中小企業省力化投資補助金(省力化投資補助金)は、中小企業が業務の効率化や生産性向上を目的とする設備投資を支援する国の補助金制度です。
2024年7月から補助上限が1500万円の「カタログ注文型」が開始され、2025年1月には補助上限が1億円の「一般型」が始まりました。
「カタログ注文型」は、あらかじめ政府が指定したカタログから選んで購入・導入する形式の補助金制度です。
通常の補助金申請のように個別に見積もりや審査を行う必要が少なく、導入可能な機器やソフトウェアが明確になっているため、申請や導入をスムーズに行うことができます。
▼2025年の「一般型」については、こちらの記事も参考にしてください。
中小企業省力化投資補助金で飲食業が申請できる対象商品カテゴリは、2024年12月時点で以下の5件があります。それぞれ特徴や省力化効果を把握し、自社のニーズや課題に合った製品を選択することが重要です。
- 清掃ロボット
- 配膳ロボット
- スチームコンベクションオーブン
- 券売機
- 自動精算機
以下ではいくつかの製品について、製品概要や導入費用、ポイントなどを解説していきます。
配膳ロボット
飲食店等において、店員が行っていた配膳や下げ膳を全て自動で動く配膳ロボットが担います。
人や障害物を避けながら、料理や飲み物等をトレーに乗せて運ぶことが可能です。
| 製品概要 |
各種センサにより人や障害物を回避しながら、自律走行により料理や飲み物等を人に代わって配膳するロボット。 |
| 導入費用 |
数十~数百万円程度で導入可能。基本的に導入後の設定を行えばすぐに使用可能。 |
| ポイント |
飲食店ではテーブルの片づけが終わらずに客が入れない場合があるが、配膳ロボットを導入することで従業員がテーブルの片づけ作業に注力できる。 |
スチームコンベクションオーブン
飲食店のシェフがフライパンで調理していたものが、焼く、蒸す、煮る、炊く、炒めるなどの調理を全てスチームコンベクションオーブンが担います。例えばローストビーフは、熟練の料理人が約2時間付きっ切りだったが、当該製品はボタンを押して待つだけです。
| 製品概要 |
プログラム機能を持ち、料理、食材ごとの加熱時間、温度等を登録でき、使用する人間を問わず調理を任せられる製品。 |
| 導入費用 |
数百万円程度で導入可能。設置費用は数十万円程度で、基本的に導入後の設定を行えばすぐに使用可能。 |
| ポイント |
- 肉のうまみをうまく閉じ込めて調理できるなどの料理の品質向上がはかれる。
- 内部温度を検知して自動で温度調整を行うため、熟練したスタッフの調理を経験の浅いスタッフでも再現することができる。
- 食材の歩留まりの減少幅が抑えられる。
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券売機
飲食店において、従業員が事前オーダー方式でお客様の注文を受け付けていたところ、券売機で自動化することが可能です。
さらに、キャッシュカウント機能を具備していれば、売上計上作業や売上金と釣銭準備金を分けるなどの経理業務が不要になります。
| 製品概要 |
注文受付、券類の発行、支払・決済業務を自動的に行う製品。 |
| 導入費用 |
数十万~数百万円程度で導入可能。設置費用は数万~数十万円程度。初期設定を行えばすぐに稼働ができる。 |
| ポイント |
- 現金の取り出しが困難になることでセキュリティが強化され、現金不正の可能性を減らすことで従業員が疑われるような機会を減らし、職場環境が改善されるケースがある。
- 外国語対応であれば旅行客への対応の負担も減少させることができる。
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なお、他の製品についての詳細は公式HPに情報がありますので参照してください。
▼製品カタログはこちら
https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/product_catalog.pdf
省力化製品には、それぞれに期待される省力化効果があります。
自社が必要としている省力化製品を導入することで、省力化を促進し、人手不足の解消につなげることができます。
飲食業は、中小企業省力化投資補助金により省力化製品を導入することで、人手不足に対応し業務効率を向上させることができることに加え、顧客満足度の向上や従業員の負担軽減が期待されます。
この項目では、飲食業における本事業の具体的な活用例を解説します。
活用例① 配膳ロボット
飲食店における従業員は、料理や飲み物の配膳やテーブルの片付け、注文受付など多岐にわたる業務を行っています。そのため、配膳ロボットを導入することで、スタッフは他の業務に集中できるようになり、省力化効果が期待されます。
以下に、清掃ロボットを導入することで得られる効果やメリットを示します。
配膳作業の削減
配膳ロボットの導入により、配膳作業が削減されます。
例として、ホールスタッフが2人、1回の配膳にかかる時間が1分、1時間に15回の配膳を行うと仮定した場合、配膳にかかる時間は、
1時間当たりの配膳に要している時間:1分×15回×2人 = 30分/1時間
8時間勤務での配膳時間:30分/1時間×8時間 = 4時間
となります。
配膳ロボットがこの時間を代替することにより、従業員はテーブルの片付け作業や接客業務など、他の業務に専念することができます。
店内回転率の向上とそれによる売上の増加
配膳作業の削減により店内の回転率が向上し、売上の拡大につながることが期待されます。
配膳ロボットが料理や飲み物の配膳を行うことで、従業員はテーブル片付けの時間を増やすことができます。
これは、特に繁忙時間帯における回転率向上につながります。
具体的には、テーブルの片付けが滞っていて新規の顧客が入れない状況を防ぎ、回転率を向上させることができます。
テーブルの回転率が上がることで、結果的に売上の増加が期待されます。
消費エネルギーが少なく、ランニングコストも抑えられる
配膳ロボットは消費エネルギーが少なく、ランニングコストも抑えられるというメリットもあります。
具体的には、1日3時間の充電で8時間フル稼働することが可能であり、1日あたりの電気代はわずか21円程度と非常に低コストです。
これにより、従来の人力作業に比べて大幅な省エネ効果が期待でき、環境にも優しい運用が可能です。
さらに、電気代や消耗費などのランニングコストは660円/月で運用可能であり、燃費の良い製品であると言えます。
以上のように、飲食業における配膳ロボットの導入は、作業時間削減や業務効率化、売上増加など、多くの利益をもたらすことが期待されます。
導入時は初期投資が必要ですが、低いランニングコストで様々なメリットが得られるため、省力化かつ低コストが実現できる魅力的な製品であると言えます。
活用例② 自動精算機
自動精算機の導入は、飲食業において大きな省力化効果やコスト削減をもたらします。具体的には、従業員が手動で行っていた会計処理や現金管理作業が大幅に簡略化され、業務効率が向上します。
以下に、自動精算機を導入することで得られる効果やメリットを示します。
会計処理業務の削減
従来の飲食店では、会計時に店員が対面で商品を登録し、決済を行いますが、自動精算機を導入することでこの作業が削減されます。
例として、1回の会計に2分かかり、1時間に10回の会計、10時間の営業時間とすると、会計作業にかかる時間、
2分×10回/1時間×10時間 = 200分
となります。
自動精算機を導入することで会計処理業務にかかるこの時間が削減され、それによりできた削減時間を他の業務に配置できるため、人員の効率的な活用が可能となります。
現金管理業務の効率化
本製品は、現金管理業務の効率化にも貢献します。
従来レジ点検や現金・売上金を数える作業などの業務は、従業員が開店時間の前後に行っていました。この作業は売上に直接関わる作業となるため、より慎重に行われます。その結果現金管理業務には多くの時間がかかってしまいます。
しかし、自動精算機を導入することで現金の取り扱い時間が減り、作業の効率化が実現できます。
現金取り扱いのヒューマンエラーを解消
自動精算機の導入は、現金取り扱いのミスを解消することにも繋がります。
自動精算機の導入により、現金の受け渡しが自動化されるため、ヒューマンエラーによる過不足金の計算ミスが無くなります。
従来は手動で現金を取り扱う際にミスが発生し、これが経営に影響するケースがありましたが、自動化されることでこのリスクが大幅に軽減されます。
以上のように、飲食業における自動精算機の導入は、会計処理作業の削減や業務効率化、ヒューマンエラーの解消といった多くのメリットをもたらします。これらは顧客満足度の向上やセキュリティの強化といった付加価値も得られるため、有益な投資となると考えられます。
飲食業は少子高齢化による労働人口の減少や人件費の高騰といった課題に直面しています。また、接客や提供スピードの向上が売上に直結するため、効率化は不可欠です。
中小企業省力化投資補助金を活用することで、人手不足や人件費の高騰に対応でき、従業員の負担軽減と生産性向上を同時に実現できます。
自社の課題やニーズに合った設備やシステムを導入し、補助金を受けることで、事業の成長や賃上げも見込めるため、飲食業の経営改善に非常に有効な制度です。
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