事業再構築補助金「労働者名簿」の作成方法・ポイントを解説!!

COLUMN お役立ちコラム

2025.11.21

事業再構築補助金

事業再構築補助金「労働者名簿」の作成方法・ポイントを解説!!

労働者名簿は事業再構築補助金の申請に必要な書類のうち、多くの不備が見られる書類の1つです。不備があると申請が通らない原因となるため、労働者名簿は正確に作成することが重要です。そこで本記事では、事業再構築補助金の活用を検討している事業者向けに、労働者名簿の概要や必要なタイミング、労働者名簿の記載項目、記載の対象となる従業員、作成のポイントなどを解説します。

事業再構築補助金は終了、新たに『新事業進出補助金』が開始!

事業再構築補助金は、2025年の3月の第13回公募をもって公募が終了しました。

その後継制度として、 2025年4月より「新事業進出補助金」 が新たにスタートしました。

新事業進出補助金とは

新事業進出補助金は、企業の成長促進・生産性向上・賃上げの実現を後押しするため、中小企業が新事業に挑戦し、新しい市場への進出するための支援制度です。

例えば、
・これまで扱っていなかった製品分野への進出
・新たな顧客層・業界への展開

などの取り組みに対し、設備投資や販路開拓の費用を補助します。

新事業進出補助金と事業再構築補助金の違い

新事業進出補助金は、事業再構築補助金の後継として始まった補助金ですが、両者には様々な違いがあります。

以下に、簡単に違いをまとめました。

  新事業進出補助金 事業再構築補助金・成長分野進出枠(通常類型)
補助対象者 企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等 ポストコロナに対応した、成長分野への大胆な事業再構築にこれから取り組んだり、国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の中小企業・中堅企業等
補助上限額 9,000万円 7,000万円
補助率 1/2 中小企業等:1/2(2/3)
中堅企業等:1/3(1/2)
基本要件 (1)新事業進出要件
(2)付加価値額要件
(3)賃上げ要件
(4)事業場内最賃水準要件
(5)ワークライフバランス要件
(6)金融機関要件
(1)事業再構築要件
(2)金融機関要件
(3)付加価値額要件
(4)給与総額増加要件かつ市場拡大要件または市場縮小要件
補助事業期間 交付決定日から14ヶ月以内 交付決定日から12 か月以内
補助対象経費 機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、広告宣伝・販売促進費 建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門 家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、 広告宣伝・販売促進費、研修費、廃業費

事業再構築補助金の採択者は新事業進出補助金を申請できる?

新事業進出補助金では、次のいずれかに該当する事業者は補助対象外となります。

・申請締切日を起点として過去16か月以内に、事業再構築補助金の補助金交付候補者として採択された事業者(採択辞退者を除く)
・申請締切日時点で、事業再構築補助金の交付決定を受けて補助事業を実施中の事業者

ただし、上記に該当しない場合は、事業再構築補助金に採択された実績があっても、新事業進出補助金の要件を満たすことで申請が可能です。

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労働者名簿とは?

労働者名簿は、事業所に所属する労働者の情報を記載したものです。

事業再構築補助金の申請に必要となる書類で、1人でも従業員がいれば作成しなくてはなりません。

事業再構築補助金の申請では、提出された労働者名簿に記載された従業員の人数によって、補助金の上限金額が決まります。
労働者名簿は、事業再構築補助金の申請提出後に、不備が指摘されることの多い書類です。
再提出のためには手間や時間がかかるため、余計な事務作業を減らすためには労働者名簿を正確に作る必要があります。

労働者名簿が必要なタイミングは?

事業再構築補助金で労働者名簿が必要となるタイミングについて解説します。

申請時に提出が求められる

労働者名簿は、事業再構築補助金の申請を行う際、他の必要書類と同時に提出することが求められます。事業再構築補助金のための電子申請フォームでは、添付できるファイルの様式が決められているため、指定に沿って労働者名簿を作成することが必要です。また、書類のファイル名は一目で内容が分かるよう、「労働者名簿の写し(事業者名)」などとしておくと混乱を防げます。

全ての応募枠で提出が必要

事業再構築補助金には以下の通り複数の応募枠があり、いずれの枠の申請においても労働者名簿の提出が必要です。

2023年事業再構築補助金のまとめ

現在では事業再構築補助金を申請するなら全ての枠において提出が求められます。

労働者名簿のフォーマットは?

事業再構築補助金の労働者名簿のフォーマット(形式)や、参考となる書式例についてそれぞれ解説します。

フォーマットに決まりはない

労働者名簿には公式のフォーマットは用意されていません。
形式にも特には決められておらず、自身で一から作成することが必要です。作成の参考になる書式としては、事業再構築補助金事務局が「添付書類の例」を公表しています。添付書類の例については次項で詳述します。

事業再構築補助金の労働者名簿の参考

事業再構築補助金の公式ウェブサイトでは労働者名簿の例も紹介されています。事業再構築補助金の公式ホームページ内の、【よくある申請の不備について】内のリンク、「よくある電子申請の不備」を押すと、「事業再構築補助金 電子申請にあたってご注意いただくこと」のPDF資料が閲覧できます。

PDF資料内の27枚目、「11.労働者名簿として添付が必要な書類」のページには、下記のような労働者名簿の参考例が載っています。例を参考に名簿を作成すれば良いでしょう。

 

※参考:事業再構築補助金
※参考:「事業再構築補助金 電子申請にあたってご注意いただくこと」

名簿に記載が必要な項目は?

事業再構築補助金の労働者名簿に記載する項目に関して、法律で義務付けられた労働者名簿との違いや、事業再構築補助金の労働者名簿に記載する項目をそれぞれ解説します。

法律で義務付けられた労働者名簿との違い

労働基準法第107条では従業員1人につき1枚、労働者名簿を作成することが事業者に義務付けられています。一方、事業再構築補助金の申請で必要となる労働者名簿は、書類1枚に従業員全員の一覧をまとめるよう指定されています。労働基準法で義務付けられた労働者名簿と、事業再構築補助金で必要となる労働者名簿は様式が異なる為、作成の際は注意しましょう。

事業再構築補助金の労働者名簿に記載する項目

事業再構築補助金の労働者名簿に記載すべき項目は従業員の「氏名・生年月日・性別・年齢」となっており、全従業員の情報をまとめて記すことが指定されています。一方、労働基準法で義務付けられた労働者名簿では、「氏名・生年月日・性別・年齢」に加えて「住所や社内での履歴、業務内容」なども記載することが必要です。

事業再構築補助金の「添付書類の例」を見る限り、事業再構築補助金の申請の労働者名簿には「住所や社内での履歴、業務内容」などの記載の必要はありません。

労働者名簿に載せる必要がある従業員は?

労働者名簿に載せる必要がある従業員は正社員、パートやアルバイト、出向社員です。それぞれ解説します。

正社員

事業再構築補助金の労働者名簿に記載する必要があるのは、事業者と雇用関係を結んでいる労働者についてです。正社員の定義とは雇用期間を定めないで雇用主と労働契約を締結した労働者なので、労働者名簿に記載する必要があります。 事業再構築補助金の申請の際は労働者名簿に、事業場内の正社員全員について「氏名・生年月日・性別・年齢」を記載しておきましょう。

パートやアルバイト

事業再構築補助金の労働者名簿には、パート・アルバイトの従業員の情報も記載することが必要です。労働者名簿の記載対象は雇用形態に関係なく決められています。 非正規でも雇用関係にある従業員なら、全て記載することが求められます。ただし、「2か月以内の期間を定めて使用される者」に該当する場合は、記載してはならない点には注意が必要です。

出向社員

事業再構築補助金の労働者名簿には出向社員の情報も必要です。出向社員については雇用関係にある出向元の企業が、労働者名簿に記載する義務を負っています。一方、他社から来ている出向社員に関しては、雇用契約を結んでいるわけではないため、労働者名簿に記載しません。

労働者名簿に載せる必要がない従業員とは?

派遣労働者、日雇い労働者、役員や代表者は、労働者名簿に載せる必要がありません。それぞれ解説します。

派遣労働者

事業再構築補助金の労働者名簿には、派遣労働者の記載は必要ありません。派遣労働者と雇用関係にあるのは派遣会社です。自社で雇用関係を締結しているわけではない派遣労働者については、労働者名簿への記載が禁止されています。

日雇い労働者

事業再構築補助金の労働者名簿には、日雇い労働者の記載は必要ありません。労働基準法107条による労働者名簿についても、「日々雇入れられる者を除く」と記載されています。

アルバイトやパートなどは非正規雇用でも、一定期間の労働をすることが決まっているため労働者名簿の記載対象です。一方、日雇い労働者はスポット労働なので、一定期間の雇用が決まっているわけではなく、労働者名簿に記載しないようにしましょう。

役員や代表者

事業再構築補助金の労働者名簿には、役員・代表者の記載は必要ありません。役員や代表者は雇用されている従業員ではないため、労働基準法での労働者に該当しません。労働者名簿の記載対象は事業者と雇用関係にある者だけなので、役員・代表者に関しては載せないよう注意する必要があります。

ここまで説明したことをまとめたものが下表です。

労働者名簿に記載が必要 記載が不要
・正社員 ・パートやアルバイト ・出向社員 ・派遣労働者 ・日雇い労働者 ・役員や代表者

労働者名簿の作成ポイントは?

事業再構築補助金の労働者名簿を作成するポイントとして、表題・ファイル名、No.(ナンバー)の記載などについてそれぞれ解説します。

労働者名簿の表題・ファイル名に注意

労働者名簿については、書類の一番上に「労働者名簿」と表題を記載することが指定されています。「従業員名簿」や「社員名簿」など似ていても異なっている表題をつけてしまうと、指定から外れているため不備と見なされる可能性があります。書類のファイル名は「労働者名簿の写し(事業者名)」としておくとよいでしょう。

No.(ナンバー)の記載を忘れない

事業再構築補助金の申請の労働者名簿については、従業員の氏名欄の左にNo.(ナンバー)を記載することが指定されています。また、全従業員が一覧で分かる書類を作成することも求められます。従業員の人数が労働者名簿の記載と一致していることも重要です。

労働者名簿に関するよくある疑問は?

事業再構築補助金の労働者名簿に関する、よくある疑問について解説します。

個人事業主も労働者名簿の提出が必要?

個人事業主であっても事業再構築補助金の申請では労働者名簿の提出が必要です。そもそも個人事業主であっても、1人でも従業員を雇い入れている場合は労働者名簿の作成が義務づけられています。1人でも従業員を雇い入れている場合は労働者名簿の作成が義務づけられています。労働基準法によって事業所規模の大小に関係なく、労働者名簿は作成が必要な書類とされています。

労働者がいない場合は?

労働者がいない場合は労働者名簿を提出する必要はありません。労働者がいない場合は労働者名簿を提出する必要はありません。ただし、労働者名簿を添付していないと、添付を忘れたと提出先に誤解される可能性があるため、代わりに従業員がいない旨を記した書類を提出する必要があります。

従業員がいない旨を示す書類については、フォーマットは特に決められていないため、内容を簡潔に記載した書面をテキストソフトなどで作成するとよいでしょう。事業再構築補助金は労働者数によって上限が決められますが、従業員がいなくても給付の対象となります。

まとめ

事業再構築補助金では多くの書類をそろえて提出する必要があり、その1つが労働者名簿です。労働者名簿には記載すべき従業員・記載してはいけない従業員が決められており、表題や記載内容などが指定されています。労働者名簿に不備があると申請が通らない原因となるため、指定に沿って正確に作成することが重要です。

 

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この記事の執筆者

村上 貴弘

村上 貴弘

東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。