補助金と交付金の違いは?

COLUMN お役立ちコラム

2023.11.21

その他の補助金

補助金と交付金の共通点と違いとは?補助金申請の流れや注意点を徹底解説!

「補助金と交付金って何が違うのかわからない」 「申請方法や受け取り方がわからない」 補助金や交付金について、お悩みを抱えている人も少なくないと思います。本記事では、補助金と交付金の共通点と違いについて、わかりやすく解説します。 また、補助金を受け取るまでの流れや注意点、今からでも申請可能なおすすめの補助金をご紹介します。

補助金とは

補助金とは

まずは、補助金の概要や交付される金額・適用範囲について解説します。

補助金の概要

補助金とは、経済産業省が管轄していることがほとんどで、他にも国や地方自治体による補助金も存在します。

補助金の主な目的は、中小企業の活性化であり、税金である補正予算を含む国の予算が使用されているのが特徴です。助成金についても、補助金と同じ意味で使われるケースがあります。

補助金の金額・適用範囲

新事業や研究開発を対象に、交付される補助金が多いのが特徴です。交付される金額は、数十万円から数百万円が一般的で、なかには数億円といったケースもあります。

補助金は、人件費や外注費など、諸経費の適用範囲が広いのも特徴の1つです。

交付金とは

交付金とは

ここからは、交付金の概要や交付される金額・適用範囲について解説します。

交付金の概要

交付金は、地方自治体からプロジェクトを民間企業グループに委託するケースが多いのが特徴です。基本的には、地域経済への貢献度が高い分野が大部分を占めており、自社事業に活用できる交付金はほとんどありません。

交付金の金額・適用範囲

交付金で交付される金額は、数十万円~数億円と幅広くなっています。また、補助率が補助金の場合は2分の1や3分の1などの設定が多いのに対して、交付金は全額支給が一般的です。

企業や公益団体がグループを形成して補助対象となり、事業全体に交付されます。

補助金と交付金の共通点は「返済不要」

補助金と交付金の共通点は「返済不要」

補助金と交付金は、どちらも返済義務のないお金です。

補助金の場合、あくまで事業の推進を補助することを目的としており、返済の義務はありません。交付金の場合、特定の目的で支給されるため、返済の義務はありませんが、使途や成果などの報告義務があります

補助金と交付金の違いとは

補助金と交付金の違いとは

補助金と交付金は、返済が不要という共通点がありますが、いくつかの違いがあります。ここでは、補助金と交付金の違いについて解説します。

サポート目的が異なる

補助金は、主に民間企業の活性化を目的としたものであり、事業に対し資金面でサポートします。一方、交付金は、主に地方自治体のまちづくりや地域活性化、地方創生、防災、復興など地域経済への貢献性が高い分野へのサポートがメインになっています。

審査の有無

補助金は、申請後に全ての企業が必ず受け取れるお金ではなく、審査が必要になります。一方、交付金の場合は、申請は必要ですが、申請後の審査はありません。

募集期間が異なる

補助金と交付金では、募集期間が大きく異なります。補助金は、半年程度の短期間での募集となっており、時期を逃して申請できないケースもあります。一方、交付金の場合は、複数年にわたって募集されているケースが多く存在します。 

補助率が異なる

補助金の補助率は、一般的に2分の1や3分の1などの設定が多いのが特徴です。一方、交付金の場合は、全額支給となっています。
また、補助金は特定の支出に限定されていますが、交付金は事業全体に交付されます。

補助金は後払い

補助金は、経費の一部を支援する特徴から、原則として後払いとなっています。支払った諸経費について、根拠となる資料を提出し、事業実施の期間を経て検査を受け、問題がなければ補助金支給が確定します。

補助金を受け取るまでの流れ

補助金を受け取るまでの流れ

ここからは、実際に補助金を受け取るまでの流れを解説します。

1. 自社の目的に合った補助金の調査

まずは、補助金の基本概要から、自社の目的に合った補助金について調査しましょう。国や省庁、地方自治体のホームページや補助金情報をまとめたサイトなどを活用して、必要な補助金について事前に確認しておくことが重要です。

2. 補助金の申請

補助金の募集要項やフォームなど、補助金の申請に必要なものを集めます。申請書類や提出書類に不備があった場合、不採択につながるので注意が必要です。補助金の申請には、幅広い書類を用意する必要があるため、支援機関を利用するのもおすすめです。

3. 採択・補助金の交付決定

申請後に、採択されると通知結果が届きます。補助金の交付規定や交付申請も受け取り、期限内に事務局への書類の提出が必要です。提出後、書類に不備がなければ「交付決定通知書」が発行され、交付金の交付が決定します。

4. 計画に沿った事業の実施

計画に沿った事業を、実際に進行する段階です。実施状況のチェックも入ることを念頭において、対応していく必要があります。
また、交付決定済みの計画は変更できず、変更する場合は、計画変更申請による審査と承認が必要なため注意が必要です。
申請した補助金は、事業の実施後に交付されます。

5. 補助金の交付と受け取り

事業終了後、補助金の交付を受けるために報告書を作成します。実績報告に問題がなければ、「補助金額確定通知書」が発行されます。その後、請求書を事務局へ発行し、補助金を受け取るのが一連の流れです。

今からでも狙える注目の補助金

今からでも狙える注目の補助金

ここからは、今からでも申請が可能な補助金について解説します。

事業再構築補助金

事業再構築補助金とは、コロナ禍で大きく変化した経営環境に対する中堅企業の思い切った事業再構築の支援を目的とした補助金です。事業転換や業種転換、新市場進出、事業再編などが該当します。 

補助上限額の幅は、下限額は一律100万円となっており、上限額は従業員数によって異なるのが特徴です。申請には、認定経営革新等支援機関(国の認定を受けた中小企業診断士、金融機関等)と事業計画を策定することが必要になります。

補助上限額 500万円~1.5億円
補助率 3分の1から4分の3
対象となる経費 建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費、廃業費

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)に対応するための支援、革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスを改善するための設備投資などの支援を目的とした補助金です。 

主な対象は、中小企業や小規模事業者がほとんどで、基本要件を満たす3~5年の事業計画の作成が必要になります。

補助上限額 750万円~5,000万円
補助率 2分の1または3分の2
対象となる経費 技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費、海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者による、新たな市場に参入するための売り方の工夫や新たな顧客層の獲得のための商品の改良・開発などの支援を目的とした補助金です。

業務効率化(生産性向上)の取り組みも支援の対象となっており、補助金額は少額ですが、申請書類や要件の手軽さや補助対象経費が幅広いのが特徴です。

補助上限額 30万円~450万円
補助率 2分の1以内
対象となる経費 ITツール・ソフトウェア費など

補助金の注意点

補助金の注意点

ここでは、さまざまなメリットのある補助金の注意点について解説します。

提出書類の漏れに注意

各プロセスで複数の書類を提出する必要があり、漏れや不備がある場合、補助金交付が受けられない恐れがあります。採択時や実施時、報告時、請求時にも書類提出が求められますので、振込票の控えなどの支払証憑類の紛失には十分注意が必要です。

事業期間内の支出しか支給対象にならない

補助金には、事業期間が定められており、事業期間に支出した経費以外は、補助金の対象として認められません。また、設備投資などに着手できるのは、事業の実施期間が決まってからとなります。

補助金後払いなので資金繰りに注意

補助金は、原則として後払いとなっており、自社で費用を先に準備してから事業に取り組む必要があります。
申請から受給までに6~8ヶ月程度かかるのを目安に、融資などの資金計画を事前に立てておくことが重要です。

補助金採択を目指すなら支援機関を使うのもおすすめ

支援機関の活用もおすすめ

補助金を申請する場合は、認定支援機関を活用するのもおすすめです。

認定支援機関とは?

認定経営革新等支援機関(認定支援機関)とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にあるとして、国の認定を受けた機関を指します。具体的には、税理士法人やコンサルティング会社、金融機関などが挙げられ、中小企業の事業計画策定支援、販路拡大支援、財務状況の分析等を依頼することが出来ます。

事業再構築補助金では、申請要件として「認定支援機関と事業計画を策定すること」が定められるなど、補助金申請と認定支援機関は強く結びついています。

プランベースは経営革新等支援機関

補助金採択を目指す際の支援機関として、「プランベース」が挙げられます。

プランベースは、さまざまな業界での支援実績を持つ経営革新等支援機関であり、補助金申請に特化したコンサルティング会社です。事業再構築補助金やものづくり補助金などの補助金申請において、高い採択率を誇っています。

まとめ

まとめ

補助金と交付金は、返済不要であるという共通点があるものの、交付の対象等に相違点があります。交付金は自社事業に活用可能なものも少なく、自社事業の成長を目的とする場合は補助金の活用がおすすめです。

補助金に関する相談は、経済産業省認定支援機関である「プランベース」にお任せください。「プランベース」では、補助金申請から事業再構築の伴走支援まで、トータルサポートを提供しています。

▼補助金の申請に関するお問い合わせはこちら
https://planbase.co.jp/contact/

この記事の執筆者

村上 貴弘

村上 貴弘

東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。