本記事の趣旨
本記事では、事業再構築補助金で設けられている事前着手申請について解説致します。
本記事は事前着手申請にフォーカスした内容となりますので、ざっくりと事業再構築補助金についてお知りになりたい方は下記記事を参照ください。
2021.07.15
事業再構築補助金
本記事では、事業再構築補助金で設けられている事前着手申請について解説致します。
本記事は事前着手申請にフォーカスした内容となりますので、ざっくりと事業再構築補助金についてお知りになりたい方は下記記事を参照ください。
事業再構築補助金では、原則として交付決定前に事業を開始した場合、補助金の交付対象とはなりません。ここで言う事業の開始とは、具体的には申請する設備や費用の発注・納品等を指しますが、補助金の不正受給防止といった観点から、他の補助金でも「交付決定後に発注しなければならない」という制度になっているケースが多くなっています。
一方で事業再構築補助金は「コロナウイルスに対する支援」といった側面が強いことから、即効性が重要となる事業を支援すべく「事前着手申請制度」が設けられています。この制度は、指定の方法で事前着手申請を行い、承認を得ることで交付決定前に事業を開始した場合でも、遡って補助対象とすることができるという制度になっています。
下図は中小企業庁が公表している「事業再構築補助金の概要」から引用した図です。図のように、(1)通常の手続きの流れでは交付決定後から設備の購入等が可能となっている一方で、(2)事前着手を実施する場合では、交付決定に先立ち2月15日以降の設備の購入契約等が可能となっています。
次に、事前着手の申請方法について解説します。
まず、事前着手申請に必要な様式等は、事業再構築補助金のトップページからダウンロードすることが出来ます。
申請に必要な書類は事前着手承認申請書(Excel)のみであり、会社概要や申請者の連絡先等の基本情報と共に、4つの記入項目(それぞれ300字以内)が設けられています。
事前着手申請制度では、メールによる受付が行われており、交付決定日までに提出を行う必要があります。
(提出先)houkoku@jigyo-saikouchiku.info
公募要領には、「通常であれば、10日〜2週間程度で通知を目安に通知を行う」と記載されていますが、弊社のお客様では、10日未満で承認が下りるケースもしばしば確認されています。
ただ、交付決定直前は事務局も立て込んでしまう可能性もあるので、できるだけ前もって申請を行うことを推奨します。
事前着手申請制度は、事業をスピーディーに行いたい事業所にとって、非常にメリットの多い制度となっていますが、制度を活用する際には下記の2点にご注意いただく必要があります。
① 不採択のリスク
事前着手制度は、必ずしも採択結果を保証する者では無く、事前着手の承認を得たからといって採択されるとは限りません。この点、事前着手の承認を得た上で設備の発注などを行った際、最終的に補助金を受け取ることができない可能性があります。
② 承認が得られなかった場合のリスク
また無事に事業再構築補助金が採択となった場合でも、事前着手の承認が得られなかった場合は交付決定以前に発注した設備は補助対象外となります。
どうしてこのような制度になっているのかについては、あくまで事業再構築補助金が「補助金ありきの事業」に対して否定的であることが理由になると考えられます。
ここまで、事業再構築補助金における事前着手申請制度について解説してきました。新しい事業をスピーディーに行っていくためには是非とも利用したい制度となっていますが、直近の2次締切の公募要領には、「第3回公募以降では、事前着手の対象期間の運用について見直しを行う場合がありますので、ご注意ください」とあり、3次締切以降でも制度が継続されるのかについては明言がなされていません。
(出典)公募要領
3次締切以降でも事前着手申請制度が継続されるかの判断は非常に難しいですが、あくまで弊社の推測としては、緊急事態宣言の延長もあったことから、大幅な見直しは行われないと予想しています。7月末にも第3回の公募の詳細発表がある予定です。
発表が有り次第速やかに本コラムで取り扱っていく予定です。
株式会社プランベースは、東京大学経済学部/経済学院で経営学を学んだメンバーがその知見を活かして日本の中小企業の価値を高めるために創業した中小企業向けコンサルティング会社です。補助金申請について分からない点・お悩みの点などありましたらいつでもご相談ください!
▼お問い合わせはこちら
https://planbase.co.jp/lp/saikouchiku/
村上 貴弘
東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。
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