この補助金は、労働生産性の向上や事業規模の拡大を目指す企業に対し、最大50億円の補助を行う制度です。
この記事では、大規模成長投資補助金の 概要、申請方法、過去の採択事例、成功ポイント まで詳しく解説。補助金の活用を検討している企業がスムーズに申請できるよう、具体的な要件や手続きの流れをわかりやすくまとめました。
「どのような企業が対象なのか?」「審査に通るためのポイントは?」といった疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。
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大規模成長投資補助金とは?
大規模成長投資補助金とは、中堅・中小企業が人手不足などの経営課題に対応しながら、企業の成長と地方における持続的な賃上げを実現することを目的とした補助金です。 従業員2000人以下の中堅企業も対象となります。
具体的には、以下の様な取り組みを支援します。
- 省力化等による労働生産性の抜本的な向上
- 事業規模の拡大
近年の労働力不足は深刻化しており、企業は従業員の賃上げを図ると同時に生産性の向上を求められています。この補助金は、地方の企業が設備投資を行いながら、労働生産性を向上させることで、持続的な成長を促す施策といえます。特に、デジタル技術や自動化設備の導入が進めば、業務の効率化が進み、人材不足の課題も緩和できるでしょう。
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補助金額と補助率について
・補助率:1/3以内(中小企業・中堅企業共通)
・補助上限額:50億円
・必要な投資規模:10億円以上
投資規模が10億円以上と大きいため、中小企業単独ではなく、企業間のコンソーシアムによる共同申請が有力な選択肢となるでしょう。特に、地方における産業クラスター形成を促進することで、地域全体の経済活性化につながる可能性があります。
大規模成長投資補助金3次公募の具体的なスケジュール
本公募のスケジュールは以下の通りです。
応募をご検討の方は、締切日や審査日程を十分にご確認のうえ、お早めに準備を進めてください。
公募開始日:2025年3月上旬(予定)
公募期間:約1か月半
・応募受付開始:2025年3月上旬(予定)
・応募締切:2025年4月下旬(予定)
審査・採択スケジュール
・プレゼンテーション審査:2025年6月上中旬(申請企業の経営者等が出席)
・採択結果発表:2025年6月下旬(順次交付決定)
補助金の審査には時間がかかるため、企業は申請書類の準備だけでなく、プレゼンテーションに向けた計画の整理も必要です。
過去の採択事例を分析し、どのようなポイントが重視されているかを事前に把握することが、成功の鍵となるでしょう。
第3回公募における過去公募回との変更点
3次公募では、以下の点が変更されています。
・賃上げ目標:一律4.5%以上に変更
・加点項目:3項目から8項目に増加
賃上げ目標の引き上げは、政府が地方経済の活性化と労働環境の改善を強く推進している証拠です。補助金を活用することで、企業は従業員の待遇を向上させるとともに、事業の成長も期待できます。また、加点項目の増加により、申請企業はより幅広い視点から事業計画を考慮する必要があります。
補助対象事業と企業
補助対象となる事業
大規模成長投資補助金は、工場や倉庫、販売拠点の新設、増築、改修のほか、中古建物の取得にも活用できます。さらに、地域経済や従業員の賃上げにつながる事業であれば、これら以外の建物も補助対象になり得ます。
対象となる事業例
大規模成長投資補助金の活用イメージとして、国は3つのケースを挙げています。
1.工場の新設:生産効率を高める自動化設備を導入するケース
2.物流センターの新設:AI・IoT等を活用した自動化された物流センターを新設するケース
3.既存拠点への大規模設備投資:最新設備を導入して再構築し、省力化を進めるケース
物流の効率化や自動化技術の導入は、多くの業界で注目されています。特に、AIやIoTを活用したスマート工場や物流センターの設置は、今後の成長分野といえるでしょう。補助金を活用して、早期に競争力を強化する企業が増えることが予想されます。
補助対象となる企業
常時使用する従業員数が2,000人以下の中堅・中小企業です。
みなし大企業や、一次産業を主たる事業とする場合は対象外となります。
また、一定の要件を満たす場合、中堅・中小企業を中心とした共同申請(最大10社のコンソーシアム形式)も可能です。
補助対象経費
本補助金の対象となる経費は、以下の通りです。
| 番号 |
経費区分 |
対象経費 |
| 1 |
建物費 |
事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫などの建設、増築、改修、中古建物の取得(単価100万円以上、税抜) |
| 2 |
機械装置費 |
補助事業のための機械装置・工具・器具(単価100万円以上、税抜)の購入、製作、借用やその改良・修繕・据付け・運搬費 |
| 3 |
ソフトウェア費 |
専ら補助事業で使用するソフトウェア・情報システムなど(単価100万円以上、税抜)の購入・構築、借用、クラウドサービス利用費など |
| 4 |
外注費 |
加工や設計、検査など一部を外注(請負・委託)する場合の経費 ※4及び5の合計額は、1~3の合計経費未満 |
| 5 |
専門家経費 |
コンサルティングや技術指導等の専門家への経費 ※4及び5の合計額は、1~3の合計経費未満 |
補助対象経費を見ると、単なる建設費や設備投資だけでなく、IT化や外部の専門家を活用した改善も支援対象になっています。
特に、クラウドサービスやAI技術を活用したシステム構築は、今後の競争力強化において重要なポイントとなるでしょう。
大規模成長投資補助金の申請要件について
①投資規模
建物費、機械装置費、ソフトウェア費の合計で10億円を超えること
②賃上げ要件
補助事業が完了した日を含む事業年度(基準年度)の補助事業にかかわる従業員及び役員の1人当たり給与支給総額と比較した、基準年度の3事業年度後(最終年度)の1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、全国の過去4年間の最低賃金の年平均上昇率(4.5%)以上であること。
具体的には、申請時に基準率以上の目標を掲げ、その目標を従業員に表明の上、達成することが要件です。
以下の場合は補助金返還となります。
①交付決定までに目標を従業員等に表明しなかった場合
②基準年度の1人当たりの給与支給総額が、申請時の直近の事業年度の1人当たり給与支給総額を下回っている場合
③申請時に掲げた目標を達成できなかった場合(未達成率に応じて返還)
※天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は除く
補助金を活用する企業は、事業計画を立てる際に、賃上げ目標の達成可能性を慎重に検討する必要があります。
特に、目標の未達成による補助金返還リスクを考慮し、経営戦略の一環として慎重な財務計画を立案することが求められます。
大規模成長投資補助金の必要書類と加点について
必要書類について
以下は、大規模成長投資補助金の申請に必要な書類を表にしたものです。
| 書類名 |
留意点 |
対象 |
形式 |
ファイル名 |
成長投資計画書 (様式1) |
35ページ以内 |
全申請者 |
PDF |
A001_成長投資計画書_事業者名.pdf |
成長投資計画書 別紙 (様式2) |
所定の様式に必要事項を記入 数値は指定の単位で記載 |
全申請者 |
Excel |
A002_成長投資計画書別紙_事業者名.xlsx |
ローカルベンチマーク (様式3) |
財務分析シートの黄色セルに必要事項を記入 数値は指定の単位で記載 |
全申請者 |
Excel |
A003_ローカルベンチマーク_事業者名.xlsm |
| 決算書等 |
3期分 |
全申請者 |
PDF |
A004_決算書等_事業者名.pdf |
金融機関による確認書 (様式4) |
指定の様式に金融機関が記入 |
該当者のみ |
PDF |
A005_金融機関による確認書_事業者名.pdf |
リース取引に係る誓約書 (様式5) |
所定の様式に必要事項を記入 |
リース会社との 共同申請をする場合 |
PDF |
A006_リース取引に係る誓約書_事業者名.pdf |
リース料軽減計算書 (様式6) |
所定の様式に必要事項を記入 |
リース会社との 共同申請をする場合 |
PDF |
A007_リース料軽減計算書_事業者名.pdf |
申請に必要な書類の種類が多いため、事前に準備を進めることが重要です。特に、金融機関の確認書やリース取引に関する書類は、外部の関係者との調整が必要となるため、早めの対応が求められます。また、計画書のページ数制限があるため、端的かつ効果的に事業計画を伝える工夫が必要です。加点について本補助金の審査において、特定の条件を満たす申請者には加点措置が設けられています。
加点について
加点は以下の通りです。
1.金融機関の確認書提出・プレゼン審査同席
・申請時に金融機関の確認書を提出すると加点対象。
・確認書を発行した金融機関の担当者がプレゼンテーション審査に同席するとさらに加点される。
2.地域未来牽引企業の認定
・「地域未来牽引企業」に認定されている企業は加点対象。
3.パートナーシップ構築宣言登録企業
・「パートナーシップ構築宣言」に登録している企業は加点対象。
以下は第3回公募から追加された加点項目です。
4.地域未来投資促進法の承認
・「地域未来投資促進法」に基づく地域経済牽引事業計画の承認を受けた企業は加点対象。
5.えるぼし認定企業・くるみん認定企業
・女性活躍推進や子育て支援の認定(えるぼし、くるみん)を受けている企業は加点対象。
6.地域企業経営人材マッチング促進事業の活用
・本事業を活用して採用した人材が実施体制に含まれている場合、加点が適用される。
7.中堅企業への移行目標の掲示
・事業終了後3年以内に「中小企業」から「中堅企業」へ移行する目標を掲げた場合に加点される。
8.都道府県ごとの優れた事業計画への加点
・各都道府県で特に優れた事業計画を申請した企業には加点が行われる。
加点項目が増えたことにより、より多くの企業が補助金獲得のチャンスを得られるようになりました。特に、「地域未来牽引企業」や「えるぼし認定企業」など、社会的な価値を高める取り組みが評価されている点は注目すべきです。これらの条件を満たすことで、採択の可能性を高めることができるため、企業は補助金申請前に、各種認定の取得を検討することも有益でしょう。
大規模成長投資補助金の申請方法について
申請手順
大規模成長投資補助金の申請は以下のステップで進められます。
1.GビズIDプライムの取得
電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。取得には書類提出から通常2週間程度かかるため、余裕を持って事前に取得手続きを行います。
※GビズIDは行政の補助金申請ポータルにログインするための共通IDです。
2.事業計画書の作成
補助事業の内容をまとめた成長投資計画書(事業計画書)を作成します。
計画書には、投資の目的・内容、具体的な投資額と資金計画、予想される効果(生産性向上の度合いや賃上げの計画)などを詳細に記載します。
計画の実現可能性を示すデータや根拠(市場ニーズ、収支見通し等)も盛り込み、投資による成長シナリオを明確に伝えることが重要です。
事業計画書の作成ポイント
審査では、事業計画書の内容が重要となります。以下のポイントを踏まえて作成しましょう。
- 経営力:長期成長ビジョン、事業戦略、成果目標などを明確に示す
- 先進性・成長性:差別化された取り組み、労働生産性の向上、売上高の成長見込みなどを示す
- 地域への波及効果:従業員1人当たり給与支給総額の増加、雇用の増加、地域企業への波及効果などを示す
- 大規模投資・費用対効果:補助金額に対して、生み出される付加価値額が相対的に大きいかを示す
- 実現可能性:財務状況、実施体制、市場ニーズ、スケジュールの妥当性などを示す
事業計画書の作成は、補助金申請の最重要プロセスです。単に投資内容を列挙するだけでなく、経営戦略や成長の見通しを論理的に示すことが求められます。また、競争力強化や雇用創出の具体的な数値目標を設定することで、審査通過の可能性が高まるでしょう。
3.必要書類の準備
決算書類、登記事項証明書や納税証明、金融機関の確認書など、必要書類を事前に準備。
4.電子申請(jGrants)
GビズIDでログインし、必要情報を入力のうえ上記書類データをすべてアップロードします。
締切日時までに送信完了する必要があります。
電子申請は締切直前にアクセスが集中し、システム障害が発生することも考えられるため、余裕を持った提出が推奨されます。
不備がある場合、補正の時間が限られるため、事前にチェックリストを活用して申請を進めるとよいでしょう。
5.審査(書類審査・プレゼン審査)
提出後、まず書面審査(一次審査)が行われます。書類審査では定量的な評価(投資額や効果見込み、財務状況等)がチェックされ、採択候補が絞り込まれます。
一次審査を通過した案件には、外部有識者によるプレゼンテーション審査(二次審査)が課されます。
プレゼン審査では経営者や担当者が事業計画の内容を直接説明し、計画の具体性・革新性や投資の実現可能性、地域への波及効果などが質疑応答を通じて評価されます。
審査基準の主な項目は「企業の経営力・持続成長性」「計画の先進性・成長性(生産性向上の度合い)」「地域への波及効果(雇用創出や賃上げへの寄与)」「投資規模と費用対効果」「計画の実現可能性」等で、総合的に審査されます。
プレゼン審査では、事業計画の明確なストーリーが求められます。事業の目的、社会的意義、経済的効果などを簡潔に説明し、専門家の質問にも的確に回答できる準備が必要です。
6.採択結果の通知
最終的な採択・不採択の結果は、事務局の公式ウェブサイト上での発表や申請者へのメール連絡等で通知されます。
審査基準
審査は、以下の基準に基づいて行われます。
- 収益規模に応じたリスクをとった大規模成長投資であるか
- 補助金額に対して、生み出される付加価値額が相対的に大きな取組か
- 従前よりも一段上の成長・賃上げを目指す等、企業の行動変容が示されているか
補助金の審査基準は明確に定められていますが、特に「企業の行動変容」が求められている点が特徴的です。単なる事業拡大ではなく、新たな価値創出や地域経済への貢献が評価されるため、申請時にはこうした視点を意識することが重要です。
大規模成長投資補助金の採択後の流れ
採択後は、以下の流れで補助金が交付されます。補助事業期間は、交付決定日から最長で令和9年12月末までです。
- 交付決定:審査後、交付決定通知書が送付されます。
- 補助事業の実施:交付決定後、補助事業を開始することができます。
- 賃上げの確認:補助事業の実施期間中または完了後に、要件となる賃上げの実施状況を確認が行われます。
必要に応じて、賃上げ実施の証拠書類(給与明細、労働契約書の改定内容など)の提出を求められる場合があります。
- 実績報告:補助事業完了後、実績報告書を提出します。
- 補助金交付:実績報告書の内容が確認された後、補助金が交付されます。
工期が延びて令和9年12月末までに完了できない場合は、事務局に相談する必要があります。
補助事業の実施後も、賃上げ要件の確認や実績報告が求められるため、長期的な計画を立てることが重要です。また、賃上げの実施状況を証明する書類の準備が必要となるため、給与の変更履歴や契約書の保管を徹底することが望ましいでしょう。さらに、万が一の工期延長に備え、早めに事務局と相談し、適切な対応をとることも重要です。
注意点
補助金の支払い対象となるのは、申請後に審査員による審査を受けて、採択(合格)を受けた企業が、その後事務局に対して見積書等を提出して許可を得た(交付決定を受けた)後の発注分が対象となります。
また、申請時に計画に変更が発生した場合や、補助対象外となる項目が含まれていた場合、事務局が算定した補助対象経費額が10億円以下となることもあり、その場合は補助金を受けることができません。
まとめ
大規模成長投資補助金は、中堅・中小企業にとって、事業を成長させるための大きなチャンスです。補助金を活用することで、設備投資や人材育成などを積極的に行い、競争力を強化することができます。
申請には、事業計画書の作成や各種手続きなど、準備が必要となります。早めに準備を進め、申請期限までに手続きを完了させましょう。
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この記事の執筆者

村上 貴弘
東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。