を押さえた上で事業計画を作成することが、採択率を高める鍵となります。

審査基準

公表されている審査基準を踏まえると、以下の観点が評価のポイントです。

  1. DXの目的が明確で事業趣旨に合致しているか:「なぜ今DXが必要か」を自社の経営課題(人手不足、コスト増、作業ミス等)と紐付けて説明できるかがカギです。
  2. DX施策の費用対効果が高いか:定量効果として待機時間・荷役の削減時間、省人化の人数、収益増加・コスト削減額を具体的に示します。定性効果として従業員管理の透明性確保やコンプライアンス遵守への貢献も記載しましょう。
  3. スケジュールや実施体制が現実的であるか:令和9年2月末までの完了を前提にした、無理のない工程表を作成することが重要です。
  4. DX施策の効果の従業員への還元を見据えているか:働き方改革や多様な人材確保につながるストーリーを盛り込みましょう。
  5. モデルケースとしての先進性・独自性・汎用性があるか:他社や他業種にも横展開できる取り組みであることを示せると高評価です。
  6. 物流業界全体への波及を見据えた横展開が容易であるか:サプライチェーン全体の上流・下流との連携強化による物流最適化追求の可能性を示すと評価が高まります。

実務的なアドバイスとして、自社の課題解決だけでなく、業界全体への貢献を意識し、サプライチェーン全体でのDX推進をストーリーに組み込むことが高評価につながります。

関連資料・関連記事

物流施設におけるDX推進実証事業に関するよくある質問

物流施設におけるDX推進実証事業はどの企業が対象ですか?

物流施設を保有・使用する物流関係事業者が対象です。具体的には以下の5つの類型に該当する事業者が応募できます。
1. 倉庫業者(倉庫業法第3条の登録を受けた事業者)
2. 貨物利用運送事業者(第一種・第二種)
3. トラックターミナル事業者
4. 貨物自動車運送事業者(一般・特定・貨物軽自動車運送事業者)
5. 物流不動産開発事業者
事業規模に関わらず応募が可能で、中小企業・大企業のいずれも対象です。また、コンソーシアム(共同申請)による応募も認められています。

物流施設におけるDX推進実証事業の対象経費は何ですか?

大きく分けて「事業費・業務費」と「事務費」が補助対象です。事業費・業務費には、システム構築・連携経費(材料費、人件費、消耗品費、請負費・委託料等)と自動化・機械化機器導入経費が含まれます。事務費としては、設備費(設備・機器の購入・運搬・据付け等)や社会保険料、賃金、諸謝金、旅費等が対象です。
一方、保守費・運用費・サブスクリプション料、リース・レンタル費、恒久的な施設の新設・用地取得費等は補助対象外ですのでご注意ください。

交付決定前に着手した経費は対象ですか?

補助対象外です。交付決定通知日(7月上旬予定)よりも前に発注等を完了させたシステム・機械等は、補助金の交付対象となりません。この点は公募要領第2版でも改めて明記されています。導入スケジュールは交付決定後に着手する前提で計画を立てる必要があります。ベンダーとの契約や発注のタイミングには十分ご注意ください。

リース・レンタル・外注は対象ですか?

リースおよびレンタルは補助対象外です。公募要領に「システム機器等のレンタル・リース費」は対象外経費と明記されています。一方、外注(委託料)は対象です。業務費における請負費又は委託料、事務費における委託料として計上できます。なお、中古品の取扱いについては公募要領に明確な記載がないため、事務局への確認をおすすめします。

過去に採択された事業者でも再度応募できますか?

応募可能です。公募要領のFAQにも「一昨年度事業・昨年度事業における参加・採択に関わらず応募可能」と明記されています。過去に本補助金に採択された実績があっても、今回の公募に改めて応募することができます。

採択後に要件未達だと補助金の返還になりますか?

ケースによって対応が異なります。
•虚偽申請・不正受給の場合:補助金交付決定の取消・返還命令が下されます。加えて5年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金の可能性があります。
•処分制限財産(単価50万円以上)を事前承認なく処分した場合:交付決定取消・全額返還命令の可能性があります。
•完了実績報告を期日までに提出しなかった場合:補助金は不交付となります。
•賃上げ特例で賃上げ未達の場合:上限額の引き上げは認められませんが、補助金交付自体の条件には影響しません。
いずれの場合も、適切なスケジュール管理と正確な書類作成・報告が重要です。

支援内容

事業者様向け

相談・制度選定

事業内容・投資計画の整理
物流施設におけるDX推進実証事業を含む、複数補助金制度の比較・適合性判断

計画策定・申請

採択要件・審査観点を踏まえた事業計画の設計・ブラッシュアップ

加点項目・特例(賃上げ特例等)を踏まえた申請戦略の整理

申請様式に沿った事業計画書・申請書類の作成支援

採択後対応

採択後を見据えた交付申請・事業スケジュールの設計

補助事業期間中の実績報告・確定検査に向けた書類整理支援

補助金入金までを見据えた全体スケジュールの伴走支援

Planbaseが選ばれる理由

補助金支援の豊富な実績と専門性

支援実績1,500社超・累計150億円超。

中小企業診断士・行政書士・経営コンサルなど、専門人材が多数在籍しています。

制度選定と計画構想からの併走支援

構想段階の状態から、事業内容を整理しながら併走します。

事業内容や投資スケジュールを踏まえ、最適な補助金制度を選定します。

全国対応の一貫サポート体制

1社あたり3〜4名体制で支援いたします。

北海道から沖縄まで全国対応し、申請から交付・実績報告まで伴走します。

専門家のワンポイントアドバイス

Planbase代表取締役 武衣貴志

Planbaseは、本気で成長を目指す企業の事業推進を支援しています。企業の状況や投資計画を丁寧に整理したうえで、物流施設におけるDX推進実証事業に限らず最適な制度を検討し、採択確度を高めるための事業計画や申請内容の構成・伝え方をアドバイスします。制度調査や資料作成、事務局対応など、補助金に伴う煩雑な業務を担うことで、企業様が本来注力すべき事業活動に集中できる環境づくりを目指します。

Planbase補助金支援責任者/中小企業診断士 村上貴弘

物流施設におけるDX推進実証事業には、公募要領や運用ルールに基づいた厳格な要件があります。申請段階だけでなく、採択後の交付申請や実績報告まで見据えた計画設計が不可欠です。制度を正しく理解し、無理のない形で活用することが、補助金を有効に活かすための重要なポイントです。

サポートの流れ

01.

お問合せ〜ご契約

まずはお気軽にお問合せください。
ご説明した内容や料金についてご納得いただけましたら契約へと進みます。

02.

ヒアリング

契約から1週間程度で、お客さまの側よりヒアリングシートと財務資料をご送付いただきます。

03.

キックオフミーティング

送っていただいた資料をベースにキックオフミーティングを実施いたします。
ミーティング時間は1時間程度で、原則オンラインでおこないます。

04.

事業計画書の作成

ミーティングから2週間〜1か月程度で、補助金申請のための事業計画書を作成します。

05.

確認・修正

事業計画書の作成から1〜2週間以内を目処に、お客さまに事業計画書を確認していただきます。必要に応じて内容に修正を加えます。

06.

Eメール申請

お客さまにEメールでの申請(申請書類の提出)を行っていただきます。

申請方法については事前に説明し、スムーズに申請を行えるよう詳細な情報・資料をお送りしますのでご安心ください。

07.

採択後オプション 交付申請に向けた準備

補助金の交付申請に向けて、見積書の手配などの支援、交付申請書の作成などを行います。

08.

 採択後オプション 実績報告に向けた準備

補助金の交付が決定したら、請求書や納品書などの整理、実績報告書の作成など実績報告に向けた整理を行います。

09.

採択後オプション 実績報告の完了〜補助金の入金

作成した実績報告書をお客さまからご提出いただきます。その後、補助金の振込を確認して終了です。

よくあるご質問

補助金申請が初めてでも相談できますか?

はい、初めての補助金申請でもご相談いただけます。

Planbaseでは、申請経験がない企業様でも安心して進められるよう、制度の概要から申請の手順、必要書類の整理まで一貫して伴走支援いたします。

事業計画が固まっていなくても申請を目指せますか?

はい、事業計画がまだ固まっていなくても申請を目指すことは可能です。

Planbaseでは、企業様と一緒に事業構想や投資計画を整理しながら、採択に向けた実現可能な計画作りを併走支援します。

補助金を活用するために、事前に準備しておくべきことはありますか?

補助金申請の具体的な進め方や手続きについては、契約後に担当者が順を追ってご案内します。

必要なタイミングで書類をご依頼いたしますので、事務作業の負担を軽減することが可能です。

補助金申請は、すべて代行してもらえますか?

補助金申請の手続きは、Planbaseが伴走してサポートしますが、申請内容の提出は、原則として企業様ご自身に行っていただく必要があります。

これは、補助金制度上、企業様自身が事業責任を持つことが求められているためです。

Planbaseでは、計画書の作成アドバイスや必要書類の整理、交付申請・実績報告のサポートなど、実務負担を大幅に軽減する支援をご提供します。

補助金申請で、注意すべき不正行為にはどんなものがありますか?

補助金申請では、虚偽の申請内容や補助金の目的外利用、不正な報酬配布やキャッシュバックなどは不正行為にあたり、厳しく取り扱われます。

そのため、Planbaseでは、企業様がルールに沿った申請を行えるよう、事前確認や書類チェック、手続きの適正化まで伴走してサポートいたします。

ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。