ものづくり補助金の採択を目指すには

COLUMN お役立ちコラム

2023.08.16

ものづくり補助金

【2024年】ものづくり補助金の採択を目指すには

はじめに

ものづくり補助金は、申請した全ての中小企業が採択されるわけではなく、約半数の企業が不採択となってしまいます。そのため、補助金の申請にあたり、書類作成で工夫したり、自社のビジョンを正確に伝えたりする必要があります。

ものづくり補助金のおさらい

ものづくり補助金のおさらい

ものづくり補助金の採択率をあげるためには、概要を理解することが大切です。ここでは、概要や補助金額や補助率などを解説します。

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金は、中小企業の経営革新や新商品開発などに必要な設備投資を支援する補助金です。正式名称が「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」であり、ものづくり以外にも、新しいサービスや生産性の向上などでも申請可能です。補助金額は最大3,000万、補助率は最大2/3と、非常に規模が大きな補助金です。

最新2024年(令和6年)のものづくり補助金については次の記事で詳しく解説しています。
▼2024年(令和6年)ものづくり補助金の最新情報まとめ
https://planbase.co.jp/column/264/

ものづくり補助金の補助率と補助上限

ものづくり補助金には、申請枠に応じて補助金額の上限や補助率が定められています。それぞれの最大値は、グリーン枠のアドバンスで補助金額4,000万円、通常枠・グローバル市場開拓枠を除く全ての枠で補助率2/3となっています。 

ものづくり補助金の詳細については次の記事で丁寧に解説しています。
▼ものづくり補助金について
https://planbase.co.jp/lp/monodukuri/

補助金額は?

補助金額は?

ものづくり補助金には、「通常枠」,「回復型賃上げ・雇用拡大枠」,「デジタル枠」,「グリーン枠」,「グローバル市場開拓枠」の5つの申請枠があり、補助金額や補助率は従業員数や企業規模で異なります。ここでは、それぞれの枠の特徴と補助額や補助率を解説します。

通常枠

通常枠はものづくり補助金の中で最も申請件数が多い枠です。革新的なサービスや製品の開発に必要な設備投資やシステム投資を行う企業が対象になります。

【従業員数別の補助額と補助率】

従業員数 補助額 補助率
5人以下 100万円~750万円 1/2:小規模企業者・小規模事業者
2/3:再生事業者
6人~20人 100万円~1,000万円
21人以上 100万円~1,250万円

回復型賃上げ・雇用拡大枠

回復型賃上げ・雇用拡大枠は、現在の業績が芳しくなく、賃上げや雇用の拡大を目指すを対象とした申請枠です。従業員数によって補助額は異なりますが、補助率は一律2/3となっています。

【従業員数別の補助額と補助率】

従業員数 補助額 補助率
5人以下 100万円~750万円 2/3
6人~20人 100万円~1,000万円
21人以上 100万円~1,250万円

デジタル枠

デジタル枠は、DX(デジタルトランスフォーメーション)に資することが条件となっているものづくり補助金の枠です。DXとは、企業がデジタル技術を用いて、新たなビジネスの創出や業務フローを改善することを指します。この申請枠は、企業がDXを用いて生産性の向上やサービスの提供方法に必要な設備・システムの導入を支援する際に使うことができます。補助金の上限や補助率は以下の通りです。

【従業員数別の補助額と補助率】

従業員数 補助額 補助率
5人以下 100万円~750万円 2/3
6人~20人 100万円~1,000万円
21人以上 100万円~1,250万円

グリーン枠

グリーン枠は、脱炭素など環境に配慮した生産プロセスの変更やサービスの提供に向けた投資を行う場合に活用可能な申請枠です。グリーン枠のエントリー類型の補助額や補助率は下記のようになります。

【従業員数別の補助額と補助率】

従業員数 補助額 補助率
5人以下 100万円~750万円 2/3
6人~20人 100万円~1,000万円
21人以上 100万円~1,250万円

グリーン枠には、金額が2,000万円までの「スタンダード類型」や4,000万円までの「アドバンス類型」があるため、自社が目指す方向性と適合した類型を申請してください。

グローバル市場開拓枠

かねてより、一般型と分けてグローバル展開型とされていたものが、14次締切分から「グローバル市場開拓枠」となりました。グローバル市場開拓枠は、海外事業の拡大や強化を目的としている企業や、海外事業向けの革新的な製品・サービス開発に取り組んでいる企業を支援するものです。対象は「海外直接投資」「海外市場開拓」「インバウンド市場開拓」「海外事業者との共同事業」の4つに限定されています。補助金額は100万円~3,000万円であり、補助率は、小規模企業者が1/2、小規模事業者は2/3です。

補助金採択率の推移は?

補助金採択率の推移は?

ここで、ものづくり補助金の採択率について紹介します。見て頂ければ分かるように、一般型では採択率が5~6割で推移しています。直近第14回の採択率は約51%と、ここ数回の公募と比較して低い採択率となりました。

【ものづくり補助金の採択率の推移】

締切回 応募数 採択率(約)
1次 2,287 62.5%
2次 5,721 57.1%
3次 6,923 38.1%
4次 一般型 10,041 31.2%
グローバル展開型 271 17.0%
5次 一般型 5,139 44.6%
グローバル展開型 160 28.8%
6次 一般型 4,875 47.7%
グローバル展開型 105 34.3%
7次 一般型 5,414 50.4%
グローバル展開型 93 41.9%
8次 一般型 4,584 60.0%
グローバル展開型 69 39.1%
9次 一般型 3,552 62.6%
グローバル展開型 61 39.3%
10次 一般型 4,224 61.2%
グローバル展開型 70 40.0%
11次 一般型 4,688 59.4%
グローバル展開型 76 40.8%
12次 一般型 3,200 58.9%
グローバル展開型 56 39.3%
13次 一般型 3,261 58.4%
グローバル展開型 61 39.3%
14次 一般型  4,865 50.7%

※前述しましたが、グローバル展開化型は、14次よりグローバル市場開拓枠へと変わっています。一般型の申請件数は、1万件を超えることもありましたが、8次からは3,000~4,000件程度にとどまっています。採択率は、30%程度~60%程度と幅はありますが、7次移行50%~60%程度で推移しています。

採択後の流れは?

採択後の流れは?

ものづくり補助金は、採択されたあとが重要です。ここでは、採択後の流れについて解説します。

補助事業を実施

ものづくり補助金の採択後は、事業計画に沿って、速やかに補助事業を開始しましょう。補助金は事業の実施報告後に交付されるため、多額の設備投資で資金が不足する可能性があれば、つなぎ融資の検討も必要です。事業計画や資金計画を立てる段階で取引先の金融機関に打診を行い、融資して貰える上限を確認しておくことをおすすめします。

事業の実施報告

補助事業の実施後は、事務局へ実施した事業内容を報告する義務があります。正確に、できるだけ早く報告することが大事です。実施報告の際には、実際に設備投資したことを証明するために、請求書や領収書の提出が求められます。あらかじめ準備しておけば、慌てることなく提出できますが、書類を紛失しないように注意しましょう。 採択後、実績報告の進め方については関しては次の記事を参考にしてください。

▼ものづくり補助金の実績報告について
https://planbase.co.jp/column/218/

補助金が交付される

実施報告は、事務局で精査されます。実施報告に問題がなければ、補助金が交付されます。つなぎ融資を利用している場合は、速やかに返済しましょう。

採択率を上げるポイントは?

採択率を上げるポイントは?

ものづくり補助金の採択率を上げるためにはポイントがあります。ここでは、3つのポイントについて解説します。

1. 補助事業と自社の強みを関連づける

ものづくり補助金の審査で重要なポイントは、事業計画です。事業計画が採択を左右するといっても過言ではありません。自社の事業・自社の強みと事業計画が、ものづくり補助金を利用する補助事業と関連づいていることが大事です。自社の事業の課題を明確にし、「補助事業とどのように関連しているのか」具体的に事業計画に記載しましょう。

2. 革新性を打ち出す

事業計画では、補助企業の革新性を打ち出すことも重要なポイントです。新製品や新サービスがどのように革新的であり、自社の事業に役立つかを明確に記載します。革新性は、採択率にかかわる審査基準であるため、どのような効果が期待できるかを丁寧に伝えなければなりません。効果を定量的に表すことも大事です。

3. 市場分析や競合分析

補助事業が参入する市場の分析、競合他社の分析を行うことも重要です。市場の分析では、参入する業界の市場規模や事業の期待効果等を定量的に算出しましょう。数値で示すことで説得力が高まります。競合他社の分析では、他社と比較した自社の優位性を訴求するようにしましょう。市場及び競合分析を行うことで、補助事業の採択率は高まります。

採択率を上げるなら

採択率を上げるなら

ものづくり補助金の確実性の高い採択を目指すのであれば、補助金申請支援サービスや補助金申請代行などの利用も検討しましょう。外部の専門家に依頼することで、より質の高い事業計画の策定、事業計画書の作成が可能になります。また代行先を選定するにあたり、過去の採択率や費用を参考にしましょう。

まとめ

まとめ

本記事では、ものづくり補助金の採択に向けたポイントを紹介しました。ものづくり補助金は申請すれば必ず採択される訳ではなく、採択されるためには質の高い事業計画書の提出が必要なため、外部支援機関にサポートを依頼することも有効です。

▼2024年(令和6年)ものづくり補助金の最新情報まとめ
https://planbase.co.jp/column/264/

株式会社プランベースは、補助金の申請手続きを支援している会社です。経済産業省から認定を受けた認定支援機関であり、採択率は全国トップクラスです。無料で相談を受け付けておりますので、ものづくり補助金の申請を検討している事業者はぜひお気軽にご相談ください。

▼お問い合わせはこちら
https://planbase.co.jp/lp/saikouchiku/

この記事の執筆者

村上 貴弘

村上 貴弘

東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。