2023.11.14
その他の補助金
【速報】令和6年(2024年)最新の経済産業省・補正予算を徹底解説!!
2023年11月10日、経済産業省から令和5年度補正予算が発表されました。
本記事では、令和5年度補正予算のポイントを解説します。
経済産業省令和5年度補正予算の概要
経済産業省令和5年度補正予算の概要
補正予算の全体像
経済産業省は10日、令和5年度の補正予算案を公表しました。補正予算案は総額4.5兆円に及び、物価高対策、中小企業支援、国内投資の促進、社会改革の起動・推進、国土強靭化という全部で5つの柱で構成されています。
物価高対策には1.2兆円が充てられ、電気・ガス等の価格高騰を抑制し、国民生活を保護することが目的とされています。具体的には、電気・ガス料金の値引き支援のほか、省エネに向けた設備導入の支援等が該当します。
中小企業支援には6,000億円が充てられ、補助金等を通じて中小企業・中堅企業の生産性を高め、最終的に賃上げを促進することが目的とされています。事業再構築補助金やものづくり補助金など、補助金制度はこの中小企業支援に該当します。
国内投資の促進には2.7兆円が充てられ、主に先端半導体やAI技術の研究開発に向けた投資を通じて、国内産業の成長力を強化することが目的とされています。補正予算の中でこの国内投資の促進が占める割合は大きく、重要な柱であることが分かります。
社会改革の起動・推進には160億円が充てられ、人口減少が進む中で、生産性向上を図るための投資に対する支援が目的とされています。具体的には、作業や配送の自動化、デジタルライフラインの整備等が該当します。
国土強靭化には730億円が充てられ、処理水問題対策、中小企業の復興支援、ウクライナ復興対策などが該当します。防災や減災を通じて日本経済の基盤を強固にし、国民生活を向上させようという内容です。
※参考:経済産業省関係令和5年度補正予算案の概要
本記事では、5つの柱で構成される経済産業省の令和5年度補正予算について、重要なポイントを丁寧に解説します。
最新の情報に沿って定期的に更新していくので、補正予算情報の収集に役立ててください。
【更新情報】 ※2023年11月14日 記事の公開 ※2024年2月13日 記事の修正
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また、2024年の事業再構築補助金、ものづくり補助金に関しては次の記事で詳しく解説しています。
▼最新(2024年)の事業再構築補助金について
https://planbase.co.jp/column/263/
▼最新(2024年)のものづくり補助金について
https://planbase.co.jp/column/264/
1. 物価高から国民生活を守る
1. 物価高から国民生活を守る
第1の柱「物価高から国民生活を守る 」は
(1) 物価高により厳しい状況にある生活者・事業者への支援 (2) エネルギーコスト上昇に対する経済社会の耐性の強化
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で構成され、予算総額は1.2兆円となっています。
それぞれの詳細について解説します。
(1) 物価高により厳しい状況にある生活者・事業者への支援
名称【今年度→新年度】 |
内容 |
燃料油価格激変緩和対策事業【3兆272億円 → 1,532 億円】 |
ガソリン等の燃料油の卸価格抑制を通じて小売価格急騰の抑制、家計・企業の負担軽減を図る |
電気・ガス価格激変緩和対策事業【3兆1,074億円 → 6,416 億円】 |
電気・ガス料金の値引き支援を継続し、家計・企業等の負担軽減を図る |
小売価格低減に資する石油ガス配送合理化・設備導入促進補助金 【138億円 → 77億円】 |
自動化に資する設備やLPガスタンク等の導入支援を行い、ガス購入コストの削減を図る |
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燃料油価格激変緩和対策事業【3兆272億円 → 1,532 億円】
燃料油価格激変緩和対策事業は、ガソリンなどの燃料油の卸価格抑制を通じて、小売価格急騰の抑制を図ることを目的とする事業です。石油元売事業者等を対象に、ガソリンや軽油、灯油、重油、航空機燃料の価格抑制原資を支給しています。
電気・ガス価格激変緩和対策事業【3兆1,074億円 → 6,416 億円】
電気・ガス価格激変緩和対策事業は、電気・都市ガス料金の高騰に影響を受ける家計・企業の負担軽減を目的とする事業です。具体的には、電気料金値引き原資の支援、都市ガス料金値引き原資の支援を行っています。
小売価格低減に資する石油ガス配送合理化・設備導入促進補助金【138億円 → 77億円】
小売価格低減に資する石油ガス配送合理化・設備導入促進補助金は、自動化に資する設備導入を支援することで、LPガス事業者の人手不足解消、業務効率化を目的としています。目的を達成するために、スマートメーター等の設備導入を行うLPガス事業者に対して経費の一部を補助する事業です。
(2) エネルギーコスト上昇に対する経済社会の耐性の強化
名称 |
内容 |
省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金【2,025億円】 |
先進的な省エネ設備・機器の導入支援を通じて、特に中小企業の潜在的な投資需要を掘り起こす |
省エネルギー投資促進支援事業費補助金【300億円】 |
中小企業等エネルギー利用最適化推進事業費【21億円】 |
「省エネ診断」を中小企業が安価で受けられるよう支援 |
高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金 【300億円→580億円】 |
高効率給湯器の導入を支援 |
既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業【185億円】 |
賃貸集合住宅に向けて、小型の省エネ型給湯器の導入を支援 |
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金【700億円→1,291億円】 |
電気・燃料自動車の需要創出、車両価格の低減を促進 |
クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金【200億円→400億円】 |
クリーンエネルギー自動車の普及に向けた充電等のインフラ整備を支援 |
省エネルギー設備への更新を促進するための補助金 (総額1,625億円→2,325億円)
省エネルギー設備への更新を促進するための補助金には、省エネルギー投資促進支援事業費補助金、省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金が含まれます。
省エネルギー設備への更新を促進するための補助金は、先進的な省エネ設備・機器の導入支援を通じて、特に中小企業の潜在的な投資需要を掘り起こす事業です。
(1)先進事業、(2)オーダーメイド事業、(3)指定設備導入事業、(4)エネルギー需要最適化対策事業という4つの分類のもと、機械設備の導入を支援しています。
令和6年度からの変更点として、「省エネ補助金」の対象枠拡大があります。今年度に創設された複数年の投資計画に切れ目なく対応する仕組みが全類型に適応されるほか、脱炭素に繋がる電化・燃料転換を促進する類型が新設されます。
中小企業等エネルギー利用最適化推進事業費【20億円→21億円】
中小企業等エネルギー利用最適化推進事業費は、省エネの専門家が中小企業を訪ね、エネルギー使用の改善をアドバイスする「省エネ診断」を、中小企業が安価で受けられるよう支援するものですあり、今年度の「中小企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業」に対応する事業と考えられます。
(1)診断事業(補助金)、(2)専門人材拡大に向けた調査分析事業(委託費)を通じて、省エネに関する専門人材育成の推進を目指しています。
高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金【300億円→580億円】
高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金は、家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給湯分野について、高効率給湯器の導入支援を行う事業です。消費者に対して、高効率給湯器の導入に係る費用を補助します。
既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業【185億円】
既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業は、来年度から新設される事業です。本事業では、設置スペース等の都合からヒートポンプ給湯器等の高効率給湯器の導入が難しい賃貸集合住宅に向け、小型の省エネ型給湯器(エコジョーズ等)の導入支援を実施します。
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金【700億円→1,291億円】
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、電気自動車や燃料電池自動車等の需要創出、車両価格の低減を促すことを目的とした事業です。導入初期段階にある電気自動車や燃料電池自動車等について、購入費用の一部補助を通じて初期需要の創出・量産効果による価格低減を促進します。
クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金【200億円→400億円】
クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金は、車両の普及と表裏一体にある充電・水素充てんインフラの整備を全国各地で進めることを目的とする事業です。さらには、災害時に向けて、電動車から電気を取り出すための外部給電機能を有するV2H放電設備や外部給電機の導入も支援します。
具体的には、次の2種類の事業が行われています。
名称 |
内容 |
充電インフラ整備事業等 |
電気自動車やプラグインハイブリッド自動車の充電設備の購入費及び工事費や、V2H充放電設備の購入費及び工事費、外部給電機の購入費を補助
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水素充てんインフラ整備事業 |
燃料電池自動車等の普及に不可欠な水素ステーションの整備費及び運営費を補助 |
2. 地方・中堅・中小企業を含めた持続的賃上げ、所得向上と地方の成長を実現する
2. 地方・中堅・中小企業を含めた持続的賃上げ、所得向上と地方の成長を実現する
第2の柱「地方・中堅・中小企業を含めた持続的賃上げ、所得向上と地方の成長を実現する」は
(1) 中堅・中小企業の賃上げの環境整備、人手不足対応、生産性向上を通じた賃上げ継続の支援 (2) 構造的賃上げに向けた三位一体の労働市場改革の推進 (3) 経済の回復基調の地方への波及及び経済交流の拡大
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で構成され、予算総額は6,000億円となっています。それぞれの詳細について解説します。
(1) 中堅・中小企業の賃上げの環境整備、人手不足対応、生産性向上を通じた賃上げ継続の支援
名称 |
内容 |
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金【3,000億円】 |
地域の雇用を支える中堅・中小企業の大規模な設備投資等を促進 |
中小企業省力化投資補助事業【1,000 億円】 |
人手不足に悩む中小企業等に向け、省力化投資への支援 |
中小企業生産性革命推進事業【2,000億円→2,000億円】 |
中小企業・小規模事業者のIT導入、事業承継等を支援 |
日本政策金融公庫等による資金繰り支援【778億円→629億円】 |
コロナの影響等を受けた事業者に向け、日本政策金融金庫による資金繰り支援を実施 |
中小グループ化・事業再構築支援ファンド出資事業【120億円】 |
中小企業に対するリスクマネーの供給、ハンズオン支援の実施 |
事業環境変化対応型支援事業【113億円→112 億円】 |
インボイス制度等、事業環境変化に影響を受ける中小企業等への支援体制を構築 |
中小企業活性化・事業承継総合支援事業【52 億円】 |
中小企業の事業再生や事業承継の支援を通じて、地域の経済と雇用の基盤を支援 |
中小企業取引対策事業【4.8億円→8.3 億円】 |
中小企業の価格交渉・価格転嫁を促進 |
中小企業信用補完制度関連補助事業【71 億円】 |
信用保証制度の新制度構築に際し、補助や一時的な損失補填措置を実施 |
なりわい再建支援事業等による被災地域の復興支援【64億円→45 億円】 |
被災地域の速やかな復興の実現を目指す |
物流効率化に向けた先進的な実証事業【55億円】 |
物流施設・配送サービスの機械化・自動化を目指す |
探究的な学びに資する民間サービス等利活用促進事業【16億円】 |
学校活動支援サービスの導入支援を通じて、教職員の業務の省力化に貢献 |
ライフステージを支えるサービス導入実証等事業【12億円】 |
企業に対し、多様な人材の活躍に向けた環境を整備するサービス導入を実施 |
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金【1,000億円(国庫債務負担含め総額3,000億円)】
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金(省人化・省力化補助金(仮称))は、令和6年度より新設される補助金です。
地域の雇用を支える中堅・中小企業が人手不足等の課題に対応し、成長していくことを目指して行う大規模投資を促進することで、地方においても持続的な賃上げを実現することを目的としており、中堅・中小企業の大規模な設備投資に対して補助を行います。
補助金 |
省人化・省力化補助金(仮称) |
補助上限額 |
50億円(補助下限額は10億円) |
備考 |
コンソーシアム形式により参加企業の投資額の合計が10億円以上となる場合も対象(ただし、一定規模以上の投資を行う中堅・中小企業がいる場合に限る。)
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中小企業省力化投資補助事業【1,000 億円】
中小企業省力化投資補助事業は、人手不足に悩む企業の省力化投資支援、これに伴う賃上げを目的とした事業です。
具体的には、IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に記載し、中小企業が選択して導入出来るように支援を行います。
支援は、従来の事業再構築補助金を通じて行われると考えられ、令和6年度から事業再構築補助金に「省力型投資補助枠」という申請枠が追加されるでしょう。
省力型投資補助枠の補助額、補助率は次のようになる予定です。
【省力型投資補助枠(カタログ型)】
補助額 |
従業員数5名以下:200万円(300万円) 従業員数6~20名:500万円(750万円) 従業員数21名以上:1,000万円(1,500万円)
※賃上げ要件を達成した場合、()内の値に補助上限額を引き上げ
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補助率 |
1/2 |
2024年度の事業再構築補助金については次の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
▼2024年度の事業再構築補助金について
https://planbase.co.jp/column/263/
中小企業生産性革命推進事業【2,000億円→2,000億円】
中小企業生産性革命推進事業は、生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者の設備投資、IT導入等の支援を行う事業です。
下記4つの補助金制度を通じて、中小企業や小規模事業者の事業拡大等を支援しています。
(1) ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(ものづくり補助金) (2) 小規模事業者持続的発展支援事業(持続化補助金) (3) サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金) (4) 事業承継・引継ぎ支援事業(事業承継・引継ぎ補助金)
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「令和5年度補正予算案の事業概要(PR資料)」で公表された各補助金の補助金額は次の通りです。
引き続き令和6年度においても、ものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金が実施されることが分かります。
(2) 構造的賃上げに向けた三位一体の労働市場改革の推進
名称 |
内容 |
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業【753億円→97 億円】 |
構造的な賃上げの実現に向けて、リスキリング及び労働移動の円滑化を図る |
高等教育機関における共同講座創造支援事業【3.6億円→3.5 億円】 |
高等教育機関との共同講座開設・受講を通じて高度専門人材の育成を図る |
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業【753億円→97 億円】
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業は、構造的な賃上げの実現に向けて、個人によるキャリア相談、リスキリング、転職までを一気通貫で支援する仕組みの整備を図る事業です。キャリア相談、リスキリング、転職までを一気通貫で支援する仕組みを整備するために、仕組みの構築に取り組む民間事業者等を支援します。
(3) 経済の回復基調の地方への波及及び経済交流の拡大
名称 |
内容 |
我が国の文化芸術コンテンツ・スポーツ産業の海外展開促進事業等【71億円】 |
文化芸術・コンテンツ・スポーツ産業の海外展開を支援 |
国際博覧会事業【144億円→946億円】 |
大阪・関西万博の会場建設に向け、日本国際博覧会協会へ補助 |
3. 成長力の強化・高度化に資する国内投資を促進する
3. 成長力の強化・高度化に資する国内投資を促進する
第3の柱「成長力の強化・高度化に資する国内投資を促進する」は
(1) 生産性向上・供給力強化を通じて潜在性成長率を引き上げるための国内投資の更なる拡大 (2) 「くらし」や「産業」におけるGXの加速 (3) イノベーションを牽引するスタートアップ等の支援
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で構成され、予算総額は2.7兆円となっています。それぞれの詳細について解説します。
(1) 生産性向上・供給力強化を通じて潜在性成長率を引き上げるための国内投資の更なる拡大
名称 |
内容 |
ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業等【4,850億円→6,778億円】 |
次世代半導体の技術開発、生成AI基盤モデル開発等を支援 |
先端半導体の国内生産拠点の確保【4,500億円→6,322億円】 |
先端半導体の生産拠点整備を支援し、国内における安定供給の実現を図る |
経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靱化支援【9,582億円→9,147億円】 |
重要物資の安定供給確保を図るための取組を支援 |
生成AIの開発力強化に資する計算資源の整備・モデル開発等【1,856億円】 |
生成AIの開発・活用に向けた計算資源の整備・拡充を実施 |
量子・古典融合技術の産業化支援機能強化事業【300 億円】 |
量子技術の産業化・実用化の加速を推進 |
ムーンショット型研究開発事業【237 億円】 |
破壊的イノベーションの創出を目指し、挑戦的な研究開発を推進 |
需要家主導太陽光発電等導入促進事業【255億円→256 億円】 |
太陽光発電や蓄電池を導入する企業を支援し、新たな再エネ導入モデルの拡大を図る |
家庭用蓄電池等の分散型エネルギーリソース導入支援事業【100 億円】 |
家庭用・業務産業用蓄電システムの設備導入を支援し、必要な設備の確保を図る |
再生可能エネルギーの出力制御の抑制に向けた電源制御装置の開発及び効率的な運用に関する技術開発事業【20億円】 |
再生可能エネルギーの出力制御抑制に向け、効率的運用のシステムを構築 |
再生可能エネルギーの大量導入に向けた次世代型ネットワーク構築加速化事業【10億円→27億円】 |
長距離海底直送送電の整備に向けた調査を行い、国内電力系統の円滑な整備を図る |
先進的CCS支援等事業【204億円】 |
CCS事業の支援を通じて、多様なCCS事業モデルの確立等を目指す |
希少金属備蓄拡充事業(JOGMEC 運営費交付金)【110 億円】 |
産業活動に重要なレアメタルの安定供給を確保するため、国家貯蓄を行う |
国立研究開発法人等の施設・設備等機能強化事業【174 億円】 |
イノベーションの基盤を担う研究所施設の高度化・機能強化を行う |
資源自律経済確立に向けた産官学連携加速化事業【15 億円】 |
自律型資源循環システムの構築に向けた調査及び実証等を支援 |
脱炭素化に向けた次世代航空機実用化開発調査事業【5.0 億円】 |
航空機産業における脱炭素化に向け、次世代航空機の構造設計や性能評価を実施 |
対内直接投資促進及び中堅・中小企業海外展開支援事業【53 億円】 |
対内直接投資の支援に向けて、ビジネス環境の改善等を支援 |
ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業等【4,850億円→6,778億円】
ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業等は、ポスト5Gに対応した情報通信システムの中核となる技術を開発することで、国内のポスト5G情報通信システムの開発・製造基盤強化及びデジタル社会と脱炭素化の両立の実現を目指す事業です。
具体的には、(1)ポスト5G情報通信システムの開発、(2)先端半導体設計・製造技術の開発の2軸から、先端半導体の製造技術の開発、人材育成に取り組む事業となっています。
経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靱化支援【9,582億円→9,147億円】
経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靱化支援は、国民生活・経済活動に甚大な影響を及ぼす重要な物資に関し、安定供給確保を図る事業です。具体的には、半導体のサプライチェーンを構成する製造装置・部素材・原料の製造能力の強化等を行う取組に対し、必要な支援を行います。
(2) 「くらし」や「産業」におけるGXの加速
「くらし」や「産業」におけるGXの加速を目的とした事業は下記の通りです。
【くらしGX】
名称 |
内容 |
高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金【300億円→580億円】 |
高効率給湯器の導入を支援 |
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金【700億円→1,291億円】 |
電気・燃料自動車の需要創出、車両価格の低減を促進 |
【産業GX】
名称 |
内容 |
経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靱化支援【9,582億円→9,147億円】 |
重要物資の安定供給確保を図るための取組を支援 |
ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業等【4,850億円→6,778億円】 |
次世代半導体の技術開発、生成AI基盤モデル開発等を支援 |
省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金 【1,625億円→2,025億円】 |
先進的な省エネ設備・機器の導入支援を通じて、特に中小企業の潜在的な投資需要を掘り起こす |
(3) イノベーションを牽引するスタートアップ等の支援
名称 |
内容 |
宇宙戦略基金の創設【1,260億円】 |
JAXAに新たな基金を創設し、民間企業等の開発・実証等への支援を強化 |
起業家等の海外派遣・シリコンバレー拠点形成事業【76億円→62億円】 |
ネットワークの構築を通じて、人材育成・事業の海外展開を支援 |
PHR社会実装加速化事業【24 億円】 |
Personal Health Record(PHR)関連産業の市場成長を加速化 |
ヘルスケア分野におけるスタートアップ・エコシステム強化事業【23 億円】 |
ヘルスケア領域の国内投資を進め、医療・介護の課題解決に向けた取組を促進 |
事業会社の有する革新的な技術等のカーブアウト加速等支援事業【10億円】 |
事業会社を経由したスタートアップ・エコシステムの裾野拡大を図る |
地方や分野別スタートアップの創出強化【17億円】 |
地方でヘルスケアやweb3.0の分野における人材育成、ルール整備等を実施 |
グローバルサウス未来志向型共創等事業【1,400億円】 |
知見共有を含め、グローバルサウス諸国との経済連携を強化 |
4. 人口減少を乗り越え、変化を力にする社会改革を起動・推進する
4. 人口減少を乗り越え、変化を力にする社会改革を起動・推進する
第4項「人口減少を乗り越え、変化を力にする社会改革を起動・推進する」は、自動化・効率化が進んだ社会の実現に向けた4つの事業で構成されています。
第4項に含まれる事業
名称 |
内容 |
自動運転等の先行実装のためのデジタルライフライン整備事業等【132億円】 |
自動運転やドローンの社会実装に向けてデジタルライフラインを整備 |
モビリティDX促進のための無人自動運転開発・実証支援事業【27億円】 |
将来的な輸送力不足への対応として、自動運転車輛の開発・社会実装の促進 |
工業用水道事業費【15億円→16 億円】 |
工業用水の安定確保に向けた工事・設備導入を補助 |
産業サイバーセキュリティ対策の強化に向けた環境整備事業【5.1 億円】 |
産業界全体のサイバーセキュリティ対策を強化 |
5. 国土強靭化、防災・減災など国民の安全・安心を確保する
5. 国土強靭化、防災・減災など国民の安全・安心を確保する
第5の柱「国土強靭化、防災・減災など国民の安全・安心を確保する」は
(1) 自然災害からの復旧・復興の加速 (2) 防災・減災、国土強靭化の推進 (3) 国民の安全・安心の確保 (4) 外交・安全保障環境の変化への対応
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で構成され、予算総額は730億円となっています。それぞれの詳細について解説します。
(1) 自然災害からの復旧・復興の加速
名称 |
内容 |
なりわい再建支援事業等による被災地域の復興支援【64億円→45 億円】 |
被災地域の速やかな復興の実現を目指す |
なりわい再建支援事業等による被災地域の復興支援【64億円→45 億円】
なりわい再建支援事業等による被災地域の復興支援は、令和元年台風第 19 号等や令和2年7月豪雨、令和3年・令和4年福島県沖地震により被害を受けた中小企業等が行う施設復旧等の支援等を通じて、被災地域の速やかな復興の実現を目指す事業です。
各都道府県からの認定を受けた中小企業が、自らの施設等の復旧に要する費用について交付を受けることが出来ます。
(2) 防災・減災、国土強靭化の推進
名称 |
内容 |
サービスステーション(SS)等の地域配送拠点における災害対応 能力強化事業 【180億円→90億円】 |
災害時に燃料供給の拠点となるサービスステーション(SS)等の災害対応能力を強化 |
災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業 【20億円→20億円】 |
社会的重要インフラにLPガス・石油製品の自衛的貯蓄を促し、災害対応能力を強化 |
災害時の強靱性向上に資する天然ガス利用設備導入支援事業【14億円→13億円】 |
避難施設等において、災害時にも対応可能な天然ガス利用設備の導入・更新を支援 |
休廃止鉱山鉱害防止等工事費補助事業【12億円→11億円】 |
災害時の鉱害を防止するために、レジリエンス強化に資する設備導入を行う |
工業用水道事業費【15億円→16億円】 |
工業用水道の強靭化、被災箇所の早期復旧を図る |
サービスステーション(SS)等の地域配送拠点における災害対応能力強化事業【180億円→90億円】
SS等の地域配送拠点における災害対応能力強化事業は、SSの供給継続に資する設備の導入や人材育成の支援を行い、SSの事業再構築・経営力強化を推し進める事業です。
(3) 国民の安全・安心の確保
名称 |
内容 |
廃炉・汚染水・処理水対策事業【149億円→175億円】 |
国が前面に立ち、廃炉・汚染水・処理水対策の取組を安全かつ着実に進める |
ALPS処理水関連の輸入規制強化を踏まえた水産業の特定国・地域依存を分散するための緊急支援事業【89億円】
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輸出減少が顕著な水産品目について、加工施設の整備等を進め、特定国・地域依存の脱却を図る
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(4) 外交・安全保障環境の変化への対応
名称 |
内容 |
ウクライナ復興支援事業【260億円】 |
ウクライナの復興支援、新たなビジネス機会の創出を図る |
LNG戦略実現のためのIEA当との共同事業等【8.5億円】 |
LNG市場の安定化、またLNG戦略の実現に向けた研修等を実施 |
まとめ
まとめ
本記事では経済産業省の令和5年度補正予算について概要や注目ポイントを紹介しました。
補正予算から、2024年(令和6年)も事業再構築補助金やものづくり補助金は引き続き実施されると考えられます。
補助金の公募要領がよく分からない、申請方法を知りたいという場合は、弊社をはじめとした「認定支援機関」にご相談いただくことをおすすめします。
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この記事の執筆者
村上 貴弘
東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。
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