事業再構築補助金採択後の流れ

COLUMN お役立ちコラム

2023.08.28

事業再構築補助金

【2023年8月最新版】事業再構築補助金の採択後の流れとは?必要な手続きや書類についても解説!

中小企業の新事業実施を支援する事業再構築補助金は、採択された後にもさまざまな手続きが必要です。そこで本記事では、事業再構築補助金の採択後の流れについて、丁寧に解説します。

事業再構築補助金の採択後に行う手続きの重要性

事業再構築補助金の採択後に行う手続きの重要性

事業再構築補助金は採択されて終わりではありません。採択後に必要な手続きを完了させなければ補助金が支給されないため、漏れなく指定された手続きを踏む必要があります。しかし、手続きが煩雑で何をすればよいのかわからないというケースもあるでしょう。期限も定められているため、できるだけ早めに手続きを行うことが重要です。 以下、採択後の手続きの流れや必要書類について解説します。

事業再構築補助金は採択されただけではもらえない

事業再構築補助金は採択されただけではもらえない

事業再構築補助金を申請し採択された後、自動で補助金がもらえるわけではありません。ここでは、事業再構築補助金の申請手順について解説します。

申請回数は全部で2回

事業再構築補助金をもらうためには、全部で2回の申請が必要です。1回目は公募期間中に行い、2回目は交付を受ける際に行います。申請が採択された後に交付申請が必要になるため、忘れずに実施しましょう。

補助金を受け取るためには交付申請が必要

採択されたら補助金がもらえるわけではなく、採択後に交付申請をすることで補助金の交付が決定するという流れです。交付申請をしなければ補助金の交付を受けることができないため、採択の通知が来た後は速やかに交付申請を行いましょう

交付決定を受けた後に事業をスタートする

採択後は申請時に提出した計画に沿って補助事業を始めることになりますが、補助事業のスタートは交付決定の通知が来るまで待つ必要があります。交付決定の前に補助事業を始めてしまうと補助金の対象経費とみなされないため、補助金が交付されないこともあります。補助金を全額受け取るためにも、速やかな交付申請が重要です。

採択後に必要な手続きの流れ

採択後に必要な手続きの流れ

事業再構築補助金が採択された後に必要な手続きは、以下のとおりです。 1.採択結果の確認 2.交付申請 3.交付決定通知書の受領 4.補助事業の開始 5.実績報告書の提出 6.確定検査 7.精算払請求書の提出 8.補助金の受領 それぞれの手続きについて、以下で詳しく解説します。

1.採択結果の確認

まずは、申請の結果を確認しましょう。採択発表日になると、採択結果がポータルサイトで確認できるようになるため、確認しておきましょう。通常は、申請の締め切り後2~3か月後に採択結果が通知されるようになっています。 採択結果の確認が遅くなってしまうと補助事業を実施し完了するまでの期間が短くなる可能性もあるため、しっかりとチェックしておくことが重要です。また、このタイミングで辞退することも可能なため、何らかの事情で事業が行えなくなった場合は辞退手続きを行いましょう。

 採択前に補助対象経費を支払うことも可能です。ただし、採択前に支払う場合は事前着手申請が必要になります。事前に申請していない場合は、採択前に経費を支払っても補助対象にはなりません。

2.交付申請

採択結果を確認した後は、交付申請を行います。電子申請システムから交付申請することが可能です。また、事業再構築補助金の交付申請には、必要書類があります。必要書類については後述するため、そちらを参考にしてください。 

提出書類に不備がある場合や提出書類が足りない場合は、事業開始時期が遅れてしまうことがあります。そのため、交付申請をする前に必要な書類をしっかりと確認して、不備や不足がないよう事前に準備しておきましょう。 

また、交付申請時に計画の変更も可能です。計画の変更をしたいという事業者は、変更内容や理由を記載した書類を用意して手続きをする必要があります。ただし、変更できない場合もあるため、疑問がある場合は事務局に問い合わせてみましょう。

3.交付決定通知書の受領

交付申請書を提出すると、事務局から交付決定通知書が発行されます。交付決定通知書は補助金電子申請システムであるJグランツのマイページに届くため、確認しておきましょう。

交付規定によれば、交付申請書が事務局に届いてから1か月程度で交付が決定し、交付決定通知書が出されることになっています。 【事業再構築補助金】交付規定

4.補助事業の開始

交付決定通知書を受領した後は、実際に補助事業を開始します。補助事業実施期間内にすべての補助事業を完了させる必要があるため、注意しましょう。機材やシステムの納品や導入、検収、経費の支払いなどをすべて完了させなければいけません。

補助事業実施期間は、申請した枠によって異なります。たとえば、通常枠の場合は交付が決定したから12か月以内(採択発表日から14か月後まで)です。つまり、4月に採択され5月に交付が決定した場合は、5月~翌年5月までの12か月間となります。4月に採択され7月に交付が決定したケースでは、7月~翌年6月までの11か月間と実施期間が短くなるため、交付申請の遅れには注意しましょう。また、期間内にかかった費用でも、補助事業に関わらない経費は対象外となります。

5.実績報告書の提出

補助事業完了後には実績報告の提出が必要です。補助事業完了後30日以内に提出が必要なため、忘れずに実績報告書を作成して提出しましょう。必要書類については後述するため、そちらを参考にしてください。 

実績報告書の形式は、事業再構築補助金の公式サイトに掲載されています。公式サイトでは実績報告書等作成マニュアルも公開されているため、マニュアルを参考にしながら実績報告書を作成するとよいでしょう。 

実績報告書の提出を忘れてしまうと、補助金が支払われません。そのため、早めに実績報告書を作成するなど、期限日に間に合うように準備を進めておくことが重要です。 

※参考※【事業再構築補助金】実績報告書作成マニュアル・添付資料一覧

6.確定検査

実績報告書を提出した後は、確定検査が行われます。確定検査とは、実績報告書の内容と実態が異なっていないかをチェックするための検査です。たとえば、補助事業実施期間中に見積もりや契約~支払いまで完了している経費のうち、補助事業に使用した経費のみが申請されているかどうかなどが確認されます。 

また、建物や機械設備、システムの導入など、補助事業の内容や成果をチェックするために、事務局が事業実施場所を訪問するケースもあるようです。 実績報告書の内容と実態に相違がなければ、補助金額が確定します。補助金額確定の通知は、Jグランツのマイページに通知されるため、実績報告書を提出した後はこまめに確認しておくとよいでしょう。

7.精算払請求書の提出

Jグランツのマイページから補助金確定通知書を確認した後は、精算払請求書を提出します。補助金額が確定したからといって、自動で振り込まれるわけではありません。清算払請求書は「様式第9-2 補助金精算払請求書」をもとに作成します。

精算払請求書の作成には、補助金交付決定額や補助金確定額といったデータが必要になるため、あらかじめ用意しておきましょう。また、精算払請求は、補助金額が確定した後でなければ行えません。

8.補助金の受領

精算払請求書が承認されると、一定の期間を経てついに補助金を受領することができます。一般的には、承認されてから2週間~2か月ほどで補助金が指定した口座へ振り込まれるようです。 

以上のように、事業再構築補助金に採択された後は、交付申請を経て補助事業を実施し、実績報告書の提出、精算払請求書の提出、補助金の受領という流れで手続きが進みます。たとえば、4月に採択され5月に交付決定通知書を受け取った場合には、スムーズに報告書や請求書の提出が進めば6月~8月頃には補助金が振り込まれることになるでしょう。報告書の提出などが遅れれば、振込日も遅れることになります。

 このように、事業完了から補助金の振り込みまでには数カ月の時間がかかります。そのため、振り込みまでの流れを把握しておき、計画的に行動することが重要です

事業再構築補助金の採択後に必要になる書類

事業再構築補助金の採択後に必要になる書類

事業再構築補助金の採択後は、さまざまな書類が必要です。ここでは、交付申請時に必要な書類と実績報告時に必要な書類を解説します。

交付申請の必要書類

法人か個人事業主かに合わせ、以下の書類はすべての補助事業者が提出を求められます。

対象事業者 必要書類
すべての事業者 ・交付申請書別紙1 ・見積依頼書および見積書 ・建物日、機械装置・システム構築費の追加書類
法人事業者 ・履歴事項全部証明書 ・決算書
個人事業主 ・確定申告書 ・青色申告および白色申告書

また、以下の書類は該当事業者のみ提出が求められます。

該当者のみ提出する必要書類

・交付申請書別紙2 
・海外旅費の詳細 
・事前着手承認のお知らせメールデータ
 ・補助対象経費により取得(改修)する建物に係る宣誓・同意書

実績報告の必要書類

実績報告の際に必要な主な書類は以下のとおりです。

実績報告の主な必要書類

・様式第6実績報告書
・様式第6の別紙1 および別紙4
・様式第6の別紙2および別紙3
・預金出納帳、現金出納帳
・補助対象物件受払簿
・様式第7取得財産等管理台帳(取得財産などがある場合)
・報告書(建物費を計上されていて、建築予定地の根抵当権設定有無において同意事項がある補助事業者のみ)
・経費に関わる見積書、相見積書、契約書など

また、補助対象経費の項目によって下表のような書類の提出が必要となります。

補助対象経費 必要書類
専門家経費 ・専門家就任承諾書 ・専門家業務報告書 ・預り金元帳 ・納付書コピーなど
旅費 ・旅費明細書 ・宿泊証明書
海外旅費 ・海外渡航計画書など

これらに加え、グローバルV字回復枠、卒業枠で事業再構築補助金を申請・承認されている場合には、類型ごとの書類提出が求められます。 実績添付資料一覧表」を確認しましょう。

手続きに関する問い合わせ先

事業再構築補助金の採択後手続きなどに関して、相談がある場合には以下の問い合わせ先が利用できます。

【事業再構築補助金事務局コールセンター】
 営業時間: 土日祝を除く9:00~18:00 
電話番号:0570-012-088または 03-4216-4080 

【事業再構築補助金事務局システムサポートセンター 】
営業時間: 土日祝を除く9:00~18:00 
電話番号:050-8881-6942

また、上記の機関以外にも、中小企業庁の公式サイト内にある「よくあるご質問(Q&A)」も参考になります。 

※参考※中小企業庁「よくあるご質問」

まとめ

まとめ

事業再構築補助金は、申請が採択された後にもさまざまな手続きがあります。決められた期限内に手続きを終わらせなければ補助金を受け取れないケースもあるため、採択後の手続きの流れや必要書類などをしっかりと把握し、計画を立てて申請を進めましょう。 

株式会社プランベースは、経済産業省認定支援機関として事業再構築補助金をはじめとした補助金制度の申請、採択後のサポートを行っています。採択件数には豊富な実績があり、採択後の複雑な手続きもサポートします。

補助金採択後の手続き等にご不明点がある方や事業再構築補助金の申請を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。 

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この記事の執筆者

村上 貴弘

村上 貴弘

東京大学経済学部卒。
中小企業診断士、行政書士。
2019年株式会社プランベース創業。
2021年meditips行政書士事務所開業。
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業など幅広い業種の補助金申請支援実績が豊富。特に事業再構築補助金やものづくり補助金、成長投資補助金といった大規模な補助金の申請に強みを持つ。