農業事業者におすすめの補助金

COLUMN お役立ちコラム

2023.08.18

その他の補助金

農業事業者は補助金を活用できる?おすすめの補助金や助成金を計7つ紹介!

はじめに

農業に関する補助金や助成金はさまざまあります。種類が多いため、よく分からないと感じている人もいるでしょう。しかし、補助金や助成金を適切に選択できれば、新しく農業を営む場合や規模を拡大する場合に役立ちます。

この記事では、農業に関わる補助金や助成金などを紹介します。また、農業に特化しているわけではないものの、農業も対象に含まれている補助金や助成金にも触れるため、ぜひ参考にしてください。

農業の補助金・助成金とは?

農業の補助金・助成金とは?

農業に関係する補助金や助成金は、農業に関わる人材育成や設備導入を補助するために国や地方自治体が給付しています。高齢化、人材不足、食料自給率の低下といった農業の課題解決も、補助金や助成金を給付する目的に含まれています。

因みに補助金は、申請して審査に合格すると交付される仕組みです。審査に落ちた場合は受給できません。一方、助成金や交付金は基本的に審査がなく、申請すればほぼ受給できます。いずれにせよ条件を満たして申請をする必要があるため、事前に補助率や限度額なども確認したうえで手続きを進めましょう。

農業を開始する人が受給できる補助金・助成金は?

農業を開始する人が受給できる補助金・助成金は?

農業を開始する際は、どのような補助金や助成金を受け取れるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

就農準備資金

就農準備資金とは、新しく農業を始める人の研修や就農後の生活をサポートする目的で給付されている助成金です。国が100%支援しています。毎月12万5,000円の受け取りが可能で、受給できる期間は最長で2年間です。対象は、研修期間中の研修生となっています。ただし、就農時の年齢や世帯所得などについても一定の要件を満たしている必要があります。
※参考:就農準備資金・経営開始資金(農業次世代人材投資資金)

経営開始資金

経営開始資金とは、農業の開始後、経営が安定するまで事業をサポートするための助成金です。就農準備資金と同様、国が100%支援しています。毎月12万5,000円が助成され、最長で3年間受給できます。対象は、認定新規就農者です。経営開始資金についても、就農時の年齢や世帯所得などの要件が定められています。
※参考:就農準備資金・経営開始資金(農業次世代人材投資資金)

経営発展支援事業

経営発展支援事業は、就農後、農業の経営を発展させるための融資を無利子で受けられる制度です。また、国と地方自治体に返済資金の一部を肩代わりしてもらえます。対象は、認定新規就農者です。融資の上限額は1,000万円ですが、経営開始資金も受給している場合の上限額は500万円となっています。返済の割合は、国が1/2、都道府県が1/4、本人が1/4です。償還のスケジュールは10年均等となります。
※参考:経営発展支援事業

農業事業者におすすめの補助金や助成金

農業事業者におすすめの補助金や助成金

1. 強い農業・担い手づくり総合支援交付金

第一に、強い農業・担い手づくり総合支援交付金について解説します。この交付金は、2つのタイプに分けられます・
参考:強い農業・担い手づくり総合支援交付金

先進的農業経営確立支援タイプ

1つ目の「先進的農業経営確立支援タイプ」は、事業の規模拡大により、農業を経営している組織と地域の両方の発展を目指す事業を支援する事業です。「融資主体型補助事業」という名称で、補助率は3/10までです。また、補助金として給付される金額の上限は、個人は1,000万円、法人は1,500万円であり、補助対象は農地プランの中心経営体や農地中間管理機構から賃借権が設定されている人です。

地域に担い手育成支援タイプ

2つ目の「地域担い手育成支援タイプ」は、地域の農業を担う人を支援する事業です。さらに、融資主体型と条件不利地域型に分かれています。補助率は、融資主体型は3/10まで、条件不利地域型は1/2までです。融資主体型で給付される金額の上限は、300万円とされています。融資主体型の対象は、先進的農業経営確立支援タイプと同様です。条件不利地域型の対象は、小規模・零細な地域で意欲のある経営体となっています。

2. 農地工作条件改善事業

次に、農地工作条件改善事業について解説します。この事業は6つの型に分けられます。
※参考:農地工作条件改善事業

地域内農地集積型

地域内農地集積型は、耕作条件の改善を支援するための事業です。農地中間管理機構の重点実施区域が対象となっています。また要件は、事業費が200万円以上、事業者が2戸以上であることです。

高収益作物転換型

高収益作物転換型は、高収益作物へ転換するための計画の策定から営農の定着までを支援する事業です。具体的な補助の内容は、事業やプランによって異なります。要件は、地域内農地集積型と同様です。

スマート農業導入推進型

スマート農業導入推進型は、スマート農業の導入を支援する事業です。農地中間管理機構の重点実施区域にあり、スマート農業に適した基盤がすでに整備されているか、これから整備される見込みがある農地が対象です。補助の内容は、事業やプランによります。

病原虫対策型

病害虫対策型は、病害虫の発生を防ぐための土層改良や排水対策などを支援する事業です。対象となるのは、病害虫の警報、注意報、特殊報が発表されている区域のみとなっています。具体的な補助の内容は、事業やプランによって異なります。

水田貯留機能向上型

水田貯留機能向上型は、「田んぼダム」を実施するための基盤の整備を支援する事業です。対象は、流域治水プロジェクトや治水協定等防災に関する取り組みが策定されている地域です。補助の内容は、事業やプランによって判断されます。

土地利用調整型

土地利用調整型は、持続的で計画的な農地利用の実現を支援する事業です。農地中間管理機構の重点実施区域が対象となっており、補助の内容は事業やプランによって変化します。

3. 産地生産基盤パワーアップ事業

産地生産基盤パワーアップ事業は、高性能な機械や施設の導入を支援する事業です。この事業は、新市場獲得対策、収益性向上対策、生産基盤強化対策の3つに分かれています。以下でそれぞれについて解説します。
※参考:産地生産基盤パワーアップ事業

新市場獲得対策

新市場獲得対策は、産地ごとに生産出荷体制を強化したり、園芸作物を導入したりする取り組みを支援する事業です。対象は、協働事業計画の拠点事業者などとなっています。推進事業の補助の上限は5,000万円までで、補助率は1/2以内です。一方、整備事業の補助の上限は20億円で、補助率は1/2以内です。

収益性向上対策

収益性向上対策は、計画を実現するために必要な農業機械や集出荷設備の導入を支援する事業です。補助率は、原則として1/2以内となっています。要件は、成果目標を定めて面積要件を満たすことです。

生産性基板強化対策

生産基盤強化対策は、農業の基盤の引き継ぎを支援する事業です。次世代への引き継ぎをスムーズに行えるよう、資金を給付しています。整備事業の補助率は1/2です。一方、基金事業は定額が補助されます。

4. 荒廃農地等利活用促進交付金

荒廃農地等利活用促進交付金は、荒廃した農地で農業を営む人や、荒廃農地の再生事業に取り組む組織を支援する事業です。人・農地プランの中心経営体に位置付けられている人や組織が対象となります。給付を受けるための要件は、遊休農地に該当し、総事業費が1件あたり200万円未満であることです。また、実際に給付される金額は事業内容によって異なります。
※参考:農林水産省|荒廃農地等利活用促進交付金

人材を確保したい方向けの補助金・助成金

人材を確保したい方向けの補助金・助成金

人材を確保したい場合、さまざまな補助金や助成金を活用できる可能性があります。農業の人材確保に活用できる補助金・助成金の例をあげると、以下のとおりです。

・中小企業向け所得拡大促進税制
・トライアル雇用助成金
・中途採用等支援助成金
・人材確保等支援助成金
・業務改善助成金
・働き方改革推進支援助成金
・キャリアアップ助成金

いずれも農業に特化した制度ではないものの、条件を満たせば農業の人材確保のために利用できます。それぞれ対象や上限額などに違いがあるため、よく確認したうえで申請しましょう。

農業に関連するその他の補助金・助成金

農業に関連するその他の補助金・助成金

ここまで紹介してきた補助金・助成金以外にも、農業に利用できる制度があります。例えば、以下の補助金・助成金があげられます。

・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
・IT導入補助金
・地域雇用開発助成金
・小規模事業者持続化補助金

これらも農業に特化した制度ではありませんが、条件を満たせば受給できる可能性があるでしょう。補助金や助成金を有効活用すれば、キャッシュフローを改善しやすくなります。農業経営を安定させるために、農業で利用できる補助金や助成金に関する情報を積極的に集めることが大切です。

また、次の記事では農業事業者に向けてものづくり補助金を解説しています。参考にしてみてください。

▼ものづくり補助金は農業で活用できる?
https://planbase.co.jp/column/213/

まとめ

まとめ

農業に利用できる補助金や助成金は種類が豊富です。条件を満たせる制度があれば、積極的に活用を検討しましょう。農業に特化していない補助金や助成金なども対象になる可能性があるため、幅広く情報収集すべきです。

補助金は種類が多くて分かりにくいうえに、手続きも煩雑です。迷っている場合は、プロに相談しましょう。株式会社プランベースは、中小企業の補助金の申請を全面的にサポートしています。経済産業省認定支援機関であり、採択件数は全国でトップクラスを誇ります。農業に活用できる補助金について申請をサポートできるため、ぜひご相談ください。

▼事業再構築補助金の無料相談はこちら
https://planbase.co.jp/lp/saikouchiku/

この記事の執筆者
村上貴弘

村上 貴弘

東京大学経済学部卒。行政書士。在学中からフリーランスのコンサルタントとして中小企業、士業事務所の補助金獲得のコンサルティングを行なう。2019年株式会社meditips(現:株式会社プランベース)創業。2020年同社取締役就任。2021年meditips行政書士事務所開業。現在はベンチャー企業や飲食店、製造業、建設業など幅広い企業の経営戦略立案や補助金申請支援を行なっている。

この記事の執筆者

村上 貴弘

村上 貴弘

東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。