補助金の不正受給を防ぐために押さえておきたい重要ポイントを解説

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2025.11.19

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補助金の不正受給を防ぐために押さえておきたい重要ポイントを解説

事業再構築補助金やものづくり補助金等の補助金の活用を検討している中小企業の経営者様のうちで、知人や友人から知ったという方は多いのではないでしょうか。中には、知人や業者から補助金申請の話を持ち掛けられているという方もいらっしゃるかもしれません。 昨今、補助金の不正受給のニュースが多く、ご自身に持ち掛けられた話、あるいはご自身の申請方法が不正受給に当たらないか心配かと思います。 この記事では、意図せず不正受給に巻き込まれないようにするために気を付けるべき3つのことと、巻き込まれそうになった時の対処法について解説しています。

不正受給の具体的内容と罰則

この章では、事業再構築補助金とものづくり補助金に関して、どのようなことが不正受給に該当するのか、該当した場合の処罰について解説していきます。

不正受給は、犯罪行為であるため、意図せず該当するようなことが無いように、しっかり見ていきましょう。

補助事業者が守るべき法律

事業再構築補助金とものづくり補助金の両方において、公募要領の「補助事業者の義務」の章に必ず以下のような文が記載されております。

補助事業者が「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)」等に違反する行為等(例:他の用途への無断流用、虚偽報告など)をした場合には、補助金の交付取消・返還、不正の内容の公表等を行うことがあります。(事業再構築補助金 公募要領 第8回より引用)

上記のように、補助事業者が守るべき法律が「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」と呼ばれるものです。

この法律では、補助金申請に関して不正な目的で補助金を使用することも法律で取り締まられております。

不正受給の内容

事業再構築補助金の公募要領では、補助金の申請にあたって以下のような不正行為を禁止していおります。

・虚偽の申請による不正受給
・補助金の目的外利用
・補助金受給額を不当に釣り上げ、関係者へ報酬を配賦する

虚偽の申請

虚偽申請とは、給付要件を満たしていないにもかかわらず申請を行う行為を指します。
代表的な例としては次のようなケースがあります。

・従業員数を不当に増やして補助金の上限額を引き上げる
・売上減少要件を満たすため、実態よりも売上を低く申告する

いずれも「少しなら大丈夫だろう」と考えてしまいがちな行為ですが、れっきとした不正受給となります。

補助金の目的外利用

補助金は、申請時に示した事業計画の目的に沿って使用することが絶対条件です。
目的外利用の例としては、次のようなケースが挙げられます。

・特定の設備を購入する計画で申請したにもかかわらず、実際はより安価な別設備を購入した

補助金額が同じであっても、計画と異なる用途に使った場合は目的外利用となります。

補助金受給額を不当に釣り上げ、関係者へ報酬を配賦する

複数の関係者と共謀して補助金額を不当に増額し、その差額を分配する行為も重大な不正です。

・申請者と業者・取引先が協力し、虚偽の内容で補助金額をつり上げ、3者で利益を分け合う

といったケースが典型例として挙げられます。

不正受給に対する処罰

不正受給に対する処罰には、補助金の返還公表罰則があります。

補助金の返還は、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」によると、不正行為によって交付決定の取り消しがあった場合、期限日を設けて補助金の返還が命じられます。返還では、補助金に加えて受給した日から納付した日の日数に応じた加算金も納付する必要があります。また、期限日までに納付されなかった場合は、延滞金を納付する必要があります。

公表は、経済産業省のHPによると、不正受給と判断された場合の対応として、「申請者の屋号・雅号・氏名等を公表。事案によっては刑事告発。」とあります。(経済産業省「不正受給及び自主返還について(持続化給付金・家賃支援給付金・一時支援金・月次支援金)」

罰則は、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」によると、違反した行為によって多少異なるものの、「5年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはこれを併科する」とあるように、重い刑罰に当たります。

不正受給にならないために|気を付けるポイント

上記の事例は、誰が見ても明らかな不正行為だと理解できます。
しかし実際には、意図しないにもかかわらず不正受給と判断されてしまうケースも存在します。

・誤って申請した場合でも、中小企業庁の調査までに自主返納しなければ不正受給と判断されることがある
・専門業者を装い、不正受給を持ちかけてくる悪質な業者が存在する

こうしたリスクを避けるためには、申請時にミスが発生しやすいポイントや、不正受給を持ち掛ける業者の典型的な特徴をしっかり把握しておくことが重要です。

以下のポイントを読み進め、補助金を安全かつ効果的に活用してください。

申請時にミスが発生しやすいポイント

「申請時のミス」は、事前に注意点を理解しておくことで防止できるだけでなく、申請内容の質を向上させることにもつながります。
ここでは、ものづくり補助金と事業再構築補助金を例に、申請時のミスしやすいポイントを3つ説明します。

従業員数

事業再構築補助金・ものづくり補助金両方とも、従業員数によって補助金の上限や補助率が変わります。従業員数とは、常時使用する従業員の数であり、「予め解雇の予告を必要とする者」の数を指します。個別に判断されるものの、正社員・パート・アルバイト・派遣社員・契約社員等が含まれることが多いです。ここで注意が必要であることが、会社役員及び個人事業主は常時使用する従業員数に含めないということです。

更に、補助対象者の要件は、各補助金の募集開始日において満たしている必要があります。また、公募要領によると、対象者になるために、事業実施期間に従業員数の削減を行い、期間終了後増員を行う等のことは、申請時点にさかのぼって補助の対象外となることがあると記載されております。

ミスの防ぎ方としては、実際の申請時に従業員数が確認できる書類の提出が必要であるため、各補助金の募集開始日に要件を満たしていることを確認を兼ねて、従業員名簿を作成することが挙げられます。

また、ミスではないものの注意が必要なこととして、ものづくり補助金の「一般型」及び「グローバル展開型」において、小規模企業者・小規模事業者は、採択後交付決定までの間、または交付決定後に従業員数の増加によって小規模企業者・小規模事業者の定義から外れた場合、補助率が2/3から1/2に変更になります。

金額

提出書類や申請時には、数多く金額を記入する箇所があり、その際に記入ミスや確認ミス等によって、誤って記載してしまう可能性があります。具体的には、ものづくり補助金において、申請時のweb上で、直近3年分の売上高や経常利益を直接入力しなければいけない場面があり、ここでミスをすると誤ったまま申請が進んでしまう恐れがあります。

金額の記入ミスや確認ミスによる要件を満たしているかどうかの誤認は、補助金の上限額や補助率の違いに直結するため、細心の注意を要します。

ミスの防ぎ方としては、社内でダブルチェックをすることが挙げられます。一方で、個人事業主様をはじめ、他の従業員にダブルチェックをお願いするということが難しい場合もあると考えられますので、後述する認定支援機関等への申請代行の依頼が最も効果的な防ぎ方であると考えます。

申請要件

事業再構築補助金には、「通常枠」、「大規模賃金引上枠」、「回復・再生応援枠」、「最低賃金枠」、「グリーン成長枠」及び「原油価格・物価高騰等緊急対策枠」の6つの事業類型があります。

更に、それらの要件を満たしたうえで、行おうとしている事業が、事業再構築指針で挙げられている「新分野展開」、「事業転換」、「業種転換」、「業態転換」、「事業再編」のいずれかに当てはまっていなければなりません。そのため、事業再構築補助金では、2段階での要件の確認が必要であると言えます。

ものづくり補助金に関しては、「一般型」の、「通常枠」、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」、「デジタル枠」、「グリーン枠」の4類型と「グローバル展開型」の合計5類型があります。

上記に挙げた要件は、予定している事業で提供するサービスの種類や従業員数、企業規模によって異なるため、公募要領を熟読したうえで当てはまる要件で申請する必要があります。

要件に関しては、ご自身でできるミスの防ぎ方が、公募要領をよく読むということ以外ないため、繰り返しにはなりますが、後述する認定支援機関等への申請代行の依頼が最も効果的な防ぎ方であると考えます。

不正受給を持ち掛ける業者の特徴

申請者を不正受給に巻き込む、悪質な申請代行業者が存在します。
気付かないうちに不正に関与し、結果として事業者自身が罪に問われてしまうケースも実際に発生しています。

以下に、不正受給を持ち掛けるような悪質な業者の特徴をまとめました。

補助金の受給を「簡単にできる」と過度に強調する

本来複雑な申請業務を、誰でもすぐ受給できるかのように説明してくる。

料金が相場とかけ離れて高すぎる・安すぎる

高額請求で利益を狙ったり、安すぎる料金で手抜き対応を行う可能性がある。

公的機関を装うような名称で信用させようとする

公的機関を連想させる事業者名や団体名を使い、信頼性を偽装する。

受給要件について説明が曖昧

質問に対して明確な回答を避ける、要件を不明確にするなど、専門性に欠ける。

業者の資格・実績が確認できない

行政書士・中小企業診断士などの資格や実績を提示しない、または不透明。


上記のポイントに当てはまる業者は、不正受給に巻き込むリスクやサービス内容の不備による不採択リスクが高いため注意が必要です。

▼こちらの記事も参考にしてください

不正受給に関する相談先

この章では、不正受給に関して、相談すべき機関等について解説していきます。

不正受給の相談窓口

事業再構築補助金ものづくり補助金ともに、外部支援者とのトラブルや、補助金の不正利用や要件違反に関する告発に関する窓口を設けています。どちらも、公募要領の初めの方のページに記載されているため、ご自身でご確認の上、ご連絡することをおすすめ致します。

不正受給の告発に関して

不正受給だけに限られた話ではありませんが、告発を行った人は公益通報者保護法によって守られます。

公益通報者保護法とは、消費者庁のHPを要約すると、企業不祥事による被害拡大を防止する目的で通報する正当な行為は、解雇等の不利益な扱いから保護されるべきだとしてどこへどのような内容の通報を行えば保護されるかというルールを定めたものです。

そのため、不正受給を告発する場合はご自身を守るためにも、先述の窓口に相談し、手順にのっとって告発することが肝要であると思われます。

まとめ|不正受給を避けるために

補助金は企業の挑戦を後押しする有効な支援策ですが、申請方法を誤ると「不正受給」とみなされ、補助金の返還や罰則など大きなリスクを伴います。

不正を避けるためには、
1.申請内容(事業計画・経費・数値)を正確に把握すること
2.信頼できる支援機関・専門家を慎重に選ぶこと
3.少しでも不安を感じたら早めに公募要領や公式窓口に確認すること
この3点を意識することが大切です。

「うまい話」に安易に乗るのではなく、制度の目的とルールを理解し、正しい方法で補助金を活用することが、長く信頼される企業づくりにつながります。

 

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この記事の執筆者

村上 貴弘

村上 貴弘

東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。